会社更生法 第200条(同意を得られなかった種類の権利がある場合の認可)
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- 第百九十六条第一項に規定する種類の権利の一部に同条第五項の要件を満たす同意を得られなかったものがあるため更生計画案が可決されなかった場合においても、裁判所は、更生計画案を変更し、同意が得られなかった種類の権利を有する者のために次に掲げる方法のいずれかにより当該権利を保護する条項を定めて、更生計画認可の決定をすることができる。
- 一更生担保権者について、その更生担保権の全部をその担保権の被担保債権として存続させ、又はその担保権の目的である財産を裁判所が定める公正な取引価額(担保権による負担がないものとして評価するものとする。)以上の価額で売却し、その売得金から売却の費用を控除した残金で弁済し、又はこれを供託すること。
- 二更生債権者については破産手続が開始された場合に配当を受けることが見込まれる額、株主については清算の場合に残余財産の分配により得ることが見込まれる利益の額を支払うこと。
- 三当該権利を有する者に対して裁判所の定めるその権利の公正な取引価額を支払うこと。
- 四その他前三号に準じて公正かつ衡平に当該権利を有する者を保護すること。
- 2.更生計画案について、第百九十六条第一項に規定する種類の権利の一部に、同条第五項の要件を満たす同意を得られないことが明らかなものがあるときは、裁判所は、更生計画案の作成者の申立てにより、あらかじめ、同意を得られないことが明らかな種類の権利を有する者のために前項各号に掲げる方法のいずれかにより当該権利を保護する条項を定めて、更生計画案を作成することを許可することができる。
- 3.前項の申立てがあったときは、裁判所は、申立人及び同意を得られないことが明らかな種類の権利を有する者のうち一人以上の意見を聴かなければならない。
この条文の基本情報
同意を得られなかった種類の権利がある場合の認可とは何ですか?
定義同意を得られなかった種類の権利がある場合の認可とは、会社更生法第200条に定められた規定で、「第百九十六条第一項に規定する種類の権利の一部に同条第五項の要件を満たす同意を得られなかったものがあるため更生計画案が可決されなかった場合においても、裁判所は、更…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第200条(同意を得られなかった種類の権利がある場合の認可)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第200条の条文原文は「第百九十六条第一項に規定する種類の権利の一部に同条第五項の要件を満たす同意を得られなかったものがあるため更生計画案が可決されなかった場合においても、裁判所は、更…」で始まります。
- 会社更生法第200条は第四節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第200条の前の条は会社更生法第199条です。
- 会社更生法第200条の次の条は会社更生法第201条です。
- 会社更生法第200条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第200条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第200条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/200
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法200条は、一部の組が反対しても、裁判所が反対組に権利保護条項(最低保障)を定めれば更生計画を認可できると定める制度(クラムダウン)である。
Q · 自分の組が反対多数で否決したのに、なぜ更生計画が認可されてしまうの?
反対組に保護条項を付ければ裁判所が認可できる
会社更生法200条1項により、ある組の同意が得られず可決されなくても、裁判所が反対組の権利を保護する条項を計画に定めれば認可できます(クラムダウン=強制認可)。一組の拒否で全体が破産に流れるのを防ぐ仕組みです。反対組には、更生担保権者なら担保の公正な取引価額以上の弁済、一般債権者なら破産配当見込み額、株主なら清算残余財産分配見込み額という最低保障が与えられます。ただし債務超過企業ではこの見込み額がゼロに近づくため、保障があっても実質ゼロのことがあります。
解説
更生計画案の決議で、ある組(種類)が反対し、可決に必要な同意が得られなかった。普通に考えれば計画は否決され、会社はそのまま破産へ転げ落ちる。ところが会社更生法200条は、まったく別の結末を用意している。裁判所は反対した組の権利を保護する条項を計画に書き加えたうえで、その組の反対を押し切って認可の決定を下せる。実務でこれを「権利保護条項」、英米法でいう「クラムダウン」と呼ぶ。あなたが債権者や株主として反対票を投じたとしても、それだけで計画を葬れるわけではない。ただし無条件ではない。法律はあなたに最低限の取り分を保証する。担保権者なら担保価値以上の弁済、一般債権者なら破産したと仮定した配当見込み額、株主なら清算したと仮定した残余財産分配額、あるいは権利の公正な取引価額。どの方法で守られるかは裁判所が選ぶ。つまりあなたの「反対」は計画を止める拒否権ではなく、最低保障ラインを発動させる引き金にすぎない。
法的な位置づけ
会社更生法200条は権利保護条項によるクラムダウン(強制認可)を定める規定である。更生計画案が一部の組の同意を得られず可決されなかった場合でも、裁判所が当該組の権利を破産配当見込み額・清算価値・公正な取引価額などで保護する条項を定めて、認可の決定をすることができる。集団的再建の実効性と反対少数者の財産権保障を調整する仕組みである。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分の保障基準(適用号)を特定する クラムダウンされそうな立場なら、まず自分が更生担保権者(1号)・一般更生債権者(2号前段)・株主(2号後段)のどれかを確認する。立場により下限の算定方法がまったく違うため、ここを誤ると争点を外す
- 2.財産評定(清算価値)の算定根拠を入手・検証する 保護の下限を決める「破産配当見込み額」「清算残余財産見込み額」は更生会社の財産評定で決まる。評定書を入手し、評価が不当に低くないかを倒産実務に詳しい弁護士・会計士と検証する
- 3.意見聴取の場で算定基準に切り込む 200条3項により、事前許可ルートでは裁判所が反対が明らかな組から一人以上の意見を聴く。聴取に呼ばれたら必ず応じ、決議後に文句を言うのではなく、保護条項の算定基準そのものに踏み込む
- 4.認可決定に不服なら即時抗告を期間内に行う 認可決定が出たら、保護条項の内容に不満があれば即時抗告を申し立てる。公告が効力を生じた日から2週間が抗告期間で、徒過すると確定する。期間管理を最優先にする
よくある質問 AI による整理
Q1クラムダウンとは何ですか?
一部の組が反対しても、裁判所が反対組に権利保護条項を定めて更生計画を強制的に認可する制度です。会社更生法200条が根拠で、強制認可とも呼ばれます。
Q2権利保護条項とは何ですか?
反対した組の権利を最低限保障するために計画に書き加える条項です。担保の公正な取引価額、破産配当見込み額、清算残余財産見込み額などの方法から裁判所が選びます。
Q3清算価値保障原則とは何ですか?
再建計画による弁済が、破産・清算した場合の取り分を下回ってはならないという原則です。200条1項2号の保障基準に体現されています。
Q4会社更生で組が反対したらどうなりますか?
反対だけでは計画を止められません。裁判所が反対組に保護条項を定めればクラムダウンで認可されます。事実上、最低保障ラインを発動させる引き金になります。
Q5更生計画認可の決定に不服があるときは?
即時抗告ができます。公告が効力を生じた日から2週間が抗告期間で、これを過ぎると認可決定は確定します(会社更生法9条参照、現行効力を要確認)。
Q6更生担保権はクラムダウンでどう保護されますか?
担保権を被担保債権として丸ごと存続させるか、担保物を負担なきものとして評価した公正な取引価額以上で売却して弁済します(200条1項1号)。叩き売りは許されません。
Q7会社更生と民事再生の違いは何ですか?
会社更生は株式会社専用で管財人が経営権を握る厳格な手続、民事再生は経営者が残るDIP型の手続です。クラムダウンの構造も両者で異なります。
Q8更生計画案の事前許可とは何ですか?
反対が明らかな組がある場合、計画案作成者の申立てにより、決議を待たず裁判所が保護条項付きの計画案作成を事前許可できる制度です(200条2項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの組が反対したのに、なんで計画が通っちゃうんですか?
会社更生法200条1項が、可決に必要な同意を得られなかった組があっても、裁判所がその組の権利を保護する条項を計画に入れれば認可できると定めているからです。これはクラムダウン(強制認可)と呼ばれます。実務のポイント:再建型手続では一組の拒否で全体が破産に流れるのを防ぐため、わざと多数決の壁に穴を開けてある。だから実務家は「反対票で止める」発想を早々に捨て、保護条項の算定額をどう吊り上げるかに頭を切り替える
Q2クラムダウンされたら、いくら払ってもらえるんですか?
一般の更生債権者なら破産手続が開始された場合に配当を受けると見込まれる額、株主なら清算した場合の残余財産分配見込み額が下限です(200条1項2号)。担保権者は担保の公正な取引価額以上の弁済(同1号)。額は会社の財産評定で決まります。実務のポイント:債務超過の会社だと、この破産配当見込み額や残余財産見込み額はゼロに近い。つまり保障があっても実質ゼロ。だから本当の勝負は『見込み額』を算定する財産評価を争うことで、ここを上げない限り保護条項は絵に描いた餅になる
Q3計画を作る側です。反対する組が最初から分かっている場合、決議を待つしかないですか?
待つ必要はありません。会社更生法200条2項で、同意を得られないことが明らかな組がある場合、計画案作成者の申立てにより、裁判所があらかじめ保護条項付きの計画案作成を許可できます。実務のポイント:この事前許可ルートを使えば、否決→修正→再認可という遠回りを省ける。スポンサー型の再建では、この2項許可を前提にスケジュールとディール条件を最初から組むのが定石。3項で反対組の一人以上の意見聴取が要る点だけ手当てしておけばよい
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「自分の組が反対多数で否決したのだから計画は終わり」だが、裁判所から見れば「反対組に保護条項を付ければ認可できる」。この見え方の落差が、反対さえすれば安全だと思い込んだ債権者・株主を不意打ちする
- 認可されること自体は知っていても、保護の「下限」がどれほど低いかを直視している人は少ない。一般債権者の保障基準は破産配当見込み額、株主は清算残余財産見込み額。債務超過企業ではどちらもほぼゼロに張り付く。クラムダウンされた後で、保障の薄さに初めて愕然とする
- 「公正な取引価額が払われるはずだ」と期待しがちだが、200条1項が並べる四つの方法のうち、どれを選ぶかは裁判所の裁量。あなたに最も有利な「公正な取引価額の支払」が選ばれる保証はなく、より低い「破産配当見込み額」で済まされることがある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 200条:可決されなくても保護条項を定めて認可(クラムダウン) | 199条:更生計画認可の一般的要件 196条:組分けと各組の可決要件 |
| 発動の前提 | ある組が196条5項の同意要件を満たさず可決されなかった | 計画案が全組で可決された(または200条で補完) 関係人集会で組ごとに決議が行われる |
| 反対組の扱い | 保護条項(破産配当見込み額・公正な取引価額等)で最低保障 | 認可要件(公正・衡平、遂行可能性等)の充足を審査 可決要件を満たさなければ当該組は不同意のまま |
| 争い方・救済 | 財産評定・保護条項の算定基準を争う/即時抗告 | 認可・不認可決定に対する即時抗告 組分けの当否を争う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も裁判所が重整計画を裁定で修正・認可できる仕組みを持つが、組ごとのクラス決議+クラムダウンという精緻な構造は日本より簡素である
韓国は『권리보호조항』を通じた강제인가(強制認可)を明文で定め、日本200条と極めて近い構造。最低保障基準も清算価値ベースで類似する
ドイツは Obstruktionsverbot(妨害禁止)として、反対グループが他より不利でなく適正に処遇されることを要件にクラス間クラムダウンを認める
米国は『fair and equitable』要件と absolute priority rule の下で cram down を認める。日本200条1項4号の『公正かつ衡平』はこの系譜に連なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが出資していた取引先が会社更生に入り、株主の組として更生計画案に反対した。株式が紙くずになる計画だったからだ。しかし債権者の組が賛成すれば、裁判所は200条で株主に「清算した場合の残余財産分配見込み額」だけを支払う保護条項を入れて認可できる。債務超過の会社なら、その見込み額はゼロ。あなたの反対は、結局ゼロ円の保障しか生まなかった
- 後順位の更生債権者として、計画案の弁済率の低さに納得できず組ごと反対した。あと数日で関係人集会の決議結果が出る。ここで知っておくべきは、あなたが守られる下限は「破産手続が開始された場合に配当を受けることが見込まれる額」だという点。破産配当より計画弁済が少しでも上なら、裁判所は迷わずクラムダウンを通す
- もし、あなたが更生計画案を作るスポンサー側だったら? 特定の組の反対が最初から見えている場合、200条2項を使えば、決議前に裁判所の許可を得て保護条項付きの計画案を組める。反対組の同意を待たずに計画を設計できる、この事前許可ルートを知らないと、無駄に決議で時間を溶かす
- 更生担保権者として、自分の担保物が安く叩き売られるのを恐れている。200条1項1号は、担保権を被担保債権として丸ごと存続させるか、あるいは「担保権の負担がないものとして評価した公正な取引価額以上」で売却して弁済すると定める。叩き売りは法律が許さない、その一線だけは握っておくべきだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. クラムダウンされそうな立場(反対組の債権者・株主)なら、まず自分の保障基準を特定する。担保権者か、一般債権者か、株主かで適用号が違う2. 保護の下限を決める「破産配当見込み額」「清算残余財産見込み額」の算定根拠=更生会社の財産評定を入手し、評価が不当に低くないか専門家と検証3. 算定が低すぎるなら、財産評定や保護条項の内容を争点に意見を出す。200条3項の意見聴取に呼ばれたら必ず応じ、算定基準に踏み込む4. 認可決定が出たら、不服があれば即時抗告(会社更生法202条)を期間内に。期間徒過で確定する
訴えられた側:1. 計画案作成者(会社・管財人・スポンサー)側で特定組の反対が確実なら、決議で否決を食らう前に200条2項の事前許可を申し立てる2. 保護条項は四つの方法から、コストと公正性のバランスで選ぶ。担保物の公正な取引価額、破産配当見込み額のいずれを採るかで必要資金が大きく変わる3. 200条3項に基づき、裁判所が反対組から一人以上の意見を聴く手続に備え、算定の合理性を立証できる財産評定を固める4. 「公正かつ衡平」要件(4号)を満たすロジックを事前に組み、抗告で覆されない厚みを持たせる
時効(請求できる期限):更生計画認可の決定に対しては即時抗告ができる(会社更生法202条、現行効力を要確認)。更生事件では、裁判の公告が効力を生じた日から起算して2週間が抗告期間(会社更生法9条)。この期間を過ぎると、保護条項の内容に不満があっても認可決定は確定する
学説
通説:200条のクラムダウンは集団的再建の機動性を確保する制度だが、反対少数者の財産権(憲法29条)を多数決で奪うことは許されないため、清算価値保障原則を最低ラインとして要求する。1項各号の保護方法のいずれを選ぶかは裁判所の裁量に委ねられるとするのが一般的理解である。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)会社更生法全部改正(平成15年施行) 旧会社更生法(昭和27年法律第172号)を全部改正した現行法において、権利保護条項によるクラムダウンを200条として整備。事前許可(2項)と意見聴取(3項)の手続を明文化した
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:旧会社更生法(昭和27年法律第172号)制定。米国連邦倒産法 Chapter X を範に、権利保護条項によるクラムダウンの原型を導入
- 2.平成14年(2002年) 改正:会社更生法を全部改正(平成14年法律第154号、平成15年施行)。権利保護条項によるクラムダウンを200条として整備し、事前許可(2項)と反対組からの意見聴取(3項)の手続を明文化
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