要点会社更生法272条は、更生手続の管財人や監督委員らが職務に関し賄賂を受けた場合に収賄罪で処罰する規定。不正の請託があれば5年以下の拘禁刑に加重される。
Q · 倒産会社の管財人って結局は弁護士ですよね? なんで賄賂を受けると公務員みたいに処罰されるんですか?
管財人らは公的権限を握るため、民間人でも収賄罪で処罰されます
会社更生法272条により、管財人・保全管理人・監督委員・調査委員・法律顧問が職務に関し賄賂を収受・要求・約束すると、3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金に処せられます。これらは民間の弁護士・会計士であっても、刑法197条の公務員収賄罪に準じて扱われます。不正の請託を受けた場合は5年以下の拘禁刑に加重され(2項)、関係人集会で議決権を売買した更生債権者・株主等も5年以下の対象です(5項)。収受された賄賂は没収・追徴されます(6項)。
取引先が会社更生手続に入った。あなたは数千万円の売掛金を抱える債権者だ。その手続を仕切るのは裁判所が選んだ管財人、その正体はたいてい一人の弁護士である。ここで多くの人が見落とす事実がある。この弁護士は民間人でありながら、職務に関して賄賂を受け取れば公務員と同じく収賄罪で処罰される。会社更生法272条は、管財人、保全管理人、監督委員、調査委員、法律顧問、さらに管財人が法人ならその役職員までを処罰網に入れ、不正の請託があれば刑は5年以下の拘禁刑に跳ね上がる。そして見落とされがちな5項。債権者や株主が関係人集会で議決権を金で売れば、これも5年以下の収賄罪だ。あなたが一票を持つ債権者なら、その一票には値札を付けてはならないという意味になる。
会社更生法272条は、更生手続において公的権限を行使する管財人・保全管理人・監督委員・調査委員・法律顧問等が、その職務に関し賄賂を収受・要求・約束する行為を処罰する収賄罪の規定である。これらの者は民間人であっても、刑法197条の公務員収賄罪に準じて扱われる。関係人集会における議決権行使に関する収賄も対象とする。
裁判所が選任し、倒産した会社の財産管理・処分や再建計画の遂行を担う者です。多くは弁護士で、強い公的権限を握るため、賄賂を受ければ272条の収賄罪で処罰されます。
法定刑によります。1項・3項(3年以下の拘禁刑)は3年、2項・4項・5項(5年以下の拘禁刑)は5年が公訴時効で、原則として犯罪行為終了時から起算します(刑訴250条2項)。
監督委員は管財人の行為を監督する立場、調査委員は会社の財産状況等を調査する立場です。どちらも272条の収賄罪の対象で、職務に関する賄賂は処罰されます。
3項により、管財人等の職務を行うその役員または職員が処罰対象になります。組織だからといって個人責任が消えるわけではなく、不正の請託があれば4項で加重されます。
違法です。5項により、更生債権者・株主・代理委員等が議決権行使に関し不正の請託を受けて賄賂を収受・要求・約束すると、5年以下の拘禁刑の対象になります。
6項により、収受した賄賂は没収されます。全部または一部を没収できないときは、その価額が追徴されます。受け取った金銭的利益は事実上手元に残りません。
1項・3項の3年以下の拘禁刑が、不正の請託を受けた場合は2項・4項により5年以下の拘禁刑に加重されます。請託の有無が量刑の分岐点になります。
破産法にも破産管財人等の収賄を処罰する同趣旨の規定があり、倒産処理の各手続で公正を守る枠組みが平仄をとって設けられています(現行効力は要確認)。
管財人は裁判所が選任し、倒産した会社の財産管理・処分という強い公的権限を握ります。だからこそ会社更生法272条は、民間人であっても職務の公正さを公務員並みに守らせるのです。業界裏話ヒント:管財人報酬は裁判所が決める(会社更生法80条の善管注意義務とセット)ので、それ以外の名目で関係先から金が動いたら、まず疑われます。正当報酬は裁判所経由、これが鉄則
受け取らなくても、要求や約束の段階で5項の収賄罪は成立しえます(『要求若しくは約束をしたとき』)。逆に持ちかけた側も贈賄側の責任を負います。業界裏話ヒント:こういう打診は『多数派工作』として水面下で珍しくありません。断るだけでなく、やり取りを記録して管財人か裁判所に報告した方が、後で巻き込まれたときに自分の潔白を証明できる。沈黙は身を守りません
賄賂の客体は財産上の利益全般で、接待・ゴルフ・過剰な顧問料も職務関連性があれば賄賂になりえます。金額の多寡だけで安全圏は決まりません。業界裏話ヒント:刑法197条以下の公務員収賄の判例理論がほぼそのまま参照されます。『社交儀礼の範囲』という抗弁はあるものの、立場が管財人や監督委員なら社会の見る目は厳しく、グレーは限りなくクロ扱いされやすい
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象者 | 会社更生法272条:管財人・監督委員・調査委員・法律顧問・議決権者等(民間人) | — |
| 不正の請託の効果 | 3年以下 → 不正の請託で5年以下に加重(1項→2項) | — |
| 議決権行使に関する収賄 | 5項で関係人集会の議決権売買を処罰(5年以下) | — |
| 賄賂の没収 | 6項で没収・追徴 | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。