会社更生法 第149条(債権届出期間経過後の退職による退職手当の請求権の調査の特例)
クイックジャンプ
- 第百四十条第二項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定による届出があった更生債権等の調査については、第百四十五条から前条までの規定は、適用しない。当該更生債権等について、第百三十九条第五項の規定による届出事項の変更があった場合についても、同様とする。
- 2.前項の届出又は届出事項の変更があった場合には、裁判所は、同項の更生債権等の調査を行うため、直ちに、その旨を、管財人及び更生会社に通知しなければならない。
- 3.管財人は、前項の規定による通知があった日から三日以内に、裁判所に対し、書面で、第一項の更生債権等についての第百四十六条第二項各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める事項について、異議を述べることができる。更生会社が当該更生債権等の内容について異議を述べる場合についても、同様とする。
- 4.前項前段の規定による異議があったときは、裁判所書記官は、直ちに、その旨を、第一項の届出又は届出事項の変更をした更生債権者等に通知しなければならない。
この条文の基本情報
債権届出期間経過後の退職による退職手当の請求権の調査の特例とは何ですか?
定義債権届出期間経過後の退職による退職手当の請求権の調査の特例とは、会社更生法第149条に定められた規定で、「第百四十条第二項(同条第三項において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第149条(債権届出期間経過後の退職による退職手当の請求権の調査の特例)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第149条の条文原文は「第百四十条第二項(同条第三項において準用する場合を含む。」で始まります。
- 会社更生法第149条は第一款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第149条の前の条は会社更生法第148条の2です。
- 会社更生法第149条の次の条は会社更生法第150条です。
- 会社更生法第149条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第149条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第149条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/149
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法149条は、届出期間経過後に届け出られた退職手当の請求権について通常の調査を行わず、管財人・更生会社が三日以内に異議を述べる特別調査手続を定める。
Q · 債権届出の締切を過ぎてから会社更生中に退職したら、退職金はもう請求できないの?
管財人が三日以内に異議を述べなければ確定へ進みます
会社更生法149条により、債権届出期間の経過後に140条2項で届け出られた退職手当等の請求権は、145条から148条までの通常の調査手続によらず、特別な調査手続で扱われます。裁判所が管財人と更生会社へ通知し、管財人・更生会社は通知日から三日以内に限り異議を述べることができます。異議がなければ退職手当債権はそのまま確定へ進みます。
解説
勤めていた会社が会社更生手続に入った。あなたが債権届出の期間を過ぎてから退職したら、退職金はどうなるのか。普通なら届出期間を過ぎた債権は厄介者扱いだが、退職という出来事はあなたの意思だけで起こるものではない。会社更生法149条は、こうした後から発生した退職手当の請求権について、通常の調査手続(認否書の作成、調査期間、145条から148条)を丸ごと外し、専用の速い手続を用意している。流れはこうだ。あなたが140条2項で届け出ると、裁判所が直ちに管財人と更生会社へ通知する。管財人や会社が異議を述べられるのは、通知の日からたった三日以内。異議がなければ、あなたの退職金債権はそのまま確定へ進む。この三日という短さこそ、後から退職した人の権利を宙ぶらりんにしないための仕掛けである。
法的な位置づけ
会社更生法149条は、退職手当等の特別調査を定める規定である。債権届出期間の経過後に140条2項により届け出られた退職手当等の請求権については、145条から148条までの通常の調査手続を適用せず、裁判所の通知後三日以内に管財人または更生会社が異議を述べる簡易迅速な手続によって調査が行われる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.退職事由が確定したら直ちに140条2項で届出 届出期間を過ぎていても放置せず、退職の事由が確定したら速やかに更生債権として退職手当を届け出る。届出が早いほど管財人への通知も早まり、更生計画の弁済枠が固まる前に確定の列へ並べられる
- 2.届出書に算定根拠と優先権区分を添える 退職金規程・勤続年数・基準額の算定根拠を添付し、共益債権か優先的更生債権か(130条)の優先権の区分まで明記する。額だけ書いて優先権を書き忘れると後で取り戻すのが難しい
- 3.通知後の「三日」の異議期間を把握する 裁判所が管財人・更生会社へ通知し、異議があれば裁判所書記官から連絡が来る(149条4項)。三日以内に異議がなければ確定へ進むため、通知後の動きを注視する
- 4.異議が出たら査定の申立て等で争う準備 異議の通知が届いたら、退職金規程・勤続年数・基準額を整理し、査定の申立て等で争う準備に入る。争点は146条2項各号の区分(額・原因・優先権等)に応じた事項に絞る
- 5.未払賃金立替払の対象も並行確認 更生手続の届出と並行して、賃金の支払の確保等に関する法律7条の未払賃金立替払の対象になるか確認する。二つのルートを同時に走らせ、退職金を二重に取りこぼさない
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法149条とはどんな規定ですか?
債権届出期間の経過後に届け出られた退職手当等について、通常の調査手続(145〜148条)を外し、管財人・会社が三日以内に異議を述べる特別調査を定めた規定です。
Q2退職手当の届出はいつまでにすればいいですか?
140条2項により、届出できなかった事由(退職の発生)が消滅した後の所定期間内に届け出ます。締切後の退職でも遅れとは扱われず、別枠の手続に乗ります。
Q3管財人が異議を述べられる期間は何日ですか?
裁判所からの通知日から三日以内です(149条3項)。通常の調査期間より極端に短く、過ぎると異議の機会を失います。退職者を守る一方、管財人には鋭い関門になります。
Q4通常の更生債権調査と149条の調査は何が違いますか?
通常は認否書の作成・調査期間を経ますが、149条は145〜148条を丸ごと外します。裁判所の通知後、管財人・会社の異議は三日以内に限られる点が最大の違いです。
Q5異議が出された場合、退職者はどう対応すればいいですか?
裁判所書記官から異議の通知が届きます(149条4項)。その後は査定の申立て等で争う準備に入り、退職金規程・勤続年数・基準額などの算定根拠を整えて対応します。
Q6会社更生中に退職したら必ず149条が使えますか?
届出期間の経過後に退職手当が発生し、140条2項で届け出た場合に149条の特別調査が適用されます。期間内に既に発生していた債権は通常の調査手続によります。
Q7未払賃金立替払制度も同時に使えますか?
更生手続の届出と並行して、賃金の支払の確保等に関する法律7条の未払賃金立替払の対象になるか確認できます。二つのルートを取りこぼさないことが重要です。
Q8退職手当の届出書には何を記載しますか?
退職金規程、勤続年数、基準額などの算定根拠に加え、共益債権か優先的更生債権かの優先権の区分(130条)まで主張して記載します。優先権の書き忘れが実務で最も損です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1債権の届出期間を過ぎてから退職したら、退職金はもう請求できないんですか?
請求できます。退職という事情は期間内に生じていなかったので、140条2項で改めて届け出られ、149条の特別調査に乗ります。通常の調査期間ではなく、管財人・会社の異議は通知から三日以内です。実務のポイント:この届出は早ければ早いほど有利。更生計画の弁済設計が固まる前に確定の列へ入れれば、配当の取り扱いで不利になりにくい。締切を過ぎたからと諦めて何もしないのが、実は一番の損だ。
Q2退職金って、更生手続では他の借金より先に払ってもらえるんですか?
一部はそうです。149条は『調査』の手続ですが、優先順位は130条で決まり、一定範囲の退職手当は共益債権や優先的更生債権として、一般の更生債権より優遇されます。実務のポイント:共益債権か優先的更生債権かで受取時期も満額か否かも変わる。届出時に優先権の区分まで主張しないと、後で取り戻すのは難しい。額だけ書いて優先権を書き忘れる届出が、実務では最ももったいない。
間違えやすい点 AI による整理
- 「届出期間を過ぎたら退職金は諦めるしかない」という前提でつまずく人が多い。だがあなたが立てた問いそのものが誤っている。期間内に届け出られなかった理由が『退職がまだ起きていなかった』ことなら、それは遅れではなく、そもそも別枠の手続(149条)で扱われる対象である。
- 149条の存在は知っていても、その『三日』の重さを知らない人がいる。管財人や会社が異議を述べる期間は通知日から三日、通常の調査期間より圧倒的に短い。退職金の額や勤続年数の確認が一日でも遅れれば、本来言えたはずの異議が言えなくなる。短さは退職者を守る一方、管財人側には鋭い刃になる。
- 「特別な手続だから、退職者側が何か特別な書類を整えないといけない」と思われがちだが、逆だ。退職者がすべきは140条2項に従って届け出ること。その後は裁判所が管財人と会社へ通知し、調査を回す。動く義務の多くは届出を受けた側にある。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される調査手続 | 149条:特別調査(145〜148条を適用除外) | 145〜148条:通常の更生債権調査(認否書・調査期間) 140条:届出期間経過後の届出(149条の入口) |
| 対象となる債権 | 届出期間経過後に届け出られた退職手当等 | 期間内に届け出られた一般の更生債権等 期間経過後に届出できる退職手当等(届出行為そのもの) |
| 異議の期間 | 裁判所の通知日から三日以内(149条3項) | 調査期間内(通常はより長い) —(届出規定のため異議概念なし) |
| 異議できる者 | 管財人・更生会社 | 管財人・更生債権者等 — |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は重整手続で重整債權として申報し、未払賃金は積欠工資墊償基金で別途保護する。後発の労働債権を専用の短い調査手続で扱う日本のような明文の特例は薄い
韓国は回生手続で回生債権として届け出る。賃金・退職金は共益債権・優先弁済の対象とされ、労働債権保護の方向性は日本と類似する
ドイツは Insolvenzverfahren で債権を Anmeldung し、賃金等は財団債権・優先順位で保護。届出後発の退職手当を三日の異議で処理する個別特例という枠組みは取らない
米国は従業員の賃金・福利厚生債権に金額上限付きの優先順位を与える。会社更生法はもともとチャプター X を母法としており、本条は日本独自に発展した手続細部
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 勤め先が会社更生を申し立て、債権届出の締切も過ぎた頃に、あなたは退職した。退職金の請求権は締切後に生まれたものだ、もう手遅れなのか? そうではない。140条2項で届け出れば149条の特別調査に乗る。締切に間に合わなかったこと自体は、ここでは問われない。
- あなたが管財人だとする。退職者から退職手当の届出が来た、と裁判所から通知が届いた。異議を述べられる窓は通知日から三日。退職金規程と在職期間を即座に照合し、過大な算定がないか確認しなければ、三日後には異議の機会が消える。調べる時間ではなく、判断を出す時間だと割り切るしかない。
- 更生会社の人事担当が、退職者の退職金額に誤りを見つけた。会社も149条3項で異議を述べられる。動けるのは三日、それだけだ。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 退職の事由が確定したら、放置せず140条2項に基づき更生債権として退職手当を届け出る。届出書には算定根拠(退職金規程、勤続年数、基準額)を添える。2. 裁判所から管財人・会社への通知後、三日の異議期間を意識する。異議が出れば裁判所書記官から連絡が来る(149条4項)。3. 異議が出たら査定の申立て等で争う準備に入る。4. 並行して未払賃金立替払(賃金の支払の確保等に関する法律7条)の対象になるか確認し、二重に取りこぼさない。
訴えられた側:1. 裁判所から149条2項の通知が来たら、三日以内が勝負と心得る。2. 退職金規程・在職期間・既払金を即照合し、額や優先順位(共益債権か優先的更生債権か、130条)に誤りがあれば書面で異議を述べる(149条3項)。3. 異議の対象は146条2項各号の区分(額・原因・優先権等)に応じた事項に限られる、争点を外さない。4. 三日を過ぎると異議の機会は失われるので、判断を後回しにしない。
時効(請求できる期限):管財人・更生会社の異議は、裁判所からの通知日から三日以内(149条3項)。この期間を過ぎると異議を述べられない。退職者側の届出自体は、140条2項により、届出できなかった事由(退職の発生)が消滅した後の所定期間内に行う必要がある(最新の改正状況をご確認ください)。
学説
通説:退職手当は退職という後発事情で生じるため、債権届出期間で一律に締め出すと労働者が自らの意思では避けられない事情で権利を失う。149条は後発の退職手当債権のみを通常調査から分離し、三日の短い異議期間で迅速性と手続保障を両立させた調整規定と理解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)。旧会社更生法を再構成し、届出期間経過後の退職手当等について通常調査を外す特別調査手続を整備した。
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める