会社更生法 第12条(支障部分の閲覧等の制限)
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- 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、更生会社(開始前会社及び開始前会社又は更生会社であった株式会社を含む。以下この条において同じ。)の事業の維持更生に著しい支障を生ずるおそれ又は更生会社の財産に著しい損害を与えるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した保全管理人、管財人又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び更生会社(管財人又は保全管理人が選任されている場合にあっては、管財人又は保全管理人。次項において同じ。)に限ることができる。
- 一第三十二条第一項ただし書、第四十六条第二項前段又は第七十二条第二項(第三十二条第三項において準用する場合を含む。)の許可を得るために裁判所に提出された文書等
- 二第八十四条第二項の規定による報告又は第百二十五条第二項に規定する調査若しくは意見陳述に係る文書等
- 2.前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び更生会社を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。
- 3.支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、更生裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。
- 4.第一項の申立てを却下した決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
- 5.第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。
この条文の基本情報
支障部分の閲覧等の制限とは何ですか?
定義支障部分の閲覧等の制限とは、会社更生法第12条に定められた規定で、「次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第12条(支障部分の閲覧等の制限)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第12条の条文原文は「次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。」で始まります。
- 会社更生法第12条は第一章 総則に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第12条の前の条は会社更生法第11条です。
- 会社更生法第12条の次の条は会社更生法第13条です。
- 会社更生法第12条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第12条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第12条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法12条は、閲覧されると事業の維持更生に著しい支障が生じる支障部分について、裁判所が管財人らの申立てにより閲覧できる者を申立人と更生会社に限定できると定める。
Q · 会社更生の裁判記録が黒塗りで見られないとき、どうすればいいですか?
支障部分は管財人らの申立てで制限できますが、取消しの申立てで争えます
会社更生法12条により、保全管理人・管財人・調査委員の申立てがあり、閲覧で更生会社の事業の維持更生に著しい支障又は財産への著しい損害が生じるおそれが疎明されると、裁判所はその支障部分を閲覧できる者を申立人と更生会社に限定できます。締め出された利害関係人は、要件を欠くこと又は欠くに至ったことを理由に取消しの申立てができ(3項)、却下されても即時抗告で争えます(4項)。制限を取り消す決定は確定しなければ効力を生じません(5項)。
解説
取引先が会社更生手続に入った。あなたは数千万円の売掛金を抱える債権者で、裁判所に提出された資料を閲覧して回収の見込みを探ろうとする。ところが肝心の部分が見られない。会社更生法12条は、保全管理人・管財人・調査委員の申立てにより、裁判所が特定の文書の「支障部分」、つまり閲覧されると会社の事業の維持更生に著しい支障が出る、あるいは財産に著しい損害が出る部分について、閲覧できる者をその申立人と更生会社だけに限定できると定める。倒産手続の記録は原則公開だが、この条文だけは例外だ。重要なのは、締め出された側にも反撃手段が用意されている点。要件を欠くと考えるなら取消しの申立て(3項)ができ、却下されても即時抗告(4項)で争える。さらに制限を取り消す決定は確定しなければ効力を生じない(5項)。知っているかどうかで、見えない情報を見えるようにできるかが変わる。
法的な位置づけ
会社更生法12条は支障部分の閲覧等の制限を定める規定であり、提出文書を閲覧されると更生会社の事業の維持更生に著しい支障又は財産への著しい損害が生じるおそれがある部分について、裁判所が保全管理人・管財人・調査委員の申立てにより閲覧請求権者を申立人と更生会社に限定できる旨を規定する。倒産手続記録の原則公開に対する例外として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.支障部分の制限決定の根拠と範囲を確認 支障部分の閲覧制限決定が出たら、どの文書のどの範囲が遮断されたか、制限の根拠とされた事情を確認する。第32条許可関係文書か、第84条報告・第125条調査関係文書かで性質も異なる
- 2.要件充足を検討(当初欠くか、欠くに至ったか) 「事業の維持更生に著しい支障」「財産に著しい損害」という高い要件を本当に満たすか検討する。当初から欠くのか、スポンサー確定など事後の事情で欠くに至ったのかを切り分ける
- 3.更生裁判所に取消しの申立て(12条3項) 要件を欠くこと又は欠くに至ったことを理由に、更生裁判所へ取消しの申立てを行う。抽象的な不服ではなく、要件不充足を具体的に示す
- 4.却下なら即時抗告で上級審へ(12条4項) 取消しの申立てが却下されたら即時抗告で争う。即時抗告には期間制限があるため、却下決定の告知から期間内に申し立てる。期間を逃すと手続が進む間は閲覧できない
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法の支障部分とは何ですか?
閲覧されると更生会社の事業の維持更生に著しい支障、又は財産に著しい損害が生じるおそれがある文書の部分を指します(会社更生法12条1項)。スポンサー交渉資料や取引先リストが典型です。
Q2会社更生の裁判記録は誰でも閲覧できますか?
原則は利害関係人が閲覧・謄写できますが、12条で支障部分の閲覧が制限されると、申立人と更生会社以外は閲覧できなくなります。倒産記録は原則公開で12条が例外です。
Q3支障部分の閲覧制限はいつまで続きますか?
制限の申立てがあると、その申立てについての裁判が確定するまで利害関係人は閲覧できません(2項)。制限決定が維持される限り、手続中は閲覧できない状態が続きます。
Q4黒塗りされた更生事件記録を見る方法はありますか?
要件を欠くこと又は欠くに至ったことを理由に、更生裁判所へ取消しの申立てができます(3項)。スポンサー確定など支障が消える節目を狙うのが定石です。
Q5支障部分の閲覧制限を申し立てられるのは誰ですか?
当該文書を提出した保全管理人・管財人・調査委員に限られます(1項)。一般の債権者や株主が制限を申し立てることはできません。
Q6会社更生と民事再生・破産で閲覧制限のルールは同じですか?
ほぼ同じ仕組みです。破産法12条、民事再生法17条にも支障部分の閲覧制限の同種規定があり、母法は民事訴訟法92条の秘密記載部分の閲覧制限です。
Q7支障部分の制限に対する即時抗告の期限はいつですか?
制限申立ての却下決定や取消し裁判には即時抗告ができます(4項)。即時抗告には期間制限があり、会社更生法9条・民訴の即時抗告期間に従います。時機を逃さないことが重要です。
Q8支障部分の制限を取り消す決定はすぐ効力が生じますか?
いいえ。制限を取り消す決定は確定しなければ効力を生じません(5項)。取消し決定が出ても、確定するまでは閲覧が開かれない点に注意が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社更生の裁判記録って、債権者なら全部見られるんじゃないんですか?
原則は閲覧・謄写できますが、会社更生法12条で例外があります。閲覧すると更生会社の事業の維持更生に著しい支障、または財産に著しい損害が生じるおそれがある「支障部分」は、管財人らの申立てで閲覧できる者が申立人と更生会社に限定されます。実務のポイント:支障部分の典型はスポンサー交渉資料や取引先・取引条件のリスト。再生の生命線になる情報ほど黒塗りされる。逆に言えば、黒塗りの位置から会社が何を守りたいかが透けて見えることもある。
Q2黒塗りされた部分、どうしても見たいときは諦めるしかない?
諦める必要はありません。要件を欠く、または欠くに至ったことを理由に、更生裁判所へ取消しの申立てができます(12条3項)。却下されても即時抗告で争えます(4項)。実務のポイント:狙い目は「欠くに至った」場合。スポンサーが確定し交渉が終結すれば、当初あった支障は消える。手続の節目を見計らって取消しを申し立てると、以前は見られなかった情報が開くことがある。漫然と待つより節目を狙うのが定石。
間違えやすい点 AI による整理
- 「倒産した会社の裁判記録は全部閲覧できる」と思われているが、12条は明確な例外を作る。事業価値に直結する情報は、裁判所の決定で特定の利害関係人から遮断されうる
- 支障部分の制限があること自体は知っていても、その「重さ」を見落としがち。制限の申立てがあると、その申立てについての裁判が確定するまで利害関係人は閲覧できなくなる(2項)。回収戦略を立てる肝心な時期に、情報の空白を強いられる
- 「黒塗りされたら諦めるしかない」という問いの立て方がそもそも誤り。本当の問いは「要件を欠くこと、または欠くに至ったことを疎明できるか」。取消しの申立て(3項)という反撃ルートを使えるかどうかが分岐点だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される手続 | 会社更生法12条:会社更生手続の記録 | 破産法12条:破産手続の記録 民事再生法17条:民事再生手続の記録 |
| 原則との関係 | 会社更生法11条(記録閲覧の一般原則)の例外 | 破産手続の記録閲覧原則の例外 民事再生手続の記録閲覧原則の例外 |
| 制限の要件 | 事業の維持更生に著しい支障 又は 財産に著しい損害のおそれ+疎明 | 同種の支障・損害要件+疎明 同種の支障・損害要件+疎明 |
| 是正手段 | 取消しの申立て(3項)+即時抗告(4項) | 同種の取消し・即時抗告 同種の取消し・即時抗告 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は公司重整制度を持つが、支障部分に相当する記録閲覧の限定規定は会社更生法ほど明文化されていない。重整監督人・重整人の報告書を中心に閲覧範囲が運用される
韓国は会社更生・和議・破産を統合した債務者回生法を持ち、回生手続記録の閲覧制限についても日本と類似の枠組みを採る
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)手続の中で機密情報を扱い、記録閲覧は裁判所の裁量で制限されうるが、日本のような独立した支障部分条文の形式はとらない
米国連邦倒産法 §107(b) は営業秘密・機密商業情報を含む記録の保護を裁判所に命じ、Chapter 11の再建手続でも事業価値に関わる情報が封印されうる。日本の支障部分制限の機能的対応物
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の会社更生で、提出資料の核心部分が黒塗りで見られない。これは正当な支障部分なのか、それとも管財人が都合の悪い情報を隠しているだけなのか。要件を欠くと考えるなら、取消しの申立て(12条3項)で争えば、裁判所が要件を満たすか再審査する
- あなたが管財人で、スポンサー候補との交渉資料や取引先リストが閲覧されると、ライバルに事業価値を持っていかれかねない。12条1項で支障部分の閲覧制限を申し立てる。ただし「疎明」が必要で、抽象的な不安では足りず、なぜ閲覧で事業更生に著しい支障が出るかを具体的に示す
- 支障部分の閲覧を求めて取消しを申し立てたが却下された。即時抗告には期間制限がある。この壁を逃すと、その情報は手続が進む間ずっと見られない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 支障部分の制限決定が出たら、その根拠と遮断された範囲を確認2.「事業の維持更生に著しい支障」「財産に著しい損害」という高い要件を本当に満たすか検討し、当初から欠くのか、事後に欠くに至ったのかを見極める3. 要件を欠くなら更生裁判所に取消しの申立て(12条3項) 4. 却下されたら即時抗告(4項)で上級審へ。期間制限があるため時機を逃さないこと
訴えられた側:1. 制限したい文書の支障部分を特定し、抽象的な不安ではなく「なぜ閲覧で事業更生に著しい支障や財産への著しい損害が生じるか」を具体的に疎明する資料を準備2. 保全管理人・管財人・調査委員として裁判所に申立て(12条1項) 3. 認められれば確定前でも閲覧停止効が生じる(2項) 4. 取消しの申立てや即時抗告に備え、支障が継続している事情を随時補強する
時効(請求できる期限):支障部分の制限申立てや取消しの申立て自体に出訴期間の定めはないが、却下決定や取消し裁判への即時抗告には期間制限がある(会社更生法9条、民事訴訟法の即時抗告期間。最新の規定をご確認ください)。なお、制限決定を取り消す決定は確定しなければ効力を生じない(5項)
改正沿革 AI による整理
- 平成14年(2002年)全部改正 昭和27年制定の旧会社更生法を全面改正した新会社更生法(平成14年法律第154号、平成15年4月1日施行)により、破産法・民事再生法と歩調を合わせて支障部分の閲覧等の制限制度が整備された。事業価値に関わる情報の保護と手続透明性の調和を図る現代的仕組みとして新設された
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