要点会社更生法93条の2は、転得者への否認が行われた場合、転得者が更生会社の受けた反対給付の価額を共益債権として償還請求できると定める。管財人の価額償還では転得者の取得コストが控除される。
Q · 倒産会社から転売された設備を知らずに買ったら、管財人に取り上げられて丸損ですか?
丸損ではなく対価相当額を共益債権で取り戻せます
会社更生法93条の2により、転得者に対する否認権が行使されても丸損にはなりません。転得者は第91条の2第1項各号の区分に応じた権利を有し、更生会社が受けた反対給付の価額を共益債権者として優先的に償還請求できます(第1項ただし書)。また管財人が現物返還に代えて価額償還を選ぶ場合は、転得者が前者へ払った取得コスト分が控除されます(第5項)。ただし相手方が隠匿等の処分意思を知っていた悪質類型では権利が縮減します(第2項)。
中古の機械設備をある業者から買った。その業者は、もともと別の会社から仕入れていた。半年後、その大元の会社が会社更生手続に入る。すると、あなたのもとに管財人から通知が届く。「その設備は更生会社財産に復すべきものだ、引き渡せ」。これが転得者(てんとくしゃ、第三者を介して財産を二次取得した人)に対する否認権の行使だ。あなたは取引に何の落ち度もないのに巻き込まれる。だが本条は、丸裸で取り上げられそうなあなたに一本のロープを握らせる。元の取引が否認されたとき、転得者であるあなたは、更生会社が受け取った反対給付(対価)の価額について、共益債権者(更生債権より先に弁済される優先的地位の債権者)として償還を請求できる。さらに管財人が現物の返還ではなく価額の償還を選ぶ場合、あなたが財産を取得するために払ったコスト分は控除される(第5項)。知らなければ言い値で持っていかれる、知っていれば取り返せる。その分岐点がこの条文だ。
会社更生法93条の2は、転得者に対する否認権の効果を定める規定である。更生会社の行為が転得者への否認により否認されたとき、転得者は第91条の2第1項各号の区分に応じた権利を行使でき、一定の場合には更生会社が受けた反対給付の価額について共益債権者として償還を請求できる。管財人は現物返還に代えて価額償還を選択でき、その際は転得者の取得コストが控除される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
第三者を介して財産を二次取得した人をいいます。倒産会社が流出させた財産を直接の相手方からさらに買い受けた買主が典型例で、会社更生法93条の2の対象になります。
倒産直前の財産流出取引を巻き戻し、債権者全体のために財産を更生会社へ取り戻す管財人の権利です。その効力は取引の二次取得者である転得者にも及びます。
はい。共益債権は手続外で随時・優先的に弁済される強い地位で、大幅カットされる更生債権とは扱いが異なります。だから共益債権枠の確保が回収率を左右します。
あります。会社更生法98条により行使期間の制限があり、一般に更生手続開始から2年、行為時から20年程度の除斥とされます(最新の改正状況は要確認)。
詐害行為否認は更生会社の相手方に対するもの、転得者否認はその相手方からさらに取得した者に対するものです。93条の2は否認の効果が転得者に及ぶ場面を規律します。
あります。譲渡元が直前に親会社等から資産を移していた場合、その移転が否認対象だと買主が転得者として返還を求められます。デューデリで連鎖をたどる必要があります。
第5項により、財産の価額から共益債権となる額(転得者の取得コスト等、第4項の上限あり)を控除した額になります。控除の根拠資料を先に出すかで最終額が動きます。
影響しえます。登記が有効でも、更生会社からの最初の移転が否認対象なら効果は転得者まで及びます。本条により現物を失っても対価相当額を優先回収できます。
転得者に対する否認(会社更生法第93条)が成立すれば、財産は更生会社財産へ復します。ただし無条件ではなく、転得者の主観要件や前者との関係が問われます。そして否認されても、本条第1項により更生会社が受けた反対給付の価額を共益債権として請求できます。業界裏話ヒント:実務では管財人が現物返還と価額償還のどちらを選ぶかで転得者の手取りが変わります。第5項の価額償還なら取得コストが控除されるため、どちらの方式かを最初に確認するのが分かれ目です
共益債権は更生債権に優先して随時弁済される強い地位です(更生債権が大幅カットされるのに対し、共益債権は手続外で優先弁済される)。だから「否認されたら丸損」ではなく、優先枠を確保できるかが争点になります。業界裏話ヒント:同じ被否認でも、共益債権者として扱われるか単なる更生債権者に落とされるかで回収率が桁違いです。本条第1項各号と第2項のどちらが適用されるか(隠匿等の処分意思の有無)が、その境目を決めます
第5項で管財人は、現物返還に代えて価額償還を選べます。この場合、財産の価額から共益債権となる額(あなたの取得コスト等)を控除した額の支払を求められます。つまりあなたが払ったコスト分は差し引かれる建付けです。業界裏話ヒント:控除額の算定根拠(前者へ払った反対給付や消滅した債権の価額、第4項の上限)を資料で固めて先に出すかどうかで、最終精算額が動きます。管財人任せにすると控除を小さく見積もられがちです
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 否認の名宛人 | 93条の2:転得者(二次取得者) | — |
| 取得者が得る権利 | 91条の2第1項各号の区分に応じた権利+反対給付価額の共益債権(第1項ただし書) | — |
| 悪質類型での縮減 | 第2項:隠匿等の処分意思を相手方が知っていた場合は権利縮減 | — |
| 管財人の選択肢 | 第5項:現物返還に代えて控除後の価額償還を請求可 | — |
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