会社更生法 第23条(更生手続開始の申立ての取下げの制限)
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更生手続開始の申立てをした者は、更生手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。この場合において、次条第一項若しくは第二項の規定による中止の命令、第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、第二十八条第一項の規定による保全処分、第二十九条第三項の規定による許可、第三十条第二項に規定する保全管理命令、第三十五条第二項に規定する監督命令又は第三十九条の二第一項の規定による保全処分があった後は、裁判所の許可を得なければならない。
この条文の基本情報
更生手続開始の申立ての取下げの制限とは何ですか?
定義更生手続開始の申立ての取下げの制限とは、会社更生法第23条に定められた規定で、「更生手続開始の申立てをした者は、更生手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第23条(更生手続開始の申立ての取下げの制限)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第23条の条文原文は「更生手続開始の申立てをした者は、更生手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。」で始まります。
- 会社更生法第23条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第23条の前の条は会社更生法第22条です。
- 会社更生法第23条の次の条は会社更生法第24条です。
- 会社更生法第23条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第23条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第23条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/23
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法23条は、更生手続開始の決定前に限り申立ての取下げを認める。中止命令や保全処分などが発令された後は、取下げに裁判所の許可が必要となる。
Q · 会社更生を申し立てた後でも、自由に取り下げられるの?
開始決定前まで。保全命令後は裁判所の許可が必要
会社更生法23条により、取下げができるのは更生手続開始の決定が出る前までです。決定が出ると取下げの道は閉ざされます。さらに、中止命令・包括的禁止命令・保全処分・保全管理命令・監督命令などが一度でも発令された後は、申立人の判断だけでは取り下げられず、裁判所の許可が必要になります。これらの命令で債権者の取立てが止まり、利害関係人がその凍結状態を前提に動いているため、申立人の一存での撤回が制限されるのです。
解説
資金繰りが行き詰まった株式会社が、最後の再建手段として会社更生を申し立てる。だが申し立てた後で状況が動くことはある。スポンサーが現れた、メインバンクが追加融資に応じた、私的整理でまとまりそうだ。そのとき「やっぱり取り下げたい」と思っても、いつでも自由に降りられるわけではない。会社更生法23条は、取下げができるのは更生手続開始の決定が出る前までと区切る。さらに、中止命令や包括的禁止命令、保全処分、保全管理命令、監督命令といった裁判所の命令が一度でも出た後は、取下げに裁判所の許可がいる。なぜか。これらの命令で債権者の取立てが止められ、利害関係人はその凍結状態を前提に動いている。申立人が自分の都合だけで手続を消せば、信頼して待っていた人々が梯子を外される。あなたが申立てを検討する側なら、どこまでなら引き返せるかを最初に押さえておくことが、命運を分ける。
法的な位置づけ
会社更生法23条は申立ての取下げに関する規定であり、更生手続開始の申立てをした者が当該申立てを取り下げられるのは更生手続開始の決定前に限られる旨を定める。加えて、中止命令・包括的禁止命令・保全処分・保全管理命令・監督命令等が発令された後の取下げには、裁判所の許可を要件とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.保全命令等が発令済みか即確認 取下げを検討したら、まず中止命令・包括的禁止命令・保全処分・保全管理命令・監督命令・役員に対する保全処分が既に出ているかを確認する。一本も出ていなければ、開始決定前である限り申立人の判断だけで取下げが可能
- 2.命令前なら開始決定前に取下書を提出 命令が一本も出ておらず開始決定もまだなら、取下書を裁判所に提出して撤退する。私的整理・スポンサー支援・追加融資など代替再建策の枠組みを同時に固め、撤退後の資金繰りを確保する
- 3.命令後なら取下げ許可の上申を準備 保全命令等が既に発令されている場合は、裁判所への取下げ許可の上申を準備する。許可の中心は『債権者一般の利益を害さないか』であるため、私的整理等で公平に弁済を受けられる見通しの疎明資料を添付する
- 4.民事再生への切替えはタイミングを設計 経営陣が残る DIP 型の民事再生に切り替えたい場合、更生を取り下げてから再生を申し立てる順序を倒産専門の弁護士と設計する。保全管理命令で経営権が更生管財人に移る前に動かないと、身動きが取れなくなる
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生の申立てはいつまで取り下げられますか?
更生手続開始の決定が出る前までです(会社更生法23条)。開始決定が出た瞬間に取下げの道は閉ざされ、経営権が更生管財人に移る局面に入ります。
Q2保全処分が出た後でも会社更生を取り下げられますか?
取り下げられますが、裁判所の許可が必要です。保全処分・中止命令・保全管理命令・監督命令などが発令された後は、申立人の判断だけでは取り下げられません。
Q3会社更生を取り下げると申立て前の状態に戻りますか?
完全には戻りません。すでに発令された保全処分の効果や、公表による信用毀損・取引先の与信引き締めは、取下げでは原状回復されません。
Q4会社更生から民事再生に切り替えるにはどうすればいいですか?
更生の取下げ後に再生を申し立てる設計が一般的です。経営陣が残る DIP 型を望むなら、保全管理命令で経営権が移る前のタイミングが鍵になります。
Q5会社更生の申立てを取り下げたら再度申し立てられますか?
要件を満たせば再申立ては可能です。ただし短期間に申立てと取下げを繰り返すと濫用とみなされ、後の申立てが棄却される余地があります。
Q6債権者が申し立てた会社更生を会社側が止められますか?
申立人でない会社側が取り下げることはできません。会社は意見を述べたり、開始原因がない旨を主張して棄却を求める立場になります。
Q7会社更生の取下げに債権者の同意は要りますか?
債権者個々の同意は要件ではありませんが、命令発令後の許可判断では債権者一般の利益を害さないかが審査されます。
Q8上場会社が会社更生を取り下げたら上場廃止は撤回されますか?
いったん整理銘柄に回された後の株価混乱は取下げで戻りません。上場廃止基準への抵触は取引所の別判断によります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一度取り下げたら、もう二度と会社更生は申し立てられないんですか?
いいえ、取下げ自体は申立権を消滅させるものではなく、要件を満たせば再申立ては可能です。ただし短期間に申立てと取下げを繰り返すと、債権者を害する目的の濫用とみなされ、後の申立てが棄却されたり保全の判断が厳しくなることがあります。実務のポイント:実務では「取り下げてやり直す」より、申立てを維持したまま更生計画でスポンサーを差し替える方が安全な場合が多い。取下げは最後のカードとして温存し、まず計画案の柔軟性で勝負するのが定石です
Q2保全命令が出た後の取下げって、裁判所はどんな時に許可しないんですか?
判断の中心は、取下げが債権者など利害関係人一般の利益を害さないかです。命令で取立てを止められた債権者が、私的整理など別ルートで公平に弁済を受けられる見通しがあれば許可されやすく、一部債権者だけが得をする取下げは許可されにくい。実務のポイント:取下げ許可を取りたいなら、申立人は「取り下げても債権者は損しない」という代替再建策の疎明をセットで出すのが鉄則。許可申請書に再建スキームを添える運用ができているかで、許可の通り方がまるで違います
間違えやすい点 AI による整理
- 自分で申し立てた手続だから、いつでも自分の判断で取り下げられると思っている。実際は、保全処分や中止命令などが出た後は裁判所の許可がなければ取り下げられない。申立てという行為は、一度走り出すと申立人の手を離れていく
- 取下げに許可が要ることは知っていても、許可されなかった場合に手続がそのまま進行し、更生手続開始の決定に至れば経営権が更生管財人に移るリスクまでは想像していない。「許可されないかもしれない」の本当の重さは、会社の支配権を失う点にある
- 「取り下げれば全部なかったことになる」という前提そのものが誤っている。保全処分の発令や、すでに公表された信用毀損、取引先の与信引き締めは、取下げでは元に戻らない。申立ては、巻き戻しても傷跡が残る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 取下げの可否 | 会社更生法23条:開始決定前なら原則自由、命令発令後は裁判所の許可 | 会社更生法17条:申立て自体の根拠(取下げの対象) 破産法29条:破産手続開始申立ての取下げ制限 |
| 許可を要する契機 | 中止命令・包括的禁止命令・保全処分・保全管理命令・監督命令等の発令 | 会社更生法24条:他の手続の中止命令(許可を要する命令の一つ) 会社更生法28条:開始前の保全処分(許可を要する命令の一つ) |
| 時的限界 | 更生手続開始の決定の時まで | 会社更生法25条:包括的禁止命令の発令時点 破産法29条:破産手続開始決定前まで |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社更生に相当する公司重整を公司法で規律。聲請の撤回は手続段階に応じ制限される点で日本と発想が近い。
韓国は回生・破産を統合法典で規律。回生手続開始決定前の取下げと裁判所の関与という枠組みは日本と類似する。
ドイツ倒産法は開始決定または棄却の確定までは開始申立ての取下げを認める。時的限界の発想は日本23条と共通する。
米国 Chapter 11では取下げに相当する dismissal は債権者等の利益を考慮して裁判所が判断。申立人の一存では決まらない点で日本と通底する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、再建を託したスポンサーが土壇場で資金支援を撤回したら、どうなる? 会社更生を申し立てた直後で、まだ保全処分も中止命令も出ていなければ、取下げは申立人の判断ひとつで自由にできる。だが命令が一本でも出れば、同じ取下げに裁判所の許可が要る。わずか一日の差が、撤退の自由度を分ける
- あなたの会社が更生を申し立てた。だが三日後、メインバンクが追加融資に応じる意向を示し、私的整理に切り替えたくなった。保全管理命令が発令される前に動かなければ、取下げに裁判所の許可が必要になる。残された猶予は数日、弁護士と今夜のうちに撤退設計を詰める必要がある
- 大口債権者として更生を申し立てたが、会社と直接和解できた。だが保全処分はすでに出ている。取り下げるには、もはや裁判所の許可がいる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取下げを決めたら、まず保全処分・中止命令・包括的禁止命令・保全管理命令・監督命令が既に出ているかを即確認。一本も出ていなければ、開始決定前である限り申立人の判断で取下げ可能2. 命令が既に出ている場合は、裁判所への取下げ許可の上申を準備し、債権者を害さない再建策(私的整理・スポンサー・追加融資)の具体的疎明資料を整える3. 民事再生への切替えが目的なら、取下げと再生申立ての順序とタイミングを倒産専門の弁護士と設計する4. 開始決定が出てしまえば取下げの余地は消える、決定前のスピードがすべて
訴えられた側:1. あなたが取立てを止められた債権者など利害関係人で、申立人の取下げに反対なら、取下げによって自分が受ける不利益(凍結を信じて回収を控えた等)を裁判所に主張できる立場にある2. 命令発令後の取下げには許可が要るため、裁判所が許可するか否かの判断材料として、債権者一般の利益を害する旨の意見を出す3. 取下げが許可された場合に備え、保全処分の失効後すぐ動けるよう債権回収・担保実行の準備を並行で進めておく
時効(請求できる期限):取下げができるのは更生手続開始の決定の時まで(起算は申立て後、決定前の全期間)。開始決定が出た瞬間に取下げの道は閉ざされる。中止命令・包括的禁止命令・保全処分・保全管理命令・監督命令・役員に対する保全処分のいずれかが発令された後は、取下げに裁判所の許可が必須となる
学説
通説:申立ての取下げは申立人の手続処分権に基づくが、開始決定前という時的限界と、保全命令等の発令後における裁判所の許可という二段の制約により、利害関係人の手続信頼を保護する趣旨と解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)により、旧法から手続を整理。取下げの時的限界と命令発令後の許可要件を現行23条として整備した。
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