(作業環境の整備等)
第17条
船舶所有者は、船内作業の設備、機械、器具、用具等を整備し、かつ、整とんするとともに、船内における作業環境を常に良好な状態におくよう努めなければならない。
(作業環境の整備等)
船舶所有者は、船内作業の設備、機械、器具、用具等を整備し、かつ、整とんするとともに、船内における作業環境を常に良好な状態におくよう努めなければならない。
(接触等からの防護)
船舶所有者は、機械又は動力伝導装置の回転軸、歯車、はずみ車、調車その他の運動部分で通常の作業の際に接触するおそれのあるものには、囲い、手すり、おおい又は踏切橋を設けなければならない。
2船舶所有者は、掃除、注油、修理その他の作業を行なう場合であつて、墜落、転倒等により前項の運動部分に接触するおそれのあるときは、安全な足場を設けなければならない。
3船舶所有者は、蒸気、熱湯その他の高温の気体又は液体が通る管で通常の作業の際に接触するおそれのあるものは、その部分を被覆しなければならない。
(通行の安全)
船舶所有者は、船外との通行は、げん梯又は手すり及び踏みさんを施した幅四十センチメートル以上の歩み板によらせなければならない。ただし、やむを得ない理由により、げん梯又は歩み板を用いることができない場合であつて、通行の安全を確保するために必要な措置を講じているときは、この限りでない。
2船舶所有者は、夜間における船外との通行の安全を確保するために必要な照明を施さなければならない。
3船舶所有者は、積荷、漁具等を甲板上に積載する場合は、できる限り、げん側から離れた場所に通路を確保しておかなければならない。ただし、やむを得ない理由により、積荷、漁具等の上を通行の用に供する場合は、その上面を歩行に適するよう平らにし、かつ、その両側に、三十センチメートル以内の間隔に配した横棒を備える高さ一・二二メートル以上の保護柵又はこれに相当する保護索を設けなければならない。
(器具等の整とん)
船舶所有者は、落下、転倒、接触等により危害を及ぼすおそれのある刃物、工作用具等の器具又は用具及び予備部品を固定させ、被覆し、又は収納箱に入れておかなければならない。
(密閉区画からの脱出装置等)
船舶所有者は、凍結室、冷凍庫その他の密閉された区画であつて船員が通常その中で作業するものには、内部から操作できる開扉装置又は呼鈴その他の信号装置を設けなければならない。
(燃え易い廃棄物の処理)
船舶所有者は、油の浸みた布ぎれ、木くずその他の著しく燃え易い廃棄物は、防火性のふた付きの容器に収める等これを安全に処理しなければならない。
(液化石油ガスの取扱い)
船舶所有者は、液化石油ガス(液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律(昭和四十二年法律第百四十九号)第二条第一項に規定する液化石油ガスをいう。次項において同じ。)を燃料として調理作業等を行わせる場合は、調理作業等の場所を十分に換気するとともに、当該場所を無人の状態にしない等危険を防止するために必要な措置を講じなければならない。
2船舶所有者は、液化石油ガスのボンベを切り換え、又は取り換える作業を行わせる場合は、作業を開始する前に、安全性を確認するとともに、作業を開始する旨を船員に周知させなければならない。
(管系等の表示)
船舶所有者は、船内の管系及び電路の系統の種別を告示で定める識別標準により表示しなければならない。
(安全標識等)
船舶所有者は、危険物(危険物船舶運送及び貯蔵規則第二条第一号に掲げる危険物(常用危険物(同条第二号に掲げる常用危険物をいう。以下同じ。)を除く。)及び同条第一号の二に掲げるばら積み液体危険物をいう。以下同じ。)又は国土交通大臣の指定する常用危険物を積載する場所の見やすい箇所に、日本産業規格Z九一〇四「安全標識」(以下「安全標識」という。)に定める防火標識、禁止標識又は警告標識を施さなければならない。この場合において、火薬庫については、安全標識に定める第三種標識によらなければならない。
2船舶所有者は、前項のほか、消火器具置場、墜落の危険のある開口、高圧電路のろ出箇所、担架置場等船内の必要な箇所に、安全標識に定める防火標識、禁止標識、警告標識、安全状態標識又は指示標識を適宜施すよう努めなければならない。
3船舶所有者は、前二項の箇所のうち必要と認めるもの及び次に掲げる箇所に、夜光塗料を用いて方向標識又は指示標識を施さなければならない。ただし、非常照明装置が設けられている箇所については、夜光塗料を用いなくてもよい。
一非常の際に脱出する通路、昇降設備及び出入口
二消火器具置場
(油に関する文書の備置き)
船舶所有者は、油(海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律第三条第二号に掲げる油をいう。以下この条において同じ。)をばら積みで運送する場合又は燃料油を搭載する場合にあつては、当該油に関し次に掲げる事項が記載された文書を船内に備え置かなければならない。
一名称
二油をばら積みで運送する場合にあつては、荷送人(他人に運送を委託しないで運送する場合にあつては、その者)の氏名(法人にあつては、その名称)、住所及び電話番号
三燃料油を搭載する場合にあつては、燃料油供給者の氏名(法人にあつては、その名称)、住所及び電話番号
四危険性又は有害性の要約
五成分及びその含有量
六物理的及び化学的性質
七安定性及び反応性
八人体に及ぼす作用
九取扱い上の注意
十流出その他の事故が発生した場合において講ずべき応急の措置
十一適用される法令
十二その他参考となる事項
(照明)
船舶所有者は、作業を行なわせる場合は、作業の安全を確保するのに十分な照明を施さなければならない。
(床面等の安全)
船舶所有者は、作業場所及び通路の床面をつまづき、すべり、踏み抜き等のおそれのないよう必要な措置を講じなければならない。
2船舶所有者は、作業場所、通路又は昇降設備における突出部分で作業又は通行の際に接触し、又は衝突して危害を生ずるおそれのあるものを被覆する等適当な措置を講じなければならない。
(足場等の安全)
船舶所有者は、足場及び歩み板は、著しく損傷、変形又は腐しよくしていない材料を用い、使用の目的に応じた丈夫な構造としなければならない。
(海中転落の防止)
船舶所有者は、海中に転落するおそれのある場所においては、著しく作業の妨げとなる場合を除き、保護柵を使用させる等適当な措置を講じなければならない。
(経験又は技能を要する危険作業)
船舶所有者は、次に掲げる作業は、当該作業を所掌する部の業務に六月以上従事した経験を有する者又は船舶職員及び小型船舶操縦者法第四条の規定により当該作業を所掌する部の海技免許を受けた者、同法第二十二条の二第一項又は第二十二条の三第一項の規定により当該作業を所掌する部の船舶職員(同法第二条第二項に規定する船舶職員をいう。)になることについての承認を受けている者若しくは国土交通大臣が当該作業について認定した資格を有する者でなければ、これを行わせてはならない。ただし当該作業の熟練者の指揮の下に作業を行わせる場合は当該作業を所掌する部の業務に三月以上従事した経験を有する者に当該作業を行わせることができる。
一揚びよう機、ラインホーラー、ネツトホーラーその他のびよう鎖、索具、漁具等を海中に送入し、若しくは巻き上げる機械を操作し、又はこれらの機械により海中に送入若しくは巻上げ中のびよう鎖、索具、漁具等の走行を人力で調整する作業
二クレーン、ウインチ、デリツクその他の重量物を移動する機械又は装置を操作する作業
三フォークリフトの運転の作業
四運転中の機械又は動力伝導装置の運動している部分の注油、掃除、修理若しくは検査又は運動している調帯の掛換えの作業
五切削又はせん孔用の工作機械を使用する作業
六推進機関用の重油専焼罐に点火する作業
七揚貨装置又は陸上のクレーン若しくはデリックの玉掛け作業
八はい(積み重ねられた荷(小麦、大豆、鉱石等のばら物の荷を除く。)の集団をいう。)のはい付け又ははい崩しの作業
九刃物を用いて鯨体を解体する作業
十床面から二メートル以上の高所であつて、墜落のおそれのある場所における作業
十一げん外に身体の重心を移して行う作業
十二危険物の状態、酸素の量又は人体に有害な気体を検知する作業
十三石炭、鉄鉱石、穀物、石油その他の船倉内の酸素の欠乏の原因となる性質を有する物質をばら積みで運送する船舶において、これらの物質を積載している船倉内で行う作業
十四電気工事作業(感電のおそれのあるものに限る。)
十五可燃性ガス及び酸素を用いて行う金属の溶接、溶断又は加熱の作業
十六冷凍のためガスを圧縮し、又は液化して高圧ガスを製造する作業
2前項の規定にかかわらず、前項第三号、第六号、第七号、第十二号又は第十三号に掲げる作業については、国土交通大臣の登録を受けた講習(以下「登録危険作業講習」という。)の課程を修了した者に当該作業を行わせることができる。
3船舶所有者は、ヘルメツト式潜水器、マスク式潜水器その他の潜水器を用い、かつ、空気圧縮機若しくは手押ポンプによる送気又はボンベからの給気を受けて水深十メートル以上の場所において行う作業は、高気圧作業安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第四十号)第五十二条の規定による潜水士の免許を受けた者でなければ、これを行わせてはならない。
(船内衛生の保持)
船舶所有者は、船内の居住場所及び作業場所を清潔に保ち、気積、換気、採光、照明、温度、騒音、振動等の環境条件を衛生上良好な状態におくとともに、船員に十分な休養を与える等船員の健康の保持を図るよう努めなければならない。
(就業を禁止する船員)
船舶所有者は、精神の機能の障害により作業を適正に行うに当たつて必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない船員と医師が認めるものを作業に従事させてはならない。
2船舶所有者は、施行規則第二号表第三号に掲げる疾病であつて医師が船内労働に適さないと認めるものにかかつた船員を作業に従事させてはならない。
(医師の診断)
船舶所有者は、法第八十一条第三項各号に掲げる船員に該当する疑いのある船員については、遅滞なく医師の診断を受けさせなければならない。
2医師は、前項の診断を受けた船員が前条第一項に規定する船員に該当するかどうかを判断する場合においては、当該船員の障害の程度、経歴及び職務を考慮するものとする。
(健康検査に係る書面等の提出等)
船舶所有者は、常時使用する船員が健康検査を受けたときは、当該船員に当該健康検査についての医師の診断の結果が記載された書面又は当該書面の写し(以下この条から第三十一条の四までにおいて単に「書面等」という。)を提出させなければならない。
2書面等の作成に要する費用は、船舶所有者の負担とする。
(書面等の保存)
船舶所有者は、書面等を五年間保存しなければならない。
(健康検査結果についての医師からの意見聴取)
船舶所有者は、健康検査の結果(当該健康検査の項目に異常の所見があると診断された船員に係るものに限る。)に基づき、当該船員の健康を保持するために必要な措置について、当該船員が書面等を船舶所有者に提出した日から三月以内に医師の意見を聴かなければならない。
2船舶所有者は、前項の規定により聴取した医師の意見について記録を作成し、書面等と併せて保存しなければならない。
3船舶所有者は、医師から第一項の意見聴取を行う上で必要となる船員の業務に関する情報を求められたときは、速やかに、これを提供しなければならない。
(健康検査実施後の措置)
船舶所有者は、前条第一項の規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該船員の実情を考慮して、就業する場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、夜間労働の回数の減少、休日の付与、乗船期間の短縮その他の措置を講ずるほか、船内の作業環境測定の実施、設備の設置又は整備その他の適切な措置を講じなければならない。
(保健指導等)
船舶所有者は、健康検査の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める船員に対し、医師又は保健師による保健指導を行うよう努めなければならない。
2船員は、健康検査の結果及び前項の規定による保健指導を利用して、その健康の保持に努めるものとする。
(特殊な作業に従事する船員に対する健康検査)
船舶所有者は、次の各号に掲げる船員については、当該各号に定める事項について、健康検査の際及びその六月後に、法第八十三条の国土交通大臣の指定する医師(以下「指定医師」という。)により検査を受けさせなければならない。ただし、検査を受けさせるべき時期に当該船員の乗り組んでいる船舶が航海中である場合は、当該航海の終了後遅滞なく受けさせればよい。
一国土交通大臣の指定する衛生上有害な物を常時運送する船舶に乗り組んでいる者当該有害物の人体に与える障害の認知に必要な胸部エックス線直接撮影検査又はミラーカメラを用いて行う胸部エックス線間接撮影検査、尿検査、血液検査、神経系検査その他の臨床医学的検査
二専ら石炭をたく作業に従事している者当該作業の人体に与える障害の認知に必要な胸部エックス線直接撮影検査又はミラーカメラを用いて行う胸部エックス線間接撮影検査その他の臨床医学的検査
三専ら潜水作業に従事している者施行規則第五十五条第一項第四号、第六号、第十三号及び第十五号から第十七号までに掲げる検査(指定医師が必要でないと認めたものを除く。)
2船舶所有者は、前項第一号の船員について雇入契約が終了する場合又は雇入契約を解除する場合であつて当該船員が当該雇入契約の終了又は解除のとき(以下この項において「下船の時」という。)より前六月以内に同号の検査を受けていないときは、当該船員に同号の検査を受けさせなければならない。ただし、胸部エックス線直接撮影検査又はミラーカメラを用いて行う胸部エックス線間接撮影検査については、下船の時より前六月以内に当該船員が健康検査の際に受けている場合は、これを省略するものとする。
3船舶所有者は、前二項の検査の結果、当該船舶に乗り組み、又は当該作業に従事することが不適当であると判定された船員を、引き続き当該船舶に乗り組ませ、又は当該作業に従事させてはならない。
4船舶所有者は、第六十四条の騒音の激しい作業を行う船員については、健康検査の際に、千ヘルツ及び四千ヘルツの音その他医師が適当と認める周波数の音に係る聴力の検査を受けさせるよう努めるとともに、その検査の結果を踏まえ、船員の健康を保持するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
5第一項、第二項及び前項の検査に要する費用は、雇用中の船員については、船舶所有者の負担とする。
(長時間にわたる労働に関する面接指導の実施)
船舶所有者(常時五十人以上の船員を使用する船舶所有者に限る。以下この条から第三十二条の六までにおいて同じ。)は、次に掲げる要件のいずれにも該当する船員から第四項の申出があつたときは、遅滞なく、当該船員に対し、医師による面接指導(問診その他の方法により心身の状況を把握し、これに応じて面接により必要な指導を行うことをいう。以下同じ。)を行わなければならない。
一一週間当たり四十時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が一月当たり八十時間を超える者であること。
二疲労の蓄積が認められる者であること。
三次項の期日前一月以内に医師による面接指導を受けた船員その他これに類する船員であつて、面接指導を受ける必要がないと医師が認めた者でないこと。
2前項第一号の超えた時間の算定は、毎月一回以上、一定の期日を定めて行わなければならない。
3船舶所有者は、第一項第一号の超えた時間の算定を行つたときは、速やかに、同号の超えた時間が一月当たり八十時間を超えた船員に対し、当該船員に係る当該超えた時間に関する情報を通知しなければならない。
4第一項各号の要件に該当する船員は、第二項の期日後、遅滞なく、第一項の面接指導を受けることを申し出なければならない。ただし、船舶所有者の指定した医師が行う面接指導を受けることを希望しない場合において、他の医師による第一項の規定による面接指導に相当する面接指導を受け、その結果を証明する書面を船舶所有者に提出したときは、この限りでない。
5前項ただし書の書面は、当該船員の受けた面接指導について、次に掲げる事項を記載したものでなければならない。
一実施年月日
二当該船員の氏名
三面接指導を行つた医師の氏名
四当該船員の疲労の蓄積の状況
五前号に掲げるもののほか、当該船員の心身の状況
6船舶所有者は、医師が、第四項の申出を行つた船員に対して第一項の面接指導を行うに当たり、当該医師に次に掲げる事項の確認を行わせなければならない。
一当該船員の勤務の状況
二当該船員の疲労の蓄積の状況
三前号に掲げるもののほか、当該船員の心身の状況
7産業医は、第一項の要件に該当する船員に対して、第四項の申出を行うよう勧奨することができる。
(長時間にわたる労働に関する面接指導結果の記録の作成等)
船舶所有者は、前条第一項の規定による面接指導(同条第四項ただし書の場合において当該船員が受けたものを含む。次項及び次条において単に「面接指導」という。)の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを五年間保存しなければならない。
2前項の記録は、船員の受けた面接指導について、次に掲げる事項及び次条の規定による医師の意見を記載したものでなければならない。
一実施年月日
二当該船員の氏名
三面接指導を行つた医師の氏名
四当該船員の疲労の蓄積の状況
五前号に掲げるもののほか、当該船員の心身の状況
(長時間にわたる労働に関する面接指導結果についての医師からの意見聴取)
船舶所有者は、面接指導の結果に基づき、当該船員の健康を保持するために必要な措置について、当該面接指導が行われた後(同条第四項ただし書の場合にあつては、当該船員が同項ただし書の書面を船舶所有者に提出した後)、遅滞なく、医師の意見を聴かなければならない。
(長時間にわたる労働に関する面接指導実施後の措置)
船舶所有者は、前条の規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該船員の実情を考慮して、就業する場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、夜間労働の回数の減少、休日の付与、乗船期間の短縮その他の適切な措置を講じなければならない。
(第三十二条の二第一項の規定により面接指導を行う船員以外の船員に対する面接指導等)
船舶所有者は、第三十二条の二第一項の規定により面接指導を行う船員以外の船員であつて健康への配慮が必要なものとして船舶所有者が定めた基準に該当するものについては、同項の面接指導の実施又は同項の面接指導に準ずる措置(以下「面接指導等」という。)を講ずるよう努めなければならない。
(第三十二条の二第一項の船舶所有者以外の船舶所有者の努力義務)
船舶所有者(常時五十人以上の船員を使用する船舶所有者を除く。)は、第三十二条の二第一項の要件又は前条の基準に該当する船員について、面接指導等の措置を講ずるよう努めなければならない。
(心理的な負担の程度を把握するための検査の実施)
船舶所有者(常時五十人以上の船員を使用する船舶所有者に限る。以下この条から第三十二条の十五までにおいて同じ。)は、常時使用する船員に対し、一年に一回、次に掲げる事項について、労働安全衛生法第六十六条の十第一項に規定する医師等(次条から第三十二条の十二までにおいて単に「医師等」という。)による心理的な負担の程度を把握するための検査(以下この条から第三十二条の十二まで及び第三十二条の十六において単に「検査」という。)を行わなければならない。
一船内における当該船員の心理的な負担の原因に関する項目
二当該船員の心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目
三船内における他の船員による当該船員への支援に関する項目
2検査を受ける船員について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはならない。
(検査結果の通知等)
船舶所有者は、前条第一項の規定により行う検査を受けた船員に対し、当該検査を行つた医師等から、遅滞なく、当該検査の結果が通知されるようにしなければならない。この場合において、当該医師等は、あらかじめ当該検査を受けた船員の同意を得ないで、当該検査の結果を船舶所有者に提供してはならない。
2前項の規定による船員の同意の取得は、書面又は電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られる記録であつて、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)によらなければならない。
(検査結果の記録の作成等)
船舶所有者は、前条第一項の規定による船員の同意を得て、当該検査を行つた医師等から当該船員の検査の結果の提供を受けた場合には、当該検査の結果に基づき、当該検査の結果の記録を作成して、これを五年間保存しなければならない。
2船舶所有者は、前項に規定する場合を除き、検査を行つた医師等による当該検査の結果の記録の作成の事務及び当該検査の実施の事務に従事した者による当該記録の保存の事務が適切に行われるよう、必要な措置を講じなければならない。
(検査結果の集団ごとの分析等)
船舶所有者は、第三十二条の八第一項の規定による検査を行つた場合は、当該検査を行つた医師等に、当該検査の結果を当該検査を受けた船員が乗り組む船舶その他の一定規模の集団ごとに集計させ、その結果について分析させるよう努めなければならない。
2船舶所有者は、前項の分析の結果を勘案し、その必要があると認めるときは、当該集団の船員の実情を考慮して、当該集団の船員の心理的な負担を軽減するための適切な措置を講ずるよう努めなければならない。
(心理的な負担に関する面接指導の実施)
船舶所有者は、第三十二条の九第一項の規定による通知を受けた船員のうち、検査の結果、次に掲げる要件のいずれにも該当するものが面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、当該申出をした船員に対し、遅滞なく、面接指導を行わなければならない。この場合において、船舶所有者は、船員が当該申出をしたことを理由として、当該船員に対し、不利益な取扱いをしてはならない。
一心理的な負担の程度が高い者であること。
二医師による面接指導を受ける必要があると当該検査を行つた医師等が認めた者であること。
2前項の規定による申出(次項及び第四項において「申出」という。)は、前項の要件に該当する船員が検査の結果の通知を受けた後、遅滞なく行うものとする。
3検査を行つた医師等は、第一項の要件に該当する船員に対して、申出を行うよう勧奨することができる。
4船舶所有者は、医師が、申出を行った船員に対し第一項の規定による面接指導を行うに当たり、当該医師に第三十二条の八第一項に掲げる事項及び次に掲げる事項の確認を行わせなければならない。
一当該船員の勤務の状況
二当該船員の心理的な負担の状況
三前号に掲げるもののほか、当該船員の心身の状況
(心理的な負担に関する面接指導結果の記録の作成等)
船舶所有者は、前条第一項の規定による面接指導の結果に基づき、前条第四項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載した当該面接指導の結果の記録を作成して、これを五年間保存しておかなければならない。
一実施年月日
二当該船員の氏名
三面接指導を行つた医師の氏名
四次条の規定による医師の意見
(心理的な負担に関する面接指導結果についての医師からの意見聴取)
船舶所有者は、第三十二条の十二第一項の規定による面接指導の結果に基づき、当該船員の健康を保持するために必要な措置について、当該面接指導が行われた後、遅滞なく、医師の意見を聴かなければならない。
(心理的な負担に関する面接指導実施後の措置)
船舶所有者は、前条の規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該船員の実情を考慮して、就業の場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、夜間労働の回数の減少、休日の付与、乗船期間の短縮その他の適切な措置を講じなければならない。
(第三十二条の八第一項の船舶所有者以外の船舶所有者の努力義務)
船舶所有者(常時五十人以上の船員を使用する船舶所有者を除く。)は、常時使用する船員について、検査及び医師による面接指導を行うよう努めなければならない。
(心身の状態に関する情報の取扱い)
船舶所有者は、この省令の規定による措置の実施に関し、船員の心身の状態に関する情報を収集し、保管し、又は使用するに当たつては、船員の健康の確保に必要な範囲内で船員の心身の状態に関する情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。
2船舶所有者は、船員の心身の状態に関する情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない。
(通風及び換気)
船舶所有者は、機関室、調理室等高温又は多湿の状態にある船内の作業場には、通風、換気等温湿度調節のための適当な措置を講じなければならない。
(ねずみ族及び虫類の駆除)
船舶所有者は、居住設備、衛生設備その他ねずみ族又は虫類のひそみやすい場所については、毎年一回以上薬品によりねずみ族又は虫類を駆除する措置を講じなければならない。
2検疫法(昭和二十六年法律第二百一号)第二十五条ただし書の証明書を有する船舶については、当該証明書の発行の日から六月間は、前項の規定にかかわらず、同項の措置を講じなくてもよい。
3船舶所有者は、第一項の措置を講ずるため船員にくん蒸を行なわせる場合には、国土交通大臣が指定する薬品を使用してはならない。
(手を洗う設備)
船舶所有者は、船内の適当な場所に手を洗うことのできる設備を設けなければならない。
(便所)
船舶所有者は、船内の便所について、その本来の用途において船員が常時使用できる状態に維持しなければならない。
(調理作業)
船舶所有者は、調理作業を行なわせる場合は、当該作業に従事する者に、清潔な衣服を着用させ、手を洗浄させる等衛生上必要な措置を講じなければならない。
2船舶所有者は、ちゆう房用器具、食器等調理用又は食事用の器具を清潔に保たなければならない。
3船舶所有者は、調理作業に従事する者以外の者を、調理作業を行なう場所にみだりに立ち入らせてはならない。
(食料の貯蔵)
船舶所有者は、食料の貯蔵については、食料の種類に応じた保存方法を講ずるとともに貯蔵設備を清潔に保たなければならない。
2船舶所有者は、食料の調理にあたつては、その鮮度を確認させ、洗浄を行なわせる等衛生上必要な措置を講じなければならない。
(清水の積み込み及び貯蔵)
船舶所有者は、清水を積み込む場合は、清浄なものを積み込まなければならず、かつ、これを衛生的に積み込み、及び保つために、次に掲げる措置を講じなければならない。
一清水の積み込み前には、元せん及びホースを洗浄すること。
二清水用の元せん及びホースは、専用のものとすること。
三清水用の元せんにはふたをつけ、ホースは清潔な場所に保管すること。
四清水タンクに使用する計量器具は、専用のものとし、かつ、清潔に保存すること。
五飲用水のタンクで内部がセメント塗装のものは、貯蔵する清水を清浄に保ちうる状態まであく抜きをすること。
六その他清水を衛生的に保つための必要な措置
(河川水等の使用制限)
船舶所有者は、河川の水又は港内の海水を調理用又は浴用に使用してはならない。
(飲用水タンク等)
船舶所有者は、飲用水のタンク及び飲用水の管系には飲用水以外のものを貯蔵し、又は通させてはならない。ただし、やむを得ない理由のある場合であつて、飲用水が汚染しないための措置を講ずるときは、この限りでない。
2船舶所有者は、飲用水を常に船員が飲用しうるよう設備しておかなければならない。
(飲用水の水質検査等)
船舶所有者は、飲用水のタンクに積み込まれた飲用水(小型船に積み込まれたものを除く。次項及び第三項において単に「飲用水」という。)について、少なくとも一年に一回、地方公共団体等の行う水質検査を受けなければならない。ただし、最後に水質検査を受けた日から一年を経過した日に、船舶が航海中であり、又は外国の港にある場合は、当該船舶が国内の港に到着した後遅滞なく水質検査を受ければよい。
2船舶所有者は、前項の水質検査の結果、当該飲用水の水質が飲用に適しないと判定された場合は、速やかにタンク内の飲用水の交換その他必要な措置を講じなければならない。この場合において、地方運輸局長が必要と認めるときは、これらの措置を実施後、速やかに水質検査を受け、当該飲用水が飲用に適することについて水質検査を行う地方公共団体等の確認を受けなければならない。
3船舶所有者は、少なくとも一月に一回、飲用水に含まれる遊離残留塩素の含有率についての検査を行わなければならない。この場合において、遊離残留塩素の含有率が百万分の〇・一未満であつたときは、船舶所有者は、速やかに改善措置を講じなければならない。
4船舶所有者は、少なくとも二年(船舶安全法第十条第一項ただし書に規定する船舶にあつては、三年)に一回、飲用水のタンク、当該タンクに付属する管系等の洗浄を行わなければならない。ただし、最後に洗浄を行つた日から当該期間を経過した日に、船舶が航海中であり、又は外国の港にある場合は、当該日から六月以内に洗浄を行えばよい。
(伝染病の予防)
船舶所有者は、船舶が別表第一に定める伝染病が発生している地域又は発生するおそれのある地域におもむく場合は、予防注射の実施、衛生用品の整備、伝染病の予防に必要な注意事項に関する教育等感染防止のために必要な措置を講じなければならない。
2船舶所有者は、前項の地域においては、食料及び飲用水の購入の制限、外来者に対する防疫の措置、衛生状態に関する情報の収集等感染防止のために必要な措置を講じなければならない。
(伝染防止)
船舶所有者は、船内において伝染病又は伝染病の疑いのある疫病が発生した場合は、患者の隔離、患者の使用した場所、衣服、器具等の消毒、なま水及びなま物の飲食の制限等伝染防止のために必要な措置を講じなければならない。
(救急措置に必要な衛生用品)
船舶所有者は、液体化学薬品タンカー及び液化ガスタンカーには、他の法令において備えなければならないものを除き、貨物の性状に応じた解毒剤、つり上げ用担架及び酸素吸入器を備えなければならない。
(医療機関との連絡)
船舶所有者は、船内において救急患者が発生したときは、必要に応じ、医療機関と緊密な連絡を保ち、その指示にしたがつて適当な措置を講じなければならない。
(検知器具)
船舶所有者は、酸素が欠乏するおそれのある場所における作業を行なわせる船舶には、酸素の量を計るために必要な検知器具を備えなければならない。
2船舶所有者は、危険物のうち、人体に有害な気体を発散するおそれのある物質を積載する船舶には、当該気体の量を計るために必要な検知器具(他の法令において備えなければならないものを除く。)を備えなければならない。
(保護具)
船舶所有者は、船員に使用させるべき保護具については、他の法令の規定により備える保護具を含めて、これを必要とする作業に同時に従事する人数と同数以上を船舶に備え、常時有効、かつ、清潔にこれを保持しなければならない。
2船舶所有者は、前項の保護具のうち、自蔵式呼吸具、送気式呼吸具及び空気圧縮機については、少なくとも一月に一回これらを点検しなければならない。
3船舶所有者は、液体化学薬品タンカーにおいては、新品又は洗浄後未使用である場合を除き、保護具及び作業衣を居住場所から隔離して保管しなければならない。
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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)