会社更生法 第218条(解散に関する特例)
クイックジャンプ
第百七十八条本文の規定により更生計画において更生会社が解散することを定めた場合には、更生会社は、更生計画に定める時期に解散する。
この条文の基本情報
解散に関する特例とは何ですか?
定義解散に関する特例とは、会社更生法第218条に定められた規定で、「第百七十八条本文の規定により更生計画において更生会社が解散することを定めた場合には、更生会社は、更生計画に定める時期に解散する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第218条(解散に関する特例)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第218条の条文原文は「第百七十八条本文の規定により更生計画において更生会社が解散することを定めた場合には、更生会社は、更生計画に定める時期に解散する。」で始まります。
- 会社更生法第218条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第218条の前の条は会社更生法第217条の2です。
- 会社更生法第218条の次の条は会社更生法第219条です。
- 会社更生法第218条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第218条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第218条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/218
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法218条は、更生計画に解散が定められた場合、更生会社が株主総会決議を要せず計画に定める時期に当然に解散することを定める。解散の決定権は株主から債権者と裁判所へ移る。
Q · 会社更生に入った会社が解散するとき、株主総会の決議は必要なの?
不要。更生計画に書けば株主の同意なしに解散する
会社更生法218条により、第百七十八条本文に基づいて更生計画に解散が定められた場合、更生会社は株主総会の特別決議を経ることなく、計画に定める時期に当然に解散します。会社法471条の通常の解散事由とは別ルートです。解散を決めるのは可決した債権者と認可した裁判所であり、株主は反対の機会を更生計画案の議決前にしか持ちません。解散の「時期」は計画で自由に設定でき、事業譲渡や資産換価の完了後に解散日を置く設計も可能です。
解説
普段、株式会社をたたむには株主総会の特別決議が要る。会社の生死を決めるのは株主だ、というのが会社法の建前である。ところが、その会社がいったん会社更生手続に入ると話が一変する。更生計画に解散が定められた場合、更生会社は計画に書かれた時期に、株主の同意を一切問わず解散する。本条がその仕組みだ。解散を決める鍵が、株主の手から、計画を可決した債権者と、それを認可した裁判所の手へ滑り落ちる。さらに見落とされやすいのが時期。計画は解散の時を自由に設定できるので、事業をいったん別会社へ譲渡し、その完了を待ってから旧会社を解散する、という段取りも組める。あなたが株主なら、自分の知らないところで会社の最期の日付が決まっていることになる。気付くべきは、抵抗できる窓口は解散の瞬間ではなく、更生計画案を議決するそのときにしかないという点だ。
法的な位置づけ
会社更生法218条は、更生計画に基づく解散の特例を定める規定である。第百七十八条本文により更生計画において更生会社の解散が定められた場合、更生会社は会社法上の解散決議を要せず、更生計画に定める時期に当然に解散する。通常の株主総会特別決議による解散(会社法471条以下)に対する特則として機能する。
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法218条とは何ですか?
更生計画に解散が定められた場合、更生会社が株主総会決議なしに計画の時期で当然に解散する特例を定めた条文です。会社法の通常解散とは別ルートになります。
Q2会社更生で解散するのに株主総会は必要ですか?
不要です。会社更生法218条により、更生計画に解散が定められれば株主の同意を問わず計画の時期に解散します。会社法471条の決議要件は適用されません。
Q3会社更生と通常の解散はどう違いますか?
通常解散は株主総会の特別決議が必要ですが、更生計画による解散は債権者の議決と裁判所の認可で決まり、株主総会決議が不要な点が決定的に異なります。
Q4更生会社の解散時期はいつ決まりますか?
更生計画に定める時期です。将来の日付に設定でき、事業譲渡や資産換価の完了後に解散日を置く設計が一般的です。即時清算を強制されません。
Q5会社更生で解散すると株はどうなりますか?
債務超過の更生会社では株主の権利はゼロまたは大幅圧縮されるのが通常で、解散・清算を経て株式は消滅します。残余財産が株主に渡らないことが多いです。
Q6更生計画の解散に反対できますか?
反対できる場は更生計画案の議決前の意見表明と、認可決定への即時抗告に限られます。可決・認可後は計画どおり自動的に解散が進みます。
Q7事業譲渡型の更生計画とは何ですか?
更生会社の事業を新会社や譲受会社へ移したうえで旧会社を解散する計画です。解散時期と資産移転のタイミングが連動して設計されます。
Q8会社更生法178条と218条の関係は?
178条本文が更生計画に解散を定める根拠で、218条はそれを受けて、計画に定める時期に当然に解散するという効果を規定します。両者は前提と効果の関係にあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社更生で会社が解散したら、私の持ってる株はどうなるんですか?
更生計画に解散が定められると、本条により計画の時期に会社は解散し、清算を経て消滅します。株主の権利は、債務超過の更生会社では計画上ゼロまたは大幅に圧縮されるのが通常で、解散時に価値が残らないことが多い。実務のポイント:株主は更生計画案の議決権そのものを制限されている場合が多く、解散に反対する実効的な手段がほぼない。だからこそ、株を持つ企業が更生を申し立てた段階で、計画案の解散条項と議決権の有無を早く確認することが、唯一できる防御になる
Q2解散ってことは、もうその会社からお金は取れないと諦めるしかないですか?
そうとは限りません。本条の解散は「計画に定める時期」に生じるので、計画が事業譲渡や資産換価の後に解散日を置いていれば、その換価代金が更生債権者への弁済原資になります。解散と回収不能は同義ではない。実務のポイント:弁護士やスポンサーが見るのは解散の有無より「解散の時期と前後関係」です。価値ある資産を先に現金化してから解散する計画か、清算色の強い早期解散かで、配当率は大きく変わる。計画書の日付の順番こそが回収見込みを語っている
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社を解散するなら株主総会の特別決議が必要だ」と会社法の感覚で思い込んでいると足をすくわれる。更生計画に解散が定められた場合、本条により計画の時期に当然に解散する。株主総会決議は要らない。会社法471条の解散事由とは別ルートが開いている
- 解散イコール即座に会社が消える、と理解している人は多いが、本条が定めるのは「計画に定める時期」での解散である。その時期は将来に設定できる。事業譲渡や資産売却を先に終わらせ、価値を最大化してから解散する、という時間設計こそが本条の実務上の肝で、その深さに気付いていない
- 「株主だから会社の最後は自分が決められる」という前提そのものが、更生手続では崩れている。あなたから見れば自分の会社でも、更生計画から見れば、解散を決めるのは可決した債権者と認可した裁判所。この主導権の落差を知らずにいると、計画案の議決という唯一の発言機会を逃す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 解散の意思決定者 | 会社更生法218条:可決した債権者 + 認可した裁判所 | 会社法471条:株主総会の特別決議 会社更生法178条:更生計画への解散条項の明記 |
| 株主総会決議 | 不要(計画に定めれば当然解散) | 必要(特別決議=会社法309条2項) 不要(計画認可で代替) |
| 解散の時期 | 更生計画に定める時期(将来設定可) | 決議で定める時期または決議時 計画で定める前提を提供 |
| 覆せる手段 | 議決前の意見表明・認可決定への即時抗告 | 決議取消しの訴え等 計画案議決前の意見聴取 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公司重整も裁判所主導で重整計画を認可する。重整が奏功しない場合の解散・清算への移行構造は日本と類似する。
韓国は2006年に統合倒産法を施行。回生計画に基づく会社の処理は日本の更生計画と機能的に対応する。
ドイツの Insolvenzplan は債権者集会の可決と裁判所の確認で効力を生じ、会社の存続・解散を計画で定める点で本条に近い。
米国 Chapter 11の plan of reorganization は本制度の源流。再建計画で会社の存続・清算・解散を柔軟に設計できる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが保有していた銘柄が会社更生を申し立てた。やがて公表された更生計画には「事業を新会社へ譲渡したうえで、更生会社は解散する」と書かれている。あなたの株式は計画の解散時期に消える。株主総会での決議は開かれない。異議を言える場は、計画案が裁判所で可決される前の意見聴取だけだった
- もし、あなたが更生会社の取引先で、納品代金がまだ残っているとしたら? 旧会社が解散する時期がいつに設定されているかで、あなたへの弁済原資が確保された後に解散するのか、それとも解散・清算の枠組みに巻き込まれるのかが変わる。解散の「日付」を読み解くことが、回収可能額を読むことになる
- あなたが更生会社の従業員だった場合。事業譲渡型の更生計画では、雇用が譲渡先へ移るのか、旧会社の解散とともに整理されるのかが、解散条項の組み立て方で決まる。会社が「消える日」は、あなたの雇用契約が誰に引き継がれるかの分岐点でもある
- 更生計画案の議決期日まであと数日。あなたが議決権を持つ債権者で、解散の時期や条件に納得がいかないなら、動けるのは今しかない。可決され裁判所が認可すれば、解散はその一行どおり自動的に進む
取るべき行動
被害を受けた側:1. あなたが更生会社の株主・債権者・取引先なら、まず公表された更生計画案に「解散」の定めと「その時期」があるかを確認する2. 解散時期が資産売却・事業譲渡の完了後か、それとも前倒しかを読み、自分の回収・残余財産に与える影響を見積もる3. 異議があるなら更生計画案の議決前に意見を述べる。可決後は認可決定への即時抗告の窓しか残らない4. 株主は議決権が制限される場合が多いので、自分が議決権を持つ立場か早期に確認する
訴えられた側:1. あなたが更生会社の経営側・管財人側で計画を組む側なら、解散を本条で実現するには第百七十八条本文の要件に沿って計画へ明記する必要がある2. 解散の時期は、事業譲渡・資産換価の完了との連動で設計し、価値最大化と清算開始のタイミングを整合させる3. 雇用・契約・係属中の訴訟が解散時期にどう影響するかを事前に整理し、利害関係人への説明を準備する4. 解散後の清算手続の枠組みを計画段階で見通しておく
時効(請求できる期限):本条の効果そのものに消滅時効の概念はない。実務上の分水嶺は、解散条項を含む更生計画案が可決される前の意見表明と、認可決定に対する即時抗告の期間であり、いずれも係属裁判所の通知する具体的期日に従う必要がある。解散自体は計画に定める時期に当然に生じる
学説
通説:本条による解散は、第百七十八条本文を受けて更生計画に解散が定められたことを前提に、計画認可の効果として株主総会決議を要せず当然に生じると解される。解散の時期を計画で柔軟に設定できる点に、即時清算を避け事業価値を最大化する実務的意義がある。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:米国連邦倒産法 Chapter X を範とした旧会社更生法が制定され、更生計画による会社処理の枠組みが導入された。
- 2.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)。手続の迅速化・合理化が図られ、更生計画による解散の特例が現行の条文構成に整理された。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める