会社更生法 第182条(吸収分割)
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吸収分割に関する条項においては、吸収分割契約において定めるべき事項を定めなければならない。
この条文の基本情報
吸収分割とは何ですか?
定義吸収分割とは、会社更生法第182条に定められた規定で、「吸収分割に関する条項においては、吸収分割契約において定めるべき事項を定めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第182条(吸収分割)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第182条の条文原文は「吸収分割に関する条項においては、吸収分割契約において定めるべき事項を定めなければならない。」で始まります。
- 会社更生法第182条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第182条の前の条は会社更生法第181条です。
- 会社更生法第182条の次の条は会社更生法第182条の2です。
- 会社更生法第182条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第182条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第182条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/182
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法182条は、更生計画に吸収分割を定める場合、会社法上の吸収分割契約事項を計画書に記載しなければならないと定める規定である。
Q · 会社更生の計画に「吸収分割」と書いてあったら、何が決まるの?
会社法上の吸収分割契約事項を計画に記載する必要があります
会社更生法182条により、更生計画に吸収分割を定める場合は、会社法が吸収分割契約で定めるべきとする事項(承継会社、移転する権利義務、対価、効力発生日等)を計画書に記載しなければなりません。つまり、傾いた会社のどの事業・資産・債務がどの健全な会社へ移るかが、計画書の別紙『承継する権利義務の明細』に列挙されます。あなたの債権が承継対象に入っているか残存側かは、この記載で確定するため、債権者集会の議決前に確認することが重要です。
解説
取引先の大手メーカーが会社更生手続に入った。あなたはそこに3,000万円を売り掛けている債権者だ。やがて届いた分厚い更生計画案に「吸収分割」の文字が並ぶ。これは、傾いた会社の中でまだ儲かっている工場部門だけを切り出し、別の健全な会社へ丸ごと引き継がせる手続だ。会社更生法182条は、計画にこの吸収分割を盛り込むなら、会社法上の吸収分割契約で定めるべき事項(どの資産・負債・契約を、どの会社へ、いくらの対価で移すか)を計画書にすべて書き込めと命じる。なぜこれがあなたの命綱になるのか。移される「承継対象」にあなたの売掛債権が含まれていれば、回収先は健全な承継会社へ移る。含まれていなければ、債務だけ残った抜け殻会社に取り残される。その一覧表を読み解けるかどうかで、3,000万円が返る側か焦げ付く側かが分かれる。
法的な位置づけ
会社更生法182条は、更生計画における吸収分割に関する条項を定める規定であり、計画に吸収分割を盛り込む場合には、会社法が吸収分割契約で定めるべきとする事項を当該条項に記載すべきことを要求する。事業の切り出しによる再建手段の内容を、計画書上で特定・開示させる機能を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.更生計画案が届いたら吸収分割条項を真っ先に開く 計画案を本文の頭から読むのではなく、吸収分割に関する条項と別紙『承継する権利義務の明細』から先に確認する。自分の債権・契約名が承継対象に列挙されているか、残存側に残るかを特定する
- 2.承継対象から外れていれば議決前に意見を出す 自分の債権が承継会社へ移らず残存側に置かれている場合、債権者集会の議決前に、管財人または裁判所へ書面で異議・意見を提出する。認可決定の確定後は振り分けが覆らない
- 3.同じ立場の債権者と議決権を束ねる 一人の反対では計画は止まらないため、同じ組に属し同様に不利益を受ける債権者と連携し、組ごとの多数決で反対票を束ねられないか検討する。議決権の組分けと数を確認する
- 4.従業員なら労働契約承継の異議期限を守る 承継対象事業の従業員で承継先に異議がある場合、労働契約承継法に基づく催告書記載の異議申出期限内に申し出る。期限を過ぎると配属が確定する
- 5.判断が難しければ倒産法に強い弁護士へ早めに相談 債権額が大きい、または承継対象の解釈が曖昧な場合は、議決集会の期日から逆算して早めに倒産法に強い弁護士へ相談する
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生の吸収分割とは何ですか?
倒産企業の中でまだ価値のある事業を、既存の健全な会社へ丸ごと引き継がせる手続です。会社更生法182条は、これを更生計画に盛り込む際の記載事項を定めます。
Q2会社更生と民事再生の違いは何ですか?
会社更生は株式会社限定で管財人が経営権を握る強力な手続、民事再生は規模を問わず原則として従来の経営陣が事業を続ける手続です。会社更生の方が大型倒産向けです。
Q3更生計画はいつ確定しますか?
債権者集会の組ごとの多数決で可決され、裁判所の認可決定が確定した時点で効力が生じます。確定後は吸収分割の振り分けも覆りません。
Q4吸収分割と新設分割の違いは何ですか?
吸収分割は既存の会社へ事業を承継させ(182条)、新設分割は新たに設立する会社へ承継させます(183条)。受け皿が既存か新設かが違いです。
Q5会社更生で従業員の雇用はどうなりますか?
吸収分割の承継対象事業に従事していれば、労働契約承継法により雇用契約も承継会社へ移ります。部門の線引き次第で承継先が変わります。
Q6更生計画案はどこで確認できますか?
管財人から債権者へ送付される計画案と、裁判所に提出される書類で確認できます。吸収分割の内容は別紙『承継する権利義務の明細』に記載されます。
Q7会社更生の債権者集会とは何ですか?
更生計画案の可否を債権者が議決する集会です。債権の種類ごとに組分けされ、組ごとの多数決と裁判所の認可で計画が成立します。
Q8吸収分割の対価は誰が受け取りますか?
原則として分割をする会社(更生会社)が対価を受け取ります。会社更生法182条はこの対価を含む吸収分割契約事項を計画に記載するよう求めます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が会社更生になりました。私の売掛金は、分割で切り出される良い会社の方に付いていくんですか?
それは更生計画の吸収分割条項と承継対象の明細次第です。会社更生法182条により、計画には会社法上の吸収分割契約事項(どの権利義務を承継会社へ移すか)を明記しなければなりません。あなたの債権が承継対象に列挙されていれば健全な承継会社へ、外れていれば残存側に留まります。実務のポイント:承継対象の線引きは管財人が事業再建の都合で設計するため、回収が見込める資産ほど承継会社へ、焦げ付きそうな債務は分割会社へと振り分けられがちです。明細に自分の名がなければ、議決前に異議を出すことで扱いが変わる余地がある
Q2更生計画に反対したら、この吸収分割は止められますか?
あなた一人の反対では止まりません。会社更生の更生計画は債権者集会の組ごとの多数決と裁判所の認可で成立し、個別の同意は不要です。ただし反対債権者の権利を不当に害する内容なら、認可されない場合があります。実務のポイント:通常の会社分割なら債権者異議手続で個別に物が言えますが、更生手続ではそれが集団の議決に置き換わります。だからこそ『一票』より『同じ立場の債権者をまとめて反対票を束ねる』方が効く。議決権の組分けと数の力学を読むのが、倒産弁護士が水面下でやっていることです
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社更生は株主と経営陣の問題で、いち債権者には関係ない」と距離を置く人は多い。確かに手続の主役は管財人と裁判所だ。だが吸収分割で事業が切り出される瞬間、あなたの債権がどの会社に紐づくかが確定する。仕組みは知っていても、その振り分けが自分の回収率を直接左右するという深刻さに、多くの人は気付いていない
- 「会社分割なら、債権者一人ひとりの同意が要るはず」と思いがちだが、会社更生手続の中では、通常の会社法上の債権者保護手続(個別催告など)が更生計画の認可と債権者集会の議決に置き換わる。あなたの同意は個別には取られず、計画全体への多数決へ吸収される
- 「吸収分割に書いてある資産だけ見ればいい」という問いの立て方そのものが危うい。本当に見るべきは、何が承継『されない』かだ。書かれなかった債権や負債が分割会社(残る側)に取り残される構造こそが、あなたの立ち位置を決める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 受け皿となる会社 | 182条 吸収分割:既存の健全な会社が事業を承継 | 181条 合併:相手会社と一体化(合併条項) 183条 新設分割:新たに設立する会社が承継 |
| 計画への記載要件 | 会社法上の吸収分割契約で定めるべき事項を記載 | 合併契約で定めるべき事項を記載 新設分割計画で定めるべき事項を記載 |
| 債権者の関心点 | 自分の債権が承継会社へ移るか残存側に残るか | 合併後の存続会社へ債権が引き継がれるか 新設会社へ債権が承継されるか残るか |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の公司重整でも重整計畫に組織再編の内容を記載させる構造で、事業の切り出しは企業併購法の分割規律と接続する点が日本と類似する
ドイツでは倒産計画(Insolvenzplan)の中で会社法上の組織再編(Umwandlungsgesetz の Spaltung)を実施でき、倒産法と組織再編法を架橋する点が日本と共通する
米 Chapter 11では再建計画に資産の分割・譲渡(sale/transfer of assets)の内容を記載でき、会社更生法の母法的位置にある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの売掛債権が吸収分割の承継対象リストから外されていたら? 健全な承継会社ではなく、債務超過のまま残る分割会社に請求するしかなくなる。更生計画案の別紙『承継する権利義務の明細』を、議決権を行使する前に最後の一文字まで確認する理由がここにある
- あなたが切り出される工場部門の従業員なら、労働契約承継法によって雇用契約も承継会社へ移る。だが部門の線引き次第で、あなたが抜け殻側の分割会社に残されるか、存続側の承継会社へ移るかが決まる。異議申出の期限を逃せば、配属はそのまま確定する
- 更生計画案が郵送されてきた。議決のための債権者集会まで、あと数週間。吸収分割条項の細部を読み込み、自分の債権がどちらへ振り分けられるかを判断する時間は、もう限られている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 更生計画案が届いたら、本文より先に吸収分割条項と別紙『承継する権利義務の明細』を確認し、自分の債権・契約が承継対象か残存側かを特定する2. 承継対象から外れていれば、債権者集会の議決前に管財人へ書面で異議・意見を提出する3. 従業員なら、労働契約承継法に基づく異議申出の期限(催告書記載の期限)を厳守する4. 自力判断が難しければ、倒産法に強い弁護士へ、議決集会の期日から逆算して早めに相談する
訴えられた側:1. 吸収分割を計画に盛り込むなら、会社法758条が定める吸収分割契約の必要事項(承継会社、承継する権利義務、対価、効力発生日等)を漏れなく計画書に記載する。記載漏れは認可の障害になる2. 承継対象の範囲を明確に画定し、残存債権者を不当に害する詐害的構造を避ける3. 従業員の労働契約承継について、労働契約承継法の協議・通知手続を履践する4. 反対が予想される債権者の議決権数を事前に試算し、可決要件を満たす計画設計を行う
時効(請求できる期限):本条自体に固有の期限はないが、吸収分割条項を含む更生計画案への異議・意見は債権者集会での議決前まで、計画の効力は裁判所の認可決定の確定により生じる。労働契約の承継に異議があれば、労働契約承継法に基づく催告書記載の異議申出期限内に申し出る必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年)会社法整備 会社法の制定に伴う整備により、吸収分割に関する参照が旧商法の概念から会社法(758条等)の枠組みへ整合化された。計画に記載すべき吸収分割契約事項が会社法の規律に揃えられた
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)。旧法を全面的に改め、更生計画における組織再編条項として吸収分割に関する規定を整備した
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、吸収分割に関する参照が会社法(758条等)の枠組みへ整合化され、計画に記載すべき吸収分割契約事項が会社法の規律に揃えられた
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