会社更生法 第39条(更生手続開始前の調査命令)
クイックジャンプ
- 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項の全部又は一部を対象とする第百二十五条第二項に規定する調査命令を発することができる。
- 一第十七条第一項に規定する更生手続開始の原因となる事実及び第四十一条第一項第二号から第四号までに掲げる事由の有無、開始前会社の業務及び財産の状況その他更生手続開始の申立てについての判断をするのに必要な事項並びに更生手続を開始することの当否
- 二第二十八条第一項の規定による保全処分、保全管理命令、監督命令、次条若しくは第四十条の規定による保全処分又は第百条第一項に規定する役員等責任査定決定を必要とする事情の有無及びその処分、命令又は決定の要否
- 三その他更生事件に関し調査委員による調査又は意見陳述を必要とする事項
この条文の基本情報
更生手続開始前の調査命令とは何ですか?
定義更生手続開始前の調査命令とは、会社更生法第39条に定められた規定で、「裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、次に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第39条(更生手続開始前の調査命令)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第39条の条文原文は「裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、次に…」で始まります。
- 会社更生法第39条は第五款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第39条の前の条は会社更生法第38条です。
- 会社更生法第39条の次の条は会社更生法第39条の2です。
- 会社更生法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法39条は、更生手続開始の申立てから開始決定までの間でも、裁判所が職権または利害関係人の申立てにより、調査委員に会社の実態を調査させられると定める。
Q · 取引先が会社更生を申し立てました。開始決定まで、債権者は本当に何もできないの?
いいえ、空白期間でも調査命令を申し立てられます
会社更生法39条により、更生手続開始の申立てから開始決定までの間でも、利害関係人(債権者を含む)の申立てまたは裁判所の職権で調査命令を発せられます。調査委員が開始原因・財産状況・更生の当否などを調べます。開始決定を待つ必要はなく、財産流出や役員の不正が疑われる空白期間にこそ調査を求める価値があります。
解説
取引先の大手メーカーが、ある朝突然『会社更生手続開始の申立てをした』とニュースで流れる。あなたは数千万円の売掛金を抱えている。多くの債権者はここで『裁判所が開始決定を出すまで、自分は何もできない』と固まる。それが盲点だ。申立てから開始決定までには、保全処分や保全管理命令の審理で数週間から数か月かかることがある。会社更生法39条は、この『空白期間』にも裁判所が調査命令を発し、独立した調査委員に会社の実態を調べさせられると定める。しかもこの調査命令は、裁判所の職権だけでなく『利害関係人の申立て』でも動く。つまり債権者であるあなたが、開始決定を待たずに『この会社の財産は本当にこれだけか』『役員が資産を隠していないか』『そもそも更生させる価値があるのか』を裁判所に調べさせる引き金を引ける。空白期間は、待つ時間ではなく動く時間だ。
法的な位置づけ
会社更生法39条は、更生手続開始の申立てから当該申立てについての決定までの間に発せられる開始前調査命令を定める規定である。裁判所は必要があると認めるとき、職権または利害関係人の申立てにより、調査委員に開始原因・財産状況・更生の当否等を調査させることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自分が利害関係人に当たるか確認する 取引先の更生申立てを知ったら、まず自分が債権者(利害関係人)に当たることを確認し、債権額・取引契約書・請求書・納品記録を時系列で整理する
- 2.空白期間の財産流出の兆候を集める 在庫の投げ売り、関連会社への不自然な送金、役員による申立て直前の資産移動など、財産流出の兆候があれば証拠(取引記録・公開情報・噂の裏付け)を集める
- 3.調査対象を特定して申立てを準備する 弁護士を通じ、開始原因・財産状況(1号)、保全処分や役員等責任査定決定の要否(2号)、その他必要事項(3号)のどれを調べさせたいか対象を絞って39条の調査命令を申し立てる
- 4.他の債権者と連携して説得力を高める 単独で弱ければ他の債権者と足並みを揃え、債権者団として申し立てる。複数の債権者が声を上げると裁判所が『必要があると認める』方向に傾きやすい
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法39条の調査命令とは何ですか?
更生手続開始の申立てから決定までの空白期間に、裁判所が調査委員に開始原因・財産状況・更生の当否を調べさせる命令です。職権でも利害関係人の申立てでも発せられます。
Q2更生手続の調査命令は債権者から申し立てられますか?
申し立てられます。39条は『利害関係人の申立て』を明文で認めており、債権者は開始決定を待たずに会社の実態調査を裁判所に求められます。
Q3会社更生の調査命令は何を調べるのですか?
開始原因の有無・会社の業務財産状況・更生の当否(1号)、保全処分や役員等責任査定決定の要否(2号)、その他必要事項(3号)の全部または一部を対象にできます。
Q4調査命令はいつまで申し立てられますか?
更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間に限られます。開始決定が出ると、この空白期間限定の枠は閉じます。
Q5会社更生の調査委員は何をする人ですか?
裁判所が選任する中立の専門家で、会社の財産・業務・更生の当否などを調査し裁判所に報告します。弁護士や公認会計士が選ばれることが多いです。
Q6取引先の倒産で売掛金を回収する方法はありますか?
更生手続では更生債権として届け出ます。加えて空白期間に調査命令を申し立てれば、財産流出や役員の不正を早期に押さえ、回収可能性の判断材料を得られます。
Q7会社更生と民事再生の調査命令は違いますか?
民事再生では民事再生法62条が調査命令を定めます。基本構造は近いですが、会社更生は経営権を更生管財人に移す点でより強力な手続です。
Q8役員が申立て直前に資産を移したら追及できますか?
できます。39条2号は役員等責任査定決定(100条)の要否も調査対象とし、空白期間の調査で不正が浮かべば後の責任追及・財産回収の布石になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1取引先が会社更生を申し立てました。開始決定が出るまで、債権者は本当に何もできないんですか?
そんなことはありません。会社更生法39条は、申立てから開始決定までの空白期間にも、利害関係人(債権者を含む)の申立てで裁判所が調査命令を発せられると定めています。財産状況や役員の責任の有無を、独立した調査委員に調べさせられます。実務のポイント:この空白期間に財産が流出するケースは実務で珍しくない。弁護士は依頼者に『開始決定を待たず保全処分と調査命令をセットで検討しましょう』と動くが、自分から積極的に説明しない事務所も多い。待つ姿勢の債権者ほど取りはぐれる
Q2調査命令って、ただ会社の財産を調べるだけのものですか?
それだけではありません。39条の調査対象は三つに及びます。開始原因や財産状況(1号)に加え、保全処分・保全管理命令・役員等責任査定決定の要否(2号)、その他調査委員の調査を要する事項(3号)です。役員の責任追及や、そもそも更生させるべきかの当否まで射程に入ります。実務のポイント:『更生の当否』が調査対象になる点は見落とされがち。会社を生かすか清算(破産)へ振り向けるかは、この段階の調査が方向づける。債権者が早く動けば、自分に有利な出口の議論を初期から作れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「調査命令を出すのは裁判所であって、債権者にできることは何もない」と思われているが、39条は明文で『利害関係人の申立て』を認めている。あなたの側から裁判所に火をつけられる
- 「開始決定が出てから動けばいい」という前提そのものが危うい。財産の流出も役員の証拠隠滅も、空白期間に静かに進む。問うべきは『いつ動くか』ではなく『空白期間に何を押さえるか』だ
- 調査命令の存在は知っていても、その対象が『更生させる価値があるかどうか(更生の当否)』にまで及ぶことを見落としている人が多い。これは単なる財産チェックではなく、会社を生かすか清算へ向かわせるかの分水嶺を照らす照明だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 発動できる時期 | 39条:申立てから開始決定までの空白期間に限る | 41条:開始決定そのものを行う段階 125条:手続全般における調査委員の調査の一般規定 |
| 調査の対象 | 39条:開始原因・財産状況・更生の当否・各種処分の要否 | 17条:更生手続開始の原因事実(39条1号の前提) 100条:役員等責任査定決定(39条2号の対象) |
| 発動する主体 | 39条:裁判所の職権または利害関係人の申立て | 40条:役員の財産に対する保全処分(職権・申立て) 125条:調査命令一般(裁判所が発令) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の会社重整では裁判所が検査人を選任し会社の財産・業務を調査させる。中立の専門家による事前調査という発想は本条と近い。
韓国の回生手続でも裁判所が調査委員を選任し財産状況や事業継続の見込みを調査させる。日本の制度と構造が類似する。
ドイツでは手続開始前に暫定管財人や鑑定人が会社の状況を調査し、職権調査主義(§ 5)の下で裁判所が必要な調査を行う。
米国 Chapter 11では利害関係人の申立て等により examiner が選任され、経営陣の不正や財産状況を独立調査する。利害関係人主導の調査という点で本条と通じる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 売掛金を抱えた取引先が更生を申し立てた。開始決定までの数週間、会社が在庫を投げ売りしているという噂を聞いた。調査委員による財産調査を裁判所に求めれば、財産の流出を第三者の目で早期に押さえられる
- もし、申立てをした会社の役員が、申立て直前に自分の関連会社へ資産を移していたとしたら? 39条2号は役員等責任査定決定の要否も調査対象にできる。役員の責任追及の布石を、開始決定が出る前から打てる
- あなたが申立てをした会社の経営陣だとする。調査委員が入れば、経営判断のすべてが第三者の目に晒される。更生計画の主導権を握りたいなら、調査命令にどう向き合うかが最初の分岐点だ
- 下請けのあなたは、元請けの更生申立てで連鎖倒産の瀬戸際。開始決定を待つ余裕はない。あと数週間が勝負だ。空白期間中の調査命令申立てで、保全処分の要否を裁判所に検討させれば、回収可能性の判断材料が早く手に入る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先の更生申立てを知ったら、まず自分が『利害関係人』(債権者)に当たることを確認し、債権額と取引記録を整理する2. 会社が空白期間に財産を流出させている兆候(在庫の投げ売り、関連会社への送金)があれば証拠を集める3. 弁護士を通じて裁判所に39条の調査命令を申し立て、財産状況・役員の責任・更生の当否のどれを調べさせたいか対象を特定する4. 単独で弱ければ他の債権者と連携し、申立ての説得力を高める
訴えられた側:1. 申立てをした会社の経営陣なら、調査委員が入る前提で帳簿・取引記録を整備し、説明責任を果たせる状態にする2. 役員等責任査定決定(100条)の対象になりうる取引(申立て直前の資産移動等)は、正当な経営判断であることを記録で示せるよう準備する3. 調査命令は更生計画の主導権争いの前哨戦だ。調査委員に協力的な姿勢を示し、更生の当否で前向きな評価を得る方が、後の手続を有利に運べる4. 弁護士・公認会計士と早期に体制を組む
時効(請求できる期限):特定の消滅時効はない。ただし調査命令を発せられるのは『更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間』に限られる(本条)。開始決定が出れば、この空白期間限定の調査命令の枠は閉じる。動くなら申立て直後から開始決定までの数週間から数か月が勝負
学説
通説:39条の開始前調査命令は、迅速な手続開始の要請と開始前に会社の実態を見極める要請とを調整する装置と理解される。職権でも利害関係人の申立てでも発動でき、対象を全部または一部に絞れる柔軟設計により、迅速性と慎重性の均衡を図るものとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)会社更生法全部改正 昭和27年制定の旧会社更生法を全面的に作り直した新法(平成14年法律第154号、2003年4月1日施行)の一部として、更生手続開始前の調査命令の枠組みを現行の形で整備した
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:昭和27年制定の旧会社更生法を全面的に作り直した新法(平成14年法律第154号、2003年4月1日施行)の一部として、更生手続開始前の調査命令の枠組みを現行の形で整備した。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める