要点会社更生法 81 条は、管財人が費用前払と裁判所が定める報酬を受けられると定める。ただし更生会社の債権・株式を無許可で取引すると報酬は全額不支給となる。
Q · 会社更生の管財人の報酬って、誰が決めて、債権者は文句を言えるの?
裁判所が決め、債権者は即時抗告で争えます
会社更生法 81 条により、管財人は費用の前払と裁判所が定める報酬を受けられます(1 項)。報酬は更生財団から出るため、配当を受ける債権者は利害関係人として、その決定に即時抗告で争えます(4 項)。さらに管財人が裁判所の許可なく更生会社の債権や株式を譲り受け・譲り渡すと、費用も報酬も全額受け取れません(2 項・3 項)。この利益相反による全額不支給ルールは、管財人代理・法律顧問にも準用されます(5 項)。
勤めていた会社が会社更生手続に入った。あなたは未払い給与や退職金を抱えた債権者の一人だ。裁判所が選んだ管財人(多くは弁護士。倒産した会社の全権を握って立て直す人)が、その間ずっと報酬を受け取る。その報酬はどこから出るか。あなたたち債権者への配当原資、つまり同じ財布だ。会社更生法 81 条は、管財人が費用の前払いと裁判所が定める報酬を受け取れると定める(1 項)。だが同じ条文に、ぞっとするほど厳しい罠も仕掛けてある。管財人が更生会社の債権や株式を、裁判所の許可なく自分で譲り受けたり譲り渡したりしたら、費用も報酬も一円も受け取れなくなる(3 項)。プロ中のプロに対する、ゼロか百かの利益相反ブレーキだ。そしてあなたには、その報酬額の決定に不服があれば即時抗告で争う権利がある(4 項)。報酬は天から降ってくる確定額ではない。
会社更生法 81 条は、更生手続における管財人の費用前払及び報酬請求権と、その例外を定める規定である。管財人は裁判所が定める報酬を受けられるが、更生会社等の債権・株式を無許可で取引した場合は費用・報酬を一切受けられない。報酬決定は即時抗告の対象となり、本条は管財人代理及び法律顧問に準用される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
裁判所が選任し、更生会社の事業経営・財産管理処分の全権を握って再建を担う者です。多くは弁護士が選ばれ、職務に対して裁判所が定める報酬を受けます。
更生財団、つまり債権者への配当原資と同じ財布から支払われます。報酬が多いほど債権者の取り分が減る構造のため、債権者は報酬額に利害を持ちます。
決定の告知を受けた後、定められた期間内に即時抗告を申し立てます(81 条 4 項)。算定根拠の開示を求め、過大であれば上級裁判所に再審査を求める形になります。
即時抗告は決定の告知から原則 1 週間以内です(民事訴訟法 332 条準用)。期間を過ぎると決定が確定し争えなくなるため、通知到達日が起点となります。
いずれも裁判所が報酬を定め財団から支払う点は共通ですが、根拠条文が異なります(会社更生は会社更生法 81 条、破産は破産法の管財人報酬規定)。手続の目的が再建か清算かで職務内容も変わります。
管財人は善管注意義務(80 条)を負って職務を行い、その対価として報酬を受けます。義務違反があれば損害賠償責任を負い、利益相反取引では 81 条で報酬自体を失います。
管財人が職務遂行に要する費用を、報酬決定を待たず先に財団から受け取る制度です(81 条 1 項)。立替負担を避け、円滑な手続進行を支える仕組みです。
確認すべきです。管財人が株式・債権取引で裁判所許可を得ていないと 3 項で報酬資格を失い、取引の正当性も揺らぎます。デューデリで真っ先に点検すべき一点です。
裁判所が職務の内容や財団の規模を踏まえて決定します(会社更生法 81 条 1 項)。金額は事案により大きく異なり、決まった相場はありません。業界裏話ヒント:報酬は更生財団から支払われるため、結局は債権者への配当を減らします。だからこそ債権者は 4 項の即時抗告で報酬額を争えるのですが、実際にこの権利を使う債権者はほとんどいない。知っているかどうかで、財団から守れる金額が変わる。
重大な問題です。管財人が更生会社等の債権や株式・持分を裁判所の許可なく譲り受け・譲り渡すと(81 条 2 項違反)、費用も報酬も一切受け取れなくなります(3 項)。業界裏話ヒント:これは「減額」ではなく「全額不支給」。プロが数か月働いても、一度の無許可取引でゼロ。利益相反に対する日本の倒産法のレッドラインの厳しさを示す条文で、実務では取引前の許可取得が鉄則とされている。
関係あります。81 条 5 項により、報酬を受ける権利も、利益相反による全額不支給の罠も、管財人代理および法律顧問にそのまま準用されます。業界裏話ヒント:「自分は代理だから」という言い訳は通用しない。更生事件のチームに入る専門家は全員、同じ地雷原を歩いている。だからこそ大型更生事件では、関与する弁護士全員の利益相反チェックが入口で徹底される。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規律対象 | 81 条:管財人の費用前払・報酬と利益相反による不支給 | — |
| 主な効果 | 報酬請求権の発生 + 無許可取引で全額不支給 | — |
| 不服・救済 | 報酬決定に即時抗告(4 項) | — |
| 準用範囲 | 管財人代理・法律顧問に準用(5 項) | — |
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