会社更生法 第152条(更生債権等査定申立てについての決定に対する異議の訴え)
クイックジャンプ
- 更生債権等査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴え(以下この款において「更生債権等査定異議の訴え」という。)を提起することができる。
- 2.更生債権等査定異議の訴えは、更生裁判所が管轄する。
- 3.更生債権等査定異議の訴えの第一審裁判所は、更生裁判所が更生事件を管轄することの根拠となる法令上の規定が第五条第六項の規定のみである場合(更生裁判所が第七条第三号の規定により更生事件の移送を受けた場合において、同号に規定する規定中移送を受けたことの根拠となる規定が同項の規定のみであるときを含む。)において、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、職権で、当該更生債権等査定異議の訴えに係る訴訟を第五条第一項に規定する地方裁判所に移送することができる。
- 4.更生債権等査定異議の訴えは、これを提起する者が、前条第一項本文に規定する異議等のある更生債権等を有する更生債権者等であるときは同項本文に規定する異議者等の全員を、当該異議者等であるときは当該更生債権者等を、それぞれ被告としなければならない。
- 5.更生債権等査定異議の訴えの口頭弁論は、第一項の期間を経過した後でなければ開始することができない。
- 6.同一の更生債権等に関し更生債権等査定異議の訴えが数個同時に係属するときは、弁論及び裁判は、併合してしなければならない。この場合においては、民事訴訟法第四十条第一項から第三項までの規定を準用する。
- 7.更生債権等査定異議の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、更生債権等査定申立てについての決定を認可し、又は変更する。
この条文の基本情報
更生債権等査定申立てについての決定に対する異議の訴えとは何ですか?
定義更生債権等査定申立てについての決定に対する異議の訴えとは、会社更生法第152条に定められた規定で、「更生債権等査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴え(以下この款において「更生債権等査定異議の訴え」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第152条(更生債権等査定申立てについての決定に対する異議の訴え)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第152条の条文原文は「更生債権等査定申立てについての決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴え(以下この款において「更生債権等査定異議の訴え」という。」で始まります。
- 会社更生法第152条は第二款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第152条の前の条は会社更生法第151条です。
- 会社更生法第152条の次の条は会社更生法第153条です。
- 会社更生法第152条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第152条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第152条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/152
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法152条は、査定決定に不服がある者が送達日から一月の不変期間内に更生債権等査定異議の訴えを提起できると定める。徒過すれば査定決定が確定する。
Q · 取引先が会社更生に入って、届け出た売掛金を減額査定された。もう諦めるしかない?
送達から一月以内なら査定異議の訴えで争えます
会社更生法152条により、更生債権等査定申立ての決定に不服がある者は、送達を受けた日から一月の不変期間内に更生債権等査定異議の訴えを提起できます。一月は不変期間のため裁判所でも延長できず、徒過すると査定決定が確定し債権額は争えなくなります。判決は訴えを却下する場合を除き、査定決定を認可または変更します。
解説
取引先が会社更生手続に入った。あなたが5000万円の売掛金を届け出たのに、管財人が「2000万円しか認めない」と異議を出し、簡易な査定手続(裁判所が訴訟を経ずに債権額を仮に決める手続)であなたの債権は2000万円と決められた。ここで諦めれば3000万円は消える。だが会社更生法152条は、その査定決定に不服があれば、送達を受けた日から一月以内に「更生債権等査定異議の訴え」を起こせると定める。鍵はこの一月が「不変期間」(裁判所の裁量でも延ばせない、当事者の都合では止まらない期間)であること。一日でも過ぎれば査定決定が確定し、あなたの債権額は永久に2000万円で固まる。さらにこの訴えには独特の作法がある。口頭弁論は一月の期間が過ぎるまで始まらず、同じ債権で複数の異議の訴えが出れば必ず一つに併合される。普通の民事訴訟の感覚で構えていると、入口の一月で勝負がつく。
法的な位置づけ
会社更生法152条は更生債権等査定異議の訴えを定める規定であり、更生債権等査定申立てについての決定に不服がある者が、送達を受けた日から一月の不変期間内に更生裁判所へ異議の訴えを提起できる旨を規定する。判決は訴えを却下する場合を除き、査定決定を認可または変更する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.査定決定の送達日を確定し提訴期限を逆算 査定決定の書面を受け取ったら、開封前にまず送達記録で『受けた日』を特定する。一月の起算点は送達日であり開封日ではない。送達日から一月後を提訴期限としてカレンダーに記入する
- 2.被告を確定し全員をリスト化 更生債権者として提起するなら異議を出した異議者等の全員を被告にする(152条4項)。一人でも漏らすと不適法却下になり時間切れの恐れがあるため、提訴前夜までに被告リストを完成させる
- 3.一月の不変期間内に更生裁判所へ訴状提出 口頭弁論は一月の期間経過後でないと始まらないが(152条5項)、提訴自体は期間内が必須。詳しい主張は後から準備書面で補えるため、まず期限内に訴状を提出する
- 4.倒産・更生に強い弁護士へ即相談 通常の民事訴訟より時間軸が圧倒的に短いため、書面が届いた段階で倒産案件に強い弁護士へ相談する。管轄や移送の可能性(152条3項)、併合審理の戦略も同時に詰める
よくある質問 AI による整理
Q1更生債権等査定異議の訴えとは何ですか?
会社更生手続で簡易に決められた債権額(査定決定)に不服がある者が、送達から一月以内に提起する専用の訴訟です(152条)。判決は査定決定を認可または変更します。
Q2査定異議の訴えの被告は誰になりますか?
更生債権者等が提起する場合は異議を出した異議者等の全員、異議者等が提起する場合は当該更生債権者等が被告です(152条4項)。一人でも漏らすと却下リスクがあります。
Q3査定決定の送達日はどう確認しますか?
起算点は『送達を受けた日』です。郵便の送達記録や受領印で受けた日を特定し、開封日ではなく送達日から一月後を提訴期限としてカレンダーに記入します。
Q4一月の不変期間を過ぎたらどうなりますか?
査定決定が確定し、債権額は永久に固定されます。不変期間は裁判所の裁量でも延長されず、天災等の追完事由がない限り徒過すれば争えなくなります。
Q5査定異議の訴えはどこの裁判所に起こしますか?
原則として更生裁判所が管轄します(152条2項)。著しい損害や遅滞を避ける必要がある一定の場合は、職権で他の地方裁判所へ移送される余地があります(152条3項)。
Q6同じ債権で複数の異議の訴えが出たらどうなりますか?
弁論および裁判は必ず併合され、民事訴訟法40条1〜3項が準用されます(152条6項)。結論の矛盾を防ぐためバラバラの判決は出ません。
Q7民事再生や破産でも同じ手続がありますか?
あります。民事再生法106条、破産法126条にほぼ同じ構造の査定異議の訴えがあり、取引先がどの倒産手続を選んでも一月の期限の感覚は共通します。
Q8査定異議の訴えの判決で債権額は増えますか?
判決は査定決定を認可または変更するだけです(152条7項)。訴えが新しい債権を生むわけではなく、あくまで査定の枠内で金額が上下します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1査定決定に納得いかないんですが、普通に裁判を起こすのとは違うんですか?
違います。会社更生手続では、まず簡易な査定手続で債権額が仮に決められ、それに不服があれば『更生債権等査定異議の訴え』という専用の訴訟で争います(152条)。一から損害賠償を起こすのとは別物で、査定決定を認可するか変更するかが争点です。実務のポイント:この訴えの最大の落とし穴は一月の不変期間。倒産案件では大量の書面が一度に届くため、査定決定を他の通知に紛れて見落とすと、それだけで債権額が確定してしまう。倒産通知の束は届いた順に送達日を記録するのが鉄則
Q21か月って書いてあるけど、忙しくて間に合わなそう。延長してもらえますか?
原則できません。152条1項の一月は『不変期間』で、裁判所の裁量による延長は認められません。天災など当事者の責めに帰せない事由があれば追完(民事訴訟法97条)の余地はありますが、『忙しい』『弁護士が見つからない』は理由になりません。実務のポイント:実務では、期限ギリギリでも訴状さえ更生裁判所に出してしまえば、詳しい主張は後から準備書面で足せる。口頭弁論はそもそも一月経過後でないと始まらない(152条5項)ので、まず提訴を間に合わせ、中身は後で詰めるのが現場の動き方
間違えやすい点 AI による整理
- 「異議があれば普通に裁判で争える」とは知っていても、その期間が『不変期間』であることの重みを分かっていない人が多い。通常の出訴期間と違い、不変期間は当事者の責めに帰せない事由がない限り一切延長されない。一月という数字の後ろに、裁判所すら動かせない硬さがある
- 「査定決定が出れば判決と同じだから、もう確定したも同然」と諦める人がいるが、問いの立て方が逆である。査定決定は確定前の判断にすぎず、一月以内に異議の訴えを起こせば本格的な訴訟で覆せる。確定するのは『一月を過ぎたとき』であって『査定が出たとき』ではない
- 「異議の訴えを起こせば査定額がリセットされ、また一から請求できる」と思われがちだが、判決は査定決定を『認可』するか『変更』するだけ(152条7項)。訴え自体が新しい債権を生むわけではなく、あくまで査定の枠の中で金額が上下する
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 手続の性質 | 152条:査定決定に対する正式な異議の訴え(訴訟) | 151条:訴訟を経ない簡易な査定の裁判(決定) 150条:調査における異議の申述(手続内の異議) |
| 不服申立ての期限 | 送達日から一月の不変期間内に提訴 | 査定の裁判に対し本条の異議の訴えで争う 調査期間内の異議申述が前提 |
| 管轄・効果 | 更生裁判所が管轄、判決で査定決定を認可または変更(152条7項) | 裁判所が債権額を仮に決定 異議があれば査定手続へ進む入口 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も裁判所主導の重整手続で重整債権を申報・審査し、確定争訟を経る点で類似する。専用訴訟の期間制限の硬さは個別規律による
韓国は回生・破産を統合した単一法で会生債権の조사확정재판を設ける。簡易な確定裁判に対する不服申立て構造は日本と近い
ドイツは倒産手続を一本化した InsO で係争債権の確定訴訟(Feststellungsklage)を定める。期間と当事者構造は日本の査定異議の訴えと機能的に対応する
米国は claim objection により債権の allowance を争う。会社更生法の再建型手続自体が米国 Chapter 型を参考にしている点で系譜的なつながりがある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の倒産で査定決定の送達が届いた。封筒を開けたのは届いてから3週間後。残り1週間で異議の訴えを起こさなければ、減額された債権額がそのまま確定する。弁護士を探して訴状を書く時間が、もう無い
- あなたが更生債権者として異議の訴えを起こす側なら、異議を出した者「全員」を被告にしなければならない(152条4項)。一人でも漏らせば訴え自体が不適法として却下されるリスクがある。逆にあなたが異議を出した側なら、訴えてきた債権者があなたを被告に指定してくる
- もし同じ債権について、あなたと別の債権者が同時に異議の訴えを起こしたら? 裁判所は必ず弁論を併合し、判決も一つにまとめる(152条6項)。バラバラの判決で結論が矛盾するのを防ぐためだ
- 更生事件が東京地裁にあり、あなたは大阪。査定異議の訴えも原則として東京で争うことになる。ただし著しい損害や遅滞を避ける必要があると認められれば、職権で大阪の地方裁判所へ移送される余地もある(152条3項)
取るべき行動
被害を受けた側:1. 査定決定の送達日を確定。送達記録で『受けた日』を特定し、そこから一月後を提訴期限としてカレンダーに記入2. 被告を確定。あなたが更生債権者なら、異議を出した異議者等の『全員』を被告にする(152条4項)、一人も漏らさない3. 一月の不変期間内に更生裁判所へ訴状を提出。口頭弁論は期間経過後でないと始まらないが(152条5項)、提訴自体は期間内が必須4. 倒産・更生案件に強い弁護士へ即相談、通常の民事訴訟より時間軸が圧倒的に短い
訴えられた側:1. 訴状を受け取ったら、まず原告が査定決定の送達から一月の不変期間内に提訴しているか確認、期間徒過なら不適法却下を主張できる2. 同一債権で複数の異議の訴えが係属していないか確認、あれば併合審理となり民事訴訟法40条の必要的共同訴訟ルールが準用される(152条6項) 3. 査定決定の内容を精査し、認可を求めるか変更幅を争うか方針を決める4. 管轄は原則として更生裁判所、移送の可能性(152条3項)も視野に弁護士と戦略を立てる
時効(請求できる期限):査定決定の送達を受けた日から一月の不変期間内に提起しなければならない(会社更生法152条1項)。不変期間のため裁判所の裁量では延長されず、徒過すると査定決定が確定する。起算点は『送達を受けた日』であり、開封日や認知日ではない
学説
通説:152条1項の一月は不変期間であり、裁判所の裁量による伸縮を認めない。当事者の責めに帰すことができない事由がある場合に民事訴訟法97条の追完が問題となるにとどまり、徒過すれば査定決定が確定するとするのが一般的理解である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:現行会社更生法(平成14年法律第154号)の制定に伴い、更生債権等の査定手続と本条の査定異議の訴えが整備された。簡易迅速な債権確定と裁判を受ける権利の保障を両立させる構造を採る。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める