国会法 第87条
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- 法律案、予算、条約及び憲法改正原案を除いて、国会の議決を要する案件について、後議の議院が先議の議院の議決に同意しないときは、その旨の通知と共にこれを先議の議院に返付する。
- 2.前項の場合において、先議の議院は、両院協議会を求めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 国会法第87条は、日本の国会法に含まれる条文です。
- 国会法第87条の条文原文は「法律案、予算、条約及び憲法改正原案を除いて、国会の議決を要する案件について、後議の議院が先議の議院の議決に同意しないときは、その旨の通知と共にこれを先議の議院に…」で始まります。
- 国会法第87条は第十章に置かれています。
- 国会法の公布日は昭和22年4月30日です。
- 国会法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 国会法第87条の前の条は国会法第86条の2です。
- 国会法第87条の次の条は国会法第88条です。
- 国会法第87条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第87条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC1000000079 - 本サイト収録
国会法(昭和二十二年法律第七十九号)第87条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC1000000079/87
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点国会法87条は、法律案・予算・条約等以外の国会議決案件で後議院が同意しないとき、案件を先議院に返付し、先議院が両院協議会を求められると定める。
Q · 参議院が同意しなかった承認案件は、衆議院の再可決で通せるの?
原則通せない。両院協議会で成案を得る道しかない
国会法87条の対象は、法律案・予算・条約・憲法改正原案を除く国会の議決を要する案件です。後議の議院が同意しないと、案件は不同意の通知とともに先議の議院へ返付されます。先議の議院は両院協議会を求めることができますが義務ではなく、成案には出席協議委員の三分の二以上の賛成が必要です(同法92条)。法律案のような衆議院の再可決(憲法59条2項)の仕組みはありません。
解説
「衆議院が強い」という常識は、半分しか当たっていない。衆議院の優越(衆議院の議決を最終的に優先させる仕組み)が憲法に書かれているのは、法律案・予算・条約・首相指名など一部の案件だけだ。それ以外で「国会の議決」が必要な案件、たとえば個別の法律が国会の承認を求めている承認案件では、両院は原則として対等になる。本条はその対等な案件のルールを定める。後から審議した議院(後議の議院)が同意しないとき、案件は「同意しない」という通知を付けて、先に可決した議院(先議の議院)へ返される。先議の議院は両院協議会(両院の代表が集まり妥協案を探る会議)を求めることが「できる」。義務ではない。協議会で成案(双方が受け入れる案)がまとまらなければ、個別の法律に特別の定めがない限り、衆議院が再可決して押し切る道はなく、案件は成立しない。ねじれ国会のニュースで「参院で止まった」と聞いたとき、それが法律案なのか承認案件なのかを見分けられる人だけが、その先の展開を正しく読める。
法的な位置づけ
国会法第87条は、法律案、予算、条約及び憲法改正原案以外の国会の議決を要する案件について、後議の議院が先議の議院の議決に同意しない場合の手続を定める規定である。後議の議院は不同意の通知とともに案件を先議の議院に返付し、先議の議院は任意に両院協議会を求めることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.案件の種類を確認する ニュースで「参院不同意」などと報じられた案件が、法律案・予算・条約・憲法改正原案のいずれかか、それ以外の承認案件かを確認する。後者なら国会法87条ルートに乗り、衆院の再可決は原則使えない
- 2.先議の議院と後議の議院を特定する どちらの院が先に可決したかを議案の審議経過から確認する。返付先は先議の議院であり、両院協議会を求める権限も先議の議院にある
- 3.返付後の両院協議会請求の有無を確認する 返付を受けた先議の議院が両院協議会を求めたかどうかを本会議の議事経過で確認する。求めない場合、案件はそのまま会期末を迎える可能性が高い
- 4.協議会の成案と会期の残り日数を確認する 両院協議会が開かれた場合、出席協議委員の三分の二以上で成案が得られたか(国会法92条)、成案が両院で議決されたか(同93条)を確認する。同時に会期末までの日数を数え、廃案リスクを見積もる
よくある質問 AI による整理
Q1国会法87条とは何を定めた条文ですか?
法律案・予算・条約・憲法改正原案以外の国会議決案件で、後議の議院が同意しないときの返付と両院協議会請求の手続を定めた条文です。
Q2国会の「返付」とはどういう意味ですか?
後議の議院が先議の議院の議決に同意しないとき、その旨の通知を付けて案件を先議の議院へ送り返す手続です。国会法87条1項が根拠です。
Q3国会の承認案件とは何ですか?
個別の法律が国会の承認を求めている案件のことです。NHK の収支予算の承認などが例とされ、法律案と違い衆議院の優越規定が原則として及びません。
Q4両院協議会はいつ開かれますか?
両院の議決が異なったときに開かれます。本条の案件では、返付を受けた先議の議院が求めた場合に限り開かれ、求めるかどうかは任意です。
Q5両院協議会で成案が得られないとどうなる?
本条の案件では衆院の再可決の道がないため、個別法に特別の定めがない限り案件は成立しません。会期が終われば原則として廃案になります。
Q6承認案件が会期末までに議決されないとどうなる?
会期不継続の原則(国会法68条)により、閉会中審査の議決がない限り原則として廃案になります。次の会期で改めて提出する必要があります。
Q7衆議院の優越が認められる案件は何ですか?
憲法が定める法律案の議決、予算の議決、条約の承認、内閣総理大臣の指名などです。それ以外の国会議決案件では両院は原則として対等です。
Q8両院協議会の協議委員は誰が選ぶ?
各議院でそれぞれ十人ずつ選挙されます(国会法89条)。通常は各院の多数派から選ばれるため、ねじれ時には意見が割れやすくなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1参院で否決されたら、衆院でもう一回三分の二で可決すればいいんじゃないの?
それができるのは法律案(憲法59条2項)の話です。本条の対象となる承認案件などには、個別の法律に特別の定めがない限り再可決の仕組みがありません。残る道は先議院が両院協議会を求めること(本条2項)だけです。実務のポイント:ねじれ国会では、与党側が承認案件をあえて参院先議にして、参院の反応を先に見るという順番の工夫が検討されることがあります。どちらの院から出すかが、すでに一手目なのです
Q2両院協議会って、開けば話し合いで決まるものなんですか?
決まるとは限りません。各院から選ばれた十人ずつの協議委員(国会法89条)で構成され、成案には出席協議委員の三分の二以上の賛成が必要です(同92条)。協議委員は通常、各院の多数派から選ばれるため、両院の多数派が異なると意見が真っ二つに割れやすい構造です。実務のポイント:両院協議会は形式的に開かれて、成案なしで終わることが少なくありません。開催のニュースだけで決着を予想せず、委員の顔ぶれと事前の与野党協議の有無を見るべきです
間違えやすい点 AI による整理
- 「最後は衆議院が決める」と思われがちだが、それは憲法が明文で優越を認めた案件に限った話である。本条の対象となる案件では、参議院が同意しない限り国会の議決は成立しない。参院の一票の重みは、法律案のときよりむしろ重い
- 両院協議会は開けば何とかなる仕組みだと理解している人は多いが、深刻度を見誤っている。成案には出席協議委員の三分の二以上の賛成が必要で(国会法92条)、各院十人ずつ(同89条)の構成では一方の院だけの賛成では届かない。協議会は落としどころを探る場であって、問題を自動的に解決する装置ではない
- 「不同意になったら否決と同じ」という問いの立て方自体がずれている。本条の不同意は案件を先議の議院へ返す手続上の動作で、協議会での成案、両院での再議決という続きがありうる。終わったのか途中なのかを区別しないと、政局の読みを外す
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象案件 | 国会法87条:法律案・予算・条約・憲法改正原案以外の国会議決案件 | 国会法84条:法律案 国会法85条:予算・条約 |
| 両院協議会の請求 | 先議の議院が求めることが「できる」(任意) | 衆議院が求めることができる(任意) 両院協議会を求めなければならない(義務) |
| 協議不調時の決着 | 衆院優越なし。個別法に特別の定めがない限り不成立 | 衆議院の出席議員三分の二以上の再可決で成立可(憲法59条2項) 衆議院の議決が国会の議決となる(憲法60条2項・61条) |
| 参議院の立場 | 衆議院と対等。同意しなければ案件は止まる | 衆院の再可決で覆されうる 衆院の議決が優先される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の立法院は一院制のため、両院間の返付や両院協議会という制度自体が存在しない。議院間調整の論点は生じない
ドイツでは連邦議会と連邦参議院の調整に Vermittlungsausschuss が置かれる。同意法律と異議法律の区別があり、案件の種類で連邦参議院の拒否権の強さが変わる点が日本の優越/対等の区分と類似する
フランスでは両院不一致時に両院同数の commission mixte paritaire が開かれ、不調時は政府の求めで国民議会が最終決定できる。日本の本条案件のような完全対等とは異なる
米国は両院が対等で、法案の文言を一致させるため Conference Committee が用いられる。一院による押し切りの仕組みはなく、本条の対等領域に近い構造
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 参議院で与党が過半数を割った年、ある承認案件が参院で否決されたとニュースが流れた。法律案なら衆院の三分の二で再可決できるが、この案件にその道はない。先議の衆院が両院協議会を求めるか、そのまま見送るか、勝負は両院協議会の成案にかかる
- もし与党が両院協議会を求めなかったら、どうなる? 案件は返付されたまま宙に浮き、会期が終われば原則廃案となる。「求めることができる」の一語には、あえて動かない選択肢も含まれている
- 政治部の新人記者として、あなたは「参院不同意、衆院へ返付」という一報を書く担当になった。締切まで残り30分。法律案の「回付」と承認案件の「返付」を取り違えれば、記事は翌朝の訂正欄行きになる
取るべき行動
被害を受けた側:案件の不成立で影響を受ける側(承認を前提に計画を組む機関や利害関係者)の場合:1. まずその案件が法律案・予算・条約か、それ以外の承認案件かを確認する。後者なら衆院の再可決は原則使えない2. 先議院が両院協議会を求めるかを注視し、求めない場合は会期末での廃案を前提に代替計画を準備する3. 根拠法が国会承認をどう定めているか(承認がない間の扱い、事後承認の可否)を条文で確認する
訴えられた側:案件を提出・推進する側(政府や与党関係者)の場合:1. 参院の議席構成を見て、不同意リスクがあるなら先議院の選択(どちらの院から審議するか)を戦略的に決める2. 返付を受けたら、両院協議会を求めるかを速やかに判断する。協議会成案には三分の二の賛成が要るため、事前に後議院側の協議委員と妥協点を詰めておく3. 会期の残り日数を逆算し、協議会と両院での再議決の時間を確保する
時効(請求できる期限):特定の時効はない(民法166条の一般消滅時効は国会内部の議事手続には及ばない)。実質的な期限は会期であり、会期中に議決に至らなかった案件は、会期不継続の原則(国会法68条)により、閉会中審査の議決がない限り原則として廃案となる
学説
通説:憲法が衆議院の優越を認める案件は限定的に列挙されたものと解され、それ以外の国会の議決を要する案件では両院は対等とされる。本条はこの対等領域における両院の不一致を調整する手続規定と位置付けられる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法の施行に合わせて国会法が制定され、両院の議決が異なる場合の手続の一部として本条が置かれた
- 2.平成19年(2007年) 改正:日本国憲法の改正手続に関する法律の制定に伴う国会法改正で憲法改正原案の制度が設けられ、本条の対象から憲法改正原案が除外される形となった
- 国会法 第84条法律案における両院協議会の請求
- 国会法 第89条両院協議会の組織、各院十人の協議委員
- 国会法 第92条成案の議決要件、三分の二以上
- 国会法 第93条成案を両院で議決する順序
- 国会法 第68条会期不継続の原則、未議決案件の廃案
- 放送法 第70条NHK 収支予算の国会承認、承認案件の例(現行効力を要確認)
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