再犯の刑は、その罪について定めた拘禁刑の長期の二倍以下とする。
要点刑法57条は、再犯の刑をその罪について定めた拘禁刑の長期の二倍以下とすると定める。加重されるのは上限のみで、下限は変わらない。
Q · 再犯だと刑が本当に二倍になるの?
二倍になるのは上限だけで、下限は変わらない
刑法57条により、再犯の刑はその罪について定めた拘禁刑の長期の二倍以下となります。ただし加重されるのは「長期(上限)」だけで、「短期(下限)」は一切動きません。さらに二倍にしても有期拘禁刑は30年を超えられません(14条2項)。前提として、前に拘禁刑以上の刑を受け、その執行終了または免除から5年以内に新たな罪を犯したことが必要です(56条)。罰金前科や執行猶予の満了は、この要件を満たさず加重対象外です。
出所して数年、ようやく生活を立て直した矢先に、また警察の世話になってしまった。取調官が前科の記録を読み上げ、「これは再犯だな」と言う。その一言の重みを正確に知っている人は少ない。刑法57条は、再犯の刑をその罪について定めた拘禁刑の長期の二倍以下とすると定める。ここに弁護士しか正確に説明しない急所が二つある。第一に、二倍になるのは「長期」つまり刑の上限だけで、「短期」つまり下限は動かない。窃盗の法定刑は10年以下だが、再犯なら上限が20年に伸びるだけで、裁判官が必ず重くするわけではない。第二に、この加重には前提条件がある。前に拘禁刑以上の刑を受け、その執行を終えた日から5年以内に、新たに有期拘禁刑にあたる罪を犯したこと(56条)。罰金前科では足りない。出所から5年を一日でも過ぎていれば、再犯加重そのものが成立しない。あなたの前科が「いつ終わったか」、その日付一つが、刑期の天井を左右する。
刑法57条は再犯加重を定める規定であり、再犯者に対し、その罪について定めた拘禁刑の長期を二倍以下に引き上げる旨を規定する。加重の対象は長期(刑の上限)に限られ、短期(下限)は変動しない。前に拘禁刑以上の刑を受け、その執行終了または免除から5年以内に新たに有期拘禁刑相当の罪を犯したこと(56条)が適用の前提となる。
前に拘禁刑以上の刑を受けた者が、その執行終了等から5年以内に新たな罪を犯した場合、刑の上限(長期)を二倍以下に引き上げる制度です。刑法56条・57条が根拠です。
ほぼ同義で使われます。刑法上の累犯は56条以下を指し、その中心が再犯(二度目)です。三犯以上は59条で再犯の規定が準用されます。
前に受けた拘禁刑以上の刑の執行を終わった日、またはその執行の免除を得た日から起算します(56条1項)。この5年以内の犯行かどうかが分水嶺です。
上がりません。57条で二倍になるのは長期(上限)だけで、短期(下限)は据え置かれます。裁判官が必ず重い刑を科すわけではありません。
刑法59条により、三犯以上の者にも再犯の規定が準用されます。回数が増えても加重の仕組みは再犯と同じく長期の二倍以下です。
別系統の加重として重なり得ます。再犯加重(57条)と併合罪加重(47条)が併存する事件では、72条の順序に従い二段に計算されます。
2025年6月施行の改正で「懲役」と「禁錮」を一本化した新しい刑です。57条の文言も「懲役」から「拘禁刑」に改められました。
執行猶予期間を満了すれば刑の言渡しは効力を失い(27条)、再犯加重の前提となる前刑が存在しない扱いになります。実刑でも5年経過で加重は外れます。
なりません。刑法56条の再犯は、前に「拘禁刑以上の刑」を受けた者が対象で、罰金や科料の前科は数に入りません。したがって57条の加重も働きません。業界裏話ヒント:ただし窃盗を繰り返している場合は、刑法ではなく盗犯等防止法の常習累犯窃盗(同法3条)で別途重く処断される道があります。同じ「前にもやった」でも、適用される法律が刑法57条か特別法かで、刑の天井がまるで違う。どの条文の土俵で戦っているかを最初に確認する
二倍になるのは「長期」つまり刑の上限だけで、「短期」つまり下限は動きません(57条)。さらに上限を二倍にしても有期拘禁刑は30年を超えられません(14条2項)。つまり天井が上がるだけで、裁判官が必ずそこまで科すわけではありません。業界裏話ヒント:検察の求刑が一見重く見えても、量刑の実勢は更生環境・被害弁償・反省で大きく動く。「上限が二倍」と「実際に科される刑」は別物で、ここを混同して絶望すると情状弁護の機会を自ら捨てることになる
それは57条の再犯加重とは別の話です。猶予期間中の再犯は、前の執行猶予が取り消され(刑法26条等)、前刑も併せて服役することになる問題で、累犯加重とは仕組みが違います。再犯加重は前刑の執行を「終えた」後5年以内が要件だからです。業界裏話ヒント:逆に、執行猶予期間を無事に満了すれば刑の言渡しは効力を失い(27条)、その後に事件を起こしても再犯加重の対象になりません。猶予期間を完走できるかどうかが、将来の刑の天井まで左右する
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 加重の根拠 | 刑法57条:再犯加重(前刑+5年要件、56条) | — |
| 加重の対象 | 長期(上限)のみ二倍、短期は不変 | — |
| 前提条件 | 前に拘禁刑以上+執行終了等から5年以内+新犯が有期拘禁刑相当 | — |
| 上限の天井 | 二倍にしても有期拘禁刑は30年が上限(14条) | — |
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