会社更生法 第20条(疎明)
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- 更生手続開始の申立てをするときは、第十七条第一項に規定する更生手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。
- 2.第十七条第二項の規定により債権者又は株主が申立てをするときは、その有する債権の額又は議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。)の数をも疎明しなければならない。
この条文の基本情報
疎明とは何ですか?
定義疎明とは、会社更生法第20条に定められた規定で、「更生手続開始の申立てをするときは、第十七条第一項に規定する更生手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第20条(疎明)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第20条の条文原文は「更生手続開始の申立てをするときは、第十七条第一項に規定する更生手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。」で始まります。
- 会社更生法第20条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第20条の前の条は会社更生法第19条です。
- 会社更生法第20条の次の条は会社更生法第21条です。
- 会社更生法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第20条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法20条は、更生手続開始の申立てに証明ではなく疎明で足りると定める。疎明は手元の書類で即時に取り調べられる証拠による必要がある。
Q · 会社更生を申し立てるには、取引先が倒産することを証明しないとダメ?
証明は不要。「一応確からしい」と思わせる疎明で足りる
会社更生法20条は、更生手続開始の申立てに「疎明」を求めます。疎明は裁判官に確信を抱かせる「証明」より低い証明度で、「一応確からしい」と思わせれば足ります。ただし民事訴訟法188条により、疎明は即時に取り調べられる証拠(手元の書類)でする必要があり、後日の証人尋問や鑑定での補完は原則できません。債権者・株主が申し立てる場合は、資本金の10分の1以上の債権額や議決権数も併せて疎明します。
解説
取引先の会社が代金を払わず、資金繰りが怪しい。あなたがその会社に相当額の債権を持つ債権者なら、会社更生手続の開始を裁判所に申し立てる道がある。だがここで多くの人が誤解する。「倒産しそうだと証明しなければならないのだろう」と。違う。20条が求めるのは「疎明」であって「証明」ではない。証明は裁判官に確信を抱かせること、疎明は「一応確からしい」と思わせれば足りる、ぐっと低いハードルだ。しかも民事訴訟法188条により、疎明は即時に取り調べられる証拠、つまり手元の書類でしなければならず、後日証人を呼ぶといった悠長なことはできない。さらに債権者や株主が申し立てるなら、自分の債権額や議決権数も疎明する必要がある。会社更生は資本金の10分の1以上の債権を持つ債権者でも起こせる。この一条は、苦境の会社を法的整理の土俵に引きずり込む入口の鍵を、誰がどんな証拠で握れるかを定めている。
法的な位置づけ
会社更生法20条は、更生手続開始の申立てにおける疎明責任を定める規定である。申立人は同法17条1項の開始原因事実を疎明すれば足り、確信レベルの証明までは要しない。債権者または株主が申立人の場合、その有する債権額または議決権数についても疎明を要する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申立権の有無を真っ先に確認 債権者として申し立てるなら、自分の債権が会社の資本金の額の10分の1以上に当たるかを確認する(会社更生法17条2項)。株主なら総株主の議決権の10分の1以上を持つかを確認する。要件を欠くと入口で却下される
- 2.開始原因事実の疎明資料を手元書類で整える 17条1項の開始原因(破産手続開始の原因となる事実が生ずるおそれ等)が一応確からしいと示す資料を集める。不渡り情報、支払停止の通知、債務超過がうかがえる決算書、督促への無回答記録などを、即時取調べできる形(民訴188条)で準備する
- 3.自己の債権額・議決権数の疎明資料を揃える 債権者・株主申立ての場合は20条2項により自己の債権額または議決権数も疎明する。契約書、請求書、納品記録、株主名簿の写しなど、金額・数を客観的に裏づける書類を併せて提出する
- 4.申立てと同時に保全処分を検討 申立てと併せて保全処分や他手続の中止命令を検討し、申立てから開始決定までの間の資産流出を止める。会社更生・民事再生・破産のどれが回収最大化につながるかを弁護士と初動で見極める
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法とは何ですか?
経営困難な株式会社を清算せず再建するための倒産処理手続です。裁判所の監督下で更生計画を立て、債権者・株主の利害を調整しながら事業の継続を図ります。主に大企業の再建で用いられます。
Q2会社更生と民事再生はどう違いますか?
会社更生は株式会社専用で原則として管財人が経営権を握り、担保権者も手続に取り込まれます。民事再生は法人・個人を問わず使え、原則として現経営陣が残り(DIP 型)、担保権は別除権として手続外です。
Q3会社更生の申立てに費用はいくらかかりますか?
裁判所に予納金を納める必要があり、会社の規模により数百万円〜数千万円に及ぶことがあります。会社更生法21条が予納を定めており、予納がないと手続が進みません。
Q4取引先が会社更生したら売掛金は回収できますか?
売掛金は更生債権として扱われ、個別の取立ては禁止されます。回収は更生計画に基づく弁済まで待たされ、満額回収できないことも多いため、早期の債権届出が重要です。
Q5会社更生の申立てに必要な書類は何ですか?
申立書のほか、開始原因事実を疎明する手元の資料(不渡り情報、支払停止の通知、決算書など)が必要です。債権者申立てなら自己の債権額を疎明する契約書・請求書も揃えます。
Q6疎明資料にはどんなものが使えますか?
不渡り情報、支払停止の通知、債務超過がうかがえる決算書、督促への無回答記録などです。民訴188条により申立て時に即時取調べできる手元の書類であることが要件です。
Q7会社更生の申立ては後から取り下げできますか?
会社更生法22条により、開始決定後は裁判所の許可がなければ取下げできません。申立てが会社の信用や手続に重大な影響を与えるため、自由な撤回が制限されています。
Q8株主も会社更生を申し立てられますか?
申し立てられます。会社更生法17条2項により、総株主の議決権の10分の1以上を持つ株主に申立権があります。その際は20条2項で議決権数の疎明も必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1「疎明」と「証明」はどう違うんですか?
証明は裁判官に「確かにそうだ」という確信を抱かせるレベル、疎明は「一応確からしい」と思わせれば足りる、ぐっと低い証明度です(民事訴訟法188条)。さらに疎明は即時に取り調べられる証拠、つまり手元の書類で行う必要があり、後日証人尋問で補うという方法は使えません。実務のポイント:会社更生・民事再生・破産の申立て、そして仮差押え・仮処分まで、倒産と保全の入口はほぼすべて疎明で足ります。この「証明はいらない」という一点を知っているかどうかで、初動のスピードと心理的ハードルがまるで変わる。
Q2債権者でも会社を更生手続に追い込めるんですか?
追い込めます。会社更生法17条2項は、資本金の額の10分の1以上に当たる債権を持つ債権者(または総株主の議決権の10分の1以上を持つ株主)に申立権を認めています。その際は20条2項で、自分の債権額や議決権数も疎明しなければなりません。実務のポイント:会社更生は実務上、巨大企業の再建で使われ、申立ても会社側からが多い。だが債権者申立ての制度が存在する事実は、交渉のカードとして効きます。「要件を満たす債権者が動けば手続に入る」と相手が認識した瞬間、任意の弁済交渉の空気が変わる。
Q3疎明する資料って、完璧な財務分析がいるんですか?
いりません。20条が求めるのは17条1項の開始原因事実、つまり「破産手続開始の原因となる事実が生ずるおそれ」などが一応確からしいと思わせる手元の資料です。不渡り情報、支払停止の通知、債務超過がうかがえる決算書、督促への無回答記録などで足ります。実務のポイント:申立てが入口で蹴られる典型は、立派な分析を作ろうとして即時取調べ要件を満たさない資料(後日の鑑定前提など)を出すケース。完璧さより「今この場で裁判官が確かめられるか」が分かれ目です。
間違えやすい点 AI による整理
- 「倒産することを証明しないと申立ては通らない」と思い込みがちだが、20条が要求するのは疎明であって証明ではない。裁判官に「一応確からしい」と思わせる程度で足りる。証明という高い壁を勝手に立てて、動けるはずの債権者が動かないのが最も多い取りこぼしだ。
- 「疎明でいい」と知っている人でも、即時取調べ要件の重さを見落としている。疎明は今この場で取り調べられる証拠、つまり手元の書類でしなければならず(民事訴訟法188条)、「あとで鑑定書を出します」「後日証人を呼びます」は通らない。証明度が低い代わりに、即時性という別の縛りが効いている。
- 「債権者は会社の内部資料を持っていないから申立てなどできない」と諦める人が多いが、その問いの立て方自体がずれている。必要なのは完璧な財務分析ではなく、不渡り・支払停止・債務超過をうかがわせる手元の徴憑だ。何を揃えれば足りるかを知れば、土俵は思うより近い。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 20条:申立て時の疎明責任(証明より低い証明度) | 17条:開始原因事実と申立権者を定める母規定 21条:費用の予納(手続を進める前提) |
| 求められる証明度 | 疎明(一応確からしい+即時取調べ可能な手元書類) | 実体要件として開始原因事実の存在を要求 予納金という金銭的要件 |
| 欠けた場合の効果 | 疎明不足で申立て却下のリスク | 申立権・開始原因を欠けば却下 予納がなければ手続不開始 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社の重整を公司法に置き、聲請の段階で重整の必要性・可能性を裁判所が審査する。日本の更生開始原因の疎明に相当する初期審査が存在する。
韓国は2006年施行の統合倒産法で会社更生・和議・破産を一本化した。回生手続の開始申請でも開始原因の疎明的な裏づけが求められる。
ドイツは統一的な倒産手続(Insolvenzverfahren)の中で再建を扱い、開始申立て(Eröffnungsantrag)で支払不能等の開始原因を疎明(glaubhaft machen)する構造をとる。
米国は Chapter 11が日本の会社更生の母法。申立て自体は要件が緩く(good faith が主たる制約)、開始原因の厳格な事前疎明を要しない点で日本と異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先が二か月入金を止め、電話にも出なくなった。あなたがその会社の資本金の10分の1以上に当たる売掛債権を持つなら、会社更生開始を申し立てる側に回れる。鍵は手元の証拠、不渡り情報や督促への無回答記録が、そのまま疎明資料になる。
- あなたの会社に大口債権者から更生開始の申立てがされた。あと数日で裁判所の審尋が入る。申立人が17条2項の債権額要件と20条の疎明を本当に満たしているか、今夜中に精査しないと、入口で却下を求める機会を逃す。
- もし手元に整った財務分析すらなかったら、債権者は更生を申し立てられないのか。答えは否。不渡りや支払停止の徴憑があれば疎明は足りる。完璧な証明はいらない。
- 倒産法を学ぶあなたが最初につまずくのが疎明と証明の差だ。会社更生20条は、その証明度の違いが手続の入口でそのまま効く典型例として、試験でも実務でも繰り返し問われる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分が資本金の10分の1以上に当たる債権を持つ債権者か確認、満たせば17条2項で申立権がある2. 倒産の徴憑(不渡り、支払停止の通知、債務超過がうかがえる決算書、督促への無回答記録)を手元書類として整理、これが疎明資料の中身3. 同時に自分の債権額を疎明する書類(契約書、請求書、納品記録)を揃える4. 申立てと併せて保全処分・他手続の中止命令を検討し資産流出を止める。更生・破産・民事再生のどれが回収最大化かを弁護士と初動で見極める
訴えられた側:1. 債権者から更生開始の申立てがされたら、まず申立人が17条2項の要件(債権額10分の1以上)と20条の疎明を満たしているか精査、欠ければ却下を求める2. 疎明は証明より緩いが反証は可能、財務の健全性や再建可能性を示す資料で対抗する3. 自ら更生を申し立てる選択肢(現経営陣の残留可能性を含む)も同時に検討4. 更生か民事再生かで経営権の帰趨が変わる、専門家と早期に戦略を固める
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。ただし疎明資料は申立て時に即時取り調べられる形で提出する必要があり(民事訴訟法188条)、後日の補完は原則きかず、申立ての瞬間に手元の証拠で勝負が決まる。また17条の開始原因事実は時間とともに悪化するため、保全のタイミングを逃すと回収可能資産が流出する
学説
通説:会社更生法20条の疎明は、17条1項の開始原因事実につき「一応確からしい」と思わせれば足りる低い証明度であり、確信を要する証明とは区別される。民訴188条の即時取調べ要件が課されるため、手元の書類による迅速な提出が求められ、後日の補完は原則きかないと解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年) 会社更生法の全部改正により現行法が成立(旧法は昭和27年制定)。疎明の要件を現行20条として整備し、即時取調べ可能な証拠による疎明という枠組みを引き継いだ
- 平成17年(2005年)会社法制定に伴う整備 会社法の制定に伴い、議決権を有するものとみなされる株式の参照先を会社法879条3項とする形に整えられた。会社法施行は平成18年(2006年)
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正により現行法が成立(旧法は昭和27年制定)。疎明の要件を現行20条として整備し、即時取調べ可能な証拠による疎明という枠組みを引き継いだ。
- 2.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定に伴う整備により、議決権を有するものとみなされる株式の参照先を会社法879条3項とする形に整えられた。会社法施行は平成18年(2006年)。
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