会社更生法 第217条(募集社債を引き受ける者の募集に関する特例)
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- 第百七十七条第四号の規定により更生計画において更生債権者等又は株主に対して同号の募集社債の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合には、更生会社は、これらの者に対し、次に掲げる事項を通知し、かつ、当該権利を有する更生債権者等の更生債権等につき無記名式の新株予約権証券若しくは無記名式の社債券が発行されているとき又は社債、株式等の振替に関する法律第四章の規定(同法その他の法令において準用する場合を含む。)の適用があるときは、当該事項を公告しなければならない。
- 一当該更生債権者等又は株主が割当てを受ける募集社債の種類及び種類ごとの各社債の金額の合計額
- 二第百七十七条第四号の期日
- 三第百七十七条第四号の募集社債の割当てを受ける権利を譲り渡すことができる旨
- 2.前項の規定による通知又は公告は、同項第二号の期日の二週間前にしなければならない。
- 3.第百七十七条第四号の募集社債の割当てを受ける権利を有する者は、更生会社が第一項の規定による通知又は公告をしたにもかかわらず、同項第二号の期日までに募集社債の引受けの申込みをしないときは、当該権利を失う。
- 4.第一項に規定する場合において、第百七十七条第四号の募集社債の割当てを受ける権利を有する更生債権者等又は株主がその割当てを受ける募集社債の数に一に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。
この条文の基本情報
募集社債を引き受ける者の募集に関する特例とは何ですか?
定義募集社債を引き受ける者の募集に関する特例とは、会社更生法第217条に定められた規定で、「第百七十七条第四号の規定により更生計画において更生債権者等又は株主に対して同号の募集社債の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合には、更生会社は、これらの者に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第217条(募集社債を引き受ける者の募集に関する特例)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第217条の条文原文は「第百七十七条第四号の規定により更生計画において更生債権者等又は株主に対して同号の募集社債の割当てを受ける権利を与える旨を定めた場合には、更生会社は、これらの者に…」で始まります。
- 会社更生法第217条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第217条の前の条は会社更生法第216条です。
- 会社更生法第217条の次の条は会社更生法第217条の2です。
- 会社更生法第217条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第217条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第217条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/217
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法217条は、更生計画で社債割当てを受ける権利を得た者への通知・公告義務を定め、申込期日までに引受けの申込みをしなければ権利を失うと規定する。
Q · 更生会社から社債の割当てを受ける権利の通知が来たら、放っておいてもいいの?
ダメ。申込期日までに引受けの申込みをしないと権利を失います
会社更生法217条により、更生会社は社債の種類と金額の合計額、申込期日、権利を譲渡できる旨を通知し、無記名証券保有者や振替法適用者には公告も行います。通知・公告は申込期日の二週間前までにしなければなりません(2項)。重要なのは、権利者が期日までに自分で引受けの申込みをしなければ、その権利は自動的に失われる点です(3項)。会社が改めて催促する義務はありません。引き受けない場合でも、期日前であれば権利を第三者に譲渡して換価できます。割り当てられる社債の数に端数が出れば切り捨てられます(4項)。
解説
取引先が会社更生手続に入った。あなたは更生債権者として、更生計画で「募集社債の割当てを受ける権利」を与えられた。倒れた会社の再建に資金を出す代わりに、新たに発行される社債を引き受けられる権利だ。ところがこの権利、放っておけば消える。会社更生法217条は更生会社にあなたへの通知義務を課す。割り当てられる社債の種類と金額の合計、申込みの期日、そして権利を譲渡できることの三点だ。通知または公告は期日の二週間前まで。そして三項が牙をむく。期日までに引受けの申込みをしなければ、あなたはその権利を失う。誰も催促してくれない。さらに割り当てられる社債の数に端数が出れば、四項により切り捨てられ、一円の補償もない。再建会社への投資チャンスをつかむか見送るか。その判断材料が、たった二週間だけ机に置かれ、二週間で消える。
法的な位置づけ
会社更生法217条は、更生計画において募集社債の割当てを受ける権利が与えられた場合の通知・公告義務と失権効を定める規定である。更生会社は権利者に社債の種類・金額の合計額、申込期日、譲渡可能である旨を通知し、権利者が期日までに引受けの申込みをしないときはその権利を失う。会社法の一般的な募集社債手続(676条以下)の倒産手続上の特例として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知・公告を受け取ったら申込期日を最優先で確認 通知書または公告を受け取ったら、まず1項2号の「申込みの期日」を確認し、最優先でカレンダーに記入する。倒産通知の束に紛れて後回しにすると、二週間はあっという間に過ぎる
- 2.割り当てられる社債の条件を精査し与信判断 1項1号の社債の種類・金額の合計額・利率・償還条件を精査し、再建途上の会社に資金を出す価値があるかを与信・資金繰りの両面から判断する。社内決裁の所要日数を逆算する
- 3.引き受けるなら期日までに引受けの申込み 引き受ける判断をしたら、申込期日までに必ず引受けの申込みを行う。申込書の様式・提出先・締切時刻を事前に確認する。申込みがなければ3項により自動的に失権する
- 4.引き受けないなら期日前に権利を譲渡して換価 自社で引き受ける資金がない場合、1項3号の譲渡権を使い、期日前に割当権ごと第三者へ譲渡して対価を得る。失権させて価値ゼロにするか換価するかは、早く動いた者だけの選択肢
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法217条とは何ですか?
更生計画で募集社債の割当てを受ける権利が与えられた場合の、更生会社の通知・公告義務と、期日までに申し込まない権利者の失権を定める規定です。
Q2社債割当ての通知はいつまでにされますか?
通知または公告は、引受けの申込みの期日の二週間前までにしなければなりません(217条2項)。権利者が検討できる実質期間は二週間しかありません。
Q3募集社債の割当てを受ける権利は譲渡できますか?
できます。217条1項3号により、割当てを受ける権利は譲渡可能です。自社で引き受けられない場合、期日前に第三者へ譲渡して換価する選択肢があります。
Q4更生会社の通知に書かなければならない事項は?
割当てを受ける社債の種類と種類ごとの金額の合計額、申込みの期日、権利を譲渡できる旨の三点です(217条1項各号)。
Q5割り当てられる社債に端数が出たらどうなりますか?
217条4項により、一に満たない端数は切り捨てられます。補償はありません。期待した口数に満たない可能性があります。
Q6会社更生の社債割当ては会社法の社債手続と何が違いますか?
会社法676条以下の通常の募集社債手続の特例です。申込みの起算や失権のルールが異なり、平時の感覚で構えると期日を逃します。
Q7更生債権者でなくても割当権を得ることがありますか?
あります。217条は更生債権者等のほか株主にも、更生計画の定めにより社債割当てを受ける権利が与えられる場合を規定しています。
Q8通知の二週間要件を満たさない場合どうなりますか?
二週間前までという2項の要件を欠く通知・公告は効力が否定されうるため、失権を免れる主張の余地が生まれます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1割当ての通知は来たけど、申込みをしないとどうなるんですか?
217条3項により、期日までに引受けの申込みをしなければ、その割当てを受ける権利は失われます。会社が改めて催促する義務はなく、沈黙していれば自動的に失権します。実務のポイント:実務では「権利を与えられた=もう社債がもらえる」と誤解して動かないうちに期日を過ぎる権利者が一定数出ます。倒産実務の弁護士は、通知を受けたら申込書の様式と提出先、締切時刻までその場で確認します。権利付与と引受申込みは別の行為だという一点を知っているかどうかで、結果が分かれます
Q2自分には通知が届かなかったのに、公告だけで権利が失われることはありますか?
あり得ます。217条1項は、無記名式の新株予約権証券・無記名式の社債券が発行されている場合や振替法の適用がある場合、個別通知に加えて公告で足りる構造です。公告がされていれば、あなたが見落としても手続上は周知されたものとして扱われます。実務のポイント:無記名証券や振替口座で社債・権利を持つ人は、自分宛ての郵便だけを待っていると気付かないまま失権します。更生手続が始まった取引先がある場合は、官報や会社の公告を定期的に自分から確認するのが、権利を守る側の動き方です
間違えやすい点 AI による整理
- 「権利を与えられたのだから、いずれ会社が手続を進めてくれる」と思いがちだが、217条三項は逆の構造をとる。あなたが期日までに自分で引受けの申込みをしなければ、権利は自動的に失われる。更生会社の義務は通知・公告までで、申込みはあなた自身の責任だ
- 通知義務があることは知っていても、その期限の短さを甘く見ている人が多い。二項の「期日の二週間前」とは、申込みを検討できる実質期間が二週間しか残らないという意味。社内の与信判断と資金手当をこの間に終えるのは、想像以上に過酷だ
- あなたから見れば「もらえる権利」だが、更生手続から見れば「早く確定させるべき不確定要素」である。だから失権という強い効果で早期に決着をつける。この温度差を理解しないまま、なぜこんなに急かされるのかと戸惑っているうちに期日を逃す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 217条:募集社債の割当てを受ける権利の通知・失権 | 177条:更生計画で社債割当権を与える旨の定め 175条:募集株式の割当てを受ける権利(並行的特例) |
| 局面 | 計画認可後、社債割当権の行使・確定手続 | 更生計画の内容として権利を創設する段階 社債ではなく株式の割当てに関する手続段階 |
| 権利者の行為 | 期日までに引受けの申込みが必要、不申込みで失権 | 計画上の定めを受けるのみ(具体的手続は217条) 株式について同様に申込み・失権が問題となる |
| 端数処理 | 社債の数の端数は切捨て(4項)、補償なし | 規定なし(権利創設条項) 株式の端数についても切捨て処理が問題となる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も裁判所監督下の重整手続で重整計画に基づく新証券の処理を予定するが、社債割当権の失権を明文の単一条文で定める日本型の構造とは整理が異なる
韓国は回生計画に基づく社債・株式の発行を統合倒産法で規律。再建会社への資金供給と権利確定の両立を図る点で日本と思想を共有する
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)の中で債権の株式化等の資本措置を認める。社債割当ての失権という個別手続よりも計画全体の効力で処理する傾向がある
米国 Chapter 11では再建計画に基づく証券発行を証券登録義務の例外として扱い、再建会社への資金供給を容易にする。会社更生法の母法的位置にある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の更生手続で、ある日「募集社債の割当てを受ける権利」の通知が届く。期日は二週間後。社内決裁、与信判断、資金繰り、そのすべてをこの間に終わらせて申込みを出さなければ、権利は静かに消える。あと14日、机の上で時計が動いている
- もし、あなたが更生会社の管財人だったら? 数百人の更生債権者全員に217条一項の通知をし、無記名社債券の保有者や振替制度の適用者には公告までしなければならない。一人でも通知漏れや公告漏れがあれば、その権利者の失権の効力が後で争われ、計画遂行が揺らぐ
- 株主として割当権を得たが、計算してみると割り当てられる社債の数に端数が出た。四項により、その端数は切り捨て。期待した一口に満たず、しかも補償はない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知または公告を受け取ったら、まず一項二号の「期日」を確認し最優先でカレンダーに記入2. 割り当てられる社債の種類・金額・条件を精査し、再建会社に資金を出す価値があるか与信判断3. 引き受けるなら期日までに必ず引受けの申込みを行う、申込みがなければ三項で失権する4. 自社で引き受けられないなら、一項三号の譲渡権を使い期日前に第三者へ譲渡して換価する
訴えられた側:1. 更生会社・管財人として、一項各号(社債の種類と金額の合計額、期日、譲渡できる旨)を漏れなく記載した通知書を作成2. 無記名証券の保有者や振替法適用者には公告も実施し、通知漏れを理由とする失権効力の争いを防ぐ3. 二項の「期日の二週間前」を厳守、これを欠くと通知・公告の効力が否定されうる4. 申込状況を管理し、端数は四項により切り捨て処理する
時効(請求できる期限):更生会社の通知・公告は、引受けの申込みの期日の二週間前までにしなければならない(217条2項)。割当権者は同条2項の期日までに引受けの申込みをしなければ権利を失う(217条3項)。起算点は更生計画で定められた第177条第4号の期日
学説
通説:217条3項の失権効は、再建途上の会社の資金計画上、社債引受けの可否を早期に確定させる必要から認められる強い効果と解される。通知・公告の事前性(2項の二週間前要件)が権利者の手続保障を担保しており、要件を欠く通知・公告は失権の効力を生じないと理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:旧会社更生法制定。米国連邦倒産法 Chapter X を範とする再建型倒産手続として、更生計画に基づく社債割当ての枠組みが導入された
- 2.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全面改正(法律第154号)。現行217条として、募集社債の割当てを受ける権利の通知・公告義務、二週間前要件、失権効、端数切捨てを整理して規定
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