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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

会社更生法 第39条の2(否認権のための保全処分)

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  1. 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。
  2. 2.前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。
  3. 3.裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。
  4. 4.第一項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
  5. 5.前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
  6. 6.第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

この条文の基本情報

否認権のための保全処分とは何ですか?

定義否認権のための保全処分とは、会社更生法第39条の2に定められた規定で、「裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 会社更生法第39条の2(否認権のための保全処分)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
  2. 会社更生法第39条の2の条文原文は「裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人…」で始まります。
  3. 会社更生法第39条の2は第五款に置かれています。
  4. 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
  5. 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 会社更生法第39条の2の前の条は会社更生法第39条です。
  7. 会社更生法第39条の2の次の条は会社更生法第40条です。
  8. 会社更生法第39条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第39条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154
  • 本サイト収録会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第39条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/39_2

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点会社更生法39条の2は、更生手続開始の申立てから開始決定までの間、否認権を保全するため裁判所が仮差押え・仮処分を命じうると定める。即時抗告に執行停止の効力はない。

Q · 更生手続がまだ始まっていないのに、取引先の財産を凍結できるんですか?

できます。否認権を保全するための裁判所の保全処分です

会社更生法39条の2により、裁判所は更生手続開始の申立てから開始決定までの間、否認権を保全する必要があると認めれば、仮差押え・仮処分その他の保全処分を命じることができます(1項)。保全管理人が未選任なら一般の利害関係人(債権者)も申立人になれ、選任後は保全管理人に申立権が集約されます。担保の要否は裁判所が判断し(2項)、処分は変更・取消しが可能で(3項)、相手方は即時抗告で争えますが、その抗告に執行停止の効力はありません(4・5項)。

解説

取引先の会社が傾き始めた。あなたへの支払いは止まり、噂では社長の親族の会社へ優良な不動産だけがこっそり移されたという。やがてその会社は更生手続の開始を申し立てる。ここで多くの債権者が見落とす落とし穴がある。怪しい財産移転を取り消す「否認権」は、原則として更生手続が正式に開始され、更生管財人が選ばれてからでないと使えない。申立てから開始決定までの数週間から数か月、その間に移転先がさらに第三者へ売り抜ければ、善意の第三者が保護され、財産は永久に取り戻せなくなる。会社更生法39条の2は、この空白期間を埋める装置だ。裁判所は開始決定を待たず、利害関係人の申立てまたは職権で、その財産に仮差押え・仮処分をかけて凍結できる。否認権という武器を、抜く前に錆びつかせないための鞘である。

法的な位置づけ

会社更生法39条の2が定める否認権のための保全処分とは、更生手続開始の申立てから開始決定までの空白期間において、将来の否認権行使の実効性を確保するため、裁判所が対象財産に仮差押え・仮処分その他の保全処分を命じる制度をいう。開始決定後に選任される更生管財人の否認権を、開始前の段階で先取り的に保全する機能を持つ。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.登記簿で不審な資産移転を洗い出す 取引先が更生手続開始を申し立てたら、まず商業登記簿・不動産登記簿を取り寄せ、申立て前後の不自然な財産移転(関連会社・社長親族への移転、廉価譲渡、偏頗弁済)を時系列で抽出する。移転日が分水嶺になる
  2. 2.否認対象になりうるか整理し証拠を確保 移転先・対象財産・移転価額・移転時期を整理し、無償否認・詐害行為否認・偏頗弁済否認のいずれに該当しうるか検討する。相場との価額差や支払不能の認識を示す資料を確保する
  3. 3.申立権者を確認して保全処分を申し立てる 保全管理人が未選任なら利害関係人(債権者)として自ら、選任後は保全管理人へ情報提供したうえで、裁判所へ39条の2の仮差押え・仮処分を申し立てる。担保提供を求められる場合がある(2項)
  4. 4.第三者への転売が成立する前に即日動く 対象財産が善意の第三者へ移転し善意取得が成立すると否認自体が空振りになる。開始決定や管財人選任を待たず、異変に気づいた当日に申立てまたは管財人候補への情報提供を行う

よくある質問 AI による整理

Q1否認権のための保全処分とは何ですか?

更生手続開始前の空白期間に、将来の否認権行使を確保するため、裁判所が対象財産に仮差押え・仮処分を命じる制度です。会社更生法39条の2が根拠です。

Q2否認権の保全処分は誰が申し立てられますか?

保全管理人が未選任なら一般の利害関係人(債権者)も申立人になれます。保全管理人が選任された後は、申立権がその保全管理人に集約されます(1項)。

Q3更生手続開始前でも財産を差し押さえられるのはなぜですか?

開始決定を待つ間に対象財産が第三者へ転売され善意取得が成立すると否認が空振りになるためです。その空白を埋めるのが39条の2の保全処分です。

Q4否認権の保全処分に不服がある場合はどうしますか?

即時抗告で争えます(4項)。ただしその即時抗告に執行停止の効力はないため(5項)、抗告中も差押え・処分の効力は続きます。

Q5否認権の保全処分には担保が必要ですか?

担保を立てさせて命じることも、立てさせずに命じることもできます(2項)。要否と金額は事案に応じて裁判所が判断します。

Q6いったん出た否認権の保全処分は取り消せますか?

裁判所は申立てまたは職権で、保全処分を変更し、または取り消すことができます(3項)。事情変更があれば見直しの余地があります。

Q7破産や民事再生にも同じような否認権の保全はありますか?

あります。破産法・民事再生法にも同趣旨の否認権保全のための保全処分が定められており、倒産手続に共通する仕組みです。

Q8否認権の保全処分はいつまでに申し立てるべきですか?

条文上の出訴期間はありませんが、命じうるのは開始決定までの間に限られます(1項)。第三者への転売で善意取得が成立すると実益が消えるため、気づいた当日が事実上の期限です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1まだ更生手続が始まってもいないのに、なぜ相手の財産を差し押さえられるんですか?

開始決定を待っていては、否認の対象になりそうな財産が第三者へ売り抜けられて手遅れになるからです。39条の2は申立てから開始決定までの空白期間に、否認権を保全する目的で仮差押え・仮処分を認めています(1項)。実務のポイント:この保全処分は職権でも出せますが、裁判所が自発的に動くことは稀です。怪しい移転に最初に気づいた債権者が証拠付きで申し立てるかどうかで、財産が凍結されるか逃げ切られるかが決まる。待っていても誰も動かない

Q2うちは普通に売掛金の回収として在庫を引き取っただけなのに、仮処分が来ました。やられっぱなしですか?

即時抗告で争えます(4項)。ただし抗告しても凍結の効力は止まりません(5項)ので、最終的には否認の本案で正常な対価による通常の取引だったと立証する勝負になります。実務のポイント:偏頗弁済の否認は、相手の支払不能を知っていたかが鍵。あなたが取引先の資金繰り悪化を知らず通常どおり取引していた証拠(やり取りの履歴、相場どおりの価格)を残しておくと、保全段階でも本案でも効いてくる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「更生手続が始まってから否認権で取り戻せばいい」と考える債権者は、問いの立て方を間違えている。本当の勝負は手続開始の前、申立てから開始決定までの空白期間にある。開始を待った時点で、財産はもう第三者の手に渡り善意取得で保護されているかもしれない
  • 保全処分があることは知っていても、それが「執行停止の効力を持たない即時抗告」とセットになっている深刻さを見落としがちだ(5項)。相手方が仮差押えに不服で即時抗告しても、抗告中も差押えの効力は続く。凍結は争っている間も解けない、これが相手方にとって想像以上に重い
  • 「否認権は更生管財人だけのもので、一般債権者には関係ない」と思われがちだが、39条の2の保全処分は利害関係人、つまり一般債権者も申立人になれる(保全管理人が選任されるまでの間)。管財人が決まるのを待つ必要はない
比較の観点この条文ほかの条文
発令できる時期39条の2:開始申立てから開始決定までの間28条:開始申立て後の業務・財産に関する保全処分
86条:開始決定後、管財人が否認権を行使
目的将来の否認権の実効性を保全(財産の凍結)更生会社の財産散逸・業務混乱の防止
否認対象行為の効力を実体的に否定・財産回復
申立権者利害関係人または保全管理人(選任後は保全管理人)/職権利害関係人/職権
更生管財人
不服申立て即時抗告可、ただし執行停止の効力なし(4・5項)保全処分の類型に応じた不服申立て
否認の請求・否認の訴え等の本案手続で争う

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第287条・破産法第78条以下

台湾は重整裁定前の保全処分(公司法287条)で財産散逸を防ぎ、否認権に相当する撤銷権は破産法に置かれる。手続段階を分けて保全を行う点は日本と共通。

韓国
채무자 회생 및 파산에 관한 법률(債務者回生及び破産に関する法律)

韓国は単一の統合倒産法の中で、否認権(부인권)保全のための保全処分を定める。開始前の保全という枠組みは日本と類似。

ドイツ
InsO § 21・§§ 129 ff.

ドイツは手続開始前の暫定的保全措置(§ 21)と倒産否認(Insolvenzanfechtung、§§ 129以下)を分けて規律し、暫定管財人による財産保全の仕組みを持つ。

アメリカ
11 U.S.C. § 547・§ 548, § 105

米国は否認(avoidance)を § 547(偏頗)・§ 548(詐害的譲渡)で規律し、§ 105の包括的差止権限で開始前後の財産保全を図る。会社更生法はこの reorganization 法制を範とする。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 取引先が更生手続開始を申し立てた。あなたは無担保で2000万円を貸している。登記簿を見たら、申立ての直前に会社の本社ビルが社長の資産管理会社へ移転されていた。開始決定までまだ1か月、その間にビルが転売されれば否認は事実上不可能になる。今すぐ動けば、39条の2の保全処分でビルを凍結できる
  • あなたの会社は取引先から、債務の弁済として機械設備を引き取った。ところがその取引先が更生手続を申し立て、裁判所からその設備への仮処分命令が届く。まだ更生手続は始まっていないのに、なぜ自分の財産が凍結されるのか。これが否認権を保全するための仮処分であり、あなたは即時抗告で争える立場にある
  • もし、保全管理人が選任されたら誰が保全処分を申し立てるのか。この場合、申立権は一般の利害関係人ではなく保全管理人に集約される。一般債権者が単独で動けなくなる、その切り替わりの瞬間を知っているかどうかで初動が変わる

取るべき行動

被害を受けた側:1. まず商業登記簿・不動産登記簿で、申立て前後の不自然な資産移転を洗い出す。日付が分水嶺になる2. 移転先・対象財産・移転価額の証拠を確保し、否認の対象になりうるか整理3. 保全管理人が未選任なら利害関係人として、選任後は保全管理人へ情報提供し、裁判所へ39条の2の仮差押え・仮処分を申し立てる4. 一刻を争う。第三者への転売や善意取得が成立すると否認自体が空振りになるため、気づいた当日に動く

訴えられた側:1. 仮差押え・仮処分の命令書が届いたら、まずどの行為が否認対象とされているか保全の理由を確認2. その取引が正常な対価による通常取引であり否認の要件を満たさないと反論できるか検討3. 命令に不服なら即時抗告できる(4項)。ただし抗告しても凍結は止まらない(5項)ため、本案の否認をにらみ対価の正当性を示す証拠を固める4. 担保提供の有無や保全の必要性も争点になりうる

時効(請求できる期限):特定の出訴期間が条文上定められているわけではないが、保全処分は更生手続開始の申立てから開始決定までの間にのみ命じられる(1項)。対象財産が第三者へ移転し善意取得が成立すると実益が失われるため、事実上の期限は相手が動く前。即時抗告は裁判の告知から1週間以内(民事訴訟法332条、最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:否認権は開始決定後に管財人が行使するため、開始前の空白期間には対象財産が流出する危険がある。39条の2はこの危険に対処する手続的保全であり、開始決定前の段階で否認権の実効性を確保する暫定的措置と位置づけられる。即時抗告に執行停止効を認めない(5項)のも、保全の実効性を優先する趣旨と解されている。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正により現行法が制定。否認権の実効性確保のため、開始前の保全処分に関する規律が整備された。

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会社更生法の全文を見る所属する編章節を開く:第五款

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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