要点会社更生法 52 条の 2 は、更生手続開始時に係属する詐害行為取消訴訟や否認訴訟が中断し、管財人が受継できると定める。受継後の相手方の訴訟費用請求権は共益債権となる。
Q · 自分で起こした詐害行為取消訴訟の途中で、相手の会社が更生手続に入ったら訴訟はどうなる?
訴訟は中断し、管財人が引き継げます(受継)
会社更生法 52 条の 2 により、更生手続開始当時に係属していた債権者代位訴訟・詐害行為取消訴訟・否認訴訟等は中断します(1 項)。管財人はこの訴訟を受継でき、受継の申立ては相手方からもできます(2 項)。受継後に相手方が勝訴した場合の訴訟費用請求権は共益債権として優先・満額で扱われます(3 項)。受継後に更生手続が終了すれば訴訟は再び中断し、元の更生債権者や破産管財人等が受継しなければなりません(4 項・5 項)。
あなたが取引先の財産隠しを察知し、詐害行為取消訴訟(民法 424 条)を自腹で起こしていたとする。弁護士費用も時間もかけた。ところがある日、相手の会社が会社更生手続の開始決定を受ける。その瞬間、あなたの訴訟は止まる。中断だ。なぜか。会社更生では、債務者の財産を取り戻す権限(否認権、つまり不当に流出した財産を取り返す権利)が管財人ひとりに集約される。個々の債権者がバラバラに財産回復訴訟を続けると、債権者平等が壊れるからだ。あなたの訴訟は管財人が引き継ぐ(受継)ことができ、引き継げば成果は更生財団に入って全債権者で分け合う。さらに見落とされがちなのが第 3 項。管財人が引き継いだ後に相手方が勝てば、その訴訟費用請求権は共益債権(手続全体のための費用として優先的に支払われる債権)になる。一般の更生債権より先に、満額で払われる。あなたが起こした訴訟の主導権も、成果の行き先も、開始決定一本で塗り替わる。
会社更生法 52 条の 2 は、更生手続開始時に係属する債権者代位訴訟・詐害行為取消訴訟および否認訴訟等の中断と受継を定める規定である。これらの財産回復訴訟は手続開始により中断し、管財人が受継できる。受継後の相手方の訴訟費用請求権は共益債権となり、更生手続終了時には再び中断する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
管財人が、更生会社から不当に流出した財産を取り戻すために、その行為の効力を否定できる権限です。個別の債権者ではなく管財人に集約されます。
中断した訴訟を、新たな当事者(ここでは管財人)が引き継いで続行することです。会社更生法 52 条の 2 では管財人が受継でき、相手方からも申立てできます。
詐害行為取消は民法 424 条に基づき個々の債権者が起こす訴訟、否認は倒産手続で管財人が起こすものです。更生手続開始で前者は中断し管財人に取り込まれます。
否認権は管財人に専属するため、債権者単独での続行は原則できません。中断したまま停止し、回収は更生債権の届出と更生計画に移行します。
更生手続全体のために生じた費用として、一般の更生債権に優先して随時・満額で弁済される債権です。受継後の相手方の訴訟費用請求権がこれにあたります。
会社更生法 52 条の 2 第 4 項により再び中断します。元の更生債権者・破産管財人・否認権限を有する監督委員等が受継しなければなりません(5 項)。
できません。更生手続では否認権が管財人に専属するため、個々の債権者がバラバラに財産回復訴訟を続行することは認められません。
管財人だけでなく、第 2 項後段により相手方(被告側)からも受継を申し立てられます。塩漬けを避けたいなら自分から手続を動かせます。
無駄にはなりません。訴訟は中断するだけで終了せず、管財人が受継すれば続行します(第 2 項)。さらに管財人受継後にあなた(相手方)が勝訴すれば、訴訟費用請求権は共益債権として優先・満額で回収できます(第 3 項)。業界裏話ヒント:一般の更生債権は計画で大幅カットされるのが通常ですが、共益債権はカット対象外。受継後の費用負担リスクは、この一文で実はかなり守られている
待つ必要はありません。第 2 項後段は「受継の申立ては、相手方もすることができる」と定めており、被告であるあなたから受継を申し立てられます。業界裏話ヒント:管財人は否認の見込みが薄い訴訟をあえて放置することがある。相手方から受継を申し立てて土俵に引き戻し、早期に決着させた方が、不確実性を抱え続けるより有利なケースは多い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 本条の役割 | 52 条の 2:否認訴訟・詐害行為取消訴訟等の中断と受継 | — |
| 主体 | 中断した訴訟を管財人が受継(相手方からも申立可) | — |
| 成果の帰属 | 受継後の成果は更生財団に帰属、全債権者で分配 | — |
| 行使方法 | 受継申立て(中断中の訴訟手続を引継ぎ) | — |
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