会社更生法 第248条(再生手続における管財人による更生手続開始の申立て)
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- 再生手続における管財人は、再生債務者である株式会社に第十七条第一項に規定する更生手続開始の原因となる事実があるときは、裁判所(再生事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。以下この条において同じ。)の許可を得て、当該株式会社について更生手続開始の申立てをすることができる。
- 2.裁判所は、更生手続によることが債権者の一般の利益に適合すると認める場合に限り、前項の許可をすることができる。
- 3.裁判所は、第一項の許可の申立てがあった場合には、当該申立てを却下すべきこと又は当該許可をすべきことが明らかである場合を除き、当該申立てについての決定をする前に、第二百四十六条第三項に規定する労働組合等の意見を聴かなければならない。
- 4.第一項の規定による更生手続開始の申立てについては、第二十条第一項の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
再生手続における管財人による更生手続開始の申立てとは何ですか?
定義再生手続における管財人による更生手続開始の申立てとは、会社更生法第248条に定められた規定で、「再生手続における管財人は、再生債務者である株式会社に第十七条第一項に規定する更生手続開始の原因となる事実があるときは、裁判所(再生事件を取り扱う一人の裁判官又は…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第248条(再生手続における管財人による更生手続開始の申立て)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第248条の条文原文は「再生手続における管財人は、再生債務者である株式会社に第十七条第一項に規定する更生手続開始の原因となる事実があるときは、裁判所(再生事件を取り扱う一人の裁判官又は…」で始まります。
- 会社更生法第248条は第二節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第248条の前の条は会社更生法第247条です。
- 会社更生法第248条の次の条は会社更生法第249条です。
- 会社更生法第248条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第248条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第248条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/248
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法248条は、民事再生の管財人が更生開始原因のある会社について、裁判所の許可を得て会社更生手続開始を申し立てられると定める。許可は債権者一般の利益に適合する場合に限られる。
Q · 民事再生してた会社が、会社更生に切り替わることってあるの?担保はどうなる?
あります。担保権は更生担保権として凍結され自由な実行ができなくなります
会社更生法248条により、民事再生手続の管財人は、再生債務者である株式会社に更生開始原因(17条1項)があるとき、裁判所の許可を得て会社更生手続開始を申し立てられます。許可は債権者一般の利益に適合する場合に限られます(2項)。切り替えが認められると、民事再生では別除権として自由に実行できた担保権が、更生担保権として手続内に取り込まれ、評価額も裁判所手続で決まり、自由な実行ができなくなります。
解説
倒産には一種類しかないと思っている人が多い。実際には民事再生と会社更生という二つの再建型手続があり、どちらに乗るかで債権者であるあなたの運命は大きく変わる。会社更生法248条は、その二つをつなぐ切り替えスイッチである。民事再生に管財人がついている会社に、より重い会社更生の開始原因(17条1項)があるとき、管財人は裁判所の許可を得て会社更生へ乗り換えられる。なぜこれがあなたに関係するのか。民事再生では担保権者は手続の外で自由に担保を実行できるが、会社更生に切り替わった瞬間、その担保権は更生担保権として手続の中に取り込まれ、自由な実行が封じられる。あなたが担保を持つ銀行なら自由を失い、逆に担保のない一般債権者なら、経営陣を一掃して資産を洗い直す更生手続の方が公平な配分になることもある。ただし2項が歯止めをかける。裁判所は債権者一般の利益に適合すると認める場合に限り許可する。切り替えは誰かの一存ではできない仕組みになっている。
法的な位置づけ
会社更生法248条は、民事再生手続から会社更生手続への移行を定める規定であり、再生手続の管財人が、再生債務者である株式会社に更生手続開始の原因があるとき、裁判所の許可を得て更生手続開始を申し立てることができる旨を規律する。許可は債権者一般の利益への適合を要件とし、通常申立てに関する20条1項は適用されない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手会社がどの手続かを真っ先に確認 取引先の倒産通知が届いたら、民事再生か会社更生か、管財人がついているかを最初に確認する。民事再生で管財人がついていれば、248条による会社更生への切り替えが起こりうる前提に立つ
- 2.自分が担保権者なら切り替えの兆候を監視 担保を取って融資している場合、会社更生への切り替えの動きを察知した時点が勝負どころになる。更生手続開始決定が出れば別除権としての自由な実行が封じられるため、開始決定前の担保実行や別除権協定を検討する
- 3.無担保の一般債権者なら意見聴取・債権者集会で主張 担保のない一般債権者は、248条2項の債権者一般の利益に切り替えが資するかを、債権者集会や意見聴取の場で主張する。経営陣を一掃する更生の方が公平な配分になりうる点を整理して述べる
- 4.債権届出の期限を絶対に落とさない 手続が民事再生から会社更生へ切り替わると、債権届出のやり直しが必要になる場合がある。新たな届出期間と提出先を確認し、期限管理を徹底する
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法248条とは何ですか?
民事再生中の株式会社を会社更生へ切り替えるための規定です。再生手続の管財人が、更生開始原因があるとき裁判所の許可を得て更生手続開始を申し立てられます。
Q2民事再生から会社更生に切り替えられるのはどんなときですか?
再生債務者である株式会社に、会社更生法17条1項の更生手続開始の原因となる事実があるときです。再生手続の管財人がついていることが前提となります。
Q3会社更生への切り替えは誰が申し立てるのですか?
再生手続における管財人です。債権者や株主が自分から更生への切り替えを申し立てる権利は原則なく、248条は管財人が握る切り替えカードです。
Q4更生手続への切り替えに裁判所の許可は必要ですか?
必要です。248条2項により、裁判所は更生手続によることが債権者一般の利益に適合すると認める場合に限り許可します。管財人の一存では切り替えできません。
Q5債権者一般の利益とはどういう意味ですか?
特定の債権者層ではなく、債権者全体にとって会社更生の方が公平・有利になるかという基準です。248条2項の許可の中核要件で、裁判所が天秤にかけます。
Q6労働組合は会社更生への切り替えに意見を言えますか?
言えます。248条3項は246条3項を準用し、裁判所は許可の決定前に労働組合等の意見を聴かなければなりません。雇用維持を争点化する窓口になります。
Q7会社更生に切り替わると株主はどうなりますか?
原則として大幅な減資により株式が無価値化しやすくなります。民事再生では株式が残ることがあっても、更生では株主も手続に巻き込まれる点が大きく異なります。
Q8更生手続開始申立てに20条は適用されますか?
適用されません。248条4項により、本条の申立てには通常の更生開始申立てに関する20条1項の規定は適用されない特則となっています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1民事再生と会社更生って何が違うんですか。うちみたいな下請けにはどっちが得?
ざっくり言うと、民事再生は経営陣が残って早く安く再建する手続、会社更生は経営陣を一掃して担保権者も株主も巻き込む抜本再建の手続です。無担保の下請けなら、放漫経営の経営陣が残る民事再生より、第三者の管財人が資産を洗い直す会社更生の方が公平な配分になることもあります(248条2項の債権者一般の利益)。実務のポイント:実務では民事再生の方が件数が圧倒的に多く、会社更生は大企業の大型案件に偏ります。下請けが更生にしてくれと自分から申し立てる権利は基本なく、248条はあくまで再生の管財人が握る切り替えカード。だから債権者集会で声を上げるのが現実的な動き方です
Q2担保を取って融資してたのに、会社更生に切り替わったら担保はどうなりますか?
民事再生では担保権者は別除権者として手続の外で自由に担保を実行できますが、会社更生に切り替わると担保権は更生担保権として手続の中に取り込まれ、自由な実行ができなくなります(評価額も裁判所手続で決まる)。つまり切り替えはあなたにとって基本的に不利です。実務のポイント:だからこそ会社更生への切り替えや申立ての動きが出た段階で、開始決定が出る前に担保を実行するか、別除権協定で弁済条件を固めておくのが鉄則です。開始決定が出てしまうと自由は戻りません。動くなら今かどうかを担保案件に強い弁護士に即確認を
間違えやすい点 AI による整理
- 「倒産はどれも同じ」と思われているが、民事再生と会社更生は別物である。民事再生は経営陣が残り、担保権者は手続外で自由に担保を実行できる。会社更生は経営陣が原則交代し、担保権も株主も手続に巻き込まれて凍結される。同じ会社でも、どちらに乗るかで債権者の回収戦略は正反対になる
- 民事再生から会社更生に切り替えられること自体は知っていても、その切り替えが担保権者にとって不利益になりうるという深刻さを見落としている人が多い。別除権として自由だった担保が、更生担保権という手続内の権利に格下げされ、実行のタイミングを自分で決められなくなる。知っているつもりで、痛みの所在を読み違えている
- 「切り替えは会社や管財人が勝手に決められる」と問いを立てがちだが、その前提が誤っている。裁判所の許可が必要で、しかも2項により債権者一般の利益に適合する場合に限られる。問うべきは誰が決めるかではなく、どの債権者層の利益が天秤にかけられるか、そしてその天秤に自分の声をどう乗せるかである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 経営陣の地位 | 248条:会社更生へ切り替われば経営陣は原則退任 | 民事再生(切替前):経営陣が原則残る(DIP 型) 会社更生(切替後):更生管財人が経営権を掌握 |
| 担保権者の地位 | 248条:切替で別除権から更生担保権へ格下げ | 民事再生:別除権者として手続外で自由に実行可 会社更生:更生担保権として手続内に凍結、評価額は裁判所 |
| 株主の地位 | 248条:切替で大幅減資により株式無価値化しやすい | 民事再生:株式が残ることがある 会社更生:株主も手続に巻き込まれる |
| 切替の関門 | 248条2項:債権者一般の利益に適合する裁判所許可 | 246条:破産管財人による更生申立て(並行規定) 20条:通常の更生開始申立て(248条では適用除外) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は会社の重整を公司法に置き、破産法(清算型)との手続選択は別制度。日本のような民事再生→会社更生の管財人主導の切替条文は持たない
韓国は再建・清算を単一の統合倒産法に統合済み。会生(再建)と파산(清算)の間で手続が一本化されており、日本のような別法律間の移行という構造はとらない
ドイツも単一の倒産手続(InsO)内で Insolvenzplan・Eigenverwaltung を選択する設計。再建と清算が同一手続内のモードであり、別手続への切替条文は不要
米国は Chapter 11(再建)と Chapter 7(清算)の間の conversion を § 1112が規律。日本の248条が再生→更生という再建型同士の移行であるのに対し、米国は再建↔清算の変更が中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の製造会社が民事再生を申し立てた。あなたの会社はその会社の社債を持っている。もしこの手続が会社更生に切り替わったら、あなたの債権の扱いはどう変わる。答えは、更生計画の中で他の更生債権と一緒に減額や弁済猶予の対象になるということ。民事再生のときより弁済率が読みにくくなり、計画認可までの期間も長引く
- あなたの銀行は再生中の会社に工場を担保に取って融資している。会社更生への切り替えの動きが見えてきた。担保を実行するなら今しかない。更生手続開始が決定されれば、別除権としての自由な実行は封じられ、更生担保権として裁判所手続の中で評価額を決められる。動けるのは開始決定が出るまでの限られた日数だけ
- あなたは再生中の会社の従業員で、労働組合の役員だ。会社更生への切り替えを許可する前に、裁判所はあなたたち労働組合等の意見を聴かなければならない(246条3項準用)。意見を述べる窓口が、法律上あなたの側に開かれている
- もし、再建するつもりで民事再生中の会社の株を持ち続けていたとしたら。248条の切り替えで会社更生に移った瞬間、原則として大幅な減資で株式が無価値になりやすい。再生だから株が残ると思い込んでいた前提が、切り替え一つで崩れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手がどの手続か確認:民事再生か会社更生か、管財人がついているか。2. 自分が担保権者なら、会社更生への切り替えの兆候を監視。切り替われば別除権の自由が消えるため、開始決定前の担保実行や別除権協定を倒産専門の弁護士と検討。3. 無担保の一般債権者なら、248条2項の債権者一般の利益に切り替えが資するか、債権者集会や意見聴取の場で主張。4. 債権届出の期限を絶対に落とさない。手続が切り替わると届出のやり直しが必要になる場合がある
訴えられた側:(再生中の会社・経営陣の側に立つ場合)1. 民事再生で再建を目指していても、17条1項の更生開始原因があれば管財人の判断で会社更生へ切り替えられうると前提に置く。2. 会社更生に移れば経営陣は原則退任、株式も減資で無価値化しやすい。経営権や株主価値を守りたいなら、民事再生の枠内で再建可能であることを債権者一般の利益の観点から裁判所に示す。3. 労働組合等への意見聴取(246条3項準用)が入るため、従業員側との合意形成を早めに進める。4. 切り替え許可は裁判所判断、申立て段階の主張を弁護士と固める
時効(請求できる期限):248条自体に固有の期間はない。ただし切り替えの可否は更生手続開始決定が出る前に決着するため、担保権者が別除権を自由に実行できるのは実質的に開始決定前まで。担保実行や意見表明は開始決定までの限られた時間が勝負になる(具体的なスケジュールは事件ごとに異なるため、最新の手続進行を裁判所と代理人に確認のこと)
学説
通説:248条の切り替えは、再生の管財人が握る手続選択であり、裁判所の許可は『債権者一般の利益への適合』を中核要件とする。特定の担保権者の不利益を超えて債権者全体の公平・回収最大化に資するかが判断基準と解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)に伴い、民事再生手続から会社更生手続への移行規定として248条を整備。20条1項の適用除外・労働組合等への意見聴取準用を含む
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