会社更生法 第269条(報告及び検査の拒絶等の罪)
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- 第七十七条第一項又は第二百九条第三項に規定する者が第七十七条第一項(第三十四条第一項、第三十八条又は第百二十六条において準用する場合を含む。)又は第二百九条第三項の規定による報告を拒み、又は虚偽の報告をしたときは、三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
- 2.第七十七条第一項又は第二百九条第三項に規定する者の代表者、代理人、使用人その他の従業者(第四項において「代表者等」という。)が、第七十七条第一項又は第二百九条第三項に規定する者の業務に関し、第七十七条第一項(第三十四条第一項、第三十八条又は第百二十六条において準用する場合を含む。)又は第二百九条第三項の規定による報告を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、前項と同様とする。
- 3.第七十七条第一項に規定する者(同項に規定するこれらの者であった者を除く。)又は第二百九条第三項に規定する者(同項に規定するこれらの者であった者を除く。)が、その更生会社の業務に関し、第七十七条第一項(第三十四条第一項、第三十八条又は第百二十六条において準用する場合を含む。)又は第二百九条第三項の規定による検査を拒んだときも、第一項と同様とする。
- 4.第七十七条第二項に規定する更生会社の子会社の代表者等が、その更生会社の子会社の業務に関し、同項(第三十四条第一項、第三十八条又は第百二十六条において準用する場合を含む。)の規定による報告若しくは検査を拒み、又は虚偽の報告をしたときも、第一項と同様とする。
この条文の基本情報
報告及び検査の拒絶等の罪とは何ですか?
定義報告及び検査の拒絶等の罪とは、会社更生法第269条に定められた規定で、「第七十七条第一項又は第二百九条第三項に規定する者が第七十七条第一項(第三十四条第一項、第三十八条又は第百二十六条において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第269条(報告及び検査の拒絶等の罪)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第269条の条文原文は「第七十七条第一項又は第二百九条第三項に規定する者が第七十七条第一項(第三十四条第一項、第三十八条又は第百二十六条において準用する場合を含む。」で始まります。
- 会社更生法第269条は第十三章に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第269条の前の条は会社更生法第268条です。
- 会社更生法第269条の次の条は会社更生法第270条です。
- 会社更生法第269条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第269条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第269条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/269
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法269条は、更生手続で管財人等への報告を拒んだり虚偽報告をしたり検査を拒んだ者を、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処す罰則である。
Q · 会社更生の手続で、管財人から聞かれたことに「知りません」とごまかしたら罪になるの?
なる。報告拒否・虚偽報告は拘禁刑3年以下の刑事罰の対象
会社更生法269条は、更生手続における報告検査義務違反を処罰する罰則です。第七十七条等の規定により管財人等への報告を求められた者が、報告を拒んだり虚偽の報告をしたり、検査を拒んだりすると、3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金、又はその併科の対象になります。射程は広く、現役の役員だけでなく、すでに退任した元役員、代理人、使用人、さらには更生会社の子会社の代表者等にも及びます。倒産手続の報告は単なる事務ではなく、刑罰で裏打ちされた法的義務です。
解説
勤め先が経営破綻し、会社更生手続に入った。裁判所が選んだ管財人があなたのもとに来て、帳簿の提出と事情の報告を求める。面倒だから、あるいは聞かれたら自分のミスがバレるからと黙ってやり過ごす。それが致命傷になる。会社更生法269条は、報告を拒んだり虚偽の報告をしたり、検査を拒んだりした者を、3年以下の拘禁刑(2025年6月施行の改正で従来の懲役・禁錮が統合された刑)または300万円以下の罰金、その両方に処すと定める。恐ろしいのは射程の広さだ。対象は現役の役員だけではない。すでに辞めた元取締役、代理人、使用人、さらには更生会社の子会社の代表者まで含まれる。「もう関係ない」と思って口をつぐんだ元役員が、捜査の対象になる。倒産手続における報告は、面倒な事務ではなく、刑罰で裏打ちされた法的義務だと知っておくべきだ。
法的な位置づけ
会社更生法269条は、更生手続上の報告検査義務違反に対する罰則を定める規定である。第七十七条等の規定による報告を拒み若しくは虚偽の報告をし、又は検査を拒んだ場合に、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金を科す。処罰主体は役員等本人のほか、その代理人・使用人その他の従業者、退任した元役員、更生会社の子会社の代表者等にまで及ぶ。
よくある質問 AI による整理
Q1報告検査拒絶罪とは何ですか?
会社更生法269条が定める罰則で、更生手続上の報告を拒んだり虚偽報告をしたり検査を拒んだ行為を、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金で処罰する犯罪類型です。
Q2会社更生 管財人の報告要請を拒否すると罰則はありますか?
あります。管財人等への報告を正当な理由なく拒めば会社更生法269条に触れ、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金、若しくはその併科の対象になります。
Q3拘禁刑とは何ですか?
2022年改正で懲役と禁錮を統合した新しい自由刑です。2025年6月1日施行で、本条の刑も従来の懲役から拘禁刑に置き換わりました。
Q4会社更生法269条の時効はいつまでですか?
長期3年の拘禁刑に当たるため、公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項)。報告拒否・虚偽報告・検査拒否それぞれの行為時が起算点です。
Q5管財人に虚偽の報告をするとどうなりますか?
虚偽報告は会社更生法269条1項の処罰対象で、報告拒否と同じく3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金になります。記憶が曖昧なら正直に「確認できない」と述べる方が安全です。
Q6従業員でも会社更生法269条で処罰されますか?
されます。2項は役員等の代理人・使用人その他の従業者が業務に関し報告を拒み又は虚偽報告をした場合も処罰対象とします。末端の従業員でも無関係ではありません。
Q7倒産手続での報告義務はどこまで及びますか?
会社更生法77条が役員等に在任中の業務・財産の報告検査義務を課し、269条がその違反を罰します。元役員や子会社代表者にも及ぶ広い射程です。
Q8拘禁刑と懲役の違いは何ですか?
従来の懲役は刑務作業が義務、禁錮は任意でした。拘禁刑は両者を統合し、作業の要否を柔軟に運用できる新しい自由刑です。本条も拘禁刑に移行しました。
この条文についての質問 AI による整理
Q1もう退職した会社のことなのに、なんで自分が報告を求められるんですか?
会社更生法77条は在任中の業務・財産について役員等に報告・検査の義務を課し、269条3項はその者であった者、つまり元役員に対する検査拒否も処罰対象にしています。在任中の事実を最もよく知るのが元役員だからです。実務のポイント:退任時に「もう関係ない」と引き継ぎ資料を渡さず去る役員は多いですが、それが後で命取りになる。退任前に自分の在任期間の業務記録のコピーを正規の手続で保全しておくと、後日の報告要請に正確に応えられ、虚偽報告のリスクを避けられます
Q2正直に話したら、自分が背任とか粉飾でやられるかもしれない。それでも答えなきゃダメ?
ここは実務上、解釈が分かれている難所です。憲法38条の自己負罪拒否特権と、会社更生法上の報告義務(77条)の関係には議論があり、自己負罪に直結する供述まで本条で強制できるかは慎重な検討を要します。ただし会社の客観的な業務・財産状況の報告まで拒めば、本条に触れうる。実務のポイント:この局面は「全部話す」か「全部黙る」かの二択ではない。弁護人を入れて、客観的事実の報告と自己負罪領域を仕分けするのが定石です。独断で黙ると本条、独断で話すと別罪、その板挟みを解くのが弁護人の仕事です
Q3子会社の社長ですが、親会社の倒産で本当にうちまで調べられるんですか?
調べられます。会社更生法77条2項は更生会社の子会社にも報告・検査が及ぶ場合を定め、269条4項は子会社の代表者等が業務に関し報告・検査を拒んだり虚偽報告をしたときも同じ刑で処罰します。グループ全体の財産関係を解明するためです。実務のポイント:親会社倒産時、子会社への資金移動や取引が真っ先に疑われます。子会社側は「別法人だから無関係」という主張が通らないと心得て、親子間取引の記録を早期に整理し、求められたら速やかに出せる体制を作っておくのが安全です
間違えやすい点 AI による整理
- 「報告を拒んだくらいで刑事罰なんて大げさだ」と思いがちだが、本条の重さを正しく測れていない。上限は拘禁刑3年、罰金300万円、しかも併科できる。倒産手続では債権者全員の利害が懸かるため、真実の解明を妨げる行為は単なる不協力ではなく、手続全体を毀損する犯罪として扱われる。深刻度の認識がずれている
- 「自分に不利なことは黙秘権で答えなくていい」と考える人がいるが、ここは問いの立て方が誤っている。刑事手続の黙秘権と、倒産手続上の報告義務は別の土俵だ。実務上、自己負罪拒否特権との関係には議論があるが、少なくとも会社の業務・財産に関する客観的事実の報告を、自分に不都合だからと拒めば本条に触れうる。前提から考え直す必要がある
- 「対象は会社のトップだけ」と思われているが、条文は代表者、代理人、使用人その他の従業者、さらに子会社の代表者等まで広く捕捉する。末端の従業員でも、業務に関し虚偽の報告をすれば処罰対象になりうる。自分は無関係という前提が、最も危ない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 269条:報告拒否・虚偽報告・検査拒否を罰する罰則 | 77条:報告及び検査の義務そのものを定める根拠規定 266条:詐欺更生罪、財産隠匿等を罰するより重い倒産犯罪 |
| 処罰される行為 | 正当な理由のない報告拒否・虚偽報告・検査拒否 | (義務規定のため罰則ではない) 債権者を害する目的での財産の隠匿・損壊・不利益処分等 |
| 法定刑の重さ | 3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金(併科可) | — より重い自由刑(詐欺更生罪は本条より重い) |
| 対象者の広さ | 役員本人・従業者・元役員・子会社代表者等 | 報告検査義務を負う役員等 財産を害する行為をした関係者 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は破産・重整手続で破産人や関係者に説明報告義務を課す。日本ほど独立した詳細な罰条の形ではなく、虚偽陳述等は他の罰則・処分で対応する点が異なる
韓国は破産と会社更生を統合倒産法に一本化し、管財人への報告・検査の拒否や虚偽報告に罰則を置く。日本の会社更生法と再建型手続の発想を共有する
ドイツ倒産法は債務者に広範な情報提供・協力義務(Auskunfts- und Mitwirkungspflicht)を課す。義務違反には勾引等の手続的制裁も用意される点が特徴
米国は債務者に協力義務を課し、虚偽宣誓は免責不許可事由(§727)かつ破産詐欺罪(18 U.S.C. §152)として刑事処罰の対象になる。会社更生法の母法的発想に連なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが更生手続に入った会社の経理担当者で、管財人から「この時期の資金移動を説明してほしい」と言われた。説明すると自分の処理ミスが露見しそうで、つい「記録が見当たらない」とごまかす。これが虚偽報告と認定されれば、ミスそのものより重い刑事責任を背負う。境界線は「分からない」と正直に言うか、事実を捻じ曲げるかだ
- もし、半年前に退任した元取締役のあなたに、管財人から在任中の取引について報告を求める通知が届いたら? 「もう役員じゃないから無視していい」と考えるのは危険だ。本条3項は、その者であった者を除くと書きつつ、業務に関する検査拒否を別途処罰対象にしている。退任は免責ではない
- 親会社が更生手続に入り、その子会社の代表者であるあなたに調査が及んだ。「うちは別会社だ」と協力を拒む。4項は更生会社の子会社の代表者等による報告・検査の拒否も同じ刑で処罰する。グループの壁は、ここでは通用しない
- 管財人から「3日以内に帳簿一式と説明書を出せ」と言われた。社内は混乱、資料は散逸、時間は足りない。だが「間に合わなかった」と「拒んだ」は法的に別物だ。誠実に応じる姿勢を記録に残せるかどうかで、後の評価が分かれる
取るべき行動
被害を受けた側:管財人・裁判所・債権者の側で報告拒否に直面したなら:1. 報告・検査を求めた事実、相手の拒否・虚偽の内容を日時付きで記録化する2. 本条1項から4項のどの主体(本人・従業者・元役員・子会社代表者)に当たるかを特定し、適用範囲を整理3. 手続の解明に不可欠な事項であることを疎明し、裁判所への報告・告発を検討4. 刑事責任の追及と並行して、民事の損害回復(更生手続内の権利行使)も別軌道で進める
訴えられた側:報告・検査を求められた側なら:1. 通知の内容と期限を確認し、拒否と評価されないよう「協力する意思」をまず文書で示す2. 自分に不利になりうる事項は、黙る前に弁護人と自己負罪拒否特権の範囲を相談、闇雲な沈黙は避ける3. 資料が散逸・不足なら、その事情と入手努力を記録に残し「拒んだ」との評価を防ぐ4. 虚偽は絶対に避ける。記憶が曖昧なら「現時点では確認できない」と正直に述べ、後日補充する姿勢を示す
時効(請求できる期限):本条の罪は長期3年の拘禁刑にあたるため、公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項)。報告拒否・虚偽報告・検査拒否のそれぞれの行為時が起算点になる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:会社更生は多数の利害関係人の運命を左右するため、財産と業務の実態の正確な解明が手続の生命線とされる。269条は報告検査の拒否・虚偽報告を刑罰で抑止して解明を担保するが、自己負罪に直結する供述の強制には憲法38条との関係で慎重な解釈が求められ、客観的情報の開示義務と供述強制の限界との均衡が図られる。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正による刑罰体系の見直しに伴い、本条の法定刑を「懲役」から「拘禁刑」に改めた。懲役と禁錮を統合した新しい自由刑への移行
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 改正:会社更生法全部改正(平成14年法律第154号)。旧法を全面的に見直し、現行の報告検査義務違反罪を含む罰則体系を整備
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法改正による刑罰体系の見直しに伴い、本条の法定刑を懲役から拘禁刑に変更(令和7年・2025年6月1日施行)。懲役と禁錮を統合した新しい自由刑への移行
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