会社更生法 第51条(続行された強制執行等における配当等に充てるべき金銭の取扱い)
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- 前条第五項の規定により続行された手続又は処分及び同条第七項の解除の決定により申立てが可能となった担保権の実行手続においては、配当又は弁済金の交付(以下この条において「配当等」という。)を実施することができない。ただし、前条第五項第二号の規定により続行された処分における租税等の請求権に対する配当等については、この限りでない。
- 2.前項本文に規定する手続(更生債権等を被担保債権とする留置権であって、商法又は会社法の規定以外の規定によるものによる競売の手続を除く。次項において同じ。)又は処分においては、配当等に充てるべき金銭が生じたとき(その時点において更生計画認可の決定がない場合は、当該決定があったとき)は、管財人(第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復した場合又は更生手続終了後は、更生会社)に対して、当該金銭に相当する額(前項ただし書の規定により配当等が実施されたときは、当該配当等の額を控除した額)の金銭を交付しなければならない。
- 3.更生計画認可の決定前に更生手続が終了したときは、第一項本文の規定にかかわらず、同項本文に規定する手続又は処分においては、その手続又は処分の性質に反しない限り、配当等に充てるべき金銭(同項ただし書の規定により配当等が実施されたものを除く。)について、配当等を実施しなければならない。
この条文の基本情報
続行された強制執行等における配当等に充てるべき金銭の取扱いとは何ですか?
定義続行された強制執行等における配当等に充てるべき金銭の取扱いとは、会社更生法第51条に定められた規定で、「前条第五項の規定により続行された手続又は処分及び同条第七項の解除の決定により申立てが可能となった担保権の実行手続においては、配当又は弁済金の交付(以下この条にお…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第51条(続行された強制執行等における配当等に充てるべき金銭の取扱い)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第51条の条文原文は「前条第五項の規定により続行された手続又は処分及び同条第七項の解除の決定により申立てが可能となった担保権の実行手続においては、配当又は弁済金の交付(以下この条にお…」で始まります。
- 会社更生法第51条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第51条の前の条は会社更生法第50条です。
- 会社更生法第51条の次の条は会社更生法第52条です。
- 会社更生法第51条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第51条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第51条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/51
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法51条は、更生手続で続行された執行・担保権実行において配当等の実施を禁止する。租税等の請求権は例外で、認可決定前に手続が終了すれば止まった配当が復活する。
Q · 競売で配当金が出る直前に取引先が会社更生に入ったら、その配当金はどうなりますか?
管財人に交付され、更生計画の中で処理されます
会社更生法51条により、更生手続のために続行された執行や担保権実行手続では配当等を実施できません。配当に充てるべき金銭が生じても、それは管財人に交付され、更生財産として更生計画の中で債権者全体の公平を保ちつつ処理されます。例外は二つで、租税等の請求権への配当等は続行処分の枠内で実施でき、また更生計画の認可決定前に更生手続が終了したときは、本来の配当が復活します。担保権者は別除権ではなく更生担保権として扱われる点に注意が必要です。
解説
あなたが取引先の工場に抵当権を設定し、いざ競売を申し立て、配当金が手に入る直前まで漕ぎ着けた。そこへ対象会社が会社更生手続に入る。この瞬間、ルールが切り替わる。会社更生法51条は、更生のために続行された執行や担保権実行であっても、配当や弁済金の交付(配当等)を実施してはならないと定める。差押えまで終えても、その金はあなたの口座に来ない。配当に充てるべき金が生じたら管財人に交付され、更生手続という大きな器の中で他の債権者と一緒に処理される。例外は二つ。租税等の請求権は続行処分で配当が認められる。そして更生計画の認可決定前に更生手続そのものが終了したときは、止まっていた配当が復活する。個別の抜け駆け回収を、本条は一旦封じる仕組みだ。
法的な位置づけ
会社更生法51条は、更生手続の中で続行された強制執行・担保権実行手続等における配当等の実施を禁止する規定である。配当に充てるべき金銭は管財人に交付され、更生財産として集団的に処理される。租税等の請求権への配当等は例外とされ、更生計画認可決定前に手続が終了した場合は本来の配当が復活する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.更生開始決定と自分の手続の続行可否を確認 取引先の更生開始決定の有無を確認し、進行中の競売・強制執行が会社更生法50条で続行されたか失効したかを直ちに確認する。配当期日が迫っていても、その金が管財人行きか自分行きかが最初の分岐点になる
- 2.更生担保権としての届出準備に切り替える 別除権で別枠回収できる前提を捨て、担保権を更生担保権として届け出る準備をする。回収戦略を競売中心から更生計画への関与中心へ切り替え、担保評価額の算定根拠を整える
- 3.租税等請求権の有無を区別して原資を見積もる 対象会社の租税滞納の有無を把握する。租税等の請求権は51条1項ただし書で続行処分の配当が認められるため、自分に回ってくる原資の見込みを読むうえで税の優先回収分を控除して試算する
- 4.認可前終了に備えて執行手続を維持する 更生計画の認可前に手続が頓挫しそうな局面では、51条3項の配当復活を見越して執行手続を取り下げずに維持しておく。手続を畳んだ債権者は復活の恩恵を受けられない
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生で担保権はどうなりますか?
会社更生には別除権がなく、担保権者は更生担保権者として手続に取り込まれます。回収のタイミングと額は更生計画次第になり、競売による個別回収はできなくなります。
Q2会社更生と破産で担保権者の扱いはどう違いますか?
破産・民事再生では担保権者は別除権で別枠回収できますが、会社更生には別除権がありません。担保権も更生手続に取り込まれ更生計画の中で処理されます。
Q3会社更生 続行された競売の配当はいつ受けられますか?
続行されても配当等は実施できません(51条)。配当に充てるべき金銭は管財人に交付され、更生計画認可後に計画に従って弁済を受けることになります。
Q4会社更生で税金の差押えは止まらないのですか?
51条1項ただし書により、続行された処分における租税等の請求権への配当等は例外として実施できます。私債権より事実上先行して回収される建付けです。
Q5更生計画が認可される前に手続が終わったら配当はどうなりますか?
51条3項により、止まっていた配当が復活します。手続の性質に反しない限り本来の配当を実施しなければならないため、執行手続は取り下げず維持しておくのが安全です。
Q6会社更生の管財人は配当金をどう扱いますか?
配当に充てるべき金銭が生じたら、管財人に対し同額の金銭を交付しなければなりません(51条2項)。管財人はこれを更生財産に組み入れて処理します。
Q7商事留置権による競売も会社更生で止まりますか?
更生債権等を被担保債権とする留置権でも、商法・会社法以外の規定による留置権の競売は除外され、それ以外は配当が止まります。留置権の根拠条文で扱いが分かれます。
Q8会社更生で抵当権の優先弁済はなくなりますか?
優先的地位そのものは更生担保権として残ります。失われるのは個別の競売配当による即時回収であり、担保評価額をめぐる計画策定の攻防が回収額を左右します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1競売で配当金が出たのに、会社更生でそれが管財人に行くって、担保権者は丸損ですか?
丸損ではない。51条は配当金を一旦止めて管財人に交付させるだけで、あなたの担保権は更生担保権として更生計画の中で保護される。優先的地位自体は残り、計画に従って弁済を受ける。実務のポイント:会社更生には破産・民事再生のような別除権がなく、担保権者も手続に取り込まれる。だからこそ計画策定の段階で担保評価額を巡る攻防が回収額を左右する。配当を待つより、評価と計画案への関与に労力を割く方が実利が大きい
Q2税金の差押えだけ別扱いで配当できるって、なぜですか?
51条1項ただし書が、続行された処分における租税等の請求権への配当等を例外として認めているからだ。租税は公益性が高く、滞納処分の枠で先に処理される建付けになっている。実務のポイント:私債権者が管財人への交付を経て計画に委ねられる一方、税は続行処分で配当を受けられるため、現場の回収順位で税が事実上先行する。取引先の倒産時、税の滞納状況を把握しておくと、自分に回ってくる原資の見込みが読みやすくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「担保を取っているのだから、競売で得た配当は確実に自分のもの」と思いがちだが、会社更生では担保権者は更生担保権者となり、配当金はいったん管財人に交付されて更生計画の中で処理される。担保の存在を知っていても、それが更生手続でどれほど効力を制限されるかを知らない人が多い。これは認知の深さの問題だ
- 「会社更生も破産も同じ倒産手続だから、担保権者は別除権で別枠回収できる」と考える人がいるが、別除権は破産法・民事再生法の制度で、会社更生にはない。立てている前提そのものがずれている。会社更生では担保権も更生手続に取り込まれる、ここが破産と決定的に違う
- 「続行された手続なら配当も普通に行われる」と思われがちだが、51条は手続の続行と配当の実施を切り離している。手続は止めずに進めても、出口の配当だけは封じる。続行=回収完了ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 51条:続行された執行・担保権実行での配当等の停止 | 50条:他の手続の中止・続行・解除の決定 72条:管財人の権限・機関の権限回復 |
| 効果 | 配当に充てるべき金銭を管財人へ交付させる | 係属中の執行を止める/続けるかを決める 誰が更生会社の財産を管理処分するかを定める |
| 債権者にとっての意味 | 個別の抜け駆け回収(出口の配当)を封じる | 手続の入口で執行の運命が決まる 交付先が管財人か更生会社かが変わる |
| 例外・復活 | 租税等は例外、認可前終了で配当復活(3項) | 解除決定により担保権実行が可能になる場合あり 権限回復後・手続終了後は交付先が更生会社へ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は重整裁定後、公司に対する強制執行・破産・和解等の手続が当然停止する構成。個別執行を再建手続に取り込む発想は日本と共通する
韓国は回生手続開始後に中止・금지명령で個別執行を止める。担保権を回生担保権として手続に取り込む点も日本に類似する
ドイツは倒産手続開始により個別債権者の強制執行を一律禁止する執行禁止を採る。担保権者の扱いは別除(Absonderung)の枠組みで日本とは構造が異なる
米国は申立てと同時に自動的停止が発効し、担保権実行を含む取立行為が広く止まる。Chapter 11再建は会社更生法の元来のモデルの一つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の工場に抵当権を設定し、競売を申し立て、配当期日も決まった。そこへ更生手続開始決定。もしこの配当金が管財人に渡されたら、担保権者として優先弁済を受けられないのか? 答えは、会社更生では担保権者は別除権者ではなく更生担保権者として扱われ、回収のタイミングと額が更生計画次第に変わる、だ。差押えの強さがそのまま通用しない世界に入る
- あなたが税務当局側で、滞納処分による差押え・公売を進めていた。会社更生が始まっても、租税等の請求権については51条1項ただし書で配当等を実施できる。私債権者が金を管財人に吸い上げられて待たされる中、税だけは続行処分の枠内で先に回収できる。この非対称が、現場での回収順位を実際に左右する
- 更生計画の認可決定が出る前に、更生手続が廃止・終了した。あと数日で配当期日。51条3項により、止まっていた配当が復活する。手続終了の報を見たら、すぐ執行裁判所に配当再開の可否を確認せよ
取るべき行動
被害を受けた側:担保権者・執行債権者の立場なら、1. 対象会社の更生開始決定の有無と、自分の手続が50条で続行されたか失効したかを直ちに確認2. 配当に充てるべき金が生じたら管財人に交付される建付けを前提に、自分の債権を更生担保権として届け出る準備をする3. 租税等請求権でない限り個別配当は受けられないと割り切り、回収戦略を更生計画への関与へ切り替える4. 計画認可前に手続が終了しそうな局面では、51条3項の配当復活に備えて執行手続を維持する
訴えられた側:更生会社側・管財人の立場なら、1. 続行された手続・処分から配当に充てるべき金銭が生じたら、51条2項により当該額を管財人へ交付させ更生財産に組み入れる2. 租税等請求権への配当(1項ただし書)は控除して計算し、二重取りを防ぐ3. 留置権による競売のうち商法・会社法以外の留置権分は除外規定の対象なので扱いを区別4. 機関の権限回復(72条4項)後や手続終了後は、交付先が更生会社自身になる点を経理上明確にする
時効(請求できる期限):本条に消滅時効はない。基準時は「配当等に充てるべき金銭が生じたとき」(更生計画認可決定がなければ当該決定があったとき)であり、3項の配当復活は更生計画認可決定前に更生手続が終了したときに生じる。個別の届出期限は更生手続全体のスケジュール(債権届出期間等)に従うため、開始決定の通知を受けたら期間を直ちに確認すること
学説
通説:51条は手続の続行と配当の実施を切り離す技術により、個別執行による回収と集団的・公平な事業再建のバランスを取るものと理解される。配当充当金を管財人に集約することで抜け駆け回収を防ぎ、租税等の公益性の高い請求権と認可前終了の場合には例外的に個別回収の利益を保護する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:旧会社更生法(昭和27年法律第172号)を全面改正し、現行会社更生法(平成14年法律第154号)を制定。手続の続行・中止と配当停止の枠組みを整理した。
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