会社更生法 第153条(担保権の目的である財産についての価額決定の申立て)
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- 更生担保権者は、その有する更生担保権の内容の確定のために更生債権等査定申立てをした場合において、第百五十一条第一項本文に規定する異議者等のうちに当該更生担保権の調査において担保権の目的である財産の価額について認めず、又は異議を述べた者があるときは、当該者の全員を相手方として、当該更生債権等査定申立てをした日から二週間以内に、裁判所に、当該財産についての価額決定の申立て(以下この款において「価額決定の申立て」という。)をすることができる。
- 2.裁判所は、やむを得ない事由がある場合に限り、前項の更生担保権者の申立てにより、同項の期間を伸長することができる。
- 3.価額決定の申立てをする更生担保権者は、その手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。
- 4.前項に規定する費用の予納がないときは、裁判所は、価額決定の申立てを却下しなければならない。
この条文の基本情報
担保権の目的である財産についての価額決定の申立てとは何ですか?
定義担保権の目的である財産についての価額決定の申立てとは、会社更生法第153条に定められた規定で、「更生担保権者は、その有する更生担保権の内容の確定のために更生債権等査定申立てをした場合において、第百五十一条第一項本文に規定する異議者等のうちに当該更生担保権の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第153条(担保権の目的である財産についての価額決定の申立て)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第153条の条文原文は「更生担保権者は、その有する更生担保権の内容の確定のために更生債権等査定申立てをした場合において、第百五十一条第一項本文に規定する異議者等のうちに当該更生担保権の…」で始まります。
- 会社更生法第153条は第二款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第153条の前の条は会社更生法第152条です。
- 会社更生法第153条の次の条は会社更生法第154条です。
- 会社更生法第153条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第153条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第153条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/153
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法153条は、更生担保権者が担保目的物の価額決定を、査定申立日から2週間以内に裁判所へ申し立てられると定める。費用の予納を欠くと却下される。
Q · 担保を取ってあるのに、更生手続でわざわざ財産の値段を裁判所に決めてもらわないといけないの?
原則2週間以内に申し立てないと、担保の価額は争えなくなります
会社更生法153条により、更生担保権者は更生債権等査定申立てをした後、担保目的物の価額に異議を述べた異議者全員を相手方として、査定申立日から2週間以内に裁判所へ価額決定を申し立てられます。優先弁済を受けられるのは担保目的物の価額の範囲だけなので、評価が下がればはみ出た分は無担保の更生債権に転落します。さらに手続費用の予納を怠ると、期間内であっても申立ては却下されます(同条3項・4項)。
解説
取引先に融資し、その工場の土地建物に抵当権を設定した。安心していたら、その取引先が会社更生手続に入った。ここで多くの債権者が誤解する。担保さえあれば全額回収できる、と。会社更生では話が違う。あなたが更生担保権者として優先弁済を受けられるのは、担保の目的物の「価額」までだ。その価額をめぐって、管財人や他の債権者が「その土地はそんなに高くない」と異議を述べてくる。評価額が下がれば、あなたの担保部分は縮み、はみ出た分は無担保の更生債権に転落して配当率が一気に落ちる。153条は、この値段争いの土俵である。更生債権等査定申立てをした後、価額に異議を述べた者がいるなら、申立日から2週間以内に裁判所へ価額決定を申し立てる。この2週間を逃せば土俵に上がれない。しかも費用を予納しなければ、裁判所は問答無用で申立てを却下する。担保の安心は、手続の中で能動的に守らなければ静かに溶けていく。
法的な位置づけ
会社更生法153条は、更生担保権の内容確定のための価額決定の申立てを定める規定である。更生債権等査定申立て後、担保目的物の価額に異議を述べた異議者全員を相手方とし、査定申立日から2週間以内に裁判所へ価額の決定を求める手続であり、手続費用の予納を要件とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.担保権と目的物を特定し評価準備を始める 取引先の更生手続開始を知ったら直ちに自社の担保権の内容と目的物を特定し、不動産鑑定士・動産評価業者に評価書の準備を依頼する。手続が表面化する前に評価資料を仕込んでおくことが勝敗を分ける
- 2.更生債権等査定申立てを行い異議者を確認する 更生債権等査定申立てを行い、調査の段階で担保目的物の価額を認めなかった者、又は異議を述べた異議者を確認する。この異議者の有無と全員の特定が次の価額決定申立ての前提になる
- 3.査定申立日から2週間以内に価額決定を申し立てる 異議者の全員を相手方として、査定申立日から2週間以内に裁判所へ価額決定の申立てを行う。起算点は査定申立日であって異議を知った日ではない点に注意。やむを得ない事由があれば期間伸長を申し立てられるが認められる範囲は狭い
- 4.手続費用を予納する 価額決定の申立てと同時に、裁判所の定める手続費用を予納する。予納を怠ると期間内の申立てであっても却下されるため、申立てと予納はワンセットで進める
よくある質問 AI による整理
Q1更生担保権とは何ですか?
会社更生手続において、担保権で担保された債権を、担保目的物の価額の範囲で優先弁済を受けられる権利です(会社更生法2条)。価額を超える部分は無担保の更生債権になります。
Q2価額決定の申立てに必要な予納金はいくらですか?
金額は裁判所が事案ごとに定めます。鑑定費用等を見込んだ額となり、予納を怠ると申立て自体が却下されます(会社更生法153条3項・4項)。早期に裁判所へ確認すべきです。
Q3担保財産の価額はどうやって評価されますか?
担保目的物の「時価」で評価されますが、清算処分価値で捉えるか事業継続価値で捉えるかで実務上見解が分かれ、評価額が数千万円単位で動くことがあります。鑑定書の準備が重要です。
Q4更生担保権者と更生債権者の違いは何ですか?
更生担保権者は担保目的物の価額の範囲で優先弁済を受けられますが、更生債権者は無担保で配当順位が劣後します。価額を超えた部分の担保権者は更生債権者の地位に転落します。
Q5価額決定の申立ては誰を相手方にしますか?
調査において担保目的物の価額を認めず、又は異議を述べた異議者の全員を相手方とします(会社更生法153条1項)。一部でも漏らすと手続が成立しません。
Q6更生計画で担保権者への弁済はどう決まりますか?
確定した担保目的物の価額が更生担保権の額となり、それを前提に更生計画で弁済条件が定められます。価額が低く確定すると、弁済原資の配分が大きく変わります。
Q7価額決定の申立てをしないとどうなりますか?
調査手続での評価が前提となり、自ら有利な価額を主張する機会を失います。2週間の期間を徒過すると、原則として価額そのものを争えなくなります。
Q8更生担保権が無担保債権に転落するのはどんな場合ですか?
担保目的物の評価額が被担保債権額を下回ったとき、価額を超える部分が無担保の更生債権になります。評価が下がるほど最終的な配当率が激減します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1担保を取ってあるのに、なんで改めて値段を決め直す手続が必要なんですか?
会社更生では、あなたが更生担保権者として優先弁済を受けられるのは担保目的物の「価額」の範囲だけだからです(会社更生法2条10項)。その価額に管財人らが異議を述べれば、153条の価額決定で裁判所に確定してもらう必要があります。実務のポイント:実務ではこの価額をめぐり「時価」が清算価値か事業継続価値かで争われ、評価が数千万円単位で動くことがある。鑑定人の選任主導権を取れるかが回収額を大きく左右する
Q22週間を過ぎてしまったら、もう担保の値段は争えないんですか?
原則として価額決定の申立てはできなくなり、調査手続での評価が前提になります。やむを得ない事由があれば期間伸長の余地はありますが(153条2項)、認められるハードルは高い。実務のポイント:この2週間は査定申立日から起算する厳格な期間として運用される。経験のある倒産弁護士は査定申立てと価額決定の準備を同時並行で走らせ、異議が出た瞬間に申立書を出せる態勢を最初から組んでいる
間違えやすい点 AI による整理
- 「担保があるから更生手続でも全額守られる」と思いがちだが、守られるのは担保目的物の評価額の範囲だけ。評価が下がれば、その差額は無担保の更生債権に格下げされ、最終的な配当率は激減する
- 価額決定の申立てができること自体は知っていても、その期限が「2週間」という異例の短さである深刻さを知らない人が多い。通常の民事手続の感覚で構えていると、争う権利を失ってから気付く
- あなたから見れば担保の価値は中古売却価格そのものだが、更生手続では法定の「時価」の意味自体が、清算処分を前提とするか事業継続を前提とするかで実務上の見解が分かれる。この評価基準の取り方が、あなたの想定回収額を大きく狂わせる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 担保権者の手続上の地位 | 会社更生法153条:担保権は手続に取り込まれ、価額の範囲で更生担保権として扱われる | 破産法65条:別除権として手続外で権利行使できる 民事再生法148条:担保権消滅許可で価額相当額を納付させ消滅させ得る |
| 担保価値の確定方法 | 査定申立日から2週間以内の価額決定の申立て(裁判所が決定) | 原則、担保権実行による換価で実額が定まる 担保権消滅許可の申立てに対する価額決定で定まる |
| 価額を超える部分の扱い | 無担保の更生債権に転落する | 不足額を破産債権として届け出る(不足額責任主義) 無担保の再生債権として扱われる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は会社更生に相当する制度を公司法の重整章に置き、有擔保重整債權として担保部分を扱う。日本のような独立した価額決定の専用手続は明文化が薄い
ドイツは担保権者を別除権者(Absonderungsberechtigte)として扱い、倒産計画(Insolvenzplan)で担保権者が清算より不利にならない保護を置く
米国連邦倒産法506条(a)は担保債権の価額を担保目的物の価値の範囲とし、超過部分を無担保債権とする。日本の更生担保権の構造はこの考え方に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 更生債権等査定の申立てを終えた。では、価額決定を申し立てられる猶予はあと何日残っているか把握しているか? 期限は査定申立日から2週間、土日も数に入る。気付いたら過ぎていた、では担保の値段を争う権利ごと消える
- 立場を逆にしてみる。あなたが管財人なら、更生担保権者が過大な担保価値を主張してきたとき、調査の段階で価額を「認めない」と述べておかなければ、相手の価額決定申立ての相手方にすらなれず、評価を是正する機会を失う
- 工場の機械に譲渡担保を取っていた。更生手続でも簿価のまま担保価値が通ると思い込んでいた。実際は中古市場価格まで叩かれ、差額は無担保債権に落ちた。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先の更生手続開始を知ったら直ちに自分の担保権の内容と目的物を特定し、不動産鑑定や動産評価の準備を始める2. 更生債権等査定申立てを行い、調査で担保目的物の価額を認めなかった、または異議を述べた異議者を確認する3. その異議者の全員を相手方として、査定申立日から2週間以内に裁判所へ価額決定を申し立てる、この期限は厳守4. 同時に裁判所の定める手続費用を予納する、予納を怠ると申立て自体が却下される。やむを得ない事由があれば期間伸長を申し立てられるが、認められる範囲は狭い
訴えられた側:1. 更生担保権者が主張する担保価額が過大だと考えるなら、まず調査の段階で価額を「認めない」または異議を明確に述べておく、これをしないと価額決定手続の相手方になれない2. 相手が価額決定を申し立てたら、対抗する評価資料を速やかに準備する3. 価額が下がればその差額は無担保の更生債権となり、更生計画上の弁済原資の配分が変わる、管財人なら総債権者の利益を見据えて争う
時効(請求できる期限):更生債権等査定申立てをした日から2週間以内(会社更生法153条1項)。やむを得ない事由がある場合に限り裁判所が期間を伸長できる(同条2項)。起算点は「査定申立日」であって異議を知った日ではない点に注意。費用の予納を怠れば期間内でも却下される(同条3項、4項)
学説
通説:更生担保権の価額算定にあたり、担保目的物の「時価」を清算処分価値で捉えるか事業継続価値で捉えるかが実務上の争点となる。事業の再建を本旨とする更生手続の趣旨から、一律に清算価値とせず継続企業価値を考慮すべき場面があるとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)全部改正 昭和27年の旧会社更生法を全面的に改めた現行会社更生法(平成14年法律第154号、平成15年施行)により、更生担保権の価額をめぐる査定と価額決定の枠組みが現行制度として整備された
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:旧会社更生法(昭和27年法律第172号)が米国連邦倒産法 Chapter X を範として制定され、更生担保権制度の原型が置かれた。
- 2.平成14年(2002年) 改正:現行会社更生法(平成14年法律第154号、平成15年施行)への全部改正により、更生担保権の価額をめぐる査定と価額決定の現行手続が整備された。
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