会社更生法 第110条(更生計画認可前に更生手続が終了した場合の納付された金銭の取扱い)
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- 裁判所は、更生計画認可の決定前に更生手続が終了したときは、次項に規定する場合を除き、第百八条第一項又は第百十二条第二項の規定により納付された金銭について、配当表に基づいて、被申立担保権者に対する配当を実施しなければならない。
- 2.被申立担保権者が一人である場合又は被申立担保権者が二人以上であって第百八条第一項若しくは第百十二条第二項の規定により納付された金銭で各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権及び第百七条第一項の規定により更生会社の負担すべき費用を弁済することができる場合には、裁判所は、当該金銭の交付計算書を作成して、被申立担保権者に弁済金を交付し、剰余金を更生会社に交付する。
- 3.民事執行法第八十五条から第八十六条まで及び第八十八条から第九十二条までの規定は第一項の配当の手続について、同法第八十八条、第九十一条及び第九十二条の規定は前項の規定による弁済金の交付の手続について、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
更生計画認可前に更生手続が終了した場合の納付された金銭の取扱いとは何ですか?
定義更生計画認可前に更生手続が終了した場合の納付された金銭の取扱いとは、会社更生法第110条に定められた規定で、「裁判所は、更生計画認可の決定前に更生手続が終了したときは、次項に規定する場合を除き、第百八条第一項又は第百十二条第二項の規定により納付された金銭について、配当表…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第110条(更生計画認可前に更生手続が終了した場合の納付された金銭の取扱い)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第110条の条文原文は「裁判所は、更生計画認可の決定前に更生手続が終了したときは、次項に規定する場合を除き、第百八条第一項又は第百十二条第二項の規定により納付された金銭について、配当表…」で始まります。
- 会社更生法第110条は第一款に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第110条の前の条は会社更生法第109条です。
- 会社更生法第110条の次の条は会社更生法第111条です。
- 会社更生法第110条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第110条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第110条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/110
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法110条は、更生計画認可前に手続が終了したとき、担保権消滅で納付された金銭を配当表に基づき配当し、全員に足りる場合は交付計算書で弁済金を交付すると定める。
Q · 更生手続が途中で終わったら、担保権消滅で裁判所に納めた金はどうなるの?
配当か弁済金交付か、足りるかどうかで分かれる
会社更生法110条により、更生計画認可の決定前に手続が終了したときは、108条1項・112条2項で納付された金銭を裁判所が分配します。原則は配当表に基づく配当(1項)ですが、被申立担保権者が一人の場合、または納付金で全員の被担保債権と107条1項の更生会社負担費用を弁済できる場合は、交付計算書を作成して弁済金を交付し、剰余金を更生会社に交付します(2項)。3項が民事執行法を準用し、配当には配当異議の道が開かれます。
解説
更生計画が認可される前に更生手続が終わってしまった。担保権消滅の申立てで裁判所に納付された金銭が宙に浮く。この場面を処理するのが会社更生法110条である。あなたが担保権者なら、ここで自分の取り分がどう決まるかを知っておく価値がある。分岐は二本しかない。担保権者が一人、または納付金で全員の被担保債権と107条1項の更生会社負担費用を全部払いきれる場合は、裁判所が「交付計算書」を作って弁済金を渡し、余りは更生会社へ返す。足りない場合だけが「配当」になり、配当表に基づいて按分される。この違いは手続の名前が変わるだけではない。配当なら民事執行法89条・90条の準用で配当異議の申出と配当異議訴訟という争う道が開くが、弁済金交付にはその道がない。自分の事件がどちらのルートに乗っているかを、通知が届いた瞬間に見分けられるかどうかで、取れる行動が変わる。
法的な位置づけ
会社更生法110条は、更生計画認可の決定前に更生手続が終了した場合における担保権消滅納付金の清算方法を定める規定である。原則として配当表に基づく配当を実施し、被申立担保権者が一人であるとき、または納付金が被担保債権と更生会社負担費用の全額に足りるときは、交付計算書による弁済金の交付と剰余金の更生会社への交付によって処理する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.届いた書面がどちらのルートか特定する 裁判所からの書面が「配当表」に基づく配当(110条1項)か、「交付計算書」による弁済金の交付(同条2項)かをまず確認する。配当なら配当異議の道があり、弁済金交付にはない。以後の打ち手が根本から変わる分岐点
- 2.配当期日の前に配当表を閲覧する 配当ルートなら、期日を待たずに裁判所で配当表を閲覧する(民事執行法85条の準用)。自分の被担保債権額、利息・遅延損害金の計算、順位、107条1項の費用控除額を項目ごとに検算する
- 3.配当期日に出頭して異議を述べる 検算で誤りを発見した場合、配当期日に出頭して配当異議の申出をする。電話や上申書では配当の実施を止められない。異議の相手方は裁判所ではなく、配当額が減る他の債権者である点を先に特定しておく
- 4.1週間以内に配当異議訴訟を提起する 異議を述べただけでは足りない。民事執行法90条の準用により、配当期日から1週間以内に配当異議訴訟を提起し、提起を証する書面を執行裁判所に提出しなければ、異議は取り下げたものとみなされ配当表どおりに実施される
- 5.弁済金交付ルートなら交付計算書の内訳を確認する 2項ルートの場合、交付計算書に記載された被担保債権額と107条1項の費用控除額を受領前に確認する。配当異議の枠組みがない以上、受領後の是正は一般の訴訟によるほかなく、コストが跳ね上がる
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法110条とは何ですか?
更生計画認可の決定前に更生手続が終了したとき、担保権消滅で納付された金銭を配当または弁済金交付で清算する手続を定めた規定です。
Q2被申立担保権者とは誰のことですか?
担保権消滅許可の申立ての対象となった担保権を有する者です。納付によって担保権が消滅し、権利が納付金の上に移ります。
Q3配当と弁済金の交付はどう違いますか?
配当は配当表を作成し配当期日を開く手続で、配当異議の申出と配当異議訴訟が可能です。弁済金交付は交付計算書のみで、配当異議の枠組みはありません。
Q4配当異議の申出はいつまでにできますか?
配当期日に出頭して異議を述べる必要があり、維持するには期日から1週間以内に配当異議訴訟を提起します(民事執行法90条の準用)。
Q5納付金の剰余はどこへ行きますか?
110条2項の弁済金交付の場合、被申立担保権者に弁済金を交付した残額(剰余金)は更生会社に交付されます。
Q6会社更生法107条1項の費用とは何ですか?
担保権消滅手続に関して更生会社が負担すべき費用です。2項の要件判断でも、納付金からの控除項目としても効いてきます。
Q7更生手続が廃止されたら担保権は復活しますか?
復活しません。納付の時点で担保権は消滅しており、担保権者の権利は納付金の上に移っているため、110条の分配で決着します。
Q8会社更生法110条で準用される民事執行法の条文はどれですか?
1項の配当には民事執行法85条から86条まで及び88条から92条まで、2項の弁済金交付には88条・91条・92条が準用されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1更生手続が途中で終わったら、担保権はもとに戻らないんですか?
戻らない。担保権消滅の許可決定に基づいて価額相当額が納付された時点で担保権は消滅しており、担保権者の権利は納付金の上に移っている。だから110条は手続終了時にその金の分配だけを規律する。実務のポイント:担保権消滅の申立てに対して争うなら、消滅許可の段階が唯一の勝負所である。手続が破綻するかもしれないから消滅に反対する、という主張は許可段階でしか意味を持たない。
Q2配当表の金額が自分の計算と合わないとき、電話で裁判所に言えば直りますか?
直らない。配当表への不服は配当期日における異議の申出と、その後の配当異議訴訟という手続に乗せる必要がある(110条3項が準用する民事執行法89条、90条)。電話や上申書では配当の実施を止められない。実務のポイント:異議を述べる相手は裁判所ではなく、配当額が増える結果になる他の債権者である。誰の取り分を削る主張なのかを先に特定しておかないと、訴訟の被告を誤る。
Q3自分ひとりが担保権者なら、手続は簡単に終わりますか?
2項に該当し、裁判所が交付計算書を作成して弁済金を交付し、余った金は更生会社に渡される。配当表の作成や配当期日は不要で、その分早い。ただし配当異議という争訟の枠組みは用意されていない。実務のポイント:早く終わることは常に有利とは限らない。107条1項の費用控除額に疑問があるなら、交付計算書の内容を受け取る前に確認しておく方が、後から取り戻すより現実的である。
間違えやすい点 AI による整理
- 「担保権が消滅させられた以上、優先順位も消えて債権者は平等に按分される」と考えるのは前提が間違っている。担保権消滅制度は担保権を金銭に置き換える仕組みであり、納付金の上に優先順位はそのまま乗る。1項の配当は民事執行法の配当ルールを準用するので、順位の高い担保権者が満額を取り、下位は残りを分けることになる
- 配当と弁済金交付を「呼び方の違い」だと軽く見ている人は、深刻度を見誤っている。1項の配当には民事執行法89条・90条が準用され、配当期日での異議申出と配当異議訴訟という争訟の入口がある。2項の弁済金交付に準用されるのは88条・91条・92条のみで、配当異議のルートは含まれない。同じ金額でも、争える手続に乗っているかどうかが違う
- 「更生手続が廃止されたのだから、後は破産手続の中で処理されるだけ」と思われがちだが、110条は認可前終了の場面で裁判所自身が納付金を分配する独立の手続を用意している。破産管財人の登場を待つ必要はなく、この段階で決着する金がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 110条:認可決定前の手続終了時の納付金の分配 | 108条:担保権消滅のための価額相当額の納付 107条:更生会社が負担すべき費用の定め |
| 手続の形式 | 1項=配当表に基づく配当/2項=交付計算書による弁済金交付 | 決定に基づく納付、納付により担保権が消滅 費用の負担主体と範囲の確定、110条の控除項目 |
| 争う手段 | 1項は民執89条・90条準用で配当異議あり/2項はなし | 担保権消滅許可の申立て段階での不服申立て 費用額の内訳に対する資料提出による争い |
| 実務上の勝負所 | 配当表の閲覧と検算、配当期日での異議申出 | 消滅許可決定の段階での価額の争い 配当表作成前の費用内訳の精査 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の重整制度には日本型の担保権消滅許可+納付金分配の一体的手続がなく、分配異議は強制執行法の枠組みで処理される点が異なる
韓国の統合倒産法は日本の会社更生法・民事再生法の影響を受けており、担保権消滅と納付金処理の構造に類似性がある(詳細は要確認)
ドイツは管財人が別除権の目的物を換価し、費用を控除して優先充当する構造。裁判所が配当表を作る日本型とは主体が異なる
米国は担保権を除去した売却を認め、リーエンが売却代金に付着(attach to proceeds)する構成。担保権が金銭に転化する発想は日本の担保権消滅制度と共通
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の製造会社に工場の根抵当を打っていたところ、更生手続開始後に担保権消滅許可が出て代金相当額が裁判所に納付された。ところが計画認可の前にスポンサーが降り、手続が廃止。あなたの担保権は消滅済み、手元に残るのは納付金への権利だけ。ここから先は110条の世界に入る
- 納付金が3億円、あなたの被担保債権が1億2000万円、他の担保権者と合わせた総額が3億5000万円。全額は払いきれないので1項の配当ルートになる。順位が上の担保権者が先に取り、あなたの取り分は残額次第。ここで順位の主張を誤ると、一円も戻らない
- 被担保債権者があなた一人、納付金があなたの債権額を上回っている。この場合は配当ではなく2項の弁済金交付。剰余金は更生会社に戻る。手続は速いが、配当異議で争う枠組みは用意されていない
- もし配当表に載ったあなたの債権額が、遅延損害金の計算誤りで300万円少なかったらどうなる? 配当期日に出頭して異議を述べ、1週間以内に配当異議訴訟を提起しなければ、その配当表どおりに金が動いて終わる(民事執行法90条の準用)。期日通知が届いた時点で残り時間はもう数えられている
- 更生会社側の経理担当として、剰余金がいつ会社に戻るかを資金繰り表に入れなければならない。107条1項の費用が先に控除される構造を知らないと、戻り額を過大に見積もって資金計画を狂わせる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 届いた書面が「配当表」に基づく配当(1項)か「交付計算書」による弁済金交付(2項)かをまず特定する。2. 配当なら、期日前に裁判所で配当表を閲覧し、自分の被担保債権額・利息・遅延損害金・順位を検算。3. 誤りがあれば配当期日に出頭して異議を述べ、期日から1週間以内に配当異議訴訟を提起する(民事執行法90条の準用)。4. 107条1項の更生会社負担費用がいくら控除されているかも確認対象に含める。
訴えられた側:更生会社・管財人側の立場では、1. 107条1項の費用の内訳と根拠資料を裁判所に提出できる形で整理する。2. 2項の要件(被担保債権全額+費用を弁済可能)を満たすなら、交付計算書による処理を求めることで手続が早く終わり、剰余金の会社への還流が早まる。3. 担保権者から過大な債権額の届出があれば、配当表作成前の段階で資料を出して争う。配当期日後の是正は訴訟コストが跳ね上がる。
時効(請求できる期限):配当異議の申出は配当期日に出頭して述べることが必要であり、異議を維持するには期日から1週間以内に配当異議訴訟を提起しなければならない(民事執行法90条の準用)。この期間を徒過すると配当表どおりに実施される。納付金に対する請求権自体に特別な時効規定はなく、一般消滅時効(民法166条、権利行使できることを知った時から5年または権利行使できる時から10年)の枠組みで考えることになる(最新の改正状況をご確認ください)。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成14年(2002年) 新設:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)に伴い、担保権消滅制度とともに納付金の清算規定として設けられた(詳細な改正経緯は要確認)
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