会社更生法 第52条の2(債権者代位訴訟、詐害行為取消訴訟等の取扱い)
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- 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条第一項、第四百二十三条の七若しくは第四百二十四条第一項の規定により更生債権者の提起した訴訟又は破産法若しくは民事再生法の規定による否認の訴訟若しくは否認の請求を認容する決定に対する異議の訴訟が更生手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。
- 2.管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
- 3.前項の場合においては、相手方の更生債権者、破産管財人又は再生手続における管財人若しくは否認権限を有する監督委員(民事再生法第百二十八条第二項に規定する否認権限を有する監督委員をいう。第五項において同じ。)に対する訴訟費用請求権は、共益債権とする。
- 4.第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があった後に更生手続が終了したときは、当該訴訟手続は中断する。
- 5.前項の場合には、更生債権者、破産管財人又は再生手続における管財人若しくは否認権限を有する監督委員において当該訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
- 6.第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに更生手続が終了したときは、前項前段に規定する者は、当該訴訟手続を当然受継する。
この条文の基本情報
債権者代位訴訟、詐害行為取消訴訟等の取扱いとは何ですか?
定義債権者代位訴訟、詐害行為取消訴訟等の取扱いとは、会社更生法第52条の2に定められた規定で、「民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条第一項、第四百二十三条の七若しくは第四百二十四条第一項の規定により更生債権者の提起した訴訟又は破産法若しくは民事…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第52条の2(債権者代位訴訟、詐害行為取消訴訟等の取扱い)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第52条の2の条文原文は「民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条第一項、第四百二十三条の七若しくは第四百二十四条第一項の規定により更生債権者の提起した訴訟又は破産法若しくは民事…」で始まります。
- 会社更生法第52条の2は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第52条の2の前の条は会社更生法第52条です。
- 会社更生法第52条の2の次の条は会社更生法第53条です。
- 会社更生法第52条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第52条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第52条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/52_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法52条の2は、更生手続開始時に係属する詐害行為取消訴訟や否認訴訟が中断し、管財人が受継できると定める。受継後の相手方の訴訟費用請求権は共益債権となる。
Q · 自分で起こした詐害行為取消訴訟の途中で、相手の会社が更生手続に入ったら訴訟はどうなる?
訴訟は中断し、管財人が引き継げます(受継)
会社更生法52条の2により、更生手続開始当時に係属していた債権者代位訴訟・詐害行為取消訴訟・否認訴訟等は中断します(1項)。管財人はこの訴訟を受継でき、受継の申立ては相手方からもできます(2項)。受継後に相手方が勝訴した場合の訴訟費用請求権は共益債権として優先・満額で扱われます(3項)。受継後に更生手続が終了すれば訴訟は再び中断し、元の更生債権者や破産管財人等が受継しなければなりません(4項・5項)。
解説
あなたが取引先の財産隠しを察知し、詐害行為取消訴訟(民法424条)を自腹で起こしていたとする。弁護士費用も時間もかけた。ところがある日、相手の会社が会社更生手続の開始決定を受ける。その瞬間、あなたの訴訟は止まる。中断だ。なぜか。会社更生では、債務者の財産を取り戻す権限(否認権、つまり不当に流出した財産を取り返す権利)が管財人ひとりに集約される。個々の債権者がバラバラに財産回復訴訟を続けると、債権者平等が壊れるからだ。あなたの訴訟は管財人が引き継ぐ(受継)ことができ、引き継げば成果は更生財団に入って全債権者で分け合う。さらに見落とされがちなのが第3項。管財人が引き継いだ後に相手方が勝てば、その訴訟費用請求権は共益債権(手続全体のための費用として優先的に支払われる債権)になる。一般の更生債権より先に、満額で払われる。あなたが起こした訴訟の主導権も、成果の行き先も、開始決定一本で塗り替わる。
法的な位置づけ
会社更生法52条の2は、更生手続開始時に係属する債権者代位訴訟・詐害行為取消訴訟および否認訴訟等の中断と受継を定める規定である。これらの財産回復訴訟は手続開始により中断し、管財人が受継できる。受継後の相手方の訴訟費用請求権は共益債権となり、更生手続終了時には再び中断する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.係属中の訴訟が中断したかをまず確認 取引先の更生手続開始を知ったら、自分が当事者となっている債権者代位訴訟・詐害行為取消訴訟・否認訴訟が会社更生法52条の2第1項により中断していることを確認する。中断中は期日が進行しない
- 2.管財人の受継意向を確認、または自ら受継を申立て 管財人に連絡して受継の意向を確認する。塩漬けを避けたい相手方(被告)は、第2項後段に基づき自分から受継を申し立てて手続を土俵に戻すことを検討する
- 3.自分の債権は更生債権として別ラインで届出 訴訟の成果(取り戻した財産)は更生財団に入り全債権者で分配される。自分の回収は、訴訟とは別に更生債権の届出を期間内に行う必要がある
- 4.更生手続終了後の再中断・再受継に備える 受継後に更生手続が終了すると訴訟は再び中断する(4項)。元の更生債権者・破産管財人等が受継しなければならず(5項)、相手方からも申立て可能。受継の空白で期日を落とさないよう節目を管理する
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法の否認権とは何ですか?
管財人が、更生会社から不当に流出した財産を取り戻すために、その行為の効力を否定できる権限です。個別の債権者ではなく管財人に集約されます。
Q2訴訟の受継とは何ですか?
中断した訴訟を、新たな当事者(ここでは管財人)が引き継いで続行することです。会社更生法52条の2では管財人が受継でき、相手方からも申立てできます。
Q3詐害行為取消訴訟と否認訴訟の違いは何ですか?
詐害行為取消は民法424条に基づき個々の債権者が起こす訴訟、否認は倒産手続で管財人が起こすものです。更生手続開始で前者は中断し管財人に取り込まれます。
Q4管財人が受継してくれない場合、訴訟はどうなりますか?
否認権は管財人に専属するため、債権者単独での続行は原則できません。中断したまま停止し、回収は更生債権の届出と更生計画に移行します。
Q5共益債権とは何ですか?
更生手続全体のために生じた費用として、一般の更生債権に優先して随時・満額で弁済される債権です。受継後の相手方の訴訟費用請求権がこれにあたります。
Q6更生手続が途中で終了したら、受継した訴訟はどうなりますか?
会社更生法52条の2第4項により再び中断します。元の更生債権者・破産管財人・否認権限を有する監督委員等が受継しなければなりません(5項)。
Q7否認権は個別の債権者が行使できますか?
できません。更生手続では否認権が管財人に専属するため、個々の債権者がバラバラに財産回復訴訟を続行することは認められません。
Q8中断した訴訟の受継は誰が申し立てられますか?
管財人だけでなく、第2項後段により相手方(被告側)からも受継を申し立てられます。塩漬けを避けたいなら自分から手続を動かせます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1訴訟の途中で相手の会社が更生手続に入ったら、今まで払った弁護士費用は無駄になるんですか?
無駄にはなりません。訴訟は中断するだけで終了せず、管財人が受継すれば続行します(第2項)。さらに管財人受継後にあなた(相手方)が勝訴すれば、訴訟費用請求権は共益債権として優先・満額で回収できます(第3項)。実務のポイント:一般の更生債権は計画で大幅カットされるのが通常ですが、共益債権はカット対象外。受継後の費用負担リスクは、この一文で実はかなり守られている
Q2管財人がなかなか訴訟を引き継いでくれないんですが、待つしかないですか?
待つ必要はありません。第2項後段は「受継の申立ては、相手方もすることができる」と定めており、被告であるあなたから受継を申し立てられます。実務のポイント:管財人は否認の見込みが薄い訴訟をあえて放置することがある。相手方から受継を申し立てて土俵に引き戻し、早期に決着させた方が、不確実性を抱え続けるより有利なケースは多い
間違えやすい点 AI による整理
- 債権者代位や詐害行為取消の訴訟を起こしておけば、相手が倒れても自分が一番に回収できると思いがちだ。確かに訴訟は起こせる。だが知っておくべきはその深刻度。更生手続が始まれば訴訟は中断し、管財人が引き継いだ成果は更生財団に入って全債権者で分配される。あなたの先行投資が、あなただけの取り分にはならない
- 「更生手続が始まったら自分の訴訟は当然に終わる」という問いの立て方そのものが誤っている。訴訟は終わるのではなく中断する。管財人が受継すれば続く。相手方であるあなたからも受継を申し立てられる。終了か継続かではなく、誰が・いつ引き継ぐかが論点だ
- 中断した訴訟は管財人だけが引き継げると誤解されがちだが、第2項は「相手方もすることができる」と明記する。被告側にも手続を動かす手段が残されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 本条の役割 | 52条の2:否認訴訟・詐害行為取消訴訟等の中断と受継 | 86条:管財人の否認権の根拠 127条:共益債権となる請求権 |
| 主体 | 中断した訴訟を管財人が受継(相手方からも申立可) | 管財人が否認権を行使 手続全体のための費用負担者 |
| 成果の帰属 | 受継後の成果は更生財団に帰属、全債権者で分配 | 否認により回復した財産が更生財団へ 共益債権は一般更生債権に優先弁済 |
| 行使方法 | 受継申立て(中断中の訴訟手続を引継ぎ) | 否認の訴え・否認の請求・抗弁(95条) 随時・優先・満額の弁済 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も破産・重整開始により否認(撤銷)権が管財人系の主体に集中し、係属中の訴訟が中断・承受される構造を持つ
韓国は破産・回生を統合した単一法典で否認権と訴訟中断・受継を規律し、日本の三手続横断構造に近い
ドイツは倒産手続開始により訴訟が中断(ZPO § 240)し、否認(Insolvenzanfechtung)は管財人に専属する。日本の母法的位置にある
米国連邦倒産法は automatic stay により訴訟が自動停止し、fraudulent transfer の追行権は trustee に帰属する。機能的に類似
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし詐害行為取消訴訟の被告として争っている最中に、相手の債務者会社が更生手続に入ったら、あなたの訴訟はどうなる? 答えは中断。そして受継の申立ては被告であるあなたからもできる(第2項)。塩漬けを嫌うなら、自分から管財人を土俵に引き戻せる
- あなたが管財人として受継した否認訴訟の途中で、更生手続が終了した。その瞬間、訴訟はまた中断する(第4項)。今度は元の更生債権者や破産管財人が受け継がねばならない(第5項)。引き継ぎの空白で期日を落とせば、不利益はそのまま当事者に跳ね返る。残された時間で誰が受継するかを決めきること
- 破産手続で否認訴訟を進めていた最中、手続が会社更生へ切り替わった。あなたの否認訴訟は中断し、更生管財人が引き継ぐ。同じ財産回復の戦いでも、指揮官だけが交代する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先の更生手続開始を知ったら、自分が係属させている代位訴訟・詐害行為取消訴訟が中断していることをまず確認2. 管財人に連絡し、受継するか否かの意向を確認。受継されれば成果は更生財団に入る点を理解しておく3. 自分の債権は更生債権として届け出る。訴訟の成果と債権届出は別ラインで進む4. 管財人が受継せず放置するなら、否認権は管財人専属のため自分単独での続行は原則できない。債権届出と更生計画での回収にシフトする
訴えられた側:1. 訴訟が中断したら、塩漬けを避けるため自分から受継を申し立てるか検討(第2項後段) 2. 受継後に勝訴の見込みがあるなら、訴訟費用が共益債権として優先回収できる点(第3項)を踏まえ徹底抗戦も選択肢3. 更生手続が途中で終了すれば訴訟は再び中断し、元の債権者等が受継する(第4項・第5項)。この場面でも相手方から受継を申し立てられる4. 受継の空白で期日を落とさないよう、手続の節目を弁護士と管理する
時効(請求できる期限):中断・受継そのものに固有の出訴期間はなく、受継があるまで訴訟手続は停止する。ただし詐害行為取消権そのものには期間制限があり、債権者が取消原因を知った時から2年、行為時から10年で消滅する(民法426条)。中断中もこの期間管理は別途必要(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:更生手続開始により否認権が管財人に専属する以上、係属中の債権者代位訴訟・詐害行為取消訴訟は中断させ、管財人の受継により更生財団のための財産回復に一元化するのが相当とされる。相手方の手続的利益は受継申立権と訴訟費用の共益債権化により保障される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)。旧法の規律を再編し、否認訴訟・詐害行為取消訴訟等の中断・受継および共益債権化のルールを整備した。
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