会社更生法 第157条(主張の制限)
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更生債権等査定申立て、更生債権等査定異議の訴え及び前条第一項の規定による受継があった訴訟に係る手続においては、更生債権者等は、第百三十八条第一項第一号及び第二号並びに第二項第一号及び第二号に掲げる事項について、更生債権者表又は更生担保権者表に記載されている事項のみを主張することができる。
この条文の基本情報
主張の制限とは何ですか?
定義主張の制限とは、会社更生法第157条に定められた規定で、「更生債権等査定申立て、更生債権等査定異議の訴え及び前条第一項の規定による受継があった訴訟に係る手続においては、更生債権者等は、第百三十八条第一項第一号及び第二号…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第157条(主張の制限)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第157条の条文原文は「更生債権等査定申立て、更生債権等査定異議の訴え及び前条第一項の規定による受継があった訴訟に係る手続においては、更生債権者等は、第百三十八条第一項第一号及び第二号…」で始まります。
- 会社更生法第157条は第二款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第157条の前の条は会社更生法第156条です。
- 会社更生法第157条の次の条は会社更生法第158条です。
- 会社更生法第157条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第157条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第157条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/157
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法157条は、査定異議の訴え等において更生債権者等が主張できる事項を、更生債権者表または更生担保権者表に記載された事項のみに限定する規定である。
Q · 会社更生で査定異議の訴えを起こせば、裁判で一から主張をやり直せるの?
できません。届出で更生債権者表に記載した事項しか主張できません
会社更生法157条により、更生債権等査定申立て・査定異議の訴え・受継訴訟では、更生債権者等は更生債権者表または更生担保権者表に記載された事項のみを主張できます。届出のときに書かなかった請求原因や書き漏らした優先権・遅延損害金は、後の訴訟で追加主張しても裁判所に取り合ってもらえません。通常の民事訴訟なら許される訴えの変更や主張の追加が、ここでは封じられています。勝負は法廷ではなく、届出書を出した瞬間にほぼ決まります。
解説
取引先の大企業が会社更生手続に入った。あなたの会社は数千万円の売掛金を持つ債権者だ。期限内に更生債権を届け出た。ところが管財人がその一部を認めず、査定で減額された。納得できないあなたは異議の訴えを起こす。ここで多くの債権者が誤算する。裁判になれば一から主張をやり直せると思い込むのだ。157条はそれを正面から封じる。査定申立て、査定異議の訴え、そして受継された訴訟、これらの手続で、あなたが主張できるのは更生債権者表または更生担保権者表に記載された事項だけ。届出のときに書かなかった請求原因、書き漏らした優先権、それらは裁判所の扉の前で弾かれる。つまり勝負は裁判ではなく、届出書を出した瞬間にほぼ決まっている。
法的な位置づけ
会社更生法157条は更生手続における主張の制限を定める規定であり、更生債権等査定申立て・査定異議の訴え・受継訴訟において、更生債権者等が主張しうる事項を更生債権者表または更生担保権者表の記載事項に限定する。届出と調査で確定した枠を訴訟段階で固定し、集団的手続の画一性と迅速性を担保する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.倒産の兆候段階で債権項目を全件洗い出す 取引先に更生の兆しが出たら、契約書・請求書・残高確認書をもとに元本・利息・遅延損害金・優先権・担保権を一項目ずつリスト化する。届出後は157条により追加できないため、入口で網羅することが最大の勝負所
- 2.届出期間内に満額・全項目で更生債権を届け出る 更生手続開始決定で定められた届出期間内に、元本だけでなく利息・遅延損害金・優先権・担保権まで漏れなく記載した届出書を提出する。減額されたら争えばよいが、書き漏らした項目は二度と土俵に乗らない
- 3.認否前に裏付け資料を提出し認めさせる 管財人が認否書を作る前に、契約書・請求書・担保設定登記など根拠資料を整えて提出しておく。認否の段階で認められれば、更生債権者表に記載され確定判決と同一の効力を持ち、訴訟で争うより速くて安い
- 4.査定で減額されたら表の記載と照合して訴えを構成 更生債権等の査定で減額されたら、更生債権者表の記載内容と照合し、表に記載された範囲内で査定異議の訴えを構成する。表に記載のない事項は主張できないため、提訴前に記載漏れの有無を必ず点検する
- 5.送達日から1月の不変期間内に提訴する 査定の裁判の送達を受けた日から1月の不変期間内に査定異議の訴えを提起する。この期間は伸長されず、徒過すれば査定が確定判決と同一の効力を持つため、送達日を起算点として厳格に管理する
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法157条の主張の制限とは何ですか?
査定異議の訴え等で、更生債権者等が主張できる内容を更生債権者表または更生担保権者表に記載された事項だけに限定する規定です。届出と調査で確定した枠の外は主張できません。
Q2更生債権の届出を書き漏らすとどうなりますか?
更生債権者表に記載されないため、後の査定異議の訴えでもその事項を主張できず失権します。元本だけ書いて遅延損害金を漏らすと、その損害金は取り返せません。
Q3査定異議の訴えで新しい証拠は出せますか?
更生債権者表に記載された事項の範囲内であれば立証は可能ですが、表に記載のない請求原因や優先権そのものを新たに主張することはできません(会社更生法157条)。
Q4更生債権の届出はいつまでにすればよいですか?
更生手続開始決定で定められた届出期間内が原則です。この期間に書ききれなかった事項は後の査定・訴訟でも主張できなくなるため、期間内に全項目を洗い出す必要があります。
Q5管財人が認めた更生債権はもう争われませんか?
管財人が認め異議のない更生債権は更生債権者表に記載され、確定した部分は確定判決と同一の効力を持ちます。争いの対象は否認された部分に限られます。
Q6査定異議の訴えの出訴期間はどれくらいですか?
査定の裁判の送達を受けた日から1月の不変期間内に提起する必要があります。この期間は伸長されず、徒過すると査定の裁判が確定判決と同一の効力を持ちます。
Q7会社更生と破産で主張の制限は同じですか?
破産法128条にも同種の主張制限規定があり、破産債権査定異議の訴えで破産債権者表の記載事項に主張が限定されます。倒産法制で並行する仕組みです。
Q8下請けや社債権者にも157条は関係ありますか?
関係します。取引先が会社更生に入れば売掛金を持つ下請けも、発行会社が更生すれば社債権者も更生債権者として届出を出し、表に載らなかった部分は訴訟でも取り返せません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1届出のときに金額を間違えて少なく書いてしまいました。あとで正しい金額に直せますか?
届出期間内であれば届出の補正で訂正できます。しかし調査の期間を過ぎてからの増額や項目追加は事実上困難で、157条により後の査定異議の訴えでも更生債権者表に記載のない事項は主張できません。実務のポイント:実務家は届出の段階で元本・利息・遅延損害金・優先権を満額かつ全項目で書き込みます。減額されたら争えばよいが、そもそも書き漏らした項目は二度と土俵に乗らない。届出は多めに、漏れなくが鉄則です
Q2管財人が認めた部分は、もう争わなくていいんですよね?
そのとおりです。管財人が認め異議のない更生債権は更生債権者表に記載され、確定した部分は確定判決と同一の効力を持ちます(会社更生法150条前後の規定、現行効力を要確認)。争うべきは否認された部分だけです。実務のポイント:認否の結果は見落とされがちですが、認められた瞬間に確定判決級の効力を帯びます。だからこそ債権者は否認されそうな部分の証拠を認否前に出して認めさせる方が、訴訟で争うより速くて安く済むのです
間違えやすい点 AI による整理
- 裁判になれば証拠も主張も一から出し直せると思っているが、157条はそれを禁じる。届出と査定で土俵の輪郭が決まり、訴訟はその輪の内側での攻防にすぎない
- 届出が大事なのは知っていても、その書き漏らしが後で一切回復不能だという深刻さを理解している人は少ない。通常の民事訴訟なら訴えの変更や主張の追加が許されるが、ここではその扉が閉じている
- 裁判でどう立証するかと問いを立てる時点で、すでにずれている。本当の問いは届出の段階で何を、どこまで書き込んだかだ。立証の巧拙を語る前に、主張できる事項の入口そのものが限定されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 157条:査定・訴訟で主張できる事項を表の記載に限定(主張の制限) | 138条:主張の前提となる更生債権等の届出事項 150条:主張の枠となる更生債権者表・更生担保権者表の作成 |
| 適用される局面 | 査定異議の訴え・受継訴訟など争訟段階 | 届出期間中の届出段階 調査・確定後の表への記載段階 |
| 債権者がすべきこと | 表の記載範囲内で主張を組み立てる | 元本・利息・損害金・優先権を漏れなく届け出る 記載内容を確認し誤りがあれば早期に是正 |
| 失敗時の帰結 | 表に記載のない事項は失権し主張不能 | 届出漏れの項目は表に載らない 確定した記載は確定判決と同一の効力(152条・153条で争う) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も重整債権は申報・確定の手続を経て確定し、申報されなかった債権は重整計画の効力との関係で不利に扱われる点で日本と機能的に類似する。
韓国の統合倒産法も回生債権の신고(届出)・조사(調査)・확정(確定)を経て回生債権者表に記載し、査定異議訴訟での主張を表の記載に整合させる構造をとる。
ドイツでは届け出た債権が Insolvenztabelle(倒産債権表)に登録・確定され、確定した記載は既判力に類する効力を持つ。表外の主張は確定訴訟(Feststellungsklage)で制限される。
米国では proof of claim を提出しなければ原則として配当を受けられず、bar date 経過後の追加・修正は厳格に制限される。会社更生法の原型でもある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし届出書に売掛金の元本だけ書いて、遅延損害金の記載を忘れていたら? 査定異議の訴えでその損害金を追加主張しても、更生債権者表に記載がなければ裁判所は取り合わない。一行の書き漏らしで、数百万円が消える
- 管財人として債権を争う側に立ったとき、157条はあなたの盾になる。相手方の債権者が訴訟で新しい請求原因を持ち出してきても、更生債権者表に記載がないの一言で遮断できる。届出内容との照合が、あなたの最初の防御線になる
- 更生手続開始の通知が届いた。届出期間はあと2週間。この期間に書ききれなかった事項は、後の査定でも訴訟でも主張できなくなる。今すぐ債権の全項目を洗い出さないと間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:債権を主張する側の場合。1. 届出期間内に元本・利息・遅延損害金・優先権・担保権を満額かつ全項目で記載する、ここが最大の勝負所2. 査定で減額されたら、更生債権者表の記載内容と照合し、表に載っている範囲で異議の訴えを構成する3. 表に記載のない事項は訴訟で主張できないため、訴え提起前に記載漏れの有無を必ず点検する4. 補正が可能な期間かどうかを早期に確認し、間に合うなら届出を訂正する
訴えられた側:債権を争う側(管財人・更生会社)の場合。1. 相手方が訴訟で新たな請求原因や優先権を持ち出したら、まず更生債権者表の記載と照合する2. 表に記載がなければ157条の主張制限を抗弁として正面から主張し、審理対象から外させる3. 認否の段階で何を認め何を否認したかが後の訴訟の枠を決めるため、認否書は記載事項と整合させて慎重に作成する4. 受継された訴訟でも同じ制限が及ぶことを念頭に防御方針を立てる
時効(請求できる期限):査定異議の訴えは、更生債権等の査定の裁判の送達を受けた日から1月の不変期間内に提起しなければならない(会社更生法153条前後の規定、現行効力を要確認)。この不変期間は伸長されず、徒過すれば査定の裁判が確定判決と同一の効力を持つ。届出自体は更生手続開始決定で定められた届出期間内が原則
学説
通説:157条の主張制限は、届出・調査・確定という事前の手続保障を前提に、更生計画の基礎となる債権額を早期かつ画一的に確定させるための失権効である。届出期間と調査手続という十分な機会が与えられている以上、表に記載のない事項の失権は正当化されると解する。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)会社更生法全部改正 旧会社更生法を全面的に改めて新法を制定。更生債権等の届出・調査・確定の手続を破産法・民事再生法と整合的に再構築し、査定手続及び査定異議の訴えにおける更生債権者等の主張を更生債権者表・更生担保権者表の記載事項に限定する本条を整備した(新設)
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:会社更生法全部改正により新法を制定。更生債権等の届出・調査・確定の手続を破産法・民事再生法と整合的に再構築し、査定手続及び査定異議の訴えにおける更生債権者等の主張を更生債権者表・更生担保権者表の記載事項に限定する本条を整備した。
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