要点刑法209条は、過失により人を傷害した者を三十万円以下の罰金又は科料に処すると定める。本罪は親告罪であり、被害者の告訴がなければ起訴できない。
Q · 自転車でうっかり人に怪我をさせたら、必ず前科がつくの?
親告罪なので、被害者が告訴しなければ起訴されません
刑法209条の過失傷害罪は、三十万円以下の罰金又は科料のみで、懲役や拘禁刑はありません。さらに同条2項により親告罪とされており、被害者の告訴がなければ検察官は公訴を提起できません。そのため、誠実な謝罪と治療費の負担で示談が成立すれば、刑事化する前に終わるケースが大半です。なお仕事中の事故は業務上過失致傷(211条)となり親告罪ではないため、扱いが変わります。
自転車で歩行者にぶつかって怪我をさせた。子どもがふざけて投げた物が隣人に当たり裂傷を負わせた。これらはすべて刑法209条の過失傷害罪に当たりうる。だが多くの人が見落としている事実が二つある。第一に、刑罰は罰金か科料だけで、懲役も拘禁刑もない。前科のつく罰金刑ではあるが、身体は拘束されない。第二に、これは親告罪である。被害者が告訴しなければ、検察官はそもそも起訴できない。処罰のスイッチは検察ではなく被害者の手にある。さらに重要なのは「過失」傷害だという点だ。わざとやった傷害罪(204条)とは別物で、刑も告訴の要否も違う。そして仕事中の事故なら業務上過失致傷(211条)に格上げされ、そちらは親告罪ではない。同じ怪我でも、誰が、どんな状況で負わせたかで、入口が完全に変わる。
刑法209条1項は、過失によって人の身体を傷害した者を三十万円以下の罰金又は科料に処する旨を定める過失犯処罰規定である。同条2項により本罪は親告罪とされ、告訴権者の告訴がなければ公訴を提起できない。故意犯である傷害罪(204条)および加重類型である業務上過失致傷罪(211条)とは区別される。
過失(不注意)で人に怪我をさせる罪です。刑法209条が根拠で、三十万円以下の罰金又は科料に処せられます。故意の傷害罪(204条)とは別物で、刑が軽く親告罪である点が特徴です。
三十万円以下の罰金、又はより軽い科料(千円以上一万円未満)です。懲役や拘禁刑はありません。ただし罰金でも前科は残るため、職業によっては影響が生じます。
公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。罰金にあたる罪のため最も短い区分になります。これとは別に、被害者の告訴期間は犯人を知った日から6か月です。
被害者が犯人を知った日から6か月以内です(刑事訴訟法235条1項)。この期間を過ぎると、被害者は刑事告訴ができなくなります。加害者側は時限を意識した対応が重要です。
被害者が告訴すれば捜査対象になります。ただし罰金以下の軽い罪のため、誠実な対応で告訴を見送ってもらう交渉余地は大きいです。示談不成立のまま告訴・起訴されれば前科がつく可能性があります。
なる場合があります。ルールの範囲内で許容される危険を超え、注意義務違反が認められれば209条の対象です。野球の打球やゴルフのミスショットでの負傷などが典型例です。
なります。スマホを見ながらの運転などで歩行者に衝突し怪我をさせれば、過失傷害罪に問われ得ます。自転車保険は民事の賠償をカバーしますが、刑事責任は別軌道で残ります。
第一審判決前まで取り消せます。ただし一度取り消すと再び告訴できません(刑事訴訟法237条2項)。被害者にとっては最後のカードを切る行為になります。
必ずつくわけではありません。過失傷害罪(209条)は親告罪で、被害者が告訴しなければ起訴されません。誠実に謝罪し治療費を負担して示談が成立すれば、刑事化する前に終わるケースが大半です。業界裏話ヒント:示談書に「被害者は加害者を刑事告訴しない」の一文を入れるのが鉄則です。これがあるかないかで、同じ示談金を払っても前科の有無が変わる。弁護士はこの一文の有無を真っ先に確認します
過失傷害は罰金か科料のみで懲役がなく、逮捕されて身柄を拘束される事案は稀です。告訴されても、示談が整えば不起訴になることが多い。むしろ告訴は賠償交渉のカードとして使われる面が強いです。業界裏話ヒント:告訴の取消しは一度きりで、取り消すと二度と告訴できません(刑訴法237条2項)。相手にとっても告訴は切り札を切る行為なので、こちらが誠実に対応すれば、実際に告訴まで進む前に和解で収まる確率は高い
ケースによります。単なる過失なら209条で親告罪ですが、業務上の注意義務違反と評価されれば業務上過失致傷(211条)になり、こちらは親告罪ではありません。被害者が告訴を望まなくても、検察官の判断で起訴されうる。業界裏話ヒント:『仕事中かどうか』が親告罪の境目です。同じ怪我でも、業務性が認められた瞬間に被害者の意思だけでは止められなくなる。職場の事故では早期に弁護士へ相談し、業務上過失に該当するかを見極めるのが先決です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 主観的要件 | 過失傷害(209条):不注意による傷害 | — |
| 法定刑 | 三十万円以下の罰金又は科料 | — |
| 親告罪か | 親告罪(告訴がなければ起訴不可) | — |
| 典型場面 | 自転車事故・遊び・スポーツ中の不注意 | — |
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