会社更生法 第232条(法人税法等の特例)
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- 更生計画において第二百二十五条第一項に規定する新会社が更生会社の租税等の請求権に係る債務を承継することを定めたときは、当該新会社は当該債務を履行する義務を負い、更生会社は当該債務を免れる。
- 2.更生手続開始の決定があったときは、更生会社の事業年度は、その開始の時に終了し、これに続く事業年度は、更生計画認可の時(その時までに更生手続が終了したときは、その終了の日)に終了するものとする。ただし、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第十三条第一項ただし書及び地方税法第七十二条の十三第四項の規定の適用を妨げない。
- 3.更生手続開始の時に続く更生会社の事業年度の法人税並びに道府県民税、事業税及び市町村民税については、法人税法第七十一条又は第百四十四条の三及び地方税法第五十三条第二項、第七十二条の二十六又は第三百二十一条の八第二項の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
法人税法等の特例とは何ですか?
定義法人税法等の特例とは、会社更生法第232条に定められた規定で、「更生計画において第二百二十五条第一項に規定する新会社が更生会社の租税等の請求権に係る債務を承継することを定めたときは、当該新会社は当該債務を履行する義務を負い、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第232条(法人税法等の特例)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第232条の条文原文は「更生計画において第二百二十五条第一項に規定する新会社が更生会社の租税等の請求権に係る債務を承継することを定めたときは、当該新会社は当該債務を履行する義務を負い、…」で始まります。
- 会社更生法第232条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第232条の前の条は会社更生法第231条です。
- 会社更生法第232条の次の条は会社更生法第233条です。
- 会社更生法第232条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第232条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第232条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/232
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法232条は更生手続の租税特例を定める。更生手続開始決定の時に事業年度が終了し(みなし事業年度)、計画認可時に再び区切られる。新会社への租税債務承継と中間申告義務の免除も認める。
Q · 会社更生に入ると、税金や事業年度はどうなるの?
開始決定の時に事業年度が強制的に区切られ、再建後の税額を左右します
会社更生法232条2項により、更生手続開始の決定があった時点で会社の事業年度はいったん終了し(みなし事業年度)、更生計画認可の時にもう一度区切られます。この切れ目が、債務免除を受けた際に生じる「債務免除益」へいつ課税されるか、期限切れ欠損金をどの年度で充てられるかを決めます。さらに1項は新会社への租税債務承継による更生会社の免責、3項は中間申告義務の免除を定め、再建途上の会社の税負担と事務を軽くします。
解説
会社更生法232条は、一見すると税法の細かい技術規定に見える。だが、更生手続に入った会社の運命を左右する隠れた急所がここにある。更生手続開始の決定が下りた瞬間、あなたの会社の事業年度はその時点で強制的に区切られる(2項、みなし事業年度)。これで終わりではない。更生計画認可の時に、もう一度区切られる。なぜこれが重要か。更生計画で巨額の債務免除を受けると、会計上は再建でも税務上は「債務免除益」という巨大な利益が発生し、放置すれば多額の法人税が課される。その課税を吸収できるかどうかは、いつ事業年度が区切られ、どのタイミングで期限切れの繰越欠損金を使えるかにかかっている。232条が作る事業年度の切れ目は、その税負担の設計図そのものだ。さらに1項は、新会社に租税債務を承継させれば更生会社が免責される道を、3項は中間申告義務の免除を定める。再建の事務とキャッシュを軽くする仕掛けが、この三項に凝縮されている。
法的な位置づけ
会社更生法232条は、更生手続における租税の特例を定める規定である。更生手続開始の決定があった時に更生会社の事業年度を終了させ(みなし事業年度)、更生計画認可の時に次の事業年度を終了させる。これにより債務免除益への課税年度と期限切れ欠損金の充当時期が画され、併せて新会社への租税債務承継と中間申告義務の免除を規律する。
よくある質問 AI による整理
Q1みなし事業年度とは何ですか?
通常の決算期と関係なく、特定の事由が生じた時点で事業年度を区切る扱いです。会社更生法232条2項では、更生手続開始決定の時と更生計画認可の時に事業年度が終了します。
Q2会社更生で債務免除を受けると税金はかかりますか?
かかり得ます。債務免除を受けると税務上「債務免除益」という利益が生じ、放置すれば法人税が課されます。232条が作る事業年度の区切りと期限切れ欠損金の充当でこれを吸収します。
Q3期限切れ欠損金はいつ使えますか?
更生手続では、通常使えない期限切れの繰越欠損金を債務免除益に充てられる余地があります(法人税法59条等)。どの事業年度に債務免除益が立つかが鍵で、認可時期の設計が重要です。
Q4会社更生中の確定申告はいつまでですか?
みなし事業年度の法人税確定申告は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です(法人税法74条)。開始決定日から起算するため通常の決算期と混同しないよう注意が必要です。
Q5更生会社の租税債務は新会社に引き継がれますか?
更生計画で新会社(225条)が租税等の請求権に係る債務を承継すると定めた場合、新会社が履行義務を負い、更生会社はその債務を免れます(232条1項)。請求先が切り替わります。
Q6会社更生で中間申告は必要ですか?
更生手続開始の時に続く事業年度については、法人税・道府県民税・事業税・市町村民税の中間申告義務が適用除外されます(232条3項)。中間申告は不要です。
Q7更生計画の認可時期で税額は変わりますか?
変わり得ます。認可の時に事業年度が区切られるため、債務免除益が立つ年度と相殺できる欠損金の額が認可時期で動きます。認可日が数か月ずれるだけで手残りが変わります。
Q8債務免除益課税はどうやって抑えますか?
債務免除益が立つ事業年度に期限切れ欠損金を最大限充てられるよう、認可時期と事業年度の切れ目を逆算して設計します。法務と税務を一体で計画段階から組むのが要点です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社更生に入ったら、税金の申告ってどうなるんですか?
更生手続開始の決定があった瞬間、その時点で事業年度がいったん終了します(232条2項、みなし事業年度)。通常の決算期と関係なく、開始時点で区切った申告が必要になり、さらに計画認可の時にもう一度区切られます。実務のポイント:この事業年度の切れ目を意識せず通常の決算期だけで動くと、申告漏れや欠損金の使い損ねが起きます。倒産税務に強い税理士は、開始決定の日から逆算して申告スケジュールを組む。ここを設計できるかどうかで再建後の手残りが変わります
Q2債務を全部カットしてもらえたら、もう支払うものは何もないですよね?
税金が残ります。債務免除を受けると会計上は身軽でも、税務上は「債務免除益」という巨額の利益が立ち、放置すれば法人税が課されます。これを吸収する鍵が、232条が作る事業年度の区切りと、期限切れ繰越欠損金の充当タイミングです(法人税法59条等)。実務のポイント:私的整理より法的整理(会社更生・民事再生)の方が、期限切れ欠損金を債務免除益に充てられる範囲が広い。「税負担まで含めて法的整理を選ぶ」という逆算をする実務家もいます。再建手段の選択は税効果まで含めて決まる(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「再建できれば税金の心配は後回し」と考えがちだが、問いの立て方そのものが逆だ。債務免除を受けた瞬間に債務免除益という課税対象が生まれる。再建の成否を見届けてから税を考えるのではなく、債務免除益をどの事業年度に帰属させ、何で相殺するかを、計画を作る段階で先に決めなければならない
- みなし事業年度で申告が必要なこと自体は知っていても、その期限を1日でも過ぎたときの破壊力を知らない人が多い。期限切れ欠損金の特例適用や青色申告の前提が崩れ、本来吸収できたはずの数千万円の税効果が一瞬で吹き飛ぶ。「申告が増えて面倒」程度の認識では、その深刻度を見誤る
- 「税法の特例は税理士の領域で、弁護士や経営者には関係ない」と思われがちだが、232条の事業年度設計は更生計画認可の時期そのものを動かす要素になる。法務と税務が分断されたまま計画を作ると、認可日が数か月ずれただけで相殺できる欠損金の額が変わり、再建の手残りが削られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 事業年度の区切り | 会社更生法232条2項:更生手続開始決定の時・更生計画認可の時に終了(みなし事業年度) | 法人税法13条:定款等で定めた会計期間が原則の事業年度 会社更生法225条:新会社設立により事業を移転(承継の前提) |
| 中間申告 | 232条3項:開始時に続く事業年度は中間申告義務を適用除外 | 法人税法71条:原則として中間申告義務あり 地方税法53条等:道府県民税等の中間申告(232条3項で除外) |
| 債務免除益への充当原資 | 232条が画す事業年度に期限切れ欠損金(法人税法59条等)を充当 | 通常は期限内の繰越欠損金のみ充当可 私的整理:期限切れ欠損金の充当範囲が狭い |
| 租税債務の帰属 | 232条1項:新会社が承継すれば更生会社は免責 | 原則:更生会社自身が租税債務を負担 225条:新会社設立型を採るかが分岐点 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公司法の重整手続を通じて再建を図り、債務免除に伴う課税は所得税法で処理する。日本のような『更生手続専用のみなし事業年度』を独立条文で置く構成は採っていない
韓国は2006年の統合倒産法で会社整理を回生手続に一本化。再建に伴う税務特例は法人税法側で対応し、日本の会社更生法に近い構造を持つ
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)で再建を図り、債務免除益に相当するSanierungsertragは§3a EStGで原則非課税とする。日本が事業年度の区切りで課税を制御するのに対し、ドイツは免税で処理する点が対照的
米国はChapter 11で再建し、債務免除益(COD income)はIRC §108により倒産・支払不能の範囲で課税所得から除外する。日本の会社更生法はこの米国型手続を継受した沿革を持つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社が資金繰りに行き詰まり更生手続を申し立てた。メインバンクが数十億円の債権放棄に応じてくれて一安心、と思った矢先、税理士から「債務免除益に課税されます」と告げられる。232条2項の事業年度の区切りと、期限切れ欠損金をどの年度にぶつけるかで、課税される額が数億円単位で動く。再建の成否より先に、ここの設計を間違えると翌期に税金で二度倒れる
- 更生計画で「新会社を設立して事業を移す」方式(225条)が採られた。もしあなたがその会社の取引先や融資銀行なら、自分の租税関連債権の請求先が、232条1項によって更生会社から新会社に切り替わることがある。古い会社に督促し続けても空振りになる。誰に請求できるのかを、計画認可前に確認しておく必要がある
- もし、更生手続開始の決定が今日下りたとしたら? その瞬間にあなたの会社の事業年度は終了する。残された時間は短い。みなし事業年度の確定申告期限は原則として終了の翌日から2か月。通常の決算期の感覚で構えていると、開始決定日から起算した申告を見落とし、青色申告の取消しや欠損金特例の不適用という、再建の足を引っ張る損失を招く
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが更生会社の債権者・利害関係人の場合。1. 更生計画案で新会社へ事業を移す方式(225条)が採られるか、自分の租税関連債権が新会社に承継されるのか更生会社に残るのかを確認する2. 232条1項により新会社が租税債務を承継すると定められれば、請求先は新会社に変わる。更生会社へ請求し続けても回収できない3. 承継範囲が不明確なら、計画案の認可前に意見聴取・異議の手続で確認し、自分の回収先を確定させておく
訴えられた側:あなたが更生会社の経営陣・申立人の場合。1. 更生手続開始の決定を受けたら、その時点で事業年度が終了する(232条2項)。開始時のみなし事業年度の確定申告期限(原則終了後2か月、法人税法74条)を即座にスケジュールに入れる2. 認可で生じる債務免除益に対し、期限切れ欠損金(法人税法59条等)を充てられるよう、認可の時期と事業年度の切れ目を税理士・弁護士と一体で設計する3. 3項で中間申告は免除されるので、そこは慌てなくてよい
時効(請求できる期限):232条2項のみなし事業年度(更生手続開始の時に終了)の法人税確定申告は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内(法人税法74条)。認可時に終了する次の事業年度も同様。期限を徒過すると青色申告の取消しや欠損金特例の不適用リスクが生じる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:232条2項のみなし事業年度は、更生手続における租税関係を画一的に処理するための技術的枠組みと解される。実務上は、債務免除益への課税を期限切れ欠損金(法人税法59条等)で吸収できるよう、更生計画認可の時期と事業年度の切れ目を一体的に設計すべきとされ、法務と税務の連携が不可欠と位置づけられている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:旧会社更生法(昭和27年法律第172号)制定。米国の会社更生手続を継受し、更生手続に伴う租税の特例規定を整備
- 2.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)。旧法を現行法に置き換え、租税特例を現行232条として再整理
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