三犯以上の者についても、再犯の例による。
要点刑法 59 条は、三犯以上の者も再犯の例によると定める。三犯以上でも加重の上限は再犯と同じ『長期の 2 倍』であり、回数に比例して刑が際限なく重くなるわけではない。
Q · 前科が 3 回 4 回と増えると、その分どんどん刑が重くなるの?
いいえ、三犯以上でも加重の上限は再犯と同じ二倍です
刑法 59 条は、三犯以上の者についても再犯の例によると定めます。つまり三回目以降でも独自の加重はなく、加重の上限は刑法 57 条の『長期の 2 倍』のままで、回数に比例して際限なく重くなることはありません。さらに累犯として加重されるには、前刑が懲役・拘禁刑であり、その執行終了から 5 年以内に有期の懲役・拘禁刑にあたる罪を犯したことが必要です(刑法 56 条)。罰金前科や 5 年を過ぎた前科は累犯に数えません。
前科が二つ三つと積み重なっている人が、新たに罪を犯して起訴される。そのとき頭をよぎるのは「回数が増えるほど、刑はどこまでも重くなるのではないか」という恐怖だろう。刑法59条はその恐怖に意外な答えを返す。「三犯以上の者についても、再犯の例による」。たった一文だが、ここに重要な仕組みが隠れている。三回目だろうと五回目だろうと、加重のルールは「再犯」と同じ、つまり刑法57条が定める「長期の2倍まで」が上限であり、回数に比例して青天井に伸びるわけではない。さらに見落とされがちなのが、累犯として加重されるには条件があること。前の刑が懲役または拘禁刑で、その執行を終えてから5年以内に、また有期の懲役・拘禁刑にあたる罪を犯した場合に限られる。罰金の前科や、5年を過ぎた前科は累犯には数えない。「前科持ちだからもう終わりだ」と諦める前に、その前科が本当に累犯加重の対象なのかを確認する価値がある。
刑法 59 条は、三犯以上の累犯の処断を定める規定であり、三回目以降の犯罪についても再犯(刑法 56 条・57 条)の例によることを明らかにする。すなわち三犯以上であっても独自の加重を設けず、加重の方法と上限は再犯と同一であり、その刑は長期の 2 倍を超えない。犯罪回数の多さ自体が新たな加重事由となるものではない。
前刑(懲役・拘禁刑)の執行終了から 5 年以内に、再び有期の懲役・拘禁刑にあたる罪を犯すことです(刑法 56 条)。要件を満たすと刑が加重されます。
再犯の刑は、その罪の長期の 2 倍が上限です(刑法 57 条)。三犯以上もこの例によるため(59 条)、回数が増えても天井は同じです。
5 年以内です。起算点は刑の執行を終えた日、または執行の免除を得た日です(刑法 56 条)。判決確定日や犯行日ではない点に注意が必要です。
累犯は過去の前科を前提に加重するもの、併合罪(刑法 47 条)は確定判決を経ていない複数の罪を一括して処断するものです。根拠も計算方法も異なります。
原則として累犯ではなく、執行猶予の取消し(刑法 26 条)の問題になります。累犯は前刑の執行を終えて 5 年以内が前提だからです。
判例は合憲とします。過去の罪を再び罰するのではなく、刑罰の警告を無視して新たに罪を犯した点を重く評価するもので、憲法 39 条に反しないと整理されています。
刑の執行終了等から、罰金以上は一定期間(懲役・禁錮は 10 年、罰金は 5 年など)罰金以上の刑を受けなければ刑の言渡しは効力を失います(刑法 34 条の 2)。
盗犯等防止法 3 条の常習累犯窃盗は、刑法の窃盗罪より格段に重い法定刑が定められ、累犯加重とは別枠の特別な加重として適用されます。
いいえ。刑法59条は三犯以上も「再犯の例による」と定めるだけで、再犯(二犯目)を超える追加の加重はありません。加重の上限は刑法57条の『長期の2倍』で、回数に比例して際限なく上がるわけではない。業界裏話ヒント:弁護士は量刑弁論で『回数は多いが加重の上限は再犯と同じ』と裁判官に確認させ、回数の印象だけで刑が引き上げられる流れを抑えにいく。回数の多さに気を取られている被告人ほど、この上限の存在を知らずに必要以上に絶望している
原則カウントされません。累犯加重の前提は、前刑が懲役または拘禁刑であり、その執行終了から5年以内に新たな罪を犯したことです(刑法56条)。罰金前科は累犯加重の対象外です。業界裏話ヒント:検察側が安易に「累犯」と整理してくることがありますが、前刑の刑種と執行終了日を一つずつ照合すると前提を欠くケースは珍しくない。前刑の判決書と執行終了の記録を取り寄せて要件を一つずつ潰す、この地味な確認作業が求刑の前提を崩す最初の一手になる
そうとは限りません。累犯加重は法定刑の上限を引き上げるものであり、執行猶予の可否を直接禁じるものではありません。執行猶予の要件(刑法25条)を満たせば、累犯でも猶予がつく余地はあります。業界裏話ヒント:実務では加重の有無より、被害弁償・示談・更生環境の整備の方が執行猶予の分かれ目になることが多い。『累犯だから猶予は無理』と最初から諦めて情状立証を手薄にするのが一番もったいない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 加重の根拠 | 刑法 59 条:三犯以上も再犯の例による | — |
| 加重の上限 | 再犯と同じ長期の 2 倍(57 条準用)、回数で青天井にならない | — |
| 前提要件 | 再犯の要件を満たした上で三犯目以降であること | — |
| 争い方 | 前刑の刑種・執行終了日・5 年計算を弁護側が検証 | — |
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