会社更生法 第217条の2(更生債権者等又は株主の権利の消滅と引換えにする株式等の発行に関する特例)
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- 第百七十七条の二第一項の規定により更生計画において更生債権者等又は株主の権利の全部又は一部の消滅と引換えに株式を発行することを定めた場合には、更生債権者等又は株主は、更生計画認可の決定の時に、同項第三号に掲げる事項についての定めに従い、同号の株式の株主となる。
- 2.第百七十七条の二第二項の規定により更生計画において更生債権者等又は株主の権利の全部又は一部の消滅と引換えに同項に規定する新株予約権を発行することを定めた場合には、更生債権者等又は株主は、更生計画認可の決定の時に、同項第六号に掲げる事項についての定めに従い、同号の新株予約権の新株予約権者(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債の社債権者及び当該新株予約権付社債に付された新株予約権の新株予約権者)となる。
- 3.第百七十七条の二第三項の規定により更生計画において更生債権者等又は株主の権利の全部又は一部の消滅と引換えに同項に規定する社債を発行することを定めた場合には、更生債権者等又は株主は、更生計画認可の決定の時に、同項第七号に掲げる事項についての定めに従い、同号の社債の社債権者となる。
この条文の基本情報
更生債権者等又は株主の権利の消滅と引換えにする株式等の発行に関する特例とは何ですか?
定義更生債権者等又は株主の権利の消滅と引換えにする株式等の発行に関する特例とは、会社更生法第217条の2に定められた規定で、「第百七十七条の二第一項の規定により更生計画において更生債権者等又は株主の権利の全部又は一部の消滅と引換えに株式を発行することを定めた場合には、更生債権者等又は株…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第217条の2(更生債権者等又は株主の権利の消滅と引換えにする株式等の発行に関する特例)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第217条の2の条文原文は「第百七十七条の二第一項の規定により更生計画において更生債権者等又は株主の権利の全部又は一部の消滅と引換えに株式を発行することを定めた場合には、更生債権者等又は株…」で始まります。
- 会社更生法第217条の2は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第217条の2の前の条は会社更生法第217条です。
- 会社更生法第217条の2の次の条は会社更生法第218条です。
- 会社更生法第217条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第217条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第217条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/217_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法217条の2は、更生計画の認可決定時に、更生債権者等の権利を消滅させ、その引換えに株式・新株予約権・社債を自動的に交付する特例を定める。
Q · 倒産した取引先への売掛金が、勝手に株式に変わることなんてあるの?
更生計画の認可決定時に、自動で株式や社債に変わります
会社更生法217条の2により、更生計画で権利の消滅と引換えに株式等を発行すると定められた場合、更生債権者等や株主は、更生計画認可の決定の時に、申込みも払込みもせず自動的に株主・新株予約権者・社債権者となります。個別の同意は不要で、計画に反対した債権者も拘束されます。これがデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)の法的根拠です。認可後は条件を覆せないため、計画案の段階での議決権行使が重要になります。
解説
取引先が会社更生手続に入った。あなたが持っていた3,000万円の売掛金は、もう現金では満額返ってこないかもしれない。更生計画にこう書かれていたとする。「更生債権の一部を消滅させ、その引換えに新株を交付する」。217条の2が定めるのは、その瞬間だ。更生計画認可の決定が下りた「その時」、あなたは何の手続もせず、株式の申込みも払込みもせず、自動的にその会社の株主になる。あなたの個別の同意は要らない。債権者集会で計画が可決され、裁判所が認可すれば、反対していた債権者も巻き込んで権利が株式に化ける。これがデット・エクイティ・スワップ(債務の株式化、借金を株に振り替える再建手法)の法的スイッチである。同じ仕組みで、新株予約権の予約権者にも、社債の社債権者にも姿を変えうる。現金を待つ立場から、再建会社の株主として将来の値上がりに賭ける立場へ、計画条項の一行で立場が切り替わる。
法的な位置づけ
会社更生法217条の2は、更生計画における株式等発行の特例を定める規定である。更生計画認可の決定の時点で、更生債権者等または株主の権利の全部または一部が消滅し、その引換えとして株式・新株予約権・社債が交付され、権利者は個別の同意や引受手続を経ることなく当該有価証券の保有者となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.取引先の会社更生を知ったら更生債権を届け出る 取引先が会社更生を申し立てたら、裁判所が定める届出期間内に売掛金などの更生債権を必ず届け出る。届出を怠ると権利が失権し、弁済も株式交付も受けられなくなる
- 2.更生計画案で現金弁済か株式化かを確認する 提出された更生計画案を入手し、自分の債権が現金弁済か、株式・新株予約権・社債への転換か、消滅割合と交付される株式数・社債額を確認する
- 3.計画案の段階で議決権を行使し意見を述べる 交付株式数の算定根拠や消滅割合に不服があれば、関係人集会で議決権を行使し、清算価値保障原則の観点から意見を申述する。認可後は条件を動かせない
- 4.認可決定に重大な瑕疵があれば即時抗告する 認可決定が清算した場合より不利であるなど重大な瑕疵があれば、公告が効力を生じた日から原則2週間以内に即時抗告する。期間が短いため早期に倒産専門弁護士へ依頼する
よくある質問 AI による整理
Q1デット・エクイティ・スワップとは何ですか?
債権を株式に転換し、借金を資本に振り替える再建手法です。会社更生法217条の2は、更生計画の認可決定時にこれを自動的に成立させる法的根拠となります。
Q2会社更生に入った取引先から売掛金は回収できますか?
現金弁済か株式・社債化のいずれかで回収します。217条の2が適用されると、現金ではなく再建会社の株式として回収する立場に変わる場合があります。
Q3更生計画の認可決定はいつ効力が生じますか?
認可決定の時に権利変更の効力が生じます。217条の2の株式・社債への転換も、この認可決定の瞬間に申込み不要で自動的に成立します。
Q4更生債権の届出をしないとどうなりますか?
原則として権利が失権し、弁済も株式交付も受けられなくなります。取引先の会社更生を知ったら、期限内の更生債権届出が回収の出発点です。
Q5更生計画に反対した場合、即時抗告の期限はいつまでですか?
認可決定の公告が効力を生じた日から起算して原則2週間以内です。期間が短いため、最新の改正状況を確認のうえ早期に弁護士へ相談すべきです。
Q6会社更生で株主になることのリスクは何ですか?
株主は最劣後の地位となり、再建に失敗して再破綻すると残余財産分配を受けられない場合があります。債権者の優先回収順位を手放す点が最大のリスクです。
Q7債権が社債に転換される計画もありますか?
あります。217条の2第3項は社債の交付を認めます。社債は債権として株式より回収順位が上のため、債権者には株式化より有利な場合が多いとされます。
Q8会社更生と民事再生の違いは何ですか?
会社更生は株式会社専用で経営陣が原則退き管財人が再建を主導します。民事再生は対象が広く現経営陣が残れる点が大きな違いです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1倒産した取引先の株なんてもらっても紙くずじゃないんですか?
必ずしも紙くずではない。会社更生は会社を清算せず再建する手続なので、217条の2で交付される株式は『再建後の会社』の株式である。スポンサーが入り事業が黒字化すれば、株式価値が回復することもある。実務のポイント:実務では、株式化された債権の方が、わずかな現金配当より最終的な回収額が大きくなるケースがある。だから金融機関はあえて株式化に応じる。現金即時か将来価値かの判断は、その会社の再建計画の実現性をどう読むかで決まる
Q2計画に反対したのに、勝手に株主にされるって法的にアリなんですか?
アリである。会社更生は多数決原理に基づく集団手続で、債権者の組ごとに法定多数で可決され裁判所が認可すれば、反対した債権者も拘束される(会社更生法204条の権利変更が及ぶ)。217条の2はその効果を株式交付という形で具体化したものだ。実務のポイント:反対債権者の唯一の実質的な防御は、計画が『清算した場合より不利』だと示す清算価値保障原則の主張。認められれば認可が覆る余地がある。ただ立証は高度に専門的で、早期に倒産専門の弁護士をつけないと間に合わない
Q3株式じゃなくて社債で返すって計画もあるんですか?
ある。217条の2第3項は、債権の消滅と引換えに社債を交付する計画を認めている。株式(出資・最劣後)より社債(債権・優先)の方が回収順位は上なので、債権者にとっては社債化の方が有利な場合が多い。実務のポイント:計画で『株式化』か『社債化』かは、再建会社の資本政策とスポンサーの意向で決まる。債権者側が交渉できる局面では、株式より社債、社債より現金弁済を求めるのがセオリー。ただし会社の支払能力次第で、額面の高い社債が結局は安い株式に劣ることもあり、一律には言えない
間違えやすい点 AI による整理
- 「更生債権は配当で現金が戻ってくるもの」という前提で考えている人が多い。だが問いの立て方が違う。会社更生では、債権がそのまま株式に置き換えられる計画も珍しくない。あなたが構えるべきは「いくら戻るか」ではなく「現金か株式か、どちらで戻されるか」だ
- 「株主になるには自分で株を買うか引き受ける手続が要る」と思われているが、217条の2ではそれが要らない。認可決定という一点で、申込みも払込みもなく株主の地位が発生する。あなたの能動的な行為ゼロで、立場が変わる
- 債権が株式に変わること自体は知っていても、その「深刻さ」を見落としている人がいる。株主になれば、その会社が再建に失敗して再び破綻したとき、あなたは最劣後の残余財産分配しか受けられない。債権者なら優先される回収順位を、自ら最後尾に明け渡したことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 217条の2:認可決定時に株式等への転換効果を自動発生させる効果規定 | 177条の2:更生計画で株式等を発行できると定める発行根拠規定 204条:更生債権者等の権利変更の一般則 |
| 効果発生の時点 | 更生計画認可の決定の時(申込み・払込み不要) | 計画にどう定めるかの段階(発行内容の設計) 認可決定時に権利変更が一律に発生 |
| 債権者の立場への影響 | 債権者から株主・新株予約権者・社債権者へ転換 | 転換の枠組み(種類・数・割当先)を確定 債権額のカット・条件変更を含む包括的変更 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も重整計畫で債権者・株主の権利変更を定めうるが、株式化の効力発生時点や手続の自動化の明確さは日本の本条のほうが整理されている
韓国の回生手続も出資転換(출자전환)を認め、回生計画認可で効力が生じる点は日本と類似する
ドイツは倒産計画で債権を持分へ転換する規定を持ち、株主の同意なく持分構成を変更できる点が本条と機能的に対応する
米国 Chapter 11の更生計画は debt-to-equity 転換を広く認め、cramdown により反対債権者をも拘束する。日本の会社更生法はこの更生型手続を母法とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先のメーカーが会社更生を申し立て、あなたの会社の5,000万円の売掛金が更生債権になった。提出された更生計画には「債権の8割をカット、残り2割を新株で交付」とある。認可の瞬間、あなたは望むと望まざるとにかかわらず再建会社の少数株主になる
- もし、あなたが反対の議決権を投じたのに計画が可決されてしまったら? 認可決定が出れば、あなたの債権は計画どおり株式に変わる。残された対抗手段は認可決定への即時抗告だけ、その期間はわずか2週間
- 銀行が融資先の倒産で貸付金を株式に転換させられる。担保のない無担保債権は、現金回収ではなく株主としての回収に変わる。回収か、経営参加か、戦略が根本から変わる
- あなたが再建のスポンサー候補だとする。既存の更生債権を株式化して資本構成を一気に軽くできれば、過剰債務の会社をクリーンな器として引き受けられる。217条の2は、その資本再構成を認可と同時に完了させる装置だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先が会社更生を申し立てたら、期限内に更生債権の届出を必ず行う。届出を怠ると権利が失権する2. 提出された更生計画案を入手し、自分の債権が現金弁済か株式化か、消滅割合と交付株式数を確認3. 条件に不服があれば債権者集会で議決権を行使し意見を述べる4. 認可決定に重大な瑕疵があれば2週間以内に即時抗告5. 株主になった後は、再建会社の議決権行使と残余価値回収の方針を立てる
訴えられた側:再建を進める会社やスポンサー側の場合:1. 株式化を計画に盛り込むなら、177条の2の要件(交付する株式の種類・数、割当てを受ける者)を計画条項に正確に定める2. 既存株主の減資と債権者への新株交付のバランスを設計、債権者間の公平・衡平を欠くと認可されない3. 交付株式数の算定根拠(企業価値評価)を合理的に説明できる資料を準備4. 認可後の資本構成変更の登記を遅滞なく行う
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。効力は更生計画認可の決定の時に発生する(会社更生法201条参照、現行効力を要確認)。認可決定に対する即時抗告は、決定の公告が効力を生じた日から起算して2週間以内(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:217条の2による株式等への転換は、更生計画認可の決定という一点で申込み・払込みを要せず一律に効力を生じる形成的効果である。個別債権者の同意を要しない点で会社法上の通常の募集株式発行の特則をなし、清算価値保障原則と公正・衡平の原則が認可審査を通じて債権者保護を担保するとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)。旧法を抜本的に見直し、更生計画における株式等発行と認可決定時の効力発生を整備。デット・エクイティ・スワップによる資本再構成を認可と同時に完了させる枠組みを明確化した
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