会社更生法 第196条(更生計画案の可決の要件)
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- 更生計画案の決議は、第百六十八条第一項各号に掲げる種類の権利又は次項の規定により定められた種類の権利を有する者に分かれて行う。
- 2.裁判所は、相当と認めるときは、二以上の第百六十八条第一項各号に掲げる種類の権利を一の種類の権利とし、又は一の当該各号に掲げる種類の権利を二以上の種類の権利とすることができる。ただし、更生債権、更生担保権又は株式は、それぞれ別の種類の権利としなければならない。
- 3.裁判所は、更生計画案を決議に付する旨の決定をするまでは、前項本文の決定を変更し、又は取り消すことができる。
- 4.前二項の規定による決定があった場合には、その裁判書を議決権者に送達しなければならない。ただし、関係人集会の期日において当該決定の言渡しがあったときは、この限りでない。
- 5.更生計画案を可決するには、第一項に規定する種類の権利ごとに、当該権利についての次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める者の同意がなければならない。
- 一更生債権議決権を行使することができる更生債権者の議決権の総額の二分の一を超える議決権を有する者
- 二更生担保権次のイからハまでに掲げる区分に応じ、当該イからハまでに定める者
- 一更生担保権の期限の猶予の定めをする更生計画案議決権を行使することができる更生担保権者の議決権の総額の三分の二以上に当たる議決権を有する者
- 二更生担保権の減免の定めその他期限の猶予以外の方法により更生担保権者の権利に影響を及ぼす定めをする更生計画案議決権を行使することができる更生担保権者の議決権の総額の四分の三以上に当たる議決権を有する者
- 三更生会社の事業の全部の廃止を内容とする更生計画案議決権を行使することができる更生担保権者の議決権の総額の十分の九以上に当たる議決権を有する者
- 三株式議決権を行使することができる株主の議決権の総数の過半数に当たる議決権を有する者
この条文の基本情報
更生計画案の可決の要件とは何ですか?
定義更生計画案の可決の要件とは、会社更生法第196条に定められた規定で、「更生計画案の決議は、第百六十八条第一項各号に掲げる種類の権利又は次項の規定により定められた種類の権利を有する者に分かれて行う。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第196条(更生計画案の可決の要件)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第196条の条文原文は「更生計画案の決議は、第百六十八条第一項各号に掲げる種類の権利又は次項の規定により定められた種類の権利を有する者に分かれて行う。」で始まります。
- 会社更生法第196条は第三節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第196条の前の条は会社更生法第195条です。
- 会社更生法第196条の次の条は会社更生法第197条です。
- 会社更生法第196条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第196条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第196条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/196
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法196条は、更生計画案の決議を権利の種類ごとの組に分けて行うと定める。可決要件は組ごとに異なり、更生担保権の組は最大で議決権総額の10分の9の同意を要する。
Q · 会社が更生手続に入ったら、更生計画は債権者の単純多数決で決まるの?
権利の種類ごとに組を分け、組別に可決要件を満たす必要があります
会社更生法196条により、更生計画案の決議は更生債権者・更生担保権者・株主の種類ごとに組を分けて行います。可決の同意要件は組ごとに異なり、更生債権は議決権総額の2分の1超、更生担保権は計画の内容に応じて3分の2・4分の3・10分の9、株式は議決権総数の過半数が必要です。一部の組が同意しなくても、裁判所は権利保護条項を定めて計画を認可できます(200条)。
解説
取引先の会社が会社更生手続に入った。あなたは数千万円の売掛金を抱える更生債権者だ。更生計画案の賛否を問う場面で、多くの人は反射的に「結局は多数決でしょう」と考える。だが196条は、その多数決を権利の種類ごとに分けて行うと定める。更生債権者は更生債権者だけで、更生担保権者は担保権者だけで、株主は株主だけで、それぞれ別々に、しかも頭数ではなく議決権額で集計する。さらに要求される賛成のハードルが種類ごとに違う。更生債権は議決権総額の2分の1超で足りるが、更生担保権者は計画の中身次第で3分の2、債権カットを含めば4分の3、事業の全部廃止なら10分の9まで跳ね上がる。あなたがどの種類に分類されるか、そのグループで自分の議決権がどれだけの比重を占めるか、それを把握しないまま賛否を投じるのは、自分の手札を見ずにポーカーの卓に座るようなものだ。
法的な位置づけ
会社更生法196条は更生計画案の決議方法を定める規定であり、決議を更生債権・更生担保権・株式という権利の種類ごとの組に分け、各組について議決権額を基準とする同意要件を課す。更生担保権の組には計画の内容に応じてより高い可決要件が設定される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の債権が更生債権か更生担保権かを確認 管財人提出資料で、自分の債権が無担保の更生債権か、担保目的物の時価の範囲まで認められる更生担保権かを確認する。時価を超える部分は更生債権に回るため、両方の組に議決権を持つこともある
- 2.種類分け決定の裁判書で自分の組と議決権額を把握 裁判所の種類分け決定の裁判書(196条4項の送達物)を必ず読み、自分が属する組と議決権額を確認する。関係人集会の期日における言渡しの場合は見落とさないよう出席する
- 3.組の可決ハードルに対する自分の議決権比重を試算 自分の組の可決要件(更生債権は2分の1超、更生担保権は3分の2/4分の3/10分の9のいずれか、株式は過半数)に対し、自分の議決権が反対多数を形成できる比重かを試算する
- 4.決議前に種類分けへ意見、同じ組と票を束ねる 単独で足りないなら同じ組の他の債権者と連携して票を束ねる。種類分けに不服があれば、決議に付する決定がなされる前に裁判所・管財人へ意見を出す。決議後は組の構成を動かせない
よくある質問 AI による整理
Q1更生計画案の決議とは何ですか?
更生会社の再建計画を関係人が承認するかどうかを決める手続です。会社更生法196条により、権利の種類ごとに組を分けて議決します。
Q2更生計画案の可決要件は?
組ごとに異なります。更生債権は議決権総額の2分の1超、更生担保権は計画内容により3分の2〜10分の9、株式は議決権総数の過半数の同意が必要です。
Q3更生担保権の同意要件はなぜ高いのですか?
担保権者は優先的地位を持つためです。事業全部廃止を含む計画なら10分の9という、ほぼ全員一致に近い同意が要求されます(196条5項2号)。
Q4更生計画案に反対するとどうなりますか?
自分一人では計画をつぶせません。組全体で否決しても裁判所は権利保護条項を定めて認可でき、反対票は取り分を交渉するカードに近い性質を持ちます。
Q5更生計画案はいつ可決されますか?
関係人集会の期日、または裁判所が定めた書面等投票の期間内に、各組で必要な同意が得られた時点で可決されます。
Q6権利の種類分けはいつ決まりますか?
裁判所が決定します。決議に付する旨の決定がなされるまでは変更・取消しが可能ですが、その後は組の構成が固定されます(196条3項)。
Q7株主は更生計画の決議に参加できますか?
債務超過でなければ株主も組として議決権を持ちます。ただし会社が債務超過の場合、株主の議決権は認められません。
Q8更生計画案が一部の組で否決されたらどうなりますか?
計画が当然に頓挫するわけではありません。裁判所は同意しない組のために権利保護条項を定めて、計画を認可することができます(200条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1債権者集会で反対票を入れたら、更生計画はつぶせるんですか?
自分一人ではつぶせない。可決は組ごとの集計で、更生債権の組なら議決権総額の2分の1超の同意で可決される(196条5項1号)。仮にあなたの組が否決しても、裁判所は否決した組のために権利保護条項を定めて計画を認可できる(会社更生法200条)。業界裏話のヒント:実務では、反対は計画を止める拒否権というより、自分の組の取り分を上積みさせるための交渉カードとして使われる。最後まで反対を貫くより、その票を材料に条件を引き出すほうが回収額が増えることが多い
Q2うちは担保を取っているので、過半数の賛成で勝手に債権をカットされたりしませんよね?
担保権者は別の組として、より厚く保護される。期限の猶予だけなら議決権総額の3分の2以上、減免など権利変更を伴うなら4分の3以上、事業全部廃止なら10分の9以上の同意がなければ可決されない(196条5項2号)。ただし担保扱いになるのは担保目的物の時価の範囲までで、超過分は無担保の更生債権に回る(会社更生法168条等)。業界裏話のヒント:担保評価をめぐる時価の認定が、あなたがどの組でどれだけの議決権を持つかを左右する。評価額の争い方を知っているかどうかで立場が変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「多数決だから過半数で決まる」と思われているが、更生担保権の組はそうではない。事業を畳む内容の計画なら議決権総額の10分の9という、ほぼ全員一致に近い同意が要る(196条5項2号)。担保権者は他の組よりはるかに厚く保護されており、過半数の感覚で読むと現実を見誤る
- 担保があるから自分の債権は丸ごと安全だと考えがちだが、これは前提が誤っている。更生担保権として扱われるのは担保目的物の時価の範囲までで、それを超える部分は無担保の更生債権に振り分けられる。つまりあなたは担保権者の組と債権者の組の両方に、別々の議決権を持って立つことがある
- 「自分の組が否決すれば計画はつぶれる」と信じている人は多いが、視点を裁判所の側に移すと景色が変わる。一部の組が同意しなくても、裁判所はその組のために権利保護条項を定めて計画を認可できる(会社更生法200条)。あなたの反対票は、計画を止める拒否権ではなく、保護条項を引き出す交渉カードに近い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 196条:組別議決と種類別の可決要件を定める | 168条:議決権の種類(更生債権・更生担保権・株式)を区分 200条:一部の組が不同意でも権利保護条項付きで認可 |
| 適用場面 | 更生計画案を決議に付し可決の成否を判定する段階 | 決議の前提として権利を種類に振り分ける段階 決議で一部の組の同意が得られなかった段階 |
| 同意のハードル | 更生債権2分の1超、更生担保権3分の2〜10分の9、株式 過半数 | 同意要件は定めず、種類区分のみを規律 不同意組には同意を要さず裁判所が保護条項で代替 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も重整計画の可決を組別(債権者・股東等)に分けて行う点で類似。出席表決権額の一定割合による可決要件を定める
韓国も회생계획안を조(組)別に議決し、회생담보권자の組により高い가결요건を課す。日本法の影響を強く受けた構造
ドイツの Insolvenzplan も Gruppe(組)別に頭数多数かつ債権額多数の双方を要求。ただし組分けの基準は債権者の利害状況による
米国 Chapter 11は class(組)ごとに金額3分の2・頭数過半数で受諾を判定。日本の会社更生法はこの class voting を継受している
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先が会社更生を申し立てた。あなたの会社は3千万円の更生債権者だ。計画案に反対したいが、あなた一人が反対しても、更生債権者の組全体の議決権総額の過半数が賛成すれば計画は可決される。自分の議決権額がグループ内で何%を占めるか、それを知らずに反対票を投じても、多数に押し切られて終わる
- あなたが管財人として更生計画案を作る側なら、担保権者の同意ハードルが計画の中身で激変する点を最初に逆算する。期限の猶予だけなら3分の2、債権の減免を含むと4分の3、事業全部の廃止なら10分の9。どこまで踏み込むかで、集めるべき賛成票の重さが何段も変わる
- もし関係人集会の期日まであと数日という段階で、自分がどの種類の権利に分類されたか把握していなかったら? 裁判所の種類分け決定の裁判書送達(4項)を見落とすと、賛否の戦略を練る時間がゼロになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の債権が更生債権か更生担保権か、担保目的物の時価でどこまでが担保扱いかを管財人提出資料で確認する2. 裁判所の種類分け決定の裁判書(4項の送達物)を必ず読み、自分の属する組と議決権額を把握する3. その組の可決ハードル(更生債権は2分の1超、担保権は3分の2/4分の3/10分の9のいずれか)に対し、自分の議決権が反対多数を形成できる比重かを試算する4. 単独で足りないなら、同じ組の他の債権者と連携して票を束ねる。種類分けに不服があれば決議に付される前に意見を出す
訴えられた側:1. 管財人・会社側として、計画案の内容(期限猶予のみか、減免を含むか、事業全部廃止か)が担保権者の同意ハードルを直接決める点を最初に逆算する2. 高いハードルが課される組には、計画提出前に取り分を調整して同意を織り込む3. 裁判所に対し、相当と認められる範囲での種類の統合・分割(2項)が自陣に有利に働くかを検討する4. 一部の組の同意が得られない見込みなら、権利保護条項を付した認可(会社更生法200条)への切替えを早期に準備する
時効(請求できる期限):特定の消滅時効はない。ただし議決権の行使は関係人集会の期日、または裁判所が定めた書面等投票の期間内に限られる(会社更生法189条以下、197条)。裁判所による種類分けの変更・取消しは「決議に付する旨の決定」までしかできない(196条3項)ため、組分けに異議があるならそれ以前に動く必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:196条の組別議決は、多数決による迅速な集団的再建と、優先順位の高い更生担保権者の財産権保護とを調整する装置と解されている。優先度の高い組ほど高い同意要件を課し、裁判所の種類統合・分割の裁量(2項)で形式的種類分けによる実質的不公平を是正する構造とされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)全部改正 現行会社更生法(平成14年法律第154号、2003年4月1日施行)は昭和27年の旧法を全部改正して制定された。本条の組別議決と種類別の同意要件もこの新法で整理されたが、その後の部分改正の有無・内容は要人的検証
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:現行会社更生法(平成14年法律第154号、2003年4月1日施行)は昭和27年の旧法を全部改正して制定。本条の組別議決と種類別の同意要件もこの新法で整理された。
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