会社更生法 第230条(財団に関する処分の制限の特例)
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更生計画の定めによって更生会社の財産を処分する場合には、工場財団その他の財団又は財団に属する財産の処分の制限に関する法令の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
財団に関する処分の制限の特例とは何ですか?
定義財団に関する処分の制限の特例とは、会社更生法第230条に定められた規定で、「更生計画の定めによって更生会社の財産を処分する場合には、工場財団その他の財団又は財団に属する財産の処分の制限に関する法令の規定は、適用しない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第230条(財団に関する処分の制限の特例)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第230条の条文原文は「更生計画の定めによって更生会社の財産を処分する場合には、工場財団その他の財団又は財団に属する財産の処分の制限に関する法令の規定は、適用しない。」で始まります。
- 会社更生法第230条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第230条の前の条は会社更生法第229条です。
- 会社更生法第230条の次の条は会社更生法第231条です。
- 会社更生法第230条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第230条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第230条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/230
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法230条は、更生計画に従って更生会社の財産を処分する場合、工場財団等の処分制限に関する法令を適用しないと定める特例である。
Q · 工場財団に抵当権をつけていたのに、相手が会社更生したら担保物はバラ売りされるの?
会社更生に入れば財団の処分制限は外れ計画通り処分できます
会社更生法230条により、更生計画の定めに従って更生会社の財産を処分する場合、工場財団等の処分制限に関する法令(工場抵当法13条の分割・分離禁止など)は適用されません。つまり財団に組み込まれて動かせなかった不動産や機械も、管財人が更生計画どおりに切り売りできるようになります。ただし担保権そのものが消えるわけではなく、抵当権者の利益は『更生担保権』として評価額に応じて手続内で保護されます。
解説
工場に金を貸すとき、銀行は土地も建物も機械もひとくくりにした「工場財団」に抵当権を設定する。工場抵当法13条によって、この財団は分割も構成物の分離も禁じられている。つまり債務者が機械一台だけを勝手に売り飛ばすことはできない。これがあなたの担保を守る鉄壁だと信じてきたなら、会社更生法230条はその思い込みを静かに崩す。借り手が会社更生手続に入り、更生計画で財産を処分すると定められた瞬間、財団の「処分の制限に関する法令」は適用されなくなる。財団に組み込まれて動かせなかったはずの不動産も機械も、管財人が更生計画に従って切り売りできるようになる。担保物が消えるわけではないが、あなたの担保の輪郭そのものが、手続の中で書き換えられる。
法的な位置づけ
会社更生法230条は、更生計画に基づく更生会社の財産処分について、工場財団その他の財団またはその構成財産に対する処分制限に関する法令の規定を適用しないと定める特例規定である。工場抵当法13条等が課す財団の分割・構成物分離の禁止を更生手続の局面で解除し、管財人による計画的な処分を可能にする機能を持つ。
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法230条とは何ですか?
更生計画に従い更生会社の財産を処分する場合、工場財団等の処分制限に関する法令を適用しないと定める特例規定です。財団の一体性の縛りを再建のため外します。
Q2工場財団の処分制限とは何ですか?
工場抵当法13条が定める、工場財団の分割や構成物の分離を禁じるルールです。抵当権者が土地・建物・機械を一体として把握する利益を守ります。
Q3会社更生すると担保権は消えますか?
消えません。230条が外すのは財団の物理的な処分制限だけで、担保権は『更生担保権』として評価額に応じ手続内で保護されます。
Q4管財人は財団の財産を自由に売れますか?
自由ではありません。230条で処分制限は外れますが、処分は更生計画の定めに従う必要があり、計画外の重要な処分には裁判所の許可が要ります。
Q5会社更生と民事再生で担保の扱いはどう違いますか?
会社更生では担保権が更生担保権として手続内に取り込まれ実行が制限されます。民事再生では担保権は別除権として手続外で行使できる点が異なります。
Q6更生担保権の評価額に不服がある場合はどうしますか?
価額決定の申立てや更生計画案への意見陳述、関係人集会での議決権行使で争えます。認可後は処分制限が外れるため、認可前の対応が鍵です。
Q7会社更生法230条は工場財団以外にも適用されますか?
適用されます。鉱業財団・鉄道財団・漁業財団など各種財団の処分制限を一括で外す条文で、工場財団だけに限られません。
Q8財団が切り売りされたら抵当権者の優先弁済はどうなりますか?
更生担保権の評価額に応じて処分対価から優先的に保護されます。担保物が消えるのではなく、価値的な保護に置き換わる仕組みです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1工場財団に抵当権をつけていたのに、相手が会社更生したら担保が全部パーになるんですか?
パーにはなりません。230条が外すのは工場抵当法13条の『分割・分離の禁止』という物理的なまとまりの制限だけで、担保権自体は『更生担保権』として評価額に応じて保護され、財団が売られてもその対価から優先弁済を受けられます。実務のポイント:多くの債権者は『処分される=担保消滅』と誤解して早々に諦めるが、本当の勝負は更生担保権の評価額。不服なら価額決定の申立てで争える
Q2うちは普通の取引先で担保なんてないんですが、この条文って関係ありますか?
直接の主役ではありませんが、無担保の更生債権者でも更生計画の処分内容で配当原資が変わるため無関係ではありません。財団が高く売れれば配当も増えます。230条は再建のため財産を機動的に動かす土台です。実務のポイント:一般債権者は『どうせ少ししか戻らない』と関係人集会を欠席しがちだが、処分やスポンサー選定に意見を言えるのは認可前だけ。出席して情報を取るだけでも回収戦略が変わる
Q3財団の処分制限が外れるなら、管財人は好きに財産を売れるんですか?
好き勝手にはできません。230条で工場抵当法等の制限は外れますが、処分は更生計画の定めに従う必要があり、計画外の重要な処分には裁判所の許可が要ります。管財人には善管注意義務もあります。実務のポイント:『制限が外れた』ことと『自由に処分してよい』は別物。管財人が更生担保権者の評価を軽視して安売りすれば後で責任を問われる。債権者側はこの一点を突ける
間違えやすい点 AI による整理
- 「財団抵当をつけておけば、債務者が倒れても担保物は一括りのまま守られる」と思っている。だが会社更生に入れば、工場抵当法13条の処分制限は230条で適用されなくなり、管財人が更生計画に従って個別に処分できる
- 処分制限が外れること自体は知っていても、その意味の深刻さを見落としている。財団が計画どおりに切り売りされても、あなたの更生担保権は財産の評価額として手続内で扱われる。本当の問題は「担保が消える」ことではなく、「担保の中身を自分でコントロールできなくなる」ことだ
- 「処分制限が外れるなら、担保権ごと無視されるのでは」という問いそのものがずれている。230条が外すのは『財団の物理的なまとまりに関する制限』だけで、担保権の優先順位や評価まで消す条文ではない。あなたが本当に注視すべきは処分の可否ではなく、更生担保権としての評価額の方だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 会社更生法230条:財団の処分制限を更生手続で適用除外する特例 | 会社更生法72条:財産の管理処分権を管財人に専属させる 工場抵当法13条:財団の分割・構成物分離を禁止する原則 |
| 効果の方向 | 縛りを外す(処分を可能にする) | 権限を集中する(管財人へ) 縛りをかける(一体性を維持) |
| 担保権者への影響 | 物理的一体把握は失うが更生担保権として価値的に保護 | 個別の同意は不要、手続内で権利を行使 平時は一体把握を強く保護 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も重整手続中は重整人が裁判所の許可等を得て会社財産を処分でき、担保権者は重整手続内で扱われる点で発想が近い
韓国は会社更生と民事再生を統合した統一倒産法を採用。回生手続では担保権が回生担保権として手続内に取り込まれる
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)により担保財産を含む資産処分を柔軟化。担保権者は別除権を持つが計画で調整され得る
米国 Chapter 11は debtor in possession が事業継続しつつ財産を処分・売却(§363 sale)でき、本条の母法的発想に近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの銀行が工場財団に抵当権を設定して5億円を融資した。借り手が会社更生を申し立て、更生計画でその工場をスポンサー企業へ一括譲渡する案が出てきた。普段なら工場抵当法13条で守られる「分割・分離の禁止」が、ここでは効かない。更生計画が認可されれば、あなたの担保物は計画どおりに処分される
- もし更生計画で工場の機械設備だけが切り出されて売却されたら、財団全体に抵当権をつけていたあなたの優先弁済はどう計算されるのか。答えは更生担保権の評価額しだいで、財団の処分制限が外れても担保の価値そのものが消えるわけではない
- あなたが管財人だ。資金繰りのため、財団に組み込まれた遊休機械を今すぐ現金化したい。通常の財団処分制限は230条で外れる。動ける
- 更生計画案が裁判所に提出され、関係人集会での議決まであと2週間。財団抵当権者であるあなたが処分条項に異議を唱えるなら、議決権行使と意見陳述のタイミングを逃せない。認可されれば230条で処分制限は外れ、後から「分離できないはずだ」とは言えなくなる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先が会社更生を申し立てたら、まず自分の担保が「更生担保権」として届出済みかを確認、届出期間を逃すと権利行使が制限される2. 更生計画案が出たら財産処分条項を精読、財団が切り売りされる場合の自分の更生担保権の評価額を確認3. 評価に不服なら価額決定の申立てや更生計画案への意見陳述、関係人集会での議決権行使で対抗4. 認可後は230条で処分制限が外れるため、認可前の段階で動くのが鉄則
訴えられた側:1. 管財人として財団に属する財産を処分するなら、更生計画にその処分の定めを明記、計画外の重要な処分には別途裁判所の許可が必要2. 230条で工場抵当法等の処分制限は外れるが、更生担保権者の評価額は適正に確保し、後の善管注意義務違反・損害賠償を避ける3. 財団登記の抹消・変更など登記実務を司法書士と詰める4. スポンサーへの一括譲渡か個別売却か、回収最大化の観点で処分方法を設計
時効(請求できる期限):会社更生手続に特定の時効はないが、更生債権・更生担保権の届出には裁判所の定める届出期間があり、これを徒過すると原則として権利は失権する。財団の処分制限が外れる効果は、更生計画認可決定の効力発生時から生じる。(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:230条が適用除外するのは工場抵当法13条等が定める財団の物理的な処分制限のみであり、担保権の優先順位や更生担保権としての評価まで失わせる趣旨ではない、と理解されている。再建の機動性と担保権者の価値的保護の均衡を図る規定と位置づけられる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:会社更生法(旧法)制定。米国連邦倒産法の会社更生手続を範に、再建型倒産手続として財団処分制限の特例を含む枠組みを導入
- 2.平成14年(2002年) 改正:会社更生法を全部改正(平成14年法律第154号)。手続の迅速化・合理化を図り、財団の処分制限を適用除外する特例を現行230条として整理
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