会社更生法 第273条(贈賄罪)
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- 前条第一項又は第三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 2.前条第二項、第四項又は第五項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
この条文の基本情報
贈賄罪とは何ですか?
定義贈賄罪とは、会社更生法第273条に定められた規定で、「前条第一項又は第三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第273条(贈賄罪)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第273条の条文原文は「前条第一項又は第三項に規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」で始まります。
- 会社更生法第273条は第十三章に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第273条の前の条は会社更生法第272条です。
- 会社更生法第273条の次の条は会社更生法第274条です。
- 会社更生法第273条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第273条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第273条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/273
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法273条は、更生手続の管財人や監督委員等に職務に関して賄賂を供与・申込み・約束した者を、3年以下又は5年以下の拘禁刑等で処罰する贈賄罪である。
Q · 倒産した取引先の管財人に『少し包む』と持ちかけたら、まだ渡していなくても犯罪になるの?
渡す前の申込み・約束だけで成立する贈賄罪です
会社更生法273条は、更生手続の管財人や監督委員等に対し、職務に関して賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者を処罰します。請託を伴う場合は5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金、それ以外でも3年以下の拘禁刑等です。重要なのは、現金を渡す前の『申込み』や『約束』だけで既遂となり、相手が受け取りを拒んでも犯罪は成立する点です。倒産した取引先への最後のお願いが、そのまま刑事事件になり得ます。
解説
取引先が会社更生手続に入った。あなたは数千万円の売掛金を抱える債権者だ。手続を仕切るのは裁判所が選んだ管財人で、誰の債権をどう扱うか、どの契約を継続しどれを切るか、その判断権をほぼ一手に握っている。ここで『少し包んで便宜を図ってもらえないか』という考えがよぎった瞬間、あなたは273条の射程に入る。この条文は、管財人や監督委員に賄賂を渡した側、申し込んだ側、約束しただけの側まで処罰する。渡した金が受け取られなくても、『約束』した時点で犯罪は成立する。刑は重い類型で5年以下の拘禁刑(刑務作業を柔軟化した自由刑)または500万円以下の罰金、両方を科すこともできる。しかも管財人本人だけでなく、その家族など第三者に渡させる供与も含まれる。倒産した取引先への『最後のお願い』が、あなた自身を被告人席に座らせる。
法的な位置づけ
会社更生法273条は、会社更生手続の管財人、保全管理人、監督委員又はこれらの職務代行者等に対し、その職務に関して賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をする行為を処罰する贈賄罪を定める規定である。管財人等の収賄罪(同法272条)に対向する犯罪類型として位置づけられる。
手順
- 1.要求されても即答で応じず、証拠化する 管財人や監督委員から金品を要求されたら、絶対にその場で応じない。日時・文言・金額を記録し、可能なら録音やメールで証拠化する。応じた瞬間に債権者から被告人へ立場が逆転することを忘れない
- 2.倒産・刑事に精通した弁護人を選任する 任意聴取や捜査の気配を感じたら、まず倒産事件と刑事弁護の両方に精通した弁護人を選任し、安易な事情説明は避ける。事実の整理は弁護人と行う
- 3.発覚前なら自首(刑法42条)を検討する 捜査機関に発覚する前であれば自首による減軽を検討する。贈賄は収賄とセットで立件されるため、先に動いた側が協力者として扱われ、起訴猶予や略式に落ちることが実務上多い
- 4.対価性・職務関連性を整理して争点化する 渡した金品の趣旨が社会的儀礼か職務の対価か、相手の職務権限との関連を整理し、対価性を争えるか検討する。接待か贈賄かの線は職務との対価性で決まる
- 5.起訴猶予を目指す交渉を早期に始める 略式の罰金でも前科は残り、入札資格や許認可、取引先の与信に影響する。前科を避けるため、弁護人を通じて起訴猶予を目指す交渉を捜査の早い段階から始める
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法の贈賄罪とは何ですか?
更生手続の管財人や監督委員等に、職務に関して賄賂を供与・申込み・約束する行為を処罰する犯罪です。会社更生法273条が定め、収賄罪(272条)の対向犯にあたります。
Q2管財人に賄賂を渡すと刑罰はどれくらいですか?
請託を伴わない場合は3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金、請託を伴う場合は5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金で、いずれも併科が可能です。
Q3賄賂を渡す前の約束だけでも罪になりますか?
なります。273条は供与だけでなく申込み・約束も処罰対象とし、相手が受け取りを拒んでもその時点で既遂です。封筒を出す前の一言が起点になります。
Q4贈賄罪の公訴時効は何年ですか?
273条1項の罪(3年以下)は3年、2項の罪(5年以下)は5年です(刑訴250条2項)。起算点は供与・申込み・約束という行為が終わった時です。
Q5贈賄罪と収賄罪はどう違いますか?
贈賄罪は賄賂を渡す側(273条)、収賄罪は受け取る側(272条)を処罰します。両者は対向犯の関係にあり、通常はセットで立件されます。
Q6請託があると刑が重くなりますか?
重くなります。請託(特定の便宜を頼むこと)を伴う収賄に対向する贈賄は273条2項で5年以下の拘禁刑等となり、請託なしの3年以下より加重されます。
Q7第三者に賄賂を渡させても罪になりますか?
なります。管財人本人だけでなく、その家族など第三者に供与させる場合も処罰対象です。秘書に封筒を託すような迂回も贈賄になります。
Q8破産法や民事再生法にも同じ贈賄罪がありますか?
あります。破産法274条をはじめ倒産諸法に同型の贈賄罪が置かれており、取引先がどの倒産手続に入っても『管財人に便宜を頼んで金を渡す』行為は処罰されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1管財人にお中元やお歳暮を贈るのも贈賄になりますか?
職務に関する対価性がなく、純粋に社会的儀礼の範囲なら贈賄にはあたらない。だが更生手続中の管財人は、あなたの債権処理や契約継続に直接権限を持つ相手だ。儀礼を装っても、弁済率や契約継続の便宜という対価性が疑われれば272条・273条の賄賂になる。実務のポイント:検察は金額の多寡より『いつ』『何の見返りに』渡したかを見る。重要な判断の直前に高額の物品が動くと、額が小さくても立件される。タイミングが命取りになる
Q2渡してしまったが、まだ誰にも知られていません。自首したら軽くなりますか?
刑法42条の自首減軽は会社更生法の贈賄にも及ぶ。捜査機関に発覚する前に自ら申告すれば刑が減軽されうるし、収賄側の立件につながれば情状でも考慮される。実務のポイント:贈賄は収賄とセットで立件されるため、先に自首した側が『協力者』となり、起訴猶予や略式罰金で済むことが実務上多い。共犯関係では、最初に動いた者が一番得をする
Q3管財人の方から『協力金を出せば取引を続ける』と要求されました。払わないと会社が潰れます。
要求に応じて渡せば、頼まれた側でも贈賄罪は成立しうる。ただし畏怖による交付であれば恐喝の被害という構成もあり、対応は実務上、解釈が分かれている。まず裁判所の更生事件係や弁護士に相談し、要求の証拠を保全すべきだ。実務のポイント:管財人は裁判所の監督下にあり、不正があれば解任や刑事責任の対象になる。要求された証拠(録音・メール)を裁判所に上げれば、あなたが払わずとも管財人の側が排除される。払うより告発が正解になる場面は多い
間違えやすい点 AI による整理
- 『お金を渡さなければセーフ』と思いがちだが、273条は申込みや約束だけで成立する。封筒を差し出して断られても、その瞬間に既遂。相手が受け取るのを待つ条文ではない
- 管財人への付け届けを軽い問題だと知ってはいても、その深刻度を見誤っている。これは過料のような行政上の制裁ではなく、前科のつく刑事罰。略式の罰金で済んでも前科は残り、入札資格や許認可、取引先の与信に響く
- あなたから見れば『正当な営業努力』でも、法律から見れば『職務に関する賄賂』。接待か贈賄かの線は、接待する側の気持ちでは決まらず、職務との対価性で決まる。この落差が、善意のつもりのあなたを処罰される側に落とす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 行為の主体 | 賄賂を渡す側(債権者・スポンサー等) | 賄賂を受け取る側(管財人・監督委員等)=会社更生法272条 賄賂を渡す側(相手は公務員)=刑法198条 |
| 賄賂の相手方 | 更生手続の管財人・保全管理人・監督委員等 | 自己(管財人等本人の収受) 国又は地方の公務員 |
| 法定刑 | 3年以下、請託ありで5年以下の拘禁刑又は罰金(併科可) | 請託・不正行為等に応じ加重される収賄の刑 3年以下の懲役又は250万円以下の罰金 |
| 既遂時期 | 供与・申込み・約束のいずれかで既遂 | 収受・要求・約束のいずれかで既遂 供与・申込み・約束のいずれかで既遂 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には会社更生に相当する『公司重整』があるが、重整人・重整監督人への贈賄を直接処罰する特別罰則は乏しく、贈賄は刑法第122条(公務員・仲裁人への行賄)の射程となり得る。重整人が公務員等に当たるかは解釈による
韓国は倒産手続を統合した同法で管理人を選任し、管理人等に対する賄賂供与に罰則を設ける。倒産手続の公正を刑罰で担保する点で日本と同型
ドイツは破産管財人(Insolvenzverwalter)が原則として公務員(Amtsträger)に当たらないため、贈賄は一般的な収賄・贈賄規定や背任的構成で捉えられ、日本のような専用罰則の有無は別途確認を要する
米国連邦倒産法上、case under title 11における作為・不作為の見返りとして金品を授受する行為を犯罪とする。倒産手続の廉潔性を連邦法で保護する点で本条と機能的に対応する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたの会社の最大の取引先が更生手続に入り、あなたの売掛金が大幅にカットされそうだとしたら? 管財人に『弁済率を上げてもらえれば別途お礼を』と持ちかけた時点で、あなたは贈賄の実行行為に踏み込んでいる。封筒を出す前の一言が起点になる
- あなたはスポンサー候補として更生会社の買収を狙っている。競合より有利な条件で事業譲渡を受けたい一心で、監督委員に金品を約束した。請託(特定の便宜を頼むこと)を伴う収賄に対向する贈賄として、273条2項の5年以下拘禁刑が待つ。M&A の交渉テーブルが、そのまま刑事事件の現場に変わる
- 管財人の秘書に『社長へのご挨拶』と現金入りの封筒を託した。第三者を介しても贈賄は成立する。受け取りを拒まれても既遂だ
- 捜査の手が伸びる気配を感じた。あと数日で任意の聴取連絡が来るかもしれない。自首による減軽が効くのは、捜査機関に発覚する前のこの数日だけだ。動くなら今夜から弁護士に連絡する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 管財人や監督委員から金品を要求されたら、絶対に即答で応じない。日時・文言・金額を記録し、可能なら録音やメールで証拠化する2. 裁判所の更生事件係、または倒産事件に強い弁護士に相談する。管財人の監督権は裁判所にある3. 他の利害関係人の贈賄で自分が不当な不利益を受けた疑いがあれば、裁判所への上申や刑事告発を検討する4. 誘われた段階で踏みとどまれば犯罪は成立しない。応じた瞬間に立場が逆転することを忘れない
訴えられた側:1. 任意聴取や捜査の気配を感じたら、まず倒産と刑事に精通した弁護人を選任し、安易な事情説明は避ける2. 捜査機関に発覚する前なら自首(刑法42条)による減軽を検討する。贈収賄はセット立件のため先手が有利3. 渡した金品の趣旨が社会的儀礼か職務の対価か、相手の職務権限との関連を整理し、対価性を争えるか検討する4. 略式の罰金でも前科は残り入札資格等に影響するため、起訴猶予を目指す交渉を早期に始める
時効(請求できる期限):公訴時効は、273条1項(3年以下の拘禁刑)の罪で3年、2項(5年以下の拘禁刑)の罪で5年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は賄賂の供与・申込み・約束という犯罪行為が終わった時(同253条)。自首減軽を狙うなら、捜査機関への発覚前というさらに短い時間軸で動く必要がある
学説
通説:本条の贈賄罪は、供与だけでなく申込み・約束の段階で既遂となる挙動犯であり、相手方の収受を要しないと解される。賄賂該当性は、利益と管財人等の職務との対価性(職務関連性)によって判断され、純粋な社会的儀礼の範囲にとどまれば成立しないとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)会社更生法全部改正 昭和27年制定の旧会社更生法を全面的に置き換え、罰則章を再編。贈賄罪を現行の構成(管財人・監督委員等への賄賂の供与・申込み・約束を処罰)で規定した
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 懲役と禁錮を拘禁刑に統合する法改正に伴い、本条の自由刑が『懲役』から『拘禁刑』へ変更された
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:昭和27年制定の旧会社更生法を全部改正(平成14年法律第154号)。罰則章を再編し、管財人・監督委員等への賄賂の供与・申込み・約束を処罰する現行の贈賄罪を整備した
- 2.令和4年(2022年) 改正:懲役と禁錮を拘禁刑に統合する刑法等改正に伴い、本条の自由刑が『懲役』から『拘禁刑』へ変更された(令和7年6月1日施行)
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