国会法 第86条の2
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- 憲法改正原案について、甲議院において乙議院の回付案に同意しなかつたとき、又は乙議院において甲議院の送付案を否決したときは、甲議院は、両院協議会を求めることができる。
- 2.憲法改正原案について、甲議院が、乙議院の回付案に同意しなかつた場合において両院協議会を求めなかつたときは、乙議院は、両院協議会を求めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第86条の2は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第86条の2の条文原文は「憲法改正原案について、甲議院において乙議院の回付案に同意しなかつたとき、又は乙議院において甲議院の送付案を否決したときは、甲議院は、両院協議会を求めることができ…」で始まります。
- 国会法第86条の2は第十章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第86条の2の前の条は国会法第86条です。
- 国会法第86条の2の次の条は国会法第87条です。
- 国会法第86条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第86条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第86条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/86_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法86条の2は、憲法改正原案で両院の議決が異なる場合、先に可決した甲議院が両院協議会を求められると定める。甲議院が求めないときは乙議院も請求できる。
Q · 憲法改正で衆議院と参議院の判断が割れたら、どうなるの?
再可決はできず、両院協議会での調整しかない
憲法改正には法律案のような衆議院の再可決(憲法59条2項)がありません。国会法86条の2により、乙議院が否決したとき、または甲議院が回付案に同意しないときは甲議院が両院協議会を求めることができます。甲議院が求めなければ乙議院も請求可能です。成案には出席協議委員の三分の二(国会法92条)が必要で、さらに各院で総議員の三分の二以上の賛成(憲法96条)を得なければ発議に至りません。
解説
憲法改正で衆議院と参議院の判断が分かれた場合、「最後は衆議院が決める」とはならない。法律案なら衆議院が出席議員の三分の二で再可決できる(憲法59条2項)。しかし憲法改正にはその抜け道がない。憲法96条は、各議院でそれぞれ総議員の三分の二以上の賛成を求めているからだ。国会法86条の2は、両院の判断が割れたときに残る唯一の調整手段として両院協議会(両院から選ばれた代表各10人が妥協案を作る会議)を開く権利を定める。原案を先に可決して送った側の議院(甲議院)は、相手が否決したときにも、修正して送り返してきた案(回付案)に同意できないときにも、協議会を求められる。甲議院が同意しないまま協議会を求めなかった場合は、修正した側の議院(乙議院)が求めることができる。協議会で成案を作るには出席協議委員の三分の二が必要で、その後も各院で総議員の三分の二を取り直さなければならない。改憲のニュースで「衆院通過」と報じられても、まだ半分にも届いていない。その理由がここにある。
法的な位置づけ
国会法86条の2は、憲法改正原案について両院の議決が一致しない場合の両院協議会の請求権者を定める規定である。乙議院が送付案を否決した場合または甲議院が回付案に同意しなかった場合は甲議院に、甲議院が回付案に同意せず協議会を求めなかった場合は乙議院に請求権を認める。衆議院の優越が及ばない憲法改正手続における唯一の両院間調整手段である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.衆参両院の議決状況を確認 報道で「衆院通過」と出ても発議は未確定。参議院での審議状況、可決・否決・修正回付のどれになったかを衆議院・参議院の公式サイトで確認する
- 2.三分の二の議席ラインを計算 各院の総議員数から三分の二の議席数を算出し、賛成会派の議席数と比べて何議席足りないかを数える。欠席・棄権は事実上の反対票として働く点に注意
- 3.協議会の請求権者を特定 乙議院が否決したなら甲議院のみ、甲議院が回付案に同意しなかったならまず甲議院、甲議院が求めなければ乙議院が請求できる(国会法86条の2)。どちらが主導するかを把握する
- 4.会期末から逆算して意見を届ける 会期末の日付を確認し、協議会での成案作成前に地元選出議員へ意見を届ける。成案後は修正の余地がほぼない
よくある質問 AI による整理
Q1国会法86条の2とは?
憲法改正原案について衆参の議決が食い違ったとき、どちらの議院が両院協議会を求められるかを定めた条文です。平成19年に新設されました。
Q2憲法改正 参議院 否決したら どうなる?
原案を先に可決した甲議院だけが両院協議会を求められます。協議会を開かない、または成案ができなければ、原案は発議に至りません。
Q3両院協議会 協議委員 何人?
両院からそれぞれ10人ずつ選ばれた協議委員で構成されます(国会法89条)。成案には出席協議委員の三分の二以上の賛成が必要です。
Q4憲法改正 衆議院の優越 ある?
ありません。憲法96条は各議院で総議員の三分の二以上の賛成を要求しており、法律案の再可決(憲法59条2項)のような規定は改憲に適用されません。
Q5両院協議会の成案 どちらの院が先に審議する?
協議会を求めた議院が先に成案を議決します(国会法93条)。会期末が迫る局面では、日程の主導権に直結します。
Q6憲法改正原案 会期末 廃案 になる?
会期中に議決に至らなければ、会期不継続の原則(国会法68条)により廃案となるのが原則です。閉会中審査の議決があれば次の会期に継続します。
Q7憲法改正の発議 いつ成立する?
両院でそれぞれ総議員の三分の二以上の賛成で可決され、最後の可決をもって国会の発議とみなされます(国会法68条の5)。
Q8憲法改正 両院協議会 開かれたことある?
ありません。本条の新設以来、憲法改正原案がいずれかの院で可決された例がなく、改憲に関する両院協議会の先例は存在しません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1法律みたいに、最後は衆議院が押し切れないんですか?
押し切れない。法律案は衆議院の再可決で成立させられる(憲法59条2項)が、憲法改正は各議院で総議員の三分の二以上が必要である(憲法96条)。本条の協議会で妥協案を作っても、各院で改めて三分の二が必要になる。実務のポイント:基準は「出席議員」ではなく「総議員」である。欠席や棄権は事実上の反対票として働く。採決当日に何人が議場にいないかが結果を左右する
Q2両院協議会って、憲法改正で実際に開かれたことはあるんですか?
ない。本条は平成19年(2007年)に憲法改正の手続を整える際に設けられたが、これまで憲法改正原案がどちらかの院で可決された例はなく、本条が使われたこともない。実務のポイント:運用の先例がないため、協議委員の選び方や成案作成の進め方は、他の両院協議会の先例と議院運営委員会での協議で決まることになる。実務上、解釈が分かれる余地が大きく、そこが政治的な駆け引きの場になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「与党が衆議院で三分の二を持っていれば改憲できる」と考える人は多い。しかし法律案のような衆議院の再可決ルール(憲法59条2項)は憲法改正には適用されない。参議院で三分の二に届かなければ、協議会を開いても最終的に各院で総議員の三分の二を得られない限り発議できない
- 両院協議会は形式的な手続にすぎない、と考えるのは誤りである。成案には出席協議委員の三分の二の賛成が必要だ(国会法92条)。両院の代表各10人のうち、どちらかの院の委員が一致して反対すれば、成案は作れない
- 「協議会はどちらの院が求めてもよい」と考えるのも正確ではない。乙議院が原案を否決した場合、協議会を求められるのは甲議院だけである。協議会を求める権利は、自分の案をまだ持っている側に与えられている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象 | 国会法86条の2:憲法改正原案 | 国会法84条:法律案 憲法59条2項:法律案の衆議院再可決 |
| 協議会の請求権者 | 甲議院(求めないときは乙議院も可) | 主として衆議院(参議院の請求は限定的) 協議会を経ずに衆議院単独で成立させられる |
| 両院不一致の最終決着 | 協議会の成案を各院が総議員の三分の二で可決しない限り発議されない | 協議会不調でも衆議院の再可決ルートが残る 衆議院の出席議員三分の二で再可決すれば成立 |
| 衆議院の優越 | なし(両院完全対等) | あり あり |
他国ではどう定めているか 4 か国
立法院は一院制のため両院協議会に相当する仕組みはない。立法院の特別多数による修憲案提出と公民投票の二段階で改憲が成立する
韓国国会も一院制。国会の在籍議員三分の二以上の賛成と国民投票による改正で、両院間調整の問題は生じない
連邦議会と連邦参議院それぞれの三分の二を要する点で日本と同じく両院の特別多数型。両院の調整機関として両院協議会(Vermittlungsausschuss)が常設されている
連邦議会両院それぞれの三分の二で発議し、州の四分の三の承認で成立。両院が同一文言で可決することが前提となる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 衆議院が憲法改正原案を可決し、参議院が一部の項目を修正して送り返してきた。もし衆議院が修正に同意しなかったら、どうなる? 衆議院には再可決の権限がない。協議会を求めるか、原案を廃案にするかを選ぶことになる
- あなたは参議院の改憲反対派の議員である。参議院で原案を否決すれば、協議会を求められるのは衆議院だけだ。こちらから妥協案を出す場は、制度上用意されていない
- 会期末まで残り5日、参議院が修正案を回付してきた。協議委員の選任、成案の作成、両院での再議決をこの日程で終えられなければ、原案は会期終了とともに廃案になるのが原則である。閉会中審査の議決があれば別だ
取るべき行動
被害を受けた側:改正内容に反対する市民の立場なら、1. 衆議院を通過しても発議は確定していないと認識する2. 参議院の会派構成を確認し、総議員の三分の二に何議席足りないかを数える3. 修正や否決が起きた場合、協議会を求められるのがどちらの院かを本条で特定する4. 会期末の日程を確認し、地元選出議員への意見提出は協議会の前に行う。成案ができた後では修正の余地がほぼない
訴えられた側:改正を推進する議員やその支援者の立場なら、1. 原案を先に可決する院を戦略的に選ぶ。甲議院は否決された場合にも協議会を求められる2. 参議院で修正される可能性を見込み、協議委員の構成を事前に試算する3. 協議会の成案は出席委員の三分の二が必要(国会法92条)なので、相手院の委員の一部から賛成を得る道筋を作っておく4. 会期末からさかのぼって協議会を開く日程を確保する
時効(請求できる期限):本条に固有の期限はない。ただし会期中に協議会での成案作成と両院での議決を終えなければ、原案は会期終了で廃案になるのが原則である(会期不継続、国会法68条。閉会中審査の議決があれば継続)。発議されると、国民投票はその後60日以後180日以内に行われる(日本国憲法の改正手続に関する法律2条)
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年) 日本国憲法の改正手続に関する法律の制定に伴い新設。憲法改正原案について、甲議院・乙議院のいずれからも両院協議会を求められる手続を定めた
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:日本国憲法の改正手続に関する法律の制定に伴う国会法改正で新設。憲法改正原案について甲議院・乙議院の双方に両院協議会の請求権を認める手続を定めた
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