会社更生法 第177条の2(更生債権者等又は株主の権利の消滅と引換えにする株式等の発行)
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- 更生債権者等又は株主の権利の全部又は一部の消滅と引換えにする株式の発行に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一発行する株式の数(種類株式発行会社にあっては、発行する株式の種類及び種類ごとの数)
- 二増加する資本金及び資本準備金に関する事項
- 三更生債権者等又は株主に対する発行する株式の割当てに関する事項
- 2.更生債権者等又は株主の権利の全部又は一部の消滅と引換えにする新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この条、第百八十三条第十三号及び第二百二十五条第五項において同じ。)の発行に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一発行する新株予約権の内容及び数
- 二発行する新株予約権を割り当てる日
- 三発行する新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合には、会社法第六百七十六条各号に掲げる事項
- 四前号に規定する場合において、同号の新株予約権付社債に付された新株予約権についての会社法第百十八条第一項、第百七十九条第二項、第七百七十七条第一項、第七百八十七条第一項又は第八百八条第一項の規定による請求の方法につき別段の定めをするときは、その定め
- 五第三号に規定する場合において、当該新株予約権付社債についての社債が担保付社債であるときは、その担保権の内容及び担保付社債信託法第二条第一項に規定する信託契約の受託会社の商号
- 六更生債権者等又は株主に対する発行する新株予約権の割当てに関する事項
- 3.更生債権者等又は株主の権利の全部又は一部の消滅と引換えにする社債(新株予約権付社債についてのものを除く。以下この条、第百八十三条第十三号及び第二百二十五条第五項において同じ。)の発行に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
- 一発行する社債の総額
- 二発行する各社債の金額
- 三発行する社債の利率
- 四発行する社債の償還の方法及び期限
- 五会社法第六百七十六条第五号から第八号の二まで及び第十二号に掲げる事項
- 六発行する社債が担保付社債であるときは、その担保権の内容及び担保付社債信託法第二条第一項に規定する信託契約の受託会社の商号
- 七更生債権者等又は株主に対する発行する社債の割当てに関する事項
この条文の基本情報
更生債権者等又は株主の権利の消滅と引換えにする株式等の発行とは何ですか?
定義更生債権者等又は株主の権利の消滅と引換えにする株式等の発行とは、会社更生法第177条の2に定められた規定で、「更生債権者等又は株主の権利の全部又は一部の消滅と引換えにする株式の発行に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第177条の2(更生債権者等又は株主の権利の消滅と引換えにする株式等の発行)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第177条の2の条文原文は「更生債権者等又は株主の権利の全部又は一部の消滅と引換えにする株式の発行に関する条項においては、次に掲げる事項を定めなければならない。」で始まります。
- 会社更生法第177条の2は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第177条の2の前の条は会社更生法第177条です。
- 会社更生法第177条の2の次の条は会社更生法第178条です。
- 会社更生法第177条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第177条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第177条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/177_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法177条の2は、更生計画で権利の消滅と引換えに株式・新株予約権・社債を発行する際の必要的記載事項を定める。発行数や割当てを明示させ、債務の株式化と100% 減資による支配権移転を実行する。
Q · 投資先や勤め先が会社更生に入ったら、私の株や債権はこの条文でどうなるの?
株は100% 減資で消え、債権は株式へ転換され得る
会社更生法177条の2は、更生計画で権利の消滅と引換えに株式・新株予約権・社債を発行する場合の必要的記載事項を定めます。債務超過の会社では既存株式が100% 減資で消滅し、債権者の更生債権が新株に転換される DES が行われます。本条は、発行する株式の数、増加する資本金、割当先などを条項ごとに明示させることで、誰の権利を消し誰を新たな所有者にするかの配分を更生計画上で確定します。記載事項に漏れがあれば計画は認可されません。
解説
勤め先や投資先が会社更生に入った。そのニュースで多くの人が真っ先に心配するのは「給料は」「株は」だが、本当の運命を決めるのはこの条文だ。会社更生法177条の2は、借金(更生債権)や既存株式を消滅させる代わりに、新しい株式・新株予約権・社債を発行するときの設計図を定める。ここで起きるのが債務の株式化、いわゆるデットエクイティスワップ。銀行や取引先が貸していたお金が、そのまま会社の株に変わる。そして債務超過の会社では、既存の株主はほぼ全員が100% 減資で消し飛ぶ。あなたが持っていたその会社の株は、裁判所が認可した更生計画のたった一連の条項で価値ゼロになり、昨日まで債権者だった銀行が新しいオーナーとして経営権を握る。誰の権利が消え、誰が新たな所有者になるか、その配分表こそがこの条文の正体だ。
法的な位置づけ
会社更生法177条の2は、更生計画において更生債権者等または株主の権利の消滅と引換えに株式・新株予約権・社債を発行する場合の必要的記載事項を定める規定である。発行する株式の数、増加する資本金、割当てに関する事項などを条項ごとに明示させ、債務の株式化(DES)と資本構成の組替えを更生計画上で執行する根拠となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.消滅させる権利と発行する証券の種類を確定 更生計画案で、消滅させる更生債権・株式の範囲と、引換えに発行する証券が株式・新株予約権・社債のいずれか(または組合せ)かを確定する。立場(株主/更生債権者/担保権者)ごとの割当方針を整理する
- 2.株式発行条項の必要的記載事項を漏れなく記載 177条の2第1項各号に従い、発行する株式の数(種類株式発行会社は種類及び種類ごとの数)、増加する資本金及び資本準備金に関する事項、割当てに関する事項を更生計画へ書き込む。一号でも欠ければ認可が危うくなる
- 3.新株予約権・社債を組む場合は会社法676条まで記載 新株予約権付社債を絡める場合は会社法676条各号の事項、割当日、請求方法の別段の定めまで記載する。社債単体なら総額・各社債の金額・利率・償還方法と期限を特定する
- 4.担保付社債なら受託会社の商号を特定 発行する社債が担保付社債である場合、その担保権の内容と、担保付社債信託法2条1項の信託契約の受託会社の商号を記載する。特定漏れは条項の効力に直結する
- 5.割当先と数を設計し各組の同意を逆算 新株・社債の割当先と数で再建後の支配比率が決まる。スポンサーや債権者各組への配分を設計し、反対が出ても権利保護条項で認可を得られる組分けと議決を逆算して計画を確定する
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法177条の2とは何ですか?
更生計画で権利の消滅と引換えに株式・新株予約権・社債を発行する際の必要的記載事項を定める規定です。DES や100% 減資の執行根拠となります。
Q2デットエクイティスワップとは何ですか?
債権を株式に振り替える手法です。会社更生では、債権者が貸していた更生債権が消滅し、引換えに再建会社の新株が割り当てられます。
Q3会社更生で株式が100% 減資になるのはなぜですか?
債務超過の会社では株主は資本構成の最下位に位置し、更生計画で既存株式が消滅します。新株は債権者に割り当てられ支配権が移ります。
Q4更生計画に株式発行を書くとき何を記載しますか?
発行する株式の数、増加する資本金及び資本準備金、割当てに関する事項です(177条の2第1項各号)。漏れがあると認可されません。
Q5新株予約権付社債を更生計画で発行できますか?
できます。その場合、会社法676条各号の事項や、担保付なら受託会社の商号まで記載する必要があります(177条の2第2項)。
Q6会社更生と民事再生の違いは何ですか?
会社更生は株式会社が対象で経営権が移転しやすく、担保権も手続に取り込まれます。民事再生は経営陣が残りやすく、より柔軟な手続です。
Q7会社更生で社債はどう発行されますか?
社債総額・各社債の金額・利率・償還方法と期限・割当てなどを更生計画に記載します(177条の2第3項)。
Q8更生計画は反対すれば止められますか?
一部の組が反対しても、裁判所が権利保護条項を付して認可できる場面があります。一組の反対だけでは止まらないことがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1持っている株の会社が会社更生になったら、株は完全にゼロになるんですか?
多くの場合そうなります。債務超過の会社では更生計画で100% 減資が行われ、既存株式は消滅し、債権者に新株が割り当てられます(会社更生法177条の2がその発行条項を定める)。実務のポイント:上場廃止前に株価がわずかに残っていても、それは投機的な値動きで、更生計画が認可されれば原則ゼロです。「再建するなら株も戻るはず」という期待で買い増すのが、最も損をする行動です
Q2貸したお金を株で返すと言われました。受け取るべきですか?
DES(債務の株式化)の提示です。現金弁済率が低く、再建後の事業に将来性があるなら株式が得な場合もありますが、その株は流動性も配当も不確実です(177条の2の各号がその設計を定める)。実務のポイント:プロの債権者(銀行・サービサー)は受け取る株式を独自に割引評価し、現金弁済組とエクイティ組のどちらが得かを冷静に計算します。「少しでも返ってくるなら」と感情で飛びつく前に、再建計画の数字を読んでから議決権を使うべきです
間違えやすい点 AI による整理
- 「会社が倒産したら、まず株主が損をして、それでも足りなければ債権者が損をする」と思っている人がいるが、その順序を裏返した方が実態に近い。会社更生で守られるのは事業の継続と債権者であり、株主は資本構成の最下位。立てるべき問いは「株主はいくら損するか」ではなく「株主の権利はどの瞬間に丸ごと消えるか」だ
- DES で債権者が株式を受け取れること自体は広く知られている。だがその深刻さ、つまり受け取るのが「再建途上の会社の、流動性も配当も不確実な株式」であり、額面どおりの価値など最初から存在しないという現実までは、多くの債権者が直視していない。「ゼロよりはマシ」の感覚が、評価を見誤らせる
- 「更生計画は債権者集会で否決すれば止められる」と思われがちだが、組分けされた一部の組が反対しても、裁判所が権利保護条項を付して認可できる場面がある。あなた一人、いや一組の反対だけでは計画が止まらないことがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発行する証券 | 177条の2第1項:株式(DES・減資の中核) | 177条の2第2項:新株予約権(新株予約権付社債を含む) 177条の2第3項:社債(新株予約権付社債を除く) |
| 中心的な記載事項 | 発行株式数・増加資本金・割当て | 新株予約権の内容と数・割当日・会社法676条各号 社債総額・各社債の金額・利率・償還方法と期限 |
| 支配権への影響 | 既存株主の希釈・消滅、債権者が新オーナーに | 将来の株式取得権を付与、潜在的な支配比率を設計 支配権は移さず、弁済を将来の確定債権へ振替 |
| 担保付の場合の追加記載 | 原則なし | 担保権の内容+受託会社の商号(担保付社債信託法2条) 担保権の内容+受託会社の商号(担保付社債信託法2条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公司重整も重整計畫に資本構成の変更や債権の処理を定める。経営権移転と債権者保護の手続的均衡を図る点で共通する
韓国の回生計画も権利変更と出資転換(DES に相当)を定める。日本の会社更生に近い債権者主導の再建構造を持つ
ドイツの Insolvenzplan は Debt-Equity-Swap を明文で認め、債権の持分転換を倒産計画で実行できる。本条の DES と機能的に対応する
米国の plan of reorganization は新株・社債発行や債権の株式転換を計画で定める。会社更生の事業再建モデルの源流に位置する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが長年応援してきた上場企業が会社更生を申し立てたら、その株はどうなる? 答えは多くの場合100% 減資、つまり価値ゼロ。更生計画でこの条文に基づき新株が債権者へ割り当てられ、あなたの持ち分は希釈どころか消滅する。証券口座に残った数字は、もう昨日の意味を持たない
- あなたの会社が、倒産した取引先に3,000万円の売掛金を持っていた。更生計画では現金弁済率がわずか10%、残りは「株式で受け取れ」とこの条文に基づく DES が提示される。現金300万か、再建後に価値が出るかもしれない株式か。債権者集会での一票が将来の回収額を分ける
- 再建のスポンサーとして手を挙げた。既存株主と債権者の権利を消し、自分たちが新株を一手に引き受ける。その設計をこの条文の各号どおりに更生計画へ落とし込む。一号でも漏れれば、計画は認可されない
- 更生計画案の提出期限まであと数週間。新株予約権付社債を絡めた複雑な資本構成を組むなら、会社法676条各号の記載事項まで漏れなく書き込む必要がある。締め切りを過ぎれば、再建スキームそのものが崩れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず自分の立場を確定:株主か、更生債権者か、担保権者か。順位で運命が全く違う2. 更生計画案が届いたら、自分の権利が「消滅」か「株式転換」か「一部弁済」かを条項で確認3. DES を提示されたら、現金弁済率と株式の見込み価値を比較し、債権者集会の議決権を行使4. 株主なら100% 減資の有無を確認、争う余地は乏しいが、手続の瑕疵や評価の不当性は意見申述・即時抗告で主張できる場合がある
訴えられた側:1. DES を組むなら、177条の2各項各号の記載事項を漏れなく更生計画へ書き込む、一号の欠落で認可が危うくなる2. 新株予約権付社債を絡めるなら会社法676条各号、担保付なら担保付社債信託法の受託会社の商号まで特定3. 新株の割当先と数で再建後の支配構造が決まる、スポンサーとの比率を慎重に設計4. 各組の同意要件を逆算し、反対が出ても権利保護条項で認可を得られる構成を準備する
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。ただし更生計画案は裁判所が定める提出期限内に提出する必要があり、徒過すれば手続廃止のリスクがある。認可決定に不服がある債権者・株主は、即時抗告の法定期間(公告等を起算点とする、最新の改正状況をご確認ください)を逃すと争えなくなる
学説
通説:177条の2が列挙する事項は更生計画における必要的記載事項であり、一号でも欠ければ当該発行条項は無効ないし計画認可の障害となる。DES や100% 減資による資本構成の組替えは、これらの記載を通じてのみ更生計画上で執行できると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:会社更生法の全面改正(平成14年法律第154号)に伴い現行法が制定され、更生計画における株式・新株予約権・社債の発行条項に関する必要的記載事項が整理された。
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