会社更生法 第190条(社債権者の議決権の行使に関する制限)
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- 更生債権等である社債を有する社債権者は、当該社債について第四十三条第一項第五号に規定する社債管理者等がある場合には、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、当該社債について議決権を行使することができる。
- 一当該社債について更生債権等の届出をしたとき、又は届出名義の変更を受けたとき。
- 二当該社債管理者等が当該社債について更生債権等の届出をした場合において、更生計画案を決議に付する旨の決定があるまでに、裁判所に対し、当該社債について議決権を行使する意思がある旨の申出をしたとき(当該申出のあった更生債権等である社債について次項の規定による申出名義の変更を受けた場合を含む。)。
- 2.前項第二号に規定する申出のあった更生債権等である社債を取得した者は、申出名義の変更を受けることができる。
- 3.更生債権等である社債につき、更生計画案の決議における議決権の行使についての会社法第七百六条第一項若しくは第七百十四条の四第三項の社債権者集会の決議が成立したとき、又は同法第七百六条第一項ただし書の定めがあるときは、第一項の社債権者(同項各号のいずれかに該当するものに限る。)は、同項の規定にかかわらず、当該更生計画案の決議において議決権の行使をすることができない。
この条文の基本情報
社債権者の議決権の行使に関する制限とは何ですか?
定義社債権者の議決権の行使に関する制限とは、会社更生法第190条に定められた規定で、「更生債権等である社債を有する社債権者は、当該社債について第四十三条第一項第五号に規定する社債管理者等がある場合には、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、当該…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第190条(社債権者の議決権の行使に関する制限)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第190条の条文原文は「更生債権等である社債を有する社債権者は、当該社債について第四十三条第一項第五号に規定する社債管理者等がある場合には、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、当該…」で始まります。
- 会社更生法第190条は第三節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第190条の前の条は会社更生法第189条です。
- 会社更生法第190条の次の条は会社更生法第191条です。
- 会社更生法第190条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第190条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第190条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/190
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法190条は、社債管理者等がある場合、社債権者が自ら更生債権の届出をするか、計画案の決議決定前に裁判所へ議決権行使を申し出たときに限り議決権を行使できると定める。
Q · 持っている社債の会社が更生手続に入ったら、自分で更生計画案に賛成・反対の票を投じられますか?
届出か裁判所への申出をしないと議決権は行使できません
会社更生法190条により、社債管理者等がある社債では、社債権者は自ら更生債権等の届出をするか、社債管理者の届出後に更生計画案を決議に付する決定があるまでに裁判所へ議決権行使の意思を申し出た場合に限り、議決権を行使できます。どちらの手も打たなければ、計画案への一票は社債管理者の判断に委ねられます。さらに社債権者集会で会社法706条等の統一決議が成立すると、3項により個別の議決権行使は封じられます。
解説
あなたが利回りに惹かれて買った会社の社債。その発行会社が会社更生手続に入った瞬間、あなたの社債は「更生債権」に姿を変え、満額返ってくる保証は消える。ここで多くの個人投資家が踏み外すのは、「プロの社債管理者がついているから自分は何もしなくていい」という思い込みだ。190条はそう単純ではない。社債管理者等がいる場合、あなた個人が議決権、つまり更生計画案に賛成・反対の一票を投じる権利を握るには、二つの道のどちらかを通らなければならない。自分で更生債権の届出をするか、社債管理者が届出をしたうえで、計画案が決議に付される決定が出る前に裁判所へ「私は自分で票を投じる」と申し出るかだ。この申出を怠ると、あなたの一票は社債管理者の判断に丸ごと委ねられる。いくら返ってくるかを左右する計画案に、自分の意思を一切反映できなくなる。さらに社債権者集会で統一行使の決議が成立すれば、3項によって個別の一票は封じられる。黙っていることが、ここでは最大の放棄になる。
法的な位置づけ
会社更生法190条は、更生債権等である社債について社債管理者等が存在する場合における社債権者の議決権行使の要件を定める規定である。社債権者は、自ら更生債権等の届出または届出名義の変更を受けたとき、もしくは社債管理者等の届出後に計画案の決議決定前に裁判所へ議決権行使の意思を申し出たときに限り議決権を行使でき、社債権者集会の統一決議が成立した場合には個別行使が制限される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.更生手続開始を知ったら届出期間を確認 保有社債の発行会社が更生手続に入ったことを知ったら、まず裁判所が定めた更生債権等の届出期間を確認する。自分で届出をするか、社債管理者に任せるかを早期に判断する
- 2.自ら届出をするか社債管理者の届出を確認 自分で更生債権等の届出をすれば190条1項1号で議決権が立つ。社債管理者が届出をする方針なら、その事実と内容を確認し、自分の議決権をどう確保するかを決める
- 3.決議決定前に裁判所へ議決権行使を申し出る 社債管理者が届出をした場合は、更生計画案を決議に付する旨の決定があるまでに、裁判所へ自ら議決権を行使する意思がある旨を申し出る(190条1項2号)。締切後は申出できない
- 4.手続中に社債を取得したら申出名義の変更を受ける 申出のあった社債を手続中に取得した場合は、申出名義の変更を受ける(190条2項)。これにより前主の申出の効果を引き継ぎ、自ら議決権を行使できる
- 5.社債権者集会の動向を監視 社債権者集会で会社法706条1項・714条の4第3項の統一決議が成立すると、3項により個別の議決権行使が封じられる。集会の招集通知が来た段階で、それ以前に個別行使を確保できているかを点検する
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生手続とは何ですか?
経営困難な株式会社を清算せず再建するための裁判所主導の手続です。管財人が選任され、更生計画案に基づいて債権者の権利を調整しながら事業の存続を図ります。社債権者も更生債権者として扱われます。
Q2持っている社債の会社が会社更生に入ったらどうなりますか?
社債は「更生債権」となり、満額弁済の保証は失われます。更生計画案により弁済率や弁済時期が定められ、社債権者はその決議に議決権を持ち得ますが、行使には届出または裁判所への申出が必要です。
Q3更生債権の届出はどこにしますか?
更生手続を扱う裁判所に対し、定められた届出期間内に行います。社債管理者等がある場合は自分で届け出るか社債管理者に任せるかを選べますが、議決権を自ら握るには別途の手当てが要ります。
Q4社債管理者とは何ですか?
社債権者のために弁済の受領や債権保全を行う者で、多くは信託銀行等です。会社更生法43条1項5号の社債管理者等にあたり、更生手続では社債権者を代表して届出や議決権の一括行使を担い得ます。
Q5議決権行使の申出の締切はいつですか?
社債管理者が届出をした場合、更生計画案を決議に付する旨の決定があるまでに裁判所へ申し出る必要があります(190条1項2号)。この決定後は申出の窓が閉じ、自分で票を投じられなくなります。
Q6更生計画案に反対するとどうなりますか?
議決権を確保した社債権者は反対票を投じられますが、法定の多数が賛成すれば計画案は可決されます。可決後は裁判所の認可を経て、反対した社債権者にも計画の効力が及びます。
Q7投資信託で持つ社債の議決権は誰が行使しますか?
投資信託や ETF を通じた間接保有では、議決権を行使するのは運用会社であって投資家本人ではありません。190条が想定する申出の主体から外れ、票を他者に委ねた状態になります。
Q8民事再生と会社更生で社債権者の扱いは違いますか?
会社更生は管財人主導で担保権も手続に取り込む強力な再建型、民事再生は経営者続行を原則とする手続です。社債権者の議決権処理も根拠法が異なり、会社更生では本190条が特則を置いています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1社債管理者が代わりに届出してくれたら、私はもう何もしなくていいんですよね?
それが一番危険な誤解です。社債管理者が届出をしただけでは、あなた個人の議決権は自動では立ちません。190条1項2号により、計画案が決議に付される決定が出る前に、あなた自身が裁判所へ議決権を行使する意思を申し出る必要があります。実務のポイント:この申出をしない社債権者の票は、事実上、社債管理者の判断や社債権者集会の決議に吸収されます。弁護士は申出の締切をカレンダーの最優先に入れますが、個人投資家にはこの一手の重みがほとんど知られていない
Q2社債権者集会で決議が成立したら、私はもう自分の意見を出せないんですか?
はい、190条3項により、会社法706条1項などの社債権者集会の決議が成立すると、1項各号に該当する社債権者も、その計画案の決議では個別に議決権を行使できなくなります。統一行使に一本化される仕組みです。実務のポイント:だからこそ、集会の決議が成立する前に動けたかどうかが分水嶺になります。集会の招集通知が来た時点で、自分の票を個別に確保したいなら、それより前の段階での申出が効いてくる。後から「やっぱり反対したい」では遅い
間違えやすい点 AI による整理
- 「社債管理者がいるなら、議決権も全部その人が処理してくれる」と思い込みがちだが、実は逆向きの落とし穴がある。社債管理者が届出をしたというだけでは、あなた個人の票は自動では確保されない。あなたが裁判所へ議決権行使の意思を別途申し出て初めて、自分で投じる権利が立つ。沈黙は委任と同じ扱いになる
- 「届出さえ済ませれば、いつ申出をしても間に合う」と考える人が多いが、深刻なのは締切の早さだ。社債管理者経由で票を取り戻す申出は、更生計画案が決議に付される旨の決定があるまでに済ませなければならない。その決定が出た後では、たとえ社債を握っていても申出の窓は閉じている
- あなたから見れば「一票くらい誰が投じても同じ」かもしれないが、法律から見れば、社債権者集会の決議が成立したかどうかで個別行使権の存否そのものが変わる。集会決議の成立前に動いた人は自分の票を持ち、動かなかった人は3項で封じられる。この時間差が、回収戦略を組める者と組めない者を分ける
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律対象 | 190条:社債管理者等がある社債の社債権者の議決権要件 | 189条:議決権を行使することができる者の一般規定 138条:更生債権等の届出(議決権の前提手続) |
| 議決権が立つ条件 | 自ら届出 or 社債管理者届出+決議決定前の裁判所への申出 | 届出をした更生債権者一般に議決権 届出をすることで権利行使・議決の前提を満たす |
| 個別行使の制限 | 社債権者集会の統一決議成立で3項により個別行使が封じられる | 原則として個別の更生債権者ごとに行使 届出の有無が議決権の有無を左右 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も重整手続で重整債権者の議決と公司債債権人会議を区別する。集団的意思決定と個別権利行使の調整という構造は日本と類似
韓国は再建型・清算型を統合した倒産法制を持ち、回生手続で会生債権者の議決権を定める。社債権者の集団処理の発想は日本と近い
ドイツは Insolvenzplan の表決を債権者組(Gruppen)ごとに行い、社債は Schuldverschreibungsgesetz とあわせて集団的に処理される
米国 Chapter 11では plan の表決をクラス単位で行い、社債は indenture trustee を介して処理される。会社更生法の母法的位置にある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが保有する社債の発行会社が更生手続に入り、社債管理者が届出を済ませたとしたら? 更生計画案が決議に付される決定が出る前にあなたが裁判所へ議決権行使の申出をしなければ、あなたの一票は社債管理者の手の中に消える。残された時間はわずか。今日この申出を出すか出さないかで、賛否を自分で決められるかが決まる
- あなたが信託銀行の社債管理者担当として、全社債権者を代表し議決権を一括行使しようとする。だが一部の社債権者が個別に申出をしていれば、その分は彼ら自身が投じる。逆に社債権者集会で会社法706条の決議が成立すれば、3項により個別行使は封じられる。誰が票を握るのかは、手続のどの段階で何が成立したかで入れ替わる
- 会社が倒産した。あなたの社債は更生債権になった。何の手も打たなければ、計画案への一票は最初から他人任せになる
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが社債を持つ立場なら:1. 更生手続開始を知ったら、まず更生債権の届出期間を確認し、自分で届出をするか社債管理者に任せるかを判断する2. 社債管理者が届出をした場合は、更生計画案が決議に付される旨の決定が出る前に、裁判所へ議決権行使の意思を申し出る(190条1項2号) 3. 申出後にその社債を取得した場合は、申出名義の変更を受ける(同条2項) 4. 社債権者集会の決議が成立すると個別行使が封じられる(同条3項)ので、集会の招集・決議の動向を監視する
訴えられた側:あなたが社債管理者・管財人など手続を仕切る立場なら:1. 議決権を一括行使する際は、個別に申出をした社債権者の分を除外して集計し、二重計上を避ける2. 計画案の決議を統一的に進めたいなら、社債権者集会で会社法706条の決議を成立させる選択肢を検討する3. 議決権行使者の確定を巡る紛争を避けるため、申出の締切と申出名義の変更を厳格に管理し、記録を残す
時効(請求できる期限):議決権行使の意思の申出は、更生計画案を決議に付する旨の決定があるまで(190条1項2号)。この決定後は申出できない。更生債権の届出自体には、裁判所が事件ごとに定める届出期間の制限が別途ある(会社更生法138条参照、現行効力と具体的期間は当該事件の決定をご確認ください)
学説
通説:190条は、多数に分散する社債権者の議決権を社債管理制度を介して効率的に処理する要請と、個々の社債権者の自己決定権の尊重とを、手続の段階に応じて切り分けて調整した規定と解される。届出または申出をした者には個別の議決権を認め(1項)、社債権者集会の統一決議が成立した場合には個別行使を制限する(3項)。
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)改正・令和3年(2021年3月1日)施行 会社法改正による社債管理補助者制度の創設に伴い、3項に会社法714条の4第3項の社債権者集会決議を参照する文言を追加。社債管理補助者がある場合の議決権行使制限を統一行使の枠組みに取り込んだ
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)により現行の社債権者の議決権規定を整備。社債管理者等がある場合の届出・申出要件と社債権者集会決議による個別行使制限の枠組みを定めた
- 2.令和元年(2019年)改正・令和3年(2021年3月1日)施行 改正:会社法改正による社債管理補助者制度の創設に伴い、3項に会社法714条の4第3項の社債権者集会決議を参照する文言を追加。社債管理補助者がある場合の議決権行使制限を統一行使の枠組みに取り込んだ
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