会社更生法 第136条(更生債権者等の議決権)
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- 更生債権者等は、その有する更生債権等につき、次の各号に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める金額に応じて、議決権を有する。
- 一更生手続開始後に期限が到来すべき確定期限付債権で無利息のもの更生手続開始の時から期限に至るまでの期間の年数(その期間に一年に満たない端数があるときは、これを切り捨てるものとする。)に応じた債権に対する更生手続開始の時における法定利率による利息を債権額から控除した額
- 二金額及び存続期間が確定している定期金債権各定期金につき前号の規定に準じて算定される額の合計額(その額が更生手続開始の時における法定利率によりその定期金に相当する利息を生ずべき元本額を超えるときは、その元本額)
- 三次に掲げる債権更生手続開始の時における評価額
- 一更生手続開始後に期限が到来すべき不確定期限付債権で無利息のもの
- 二金額又は存続期間が不確定である定期金債権
- 三金銭の支払を目的としない債権
- 四金銭債権で、その額が不確定であるもの又はその額を外国の通貨をもって定めたもの
- 五条件付債権
- 六更生会社に対して行うことがある将来の請求権
- 四前三号に掲げる債権以外の債権債権額
- 2.前項の規定にかかわらず、更生債権者等は、更生債権等のうち次に掲げるものについては、議決権を有しない。
- 一更生手続開始後の利息の請求権
- 二更生手続開始後の不履行による損害賠償及び違約金の請求権
- 三更生手続参加の費用の請求権
- 四租税等の請求権
- 五第百四十二条第二号に規定する更生手続開始前の罰金等の請求権
- 3.第一項の規定にかかわらず、更生会社が更生手続開始の時においてその財産をもって約定劣後更生債権に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にあるときは、当該約定劣後更生債権を有する者は、議決権を有しない。
この条文の基本情報
更生債権者等の議決権とは何ですか?
定義更生債権者等の議決権とは、会社更生法第136条に定められた規定で、「更生債権者等は、その有する更生債権等につき、次の各号に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める金額に応じて、議決権を有する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第136条(更生債権者等の議決権)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第136条の条文原文は「更生債権者等は、その有する更生債権等につき、次の各号に掲げる債権の区分に従い、それぞれ当該各号に定める金額に応じて、議決権を有する。」で始まります。
- 会社更生法第136条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第136条の前の条は会社更生法第135条です。
- 会社更生法第136条の次の条は会社更生法第137条です。
- 会社更生法第136条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第136条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第136条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/136
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法136条は、更生債権者の議決権の額を債権の種類ごとに定める。弁済期未到来の無利息債権は中間利息を控除した額となり、開始後の利息や租税・罰金は議決権を持たない。
Q · 倒産した取引先への債権は、その金額のぶんだけ更生計画に投票できるの?
債権額と議決権の額は別物。種類ごとに算定されます
会社更生法136条により、議決権の額は債権額そのままではなく、債権の種類に応じて算定されます。弁済期がまだ来ていない無利息債権は、開始時から期限までの中間利息を控除した額が議決権になります(1項1号)。定期金債権は元本相当額が上限です。さらに2項では、更生手続開始後の利息・損害賠償・違約金・手続参加費用・租税・罰金等は議決権ゼロと定めます。3項では、会社が上位債権を完済できない状態にあるとき、約定劣後更生債権を持つ者は議決権を失います。請求できる額と投票で動かせる力は、別の目盛りで測られています。
解説
主要取引先の大企業が会社更生に入った。あなたの会社は数千万円の売掛金を抱えている。多くの人は「債権額のぶんだけ更生計画に口を出せる」と考える。会社更生法136条は、その思い込みを正面から崩す。議決権の額は債権の種類で変わる。弁済期がまだ来ていない無利息の債権なら、開始時から期限までの法定利率分(中間利息、つまり今受け取れば本来発生したはずの利息)を差し引いた額しか議決権にならない。定期金債権なら元本相当額が上限になる。さらに2項が決定的だ。更生手続開始後の利息、開始後の不履行による損害賠償や違約金、手続参加の費用、租税、罰金、これらは議決権ゼロ。3項では、会社が開始時に上位債権を完済できない状態なら、約定劣後更生債権(契約で他の債権より後回しと定めた債権)を持つ者も議決権を失う。つまり、あなたの「請求できる額」と「投票で動かせる力」は別物だ。この差を知らないまま関係人集会に臨むと、いつの間にか発言権を削られている。
法的な位置づけ
会社更生法136条は、更生手続における更生債権者等の議決権の額を定める規定である。議決権は債権額そのものではなく、債権の種類に応じて算定され、弁済期未到来の無利息債権は中間利息控除後の額、定期金債権は元本相当額を上限とする。開始後利息・違約金・手続参加費用・租税・罰金等は議決権を有さず、一定の場合には約定劣後更生債権も議決権を失う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社債権を136条1項の四区分に仕分ける 保有債権を「弁済期未到来の無利息債権」「金額・存続期間が確定した定期金債権」「開始時の評価額で測る債権」「通常の金銭債権」の四区分に分類する。この仕分けで議決権額の算定方式が決まる
- 2.弁済期前の無利息債権は中間利息を控除して試算 開始時から弁済期までの年数(1年未満は切捨て)に応じ、開始時の法定利率(民法404条、現行3%)で計算した利息を債権額から控除する。控除後の額が議決権額になる
- 3.2項該当分を議決権ゼロとして除外 開始後の利息、開始後の不履行による損害賠償・違約金、手続参加の費用、租税等、開始前の罰金等は議決権ゼロと割り切り、可決母数の計算から外す
- 4.約定劣後更生債権の有無と会社の財務状態を確認 保有債権に劣後特約がある場合、会社が開始時に上位債権を完済できない状態かを財産評価で確認する。完済不能なら3項により議決権を失う
- 5.過小算定があれば確定手続で異議を出す 管財人が示した議決権額に過小評価があれば、議決権の確定手続のなかで期限内に異議を述べる。届出期間と集会期日を決定書から逆算し、専門家へ早期に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1中間利息控除とは何ですか?
弁済期がまだ来ていない無利息債権について、開始時から期限までの法定利率分の利息を債権額から差し引くことです(136条1項1号)。今受け取れば本来発生したはずの利息を控除し、現在価値に引き直します。
Q2定期金債権の議決権はどう計算しますか?
各定期金を中間利息控除に準じて算定した合計額が議決権になります。ただしその額が法定利率で同額の利息を生ずべき元本額を超えるときは、その元本額が上限です(136条1項2号)。
Q3議決権の額に納得できないときは異議を出せますか?
出せます。議決権額に過小算定があれば、議決権の確定手続のなかで異議を述べることができます。関係人集会の当日では遅いため、届出後の確定段階で早期に主張する必要があります。
Q4関係人集会で議決権はどう行使しますか?
関係人集会の期日に出席して行使するか、裁判所が認める場合は書面投票で行使します。期限は事件ごとに裁判所が定めるため、決定書で必ず確認してください。
Q5更生手続開始後の利息は議決権になりますか?
なりません。更生手続開始後の利息の請求権は136条2項1号により議決権を持ちません。開始時を基準に算定するため、開始後に積み上がる利息は投票力に反映されません。
Q6議決権の額はいつの時点で決まりますか?
更生手続開始の時を基準に算定されます(136条各項)。開始後の事情で増減する利息や損害賠償は反映されず、開始時点での経済的価値に固定されます。
Q7会社更生と民事再生で議決権の扱いは違いますか?
考え方は似ていますが、根拠条文が異なります。会社更生は136条、民事再生は民事再生法87条が議決権額を定めます。中間利息控除や評価額算定の発想は共通します。
Q8罰金や過料は議決権を持ちますか?
持ちません。更生手続開始前の罰金等の請求権(142条2号に規定するもの)は、136条2項5号により議決権を有しません。手続には参加できても投票には加われません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が会社更生に入ったら、売掛金の満額ぶん集会で投票できるんですか?
種類によります。すでに弁済期が来ている通常の金銭債権なら債権額どおりですが、弁済期がまだ先の無利息債権は、開始時から期限までの法定利率分(中間利息)を引いた額が議決権になります(136条1項1号)。実務のポイント:実務では、債権の弁済期や利息条件の主張ひとつで議決権額が動く。届出時に債権の性質を丁寧に整理した債権者ほど、票を削られにくい。
Q2税金や延滞利息も議決権に数えてもらえますよね?
数えられません。租税等の請求権、更生手続開始後の利息、開始後の不履行による損害賠償や違約金は、136条2項で議決権を持たないと明記されています。租税は優先的に保護される代わりに、計画の賛否には加われません。実務のポイント:保護される地位と、計画を動かせる地位は別物です。優先弁済を受けられるからといって投票で影響力を持てるわけではない、この二層構造を理解している債権者は驚くほど少ない。
Q3劣後特約付きの社債を持ってるんですが、議決権はありますか?
会社が更生手続開始の時にその財産で上位債権を完済できない状態なら、約定劣後更生債権を持つ人は議決権を持ちません(136条3項)。財務が健全に保たれていれば議決権はありますが、更生に至る局面ではこの条件を満たすことが多い。実務のポイント:高利回りの劣後債や劣後ローンは、平時の利息と引き換えに、いざ倒産局面では発言権まで後回しにされる設計です。投資判断の段階でこの「最後に並ぶ」性質を織り込んでおくべき。
間違えやすい点 AI による整理
- 「債権額がそのまま議決権になる」と思いがちだが、136条1項は債権の種類ごとに換算する。弁済期未到来の無利息債権は中間利息控除で目減りし、評価額で測られる債権もある。額面と票数は一致しない
- 租税の請求権が議決権を持たないことは知っていても、その意味の重さを見落としている人が多い。租税等は優先的更生債権として手厚く弁済を受ける一方で、計画の賛否を決める投票には加われない。手厚く保護されることと、計画を左右できることは、まったく別の話だ
- 「自分の債権はいくら回収できるか」と問う前に、問いの順序が逆になっている。まず『自分は議決権を持つのか、持つならいくらか』を確定しないと、計画の可決を左右する立場にいるのか、ただ結果を待つだけの立場なのかすら分からない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 通常の金銭債権(弁済期到来) | 債権額どおり議決権になる(136条1項4号) | 民事再生法87条:再生債権額に応じて議決権 破産:議決権ではなく配当の問題が中心 |
| 弁済期未到来の無利息債権 | 中間利息を控除した額(136条1項1号) | 民事再生法87条1項1号も同様に中間利息控除 — |
| 租税・開始後利息・罰金 | 議決権を持たない(136条2項) | 民事再生法でも一般優先債権等は議決権の扱いが別 — |
| 約定劣後更生債権 | 上位債権完済不能なら議決権なし(136条3項) | 民事再生法でも約定劣後再生債権に類似の処理 — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の重整手続でも関係人会議で重整債権・株主が議決権を行使する。議決権を経済的地位に応じて配分する発想は共通する。
韓国は会社更生・和議・破産を統合した単一倒産法のもとで会生債権の議決権を定める。日本と同様に債権の性質に応じて議決権額を算定する。
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)の議決を組(Gruppen)ごとに行い、議決権は原則として請求額に応じるが、争いある債権等は別途扱う。
米国Chapter11では、クラスごとに金額(amount)と頭数(number)の二重多数で計画を承認する。本条が範とした再建型手続の母法にあたる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先が会社更生の開始決定を受けた。あなたの売掛金は弁済期が半年後の無利息債権だ。もし債権額そのままで議決権を計算してもらえると思っていたら、どうなる? 中間利息を引かれた額しか票にならず、想定より発言力が小さくなる。届出期間は裁判所が区切っている。今すぐ自社債権を種類ごとに仕分けないと、確定段階で異議すら出せない
- あなたが更生会社の側で再建計画を組む立場なら、136条はてこになる。租税や開始後利息を議決権から外せるぶん、賛成してほしい債権者層の比重を読みやすくなる。誰が票を持ち、誰が持たないかを最初に把握した者が、可決ラインの設計で先手を取る
- 社債を持っていた。発行会社が会社更生に入った。約定劣後の特約付きで、会社が上位債権を完済できない状態なら、その瞬間あなたの議決権はゼロになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自社債権を136条1項の四区分に仕分ける。弁済期未到来の無利息債権か、定期金か、評価が要る債権か、通常の金銭債権か。2. 弁済期前の無利息債権は、開始時から期限までの年数で中間利息(法定利率)を控除した額が議決権になると理解する。3. 2項該当分(開始後利息、損害賠償、違約金、租税、罰金)は議決権ゼロと割り切る。4. 議決権額に過小算定があれば確定手続で異議を述べる。5. 届出期間と集会期日を決定書で逆算し、専門家へ早期相談する
訴えられた側:1. 全更生債権を区分整理し、誰がいくらの議決権を持つかの全体マップを作る。2. 租税等や開始後利息など議決権を持たない債権を除外して、実際の可決母数を把握する。3. 約定劣後更生債権者が3項で議決権を失う状態かを財産評価で確認する。4. 賛成を得たい債権者層の議決権比重を読み、計画案の権利変更(142条の順位)と組み合わせて可決ラインを設計する。5. 議決権をめぐる異議が出ても耐えられる根拠資料を準備する
時効(請求できる期限):議決権の額は更生手続開始の時を基準に算定される(136条各項)。議決権そのものに固有の時効はないが、更生債権は裁判所が定める債権届出期間内に届け出なければ原則として失権する。議決権行使は関係人集会の期日または書面投票の期限までに行う必要があり、期間は事件ごとに裁判所が定めるため、決定書で必ず確認すること
学説
通説:136条の議決権算定は、各債権の更生手続開始時における経済的価値に議決権を比例させる趣旨と解する。名目額の平等より実質の公平を優先し、中間利息控除・評価額・議決権の除外という装置で現在価値に引き直す。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)会社更生法全部改正 昭和27年の旧会社更生法を全面的に改め、現行会社更生法(平成14年法律第154号)として制定。更生債権者等の議決権の算定方式を本条に整理した。なお136条1項1号の中間利息控除に用いる法定利率は、平成29年(2017年)民法改正で固定5% から変動制へ移行しており、算定額に影響する。本条文の後続改正の有無は人的検証を要する
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:昭和27年の旧会社更生法を全面改正し、現行会社更生法(平成14年法律第154号)として制定。更生債権者等の議決権の算定方式を本条に整理した。
- 2.平成29年(2017年) 改正:本条の直接改正ではないが、民法改正により中間利息控除に用いる法定利率が固定5%から変動制(当初3%)へ移行し、136条1項1号・2号の議決権算定額に影響する。
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