会社更生法 第239条(更生手続終結の決定)
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- 次に掲げる場合には、裁判所は、管財人の申立てにより又は職権で、更生手続終結の決定をしなければならない。
- 一更生計画が遂行された場合
- 二更生計画の定めによって認められた金銭債権の総額の三分の二以上の額の弁済がされた時において、当該更生計画に不履行が生じていない場合。ただし、裁判所が、当該更生計画が遂行されないおそれがあると認めたときは、この限りでない。
- 三更生計画が遂行されることが確実であると認められる場合(前号に該当する場合を除く。)
- 2.裁判所は、更生手続終結の決定をしたときは、その主文及び理由の要旨を公告しなければならない。
この条文の基本情報
更生手続終結の決定とは何ですか?
定義更生手続終結の決定とは、会社更生法第239条に定められた規定で、「次に掲げる場合には、裁判所は、管財人の申立てにより又は職権で、更生手続終結の決定をしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第239条(更生手続終結の決定)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第239条の条文原文は「次に掲げる場合には、裁判所は、管財人の申立てにより又は職権で、更生手続終結の決定をしなければならない。」で始まります。
- 会社更生法第239条は第一款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第239条の前の条は会社更生法第238条です。
- 会社更生法第239条の次の条は会社更生法第240条です。
- 会社更生法第239条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第239条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第239条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/239
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法239条は、更生計画の遂行、または金銭債権総額の三分の二以上の弁済かつ不履行なしの場合に、裁判所が更生手続終結を決定すると定める。終結で経営権は取締役に戻る。
Q · 会社更生って、借金を全部返さなくても終わるんですか?
三分の二以上を返し不履行がなければ終わります
会社更生法239条により、更生計画が遂行された場合だけでなく、計画で認められた金銭債権総額の三分の二以上が弁済され不履行が生じていない場合にも、裁判所は更生手続終結を決定できます。終結すると管財人の管理処分権が消滅し、経営権は取締役に戻り、残り三分の一の弁済は監督の外れた会社の自力に委ねられます。ただし裁判所が遂行されないおそれを認めたときは終結を見送ります(239条1項2号但書)。
解説
取引先が会社更生に入り、あなたの売掛金は更生計画で何割かに減らされた。数年後、ある日の官報に「更生手続終結」の文字を見つける。まだ全額もらっていないのに、もう終わり、と戸惑う。会社更生法239条は、その「終わり」の引き金を三つ定めている。計画が完全に遂行された場合、計画で認められた金銭債権の総額の三分の二以上が弁済され不履行がない場合、そして遂行が確実と認められる場合。つまり完済を待たずとも、三分の二を返した時点で裁判所は終結を決定できる。終結した瞬間、管財人の管理処分権(会社の財産を管理し処分する権限)は消え、経営権は会社の取締役に戻り、あなたを守っていた裁判所の監督の網は外れる。残り三分の一は、もう監督者のいない会社の自力の弁済に委ねられる。この一行の公告が読めるかどうかで、あなたの与信判断は変わる。
法的な位置づけ
会社更生法239条は更生手続終結を定める規定であり、更生計画の遂行、金銭債権総額の三分の二以上の弁済かつ不履行なし、または遂行が確実と認められる場合に、裁判所が管財人の申立て又は職権で手続を終了させる旨を規定する。終結により管財人の管理処分権は消滅し、経営権は取締役に復帰する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.終結の根拠号数を真っ先に確認 「更生手続終結」の公告を見たら、終結が計画完遂(1号)か、三分の二以上の弁済かつ不履行なし(2号)か、遂行確実(3号)のどれを根拠とするかを確認する。2号・3号なら残債が未弁済で残っている可能性が高い
- 2.自分の更生債権の残額を更生債権者表で照合 更生債権者表で自分の債権の確定額・計画上の弁済率・弁済期を確認し、終結時点で未回収となっている残額を特定する。残債のキャッシュフロー予定を一覧化する
- 3.残債に不安があれば終結「前」に上申 弁済が三分の二に近づいた段階で残債履行に不安があるなら、終結決定の前に「計画が遂行されないおそれ」を裁判所へ上申し、239条1項2号但書による終結見送りを求める。終結後は管財人の監督が外れ手遅れになる
- 4.終結後の不履行には更生債権者表で強制執行 終結後に会社が計画弁済を怠った場合、確定判決と同一の効力を持つ更生債権者表を債務名義として、会社財産への強制執行を検討する。早期の財産保全と並行して進める
よくある質問 AI による整理
Q1更生手続終結とは何ですか?
裁判所が更生手続を正式に終了させる決定です。会社更生法239条が根拠で、計画の遂行、三分の二以上の弁済かつ不履行なし、または遂行確実のいずれかで下されます。
Q2会社更生はいつ終わりますか?
完済時とは限りません。金銭債権総額の三分の二以上を弁済し不履行がなければ、その時点で裁判所が終結を決定できます(239条1項2号)。残りは終結後の自力弁済になります。
Q3更生手続が終結すると経営権はどうなりますか?
終結の瞬間に管財人の管理処分権が消滅し、会社の管理処分権限は取締役に戻ります。終結こそが再建の「卒業」であり、経営権復帰の法的な節目です。
Q4三分の二の弁済で終結できるのはなぜですか?
更生会社を早期に市場へ復帰させるためです。完済を待たず三分の二以上の弁済かつ不履行なしで監督を外し、通常の取引・雇用・投資を再開させる立法趣旨があります。
Q5更生手続終結は公告されますか?
されます。裁判所は終結決定をしたとき、その主文と理由の要旨を公告しなければなりません(239条2項)。官報の公告が与信再開や残債管理の合図になります。
Q6終結後に会社が弁済しなかったらどうなりますか?
更生債権者表の記載は確定判決と同一の効力を持つため、それを債務名義として強制執行できます。ただし監督は外れているため、回収は債権者自身の管理に委ねられます。
Q7更生手続終結に債権者は異議を出せますか?
終結前に「遂行されないおそれ」があると考えるなら、裁判所へ上申して239条1項2号但書による終結見送りを求めることができます。終結後では手遅れになります。
Q8更生手続終結の決定は誰が申し立てますか?
管財人の申立てによるほか、裁判所の職権でも終結を決定します(239条1項柱書)。1号・2号・3号の要件を満たせば、裁判所は終結を決定しなければなりません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1更生手続が終わったら、まだ払ってもらってない残りの売掛金はどうなるんですか?
消えません。更生計画で認められた残額は、終結後も計画の定めに従って弁済されます(239条)。終結後は更生債権者表の記載が確定判決と同一の効力を持つため、会社が払わなければそれを債務名義に強制執行できます。実務のポイント:終結は「完済」ではなく「三分の二以上の弁済+不履行なし」でも下ります。終結すると管財人の監督が外れ、残債は会社の自力弁済頼みになる。公告で「終結」を見たら、安心ではなく残債の回収管理を始める合図と捉えるべきです。
Q2会社更生と民事再生って、終わり方も違うんですか?
どちらも「終結」で手続を閉じますが設計が違います。会社更生は大規模な株式会社向けで原則として管財人が必須、終結まで経営権は管財人にあります(会社更生法239条)。民事再生は中小も使え、原則は経営者が事業を続けながら監督委員が見張る形で、終結は民事再生法188条が定めます(現行効力を要確認)。実務のポイント:会社更生の終結は経営権が経営陣に戻る節目です。報道の「再建成功」の裏で、いつ誰の支配権が復活したかは終結決定日を見れば分かる。
間違えやすい点 AI による整理
- 「更生手続終結=全債権の完済」と思われがちだが、会社更生法239条は金銭債権総額の三分の二以上の弁済かつ不履行なしでも終結を認める。完済前に手続が閉じることは珍しくない。
- 終結後も計画弁済が続くこと自体は知っていても、その深刻さを見落としている。終結で管財人の監督が外れると、残債の履行は会社の経営判断と資金繰り次第になり、再建が後で頓挫しても残債権者を守る裁判所の網はもうない。
- 「更生手続が終わった」を一括りにする人が多いが、問いの立て方が誤っている。成功して閉じる「終結」(239条)と、失敗して破産へ向かう「廃止」(236条)はまるで別物だ。どちらの終わりかを確かめずに、安心も落胆もできない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 性質 | 更生手続終結(239条):再建を概ね成功させて手続を閉じる | 更生手続廃止(236条):計画認可後に遂行困難で失敗終了 更生計画認可(199条):終結の前提となる計画確定の段階 |
| 引き金・要件 | 計画遂行/三分の二以上の弁済かつ不履行なし/遂行確実 | 計画が遂行される見込みがないことが明らかになった等 裁判所による更生計画の認可決定 |
| 経営権の帰趨 | 管財人の管理処分権が消滅し、取締役に復帰 | 原則として破産手続へ移行、清算局面に入る なお管財人が管理処分権を保持し計画を遂行 |
| 債権者への効果 | 監督が外れ、残債は会社の自力弁済(更生債権者表で執行可) | 更生債権は破産手続の中で配当を受ける立場へ 計画に従った権利変更が確定し弁済が開始 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の重整も、重整計画の完成(重整完成)により法院が重整程序を終結させる。経営権が原機関へ復帰する点で日本の終結に近い構造
韓国は会社更生と和議を統合した統一倒産法を採用。회생절차の종결により管理人の権限が終了する点が日本と類似
ドイツは Insolvenzplan の確認後、裁判所が手続を廃止(Aufhebung)し、債務者が財産の管理処分権を回復する。計画遂行の監督は別途定められる
米国は plan の confirmation により権利が確定し、事案処理後に final decree で事件を閉じる(case closed)。日本の早期終結はこの柔軟な復帰思想を取り込んだもの
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の更生計画であなたの債権は4割カット、残り6割を分割で受ける約束だった。半分ほど入金された頃に「更生手続終結」の公告が出る。まだ全部もらっていないのに、なぜ終わるのか? 答えは、金銭債権総額の三分の二以上が弁済され不履行がないからだ(239条1項2号)。残りは監督の外れた会社が自力で払う。
- あなたが再建中の会社の社長だとして、いつ完全に経営権が戻るのか。終結決定の瞬間、管財人の管理処分権は消滅し、取締役会が会社の舵を取り戻す。終結こそが「再建卒業」の法的な瞬間であり、その日付は会社の歴史に残る節目になる。
- 終結の公告が出た。残債の弁済が滞れば、債権者は更生債権者表を債務名義に強制執行できる。会社にとっては、裁判所の監督が外れた後こそ綱渡りが始まる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 「更生手続終結」の公告を見たら、終結が計画完遂(1号)か三分の二弁済(2号)か遂行確実(3号)のどれを根拠とするか確認する2. 自分の更生債権の残額と計画上の弁済期を更生債権者表で確認3. 残債に不安があれば、終結決定「前」に「計画遂行のおそれ」を裁判所へ上申し、2号但書による終結見送りを求める4. 終結後に会社が弁済を怠れば、確定判決と同一の効力を持つ更生債権者表を債務名義として強制執行を検討する
訴えられた側:1. 早期終結を望むなら、計画で認められた金銭債権総額の三分の二以上の弁済実績を積み、管財人を通じて終結を申し立てる2. 主要債権者から「遂行のおそれ」の上申が出る前に、弁済の継続性を裏付ける資金計画を整える3. 終結により取締役が管理処分権を回復するため、終結後の機関設計と資金繰りを事前に準備する4. 公告(2項)後の対外信用の回復を見据え、取引再開の交渉材料を用意する
時効(請求できる期限):更生手続終結に特定の出訴期間や時効はない。終結の引き金は計画の遂行、または金銭債権総額の三分の二以上の弁済かつ不履行なしの状態(239条1項)。終結後も更生計画上の弁済義務は計画の定めに従って残り、更生債権者表の記載は確定判決と同一の効力を持つ(会社更生法240条、現行効力を要確認)。残債が履行されない場合の請求権は、計画記載の弁済期から一般消滅時効(民法166条、債権は原則5年)が問題となりうる
学説
通説:239条の早期終結(三分の二弁済型)は、更生会社の迅速な経済復帰と残債権者保護の調整規定と理解される。完済前でも監督を外す代わりに、不履行がないことを要件とし、かつ遂行されないおそれがあるときは裁判所が終結を見送る裁量を残すことで均衡を図るとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)会社更生法全部改正(平成15年〔2003年〕施行) 旧会社更生法(昭和27年)を全面的に作り直し、現行239条を新設。従来の遂行完了を中心とした終結に加え、金銭債権総額の三分の二以上の弁済かつ不履行なしという早期終結の要件を導入し、更生会社の市場復帰を早める設計に改めた
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:旧会社更生法(昭和27年)を全部改正し、現行239条を新設(平成15年〔2003年〕施行)。従来の遂行完了中心の終結に加え、金銭債権総額の三分の二以上の弁済かつ不履行なしという早期終結要件を導入し、更生会社の市場復帰を早める設計へ改めた
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