受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

会社更生法 第134条

クイックジャンプ
  1. 更生手続開始後の原因に基づいて生じた財産上の請求権(共益債権又は更生債権等であるものを除く。)は、開始後債権とする。
  2. 2.開始後債権については、更生手続が開始された時から更生計画で定められた弁済期間が満了する時(更生計画認可の決定前に更生手続が終了した場合にあっては更生手続が終了した時、その期間の満了前に更生計画に基づく弁済が完了した場合にあっては弁済が完了した時)までの間は、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。
  3. 3.開始後債権に基づく更生会社の財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分、担保権の実行及び企業担保権の実行並びに開始後債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続の申立ては、前項に規定する期間は、することができない。開始後債権である共助対象外国租税の請求権に基づく更生会社の財産に対する国税滞納処分の例によってする処分についても、同様とする。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 会社更生法第134条は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
  2. 会社更生法第134条の条文原文は「更生手続開始後の原因に基づいて生じた財産上の請求権(共益債権又は更生債権等であるものを除く。」で始まります。
  3. 会社更生法第134条は第二節に置かれています。
  4. 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
  5. 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 会社更生法第134条の前の条は会社更生法第133条です。
  7. 会社更生法第134条の次の条は会社更生法第135条です。
  8. 会社更生法第134条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第134条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154
  • 本サイト収録会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第134条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/134

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点会社更生法134条は、更生手続開始後に生じた共益債権でも更生債権でもない請求権を「開始後債権」と定め、計画の弁済期間満了まで弁済も強制執行も禁止する。

Q · 倒産した取引先と手続開始後に取引した代金は、優先して払ってもらえるの?

原則払われない。共益債権でなければ計画満了まで凍結される

会社更生法134条により、更生手続開始後に生じた請求権でも、共益債権(127条)にも更生債権にも当たらないものは「開始後債権」となります。開始後債権は、手続開始時から更生計画の弁済期間が満了するまで、弁済を受けることも強制執行・仮差押え・担保権実行もできません(134条2項・3項)。優先されるのは、管財人の関与のもと事業継続のために生じた共益債権だけです。あなたの債権が共益債権と認められるかどうかが、回収できるか凍結されるかの分かれ目になります。

解説

取引先が会社更生手続に入った。その後もあなたは部品を納め続け、請求書を送った。手続開始後の取引だから普通に払ってもらえる、そう思っていたら、その債権が宙に浮く。会社更生法134条が定める「開始後債権」だ。更生手続開始後の原因で生じた財産上の請求権のうち、共益債権でも更生債権でもないもの。この第三のカテゴリーに落ちた瞬間、あなたの債権は更生計画で定められた弁済期間が満了するまで、弁済を受けることも、強制執行も、仮差押えも、担保権実行も一切できなくなる。更生債権者は計画に従って配当を受け、共益債権者はいつでも随時弁済される。だが開始後債権は、その全員が片付き、計画期間が終わってからようやく回収の順番が回ってくる。倒産手続の中で最も忘れられた、最も後回しにされる債権だ。あなたの債権がここに分類されるかどうかは、それが「共益債権」と認められるかの一点にかかっている。

法的な位置づけ

開始後債権とは、会社更生法134条が定める、更生手続開始後の原因に基づいて生じた財産上の請求権のうち、共益債権にも更生債権等にも該当しないものをいう。手続開始時から更生計画の弁済期間が満了するまで、弁済・受領・消滅行為および強制執行・仮差押え・担保権実行が禁止され、倒産手続上もっとも劣後する第三のカテゴリーとして位置づけられる。

よくある質問 AI による整理

Q1開始後債権とは何ですか?

会社更生法134条が定める、手続開始後に生じた請求権のうち共益債権にも更生債権にも当たらないものです。計画の弁済期間が満了するまで弁済も執行も凍結されます。

Q2開始後債権はいつ払ってもらえますか?

更生計画の弁済期間が満了した後です。計画認可前に手続が終了すればその時、期間満了前に弁済が完了すればその時まで凍結されます(134条2項)。

Q3開始後債権と更生債権の違いは何ですか?

更生債権は手続開始前の原因で生じた債権で計画に従い配当を受けます。開始後債権は開始後の原因で生じ、共益債権でもなく、計画満了まで凍結される第三のカテゴリーです。

Q4取引先が会社更生に入ったら売掛金はどうなりますか?

開始前の売掛金は更生債権、開始後の取引代金は共益債権か開始後債権かで扱いが分かれます。管財人の承認のもと事業継続のためなら共益債権、そうでなければ開始後債権です。

Q5開始後債権でも差押えはできますか?

できません。134条3項が、計画の弁済期間中は強制執行・仮差押え・仮処分・担保権実行・財産開示手続・情報取得手続の申立てを禁止しています。

Q6開始後債権を共益債権に変えられますか?

分類自体は事実認定の問題です。事業継続に必要として管財人の承認を得ていれば共益債権(127条)を主張でき、計画の枠組みが固まる前に争うのが有効です。

Q7会社更生中の会社に事故でケガをしたら賠償はどうなりますか?

事業運営に伴う損害なら共益債権、そうでなければ開始後債権に落ちることがあり、被害者でも計画満了まで賠償を受けられない場合があります。

Q8管財人が開始後債権を払ってしまったらどうなりますか?

134条2項に反する弁済は許されず、管財人は善管注意義務違反の責任を問われかねません。弁済前に分類の確認が必須です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1更生手続が始まった後に取引した分は、ちゃんと優先して払ってもらえますよね?

そうとは限りません。会社更生法134条の開始後債権に当たると、計画の弁済期間が満了するまで弁済を受けられず、共益債権のような随時弁済もありません。優先されるのは管財人の関与のもとで事業継続のために生じた共益債権(127条)だけです。実務のポイント:実務では、更生会社との継続取引は必ず管財人の承認のもとで共益債権として扱うと確認してから動く。この一手間を惜しむと、同じ取引でも開始後債権に落ちて数年凍結される

Q2開始後債権だと、相手の財産を差し押さえることもできないんですか?

できません。134条3項が、開始後債権に基づく強制執行・仮差押え・仮処分・担保権実行・企業担保権実行を、計画の弁済期間中は明確に禁止しています。財産開示手続や第三者からの情報取得手続の申立ても同様です。実務のポイント:この執行禁止はあなたを縛るだけでなく、他の債権者も同じく縛られていることを意味する。計画期間中は誰も抜け駆けできず、焦って動く必要はない。むしろその間に分類を共益債権へ覆す交渉に時間を使うほうが合理的

Q3開始後債権と共益債権、何が決定的に違うんですか?

発生時点はどちらも手続開始後ですが、共益債権(127条)は更生手続の遂行や事業継続のために生じ、随時弁済され最優先で保護されます。開始後債権はそれ以外で、計画期間満了まで凍結されます。実務のポイント:分かれ目はその債権が更生のために役立ったか。同じ費用でも、事業継続に不可欠なら共益債権、そうでなければ開始後債権という判断になりうる。だから契約段階で事業継続に必要という位置づけを管財人と共有しておくことが効く

間違えやすい点 AI による整理

  • 「手続開始後に取引したのだから、普通の債権として優先的に払われる」と思いがちだが、逆だ。開始後債権は共益債権のように随時弁済されず、更生債権のように計画配当も受けられない。計画期間が満了するまで一切凍結され、倒産手続で最も劣後する立場になりうる
  • 開始後債権が後回しになることは知っていても、その「後回し」の深刻さを見誤っている人が多い。これは単に順番が後というだけでなく、3項で強制執行・仮差押え・担保権実行・財産開示手続まで封じられる。つまり計画期間中、あなたは法的手段で一円も取り立てられない。会社の財産がどう動こうと、ただ見ているしかない
  • 「開始後債権をどう優先的に回収するか」と考えること自体が、出発点を誤っている。問うべきは回収の順番ではなく、そもそもこの債権を開始後債権という分類から脱出させ、共益債権(127条)に当たらないかを争えないかだ。土俵を選び直さない限り、どんな回収努力も計画期間が終わるまで実を結ばない
比較の観点この条文ほかの条文
発生原因と時点開始後債権(134条):手続開始後の原因に基づく請求権で共益債権・更生債権以外共益債権(127条):手続開始後、更生遂行・事業継続のために生じた請求権
更生債権:手続開始前の原因に基づいて生じた請求権
弁済の時期計画の弁済期間が満了するまで弁済・受領が禁止(134条2項)随時弁済され最優先で保護される
更生計画の定めに従って配当を受ける
強制執行の可否計画期間中は強制執行・仮差押え・担保権実行が一切できない(134条3項)随時弁済が原則で、執行に頼る必要が乏しい
計画外の個別執行は中止・禁止され、計画配当による
倒産手続上の地位もっとも劣後する第三のカテゴリー最優先で保護される地位
計画によって権利変更を受ける一般債権

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
公司法 第296条以下(公司重整)/破產法

台湾の公司重整でも重整裁定後の債権分類があり、重整債務(重整のための費用・債務)は優先的に弁済される点が日本の共益債権に近い。重整以外で生じた一般債権の扱いは日本の開始後債権の発想と対比できる

ドイツ
InsO § 38 / § 55

ドイツ倒産法は手続開始前の債権を Insolvenzforderung、開始後に管財人の行為等で生じた債権を Masseverbindlichkeit(財団債務、随時弁済)とし、いずれにも当たらない Neugläubiger の請求が日本の開始後債権に近い位置を占める

アメリカ
11 U.S.C. § 503 / Chapter 11

米国 Chapter 11では手続開始後の事業遂行に伴う費用は administrative expense として優先弁済される。これに当たらない開始後の請求は劣後し、日本の開始後債権の凍結と機能的に対応する

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 更生手続に入った取引先に、開始後も継続して資材を納入してきた。ところが管財人から「それは共益債権ではなく開始後債権です」と通知が来た。同じ納入でも、管財人の承認のもとで事業継続のために行われたものは共益債権、そうでないものは開始後債権。一枚の承認書類の有無で、いつ払われるかが数年単位で変わる
  • もし、あなたが開始後債権を握ったまま、相手会社の財産が他の債権者に持っていかれそうだと気付いたら? 134条3項により、あなたは強制執行も仮差押えもできない。手をこまねくしかないのか。残された道は、その債権が本当は共益債権だと主張して分類を覆すこと。動けるのは更生計画の枠組みが固まる前後しかない
  • 更生手続中の運送会社のトラックに追突され、あなたは怪我をした。事業運営に伴うものなら共益債権だが、そうでなければ開始後債権。治療費の請求権が、会社の更生計画が終わるまで凍結されかねない。被害者なのに、いちばん後回しにされる
  • あなたが更生会社の管財人だとして、開始後に生じた請求権を「うっかり」弁済してしまったら? 134条2項違反だ。その弁済は許されず、あなたは善管注意義務(プロとして当然払うべき注意のレベル)違反で責任を問われかねない。どの債権が開始後債権かを見極めるのが、管財人の日常業務になる

取るべき行動

被害を受けた側:1. まず自分の債権の発生原因と時点を特定する。更生手続開始決定の日付と、債権発生の前後を確認2. 共益債権(会社更生法127条)に当たらないかを最優先で検討、事業継続・管財人の関与・更生のための費用に関連するなら共益債権を主張3. 管財人に対し書面で分類の確認を求め、開始後債権とされたら根拠を質す4. 134条2項により計画期間中は弁済を受けられないため、回収の見通しは計画期間満了後を見据えて立てる。安易な強制執行は3項で封じられている

訴えられた側:1. あなたが管財人なら、開始後に生じた請求権を弁済する前に必ず分類を確認、134条2項に反する弁済は許されず善管注意義務違反のリスク2. 共益債権(127条)と開始後債権の線引きを記録に残し、判断根拠を文書化3. 債権者から共益債権だと主張されたら、事業継続への必要性・管財人の関与の有無で反論4. 計画期間中の弁済禁止・執行禁止を債権者に正確に説明し、無用な紛争を避ける

時効(請求できる期限):開始後債権そのものに固有の出訴期限はないが、134条2項により、更生手続開始時から更生計画の弁済期間満了時(認可決定前に手続終了なら終了時、期間満了前に弁済完了なら完了時)までは、弁済・受領・執行が一切できない。請求権自体の消滅時効は発生原因となる実体法(例:不法行為なら民法724条、契約上の債権なら民法166条)に従う(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:共益債権(127条)と開始後債権(134条)の区別は、当該請求権が更生手続の遂行や事業継続のために生じたか否かによる。事業継続に必要として管財人の関与のもとで生じたものは共益債権として随時弁済され、それ以外で手続開始後に生じたものは開始後債権として計画期間満了まで凍結される、と解されている。

改正沿革 AI による整理

  • 平成14年(2002年)制定 現行会社更生法(平成14年法律第154号)として全部改正され、開始後債権の定義と弁済・執行の禁止が現在の枠組みで整備された
  • 令和元年(2019年)改正、令和2年(2020年)施行 民事執行法改正に伴い、3項の禁止対象に第三者からの情報取得手続の申立てが追加されたとみられる。改正年・改正内容は人的検証を要する

改正の年表

  1. 1.昭和27年(1952年) 新設:旧会社更生法が制定され、米国連邦倒産法の更生型手続を範として更生手続上の債権分類が導入された
  2. 2.平成14年(2002年) 改正:現行会社更生法(平成14年法律第154号)として全部改正。開始後債権の定義と、弁済・受領の禁止および強制執行等の禁止が現在の枠組みで整備された

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

会社更生法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›