要点会社更生法223条は、更生計画中の新設分割について会社法の債権者異議手続等を適用除外し、債権者保護を更生計画の決議と裁判所の認可審査に置き換える特例規定である。
Q · 取引先が更生計画の中で会社分割するとき、債権者は異議を出して止められる?
通常の異議は使えず、保護は計画決議と認可審査に移る
会社更生法223条により、更生計画の中で行う新設分割には、会社法810条の債権者異議手続、803条の事前備置、805条の2の差止請求、740条の社債権者の特則が適用されません。さらに2項により、異議を述べ損ねた債権者が新会社へ弁済を求める救済(会社法764条2項以下・766条2項以下)も使えません。債権者の保護は、更生計画案の決議における議決権行使と、裁判所による公正・衡平の認可審査へと置き換えられています。
取引先が会社更生に入った。そのうち「優良事業を新設分割で別会社に切り出す」という更生計画が出てくる。あなたが債権者なら、通常の会社分割であれば会社法810条の債権者異議手続で「ちょっと待った」と異議を述べ、弁済か担保を要求できるはずだ。ところが223条は、更生計画の中で行う新設分割について、その異議手続(810条)も、計画書類の事前備置(803条)も、差止請求(805条の2)も、社債権者の特則(740条)も、まるごと適用しないと定める。さらに、異議を述べられなかった債権者が新会社に弁済を求められる救済(会社法764条2項以下、766条2項以下)も使えない。なぜか。更生手続の中では、あなたの保護は「異議窓口」ではなく「更生計画への賛否投票」と「裁判所の認可審査」に移っているからだ。文句を言う部屋が変わったことに気付かないと、何も言えないまま事業だけが移転していく。
会社更生法223条は、更生計画に基づき更生会社が新設分割を行う場合の特例を定める規定である。通常の新設分割で要求される会社法上の社債権者の特則、計画書類の事前備置、差止請求、債権者異議手続の各規定の適用を除外し、債権者保護を更生手続固有の計画決議および裁判所の認可審査に統合する点に本質がある。
更生計画の中で更生会社が新設分割をする場合に、会社法の債権者異議手続(810条)等を適用しないと定める特例規定です。債権者保護は計画決議と裁判所の認可審査に移ります。
出せません。会社更生法223条で会社法810条の異議手続が適用除外されるためです。残る手段は更生計画案の決議での反対票と、裁判所への意見陳述です。
会社更生は株式会社限定で管財人主導の抜本再建、担保権も計画に取り込みます。民事再生は中小・個人も使え、原則として経営陣が残り担保権は別扱いという違いがあります。
更生計画による弁済が、会社を清算した場合に債権者が得られる価値を下回ってはならないという原則です。これに反する計画は認可されない余地があります。
裁判所が定める更生債権の届出期間内です。これを逃すと配当も計画決議の議決権も失うため、開始通知が来たら最優先で届出します(最新の手続スケジュールをご確認ください)。
更生計画は組ごとの議決権の多数決で可否が決まります。他の債権者や同じ組と連携して反対の議決権を集めれば、計画案を否決に追い込める可能性があります。
残った更生会社からの回収となるため、事業移転対価が適正かが鍵です。不当に安い移転なら、認可前に清算価値保障違反として裁判所へ意見を出します。
計画が公正・衡平でない、または清算価値保障原則に反する場合、認可決定が出る前に裁判所へ不認可を求める意見を提出します。認可後は取消しのハードルが跳ね上がります。
通常の会社分割なら会社法810条の債権者異議手続で異議を出せますが、更生計画の中で行う新設分割では会社更生法223条によりその手続自体が適用されません。あなたの保護は更生計画への賛否投票と裁判所の認可審査に移っています。業界裏話ヒント:異議書を書く時間があるなら、他の債権者と議決権を持ち寄って計画の決議対策をする方が遥かに効く。異議は一人でも出せるが、更生計画は組数と議決権の多数決で決まるので、連携した反対が計画を否決に追い込める。
更生計画は公正・衡平でなければ認可されず、債権者が清算した場合に得られる価値を下回ってはなりません(清算価値保障原則)。不当に安い事業移転は認可されないか、取り消される余地があります。業界裏話ヒント:ポイントは事業の「移転対価」が適正かどうか。管財人が出す事業評価が甘いと感じたら、認可が出る前に独自の評価や反対意見を裁判所に出す。認可後では覆すハードルが跳ね上がるので、認可決定が出る前が唯一の勝負どころ。
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| 債権者の防御手段 | 更生計画中の新設分割:223条で異議手続を適用除外、計画決議の反対票+認可審査 | — |
| 事前情報開示 | 会社法803条の事前備置は適用除外(223条1項) | — |
| 取りこぼし救済 | 会社法764条2項以下・766条2項以下の救済も適用除外(223条2項) | — |
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