会社更生法 第208条(中止した手続等の失効)
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更生計画認可の決定があったときは、第五十条第一項の規定により中止した破産手続、再生手続(当該再生手続において、民事再生法第三十九条第一項の規定により中止した破産手続並びに同法第二十六条第一項第二号に規定する再生債権に基づく強制執行等の手続及び同項第五号に規定する再生債権に基づく外国租税滞納処分を含む。)、第二十四条第一項第二号に規定する強制執行等の手続、企業担保権の実行手続、同項第六号に規定する外国租税滞納処分、財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は、その効力を失う。ただし、第五十条第五項の規定により続行された手続又は処分については、この限りでない。
この条文の基本情報
中止した手続等の失効とは何ですか?
定義中止した手続等の失効とは、会社更生法第208条に定められた規定で、「更生計画認可の決定があったときは、第五十条第一項の規定により中止した破産手続、再生手続(当該再生手続において、民事再生法第三十九条第一項の規定により中止した破産…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社更生法第208条(中止した手続等の失効)は、日本の会社更生法に含まれる条文です。
- 会社更生法第208条の条文原文は「更生計画認可の決定があったときは、第五十条第一項の規定により中止した破産手続、再生手続(当該再生手続において、民事再生法第三十九条第一項の規定により中止した破産…」で始まります。
- 会社更生法第208条は第一節に置かれています。
- 会社更生法の公布日は平成14年12月13日です。
- 会社更生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 会社更生法第208条の前の条は会社更生法第207条です。
- 会社更生法第208条の次の条は会社更生法第209条です。
- 会社更生法第208条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第208条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/414AC0000000154 - 本サイト収録
会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第208条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/414AC0000000154/208
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社更生法208条は、更生計画認可の決定があったとき、中止していた強制執行・企業担保権の実行・財産開示手続等が効力を失うと定める。50条5項で続行を許可された手続のみが例外として残る。
Q · 差し押さえた財産、更生計画が認可されたら差押えはどうなるの?
中止していた差押え等は認可で失効する
会社更生法208条により、更生計画認可の決定があったときは、50条1項で中止していた破産手続・強制執行等・企業担保権の実行・外国租税滞納処分・財産開示手続・第三者からの情報取得手続が一斉に効力を失います。残るのは更生計画が定める弁済率に従って配当を受ける権利だけです。例外は50条5項で裁判所が「続行」を許可していた手続のみ(同条ただし書)。「中止」は一時停止ですが、認可後の「失効」は永久消滅であり、二度と戻りません。
解説
倒産しかけた取引先に差押えをかけ、回収できる日をひたすら待っていた。その差押えが、ある一点を境に「一時停止」から「永久消滅」へ姿を変える。会社更生法208条が定めるのは、まさにその転換点だ。更生手続が始まると、あなたの差押え、相手の不動産への企業担保権の実行、税務署の外国租税滞納処分、さらには財産開示手続や第三者からの情報取得手続まで、ことごとく「中止」される(50条1項)。ここまでは一時停止であり、更生が頓挫すれば再び動き出す余地が残る。ところが裁判所が更生計画を「認可」した瞬間、その止まっていた手続は中止ではなく失効する。つまり死ぬ。あなたに残されるのは、更生計画が定めた弁済率に従って配当を受け取る権利だけだ。例外は、裁判所が50条5項で続行を許可していた手続だけ。あなたが知っておくべきは、認可の前と後では、立っている地面がまるで違うという一点である。
法的な位置づけ
会社更生法208条は、更生計画認可の決定の効果として、それまで50条1項により中止されていた個別の倒産・執行・担保実行・資産調査の各手続が確定的に効力を失う旨を定める規定である。中止(一時停止)から失効(永久消滅)への転換点を画し、50条5項で続行を許可された手続のみを例外とする。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.更生手続開始通知の受領後、中止された手続を棚卸し 取引先の更生手続開始の通知を受けたら、自分の差押え・企業担保権の実行・財産開示手続・第三者からの情報取得手続が50条1項で「中止」されたことをまず確認する。何が止まっているかを一覧化する
- 2.認可決定の前に50条5項の続行許可を申し立てる 中止された手続を生かしたいなら、更生計画認可の決定の前に、50条5項に基づく続行許可を裁判所に申し立てる。認可後では208条で失効し、手遅れになる
- 3.続行が難しければ更生債権の届出に全力を切り替える 続行許可が得られない見込みなら、裁判所が定める届出期間内に更生債権として確実に届け出る。届出を落とすと更生計画の弁済対象から外れる
- 4.個人保証・物上保証は会社の失効と切り離して別途回収 会社への手続が失効しても保証人への請求権は別に残ることが多い。保証契約・物上保証を棚卸しし、保証人への回収ルートを別途検討する
よくある質問 AI による整理
Q1会社更生法208条とは何ですか?
更生計画認可の決定により、中止していた強制執行・企業担保権の実行・財産開示手続等が効力を失う旨を定める規定です。例外は50条5項で続行を許可された手続だけです。
Q2更生計画認可の効力はいつから生じますか?
更生計画は認可の決定の時から効力を生じます(204条)。中止手続の失効(208条)もこの認可決定時を起点に一律に発生します。
Q3続行許可とは何ですか?
中止された手続について、50条5項により裁判所が例外的に続行を認める許可です。これを得ていた手続は認可後も失効せず存続します(208条ただし書)。
Q4会社更生と民事再生の違いは何ですか?
会社更生は株式会社専用で経営陣が原則退き管財人が再建、担保権も手続に取り込みます。民事再生は対象が広く現経営陣が続投でき、担保権実行は原則止まりません。
Q5更生債権の届出はいつまでにすればよいですか?
裁判所が定める届出期間内に行う必要があります。期間を過ぎると更生計画の弁済対象から外れ、配当を受けられなくなるおそれがあります。
Q6企業担保権とは何ですか?
社債を担保するため会社の総財産を一体として目的とする特殊な担保権です。会社更生では208条によりその実行手続も認可で失効の対象となります。
Q7財産開示手続は会社更生でどうなりますか?
50条1項で中止され、更生計画認可で失効します(208条)。せっかく相手の資産を暴く手続を進めても、認可後は使えなくなります。
Q8個人保証は会社更生で消えますか?
会社への手続が失効しても、保証人への請求権は別物として残るのが原則です。「会社の更生で全部チャラ」と誤解せず、保証ルートを別途検討すべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1差し押さえてた財産、更生計画が認可されたら本当に手放さなきゃいけないんですか?
はい、差押え手続そのものが失効します(208条)。残るのは更生計画が定めた弁済率に従って配当を受ける権利だけで、差押えという優先回収の地位は消えます。実務のポイント:認可前にすでに取り立て済みの分まで遡って返せとは原則ならないので、認可が近いと察したら、続行許可を取るか、適法に取れる範囲を先に確定させておくかで回収額が大きく変わります。差押えを「打ったまま放置」が一番損をする選択です
Q2止まってた破産手続も強制執行も、全部まとめて消えるんですか? 例外はないんですか?
原則として、中止していた破産手続・再生手続・強制執行等・企業担保権の実行・外国租税滞納処分・財産開示手続・第三者からの情報取得手続が、認可決定で一斉に失効します。ただし書の例外は一つだけ、50条5項で裁判所が「続行」を許可していた手続です(208条ただし書)。実務のポイント:この続行許可は誰も自動では取ってくれません。中止された段階で自分から動いて許可を得ていた債権者だけが、認可後も手続を生かせる。知っている人と知らない人で、同じ立場でも結果が正反対になる典型例です
間違えやすい点 AI による整理
- 「中止」と「失効」は同じことだと思っているかもしれないが、まるで違う。中止は一時停止であり、更生が失敗すれば手続は再び動き出す。失効は完全な消滅で、二度と戻らない。認可決定が、この一線をあなたの意思とは無関係に越えさせる
- 差押えが消えることは知っていても、その射程の広さを見落としている人が多い。失効するのは差押えだけではない。財産開示手続、第三者からの情報取得手続という「隠し資産を暴く武器」まで一緒に死ぬ。回収の道具箱が、まるごと空になる
- あなたから見れば「正当に取った差押えが、理由もなく取り消される」理不尽に映る。だが更生手続から見れば、全債権者を更生計画という一つの土俵に乗せるための必然だ。この視点の落差を理解しないまま認可後も個別回収にこだわると、勝てない争いに弁護士費用だけを溶かすことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 効果の性質 | 中止手続が「失効」(永久消滅、原則復活しない) | 個別手続を「中止」(一時停止、復活余地あり) 更生計画の権利変更・効力が発生・確定 |
| 発生時点 | 更生計画認可の決定があった時 | 更生手続開始の決定等の時(中止) 認可の決定の時(計画の効力発生時期) |
| 例外・残存 | 50条5項で続行を許可された手続は失効しない | 中止命令の対象外の手続は止まらない — |
| 債権者への影響 | 個別回収手段を喪失し、計画の弁済率に従う配当のみ | 個別執行が一時的に凍結される 権利が更生計画の内容どおりに変更・確定する |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の公司重整も裁定により強制執行等が当然停止し、重整完成で関係が確定する。担保権を手続に取り込む構造は会社更生と類似
韓国の統合倒産法(債務者回生法)も、回生計画認可決定により中止していた手続が原則として失効する点で日本と平行する
ドイツは倒産計画(Insolvenzplan)の確定により権利関係が再構成される。個別執行は手続中の停止規定で制御され、計画確定で確定的効果が生じる
米国 Chapter 11では automatic stay(§ 362)で個別執行が自動停止し、計画 confirmation(§ 1141)で権利が確定的に処理される。会社更生法の母法的存在
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの会社が取引先 A 社に5,000万円の売掛金を持ち、A 社の本社ビルを差し押さえた。ところが A 社が会社更生を申し立て、差押えは止まった。では、更生計画が認可されたら、その差押えはどうなる? 答えは「消える」。あなたは更生計画が定める弁済率(数パーセントということもある)に従うしかなくなる。差押えという切り札が、認可決定一発で紙くずになる
- 苦労して財産開示手続で A 社の隠し口座を突き止めた。更生計画認可で、その情報取得手続まで失効する。せっかく見つけた口座に、もう手は出せない
- 更生計画案の認可決定が来週に迫っている。あなたが個別に動かせる最後の窓は、認可前のこの数日だけ。認可された瞬間、止まっていた手続は永久に死ぬ。動くなら今夜から弁護士と詰めるしかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引先の更生手続開始の通知を受けたら、自分の差押え・担保権・財産調査手続が「中止」されたことをまず確認する2. その手続を生かしたいなら、認可決定の前に50条5項の続行許可を裁判所に申し立てる。認可後では手遅れになる3. 続行が難しいなら、更生債権として期限内に届け出る方へ全力を切り替える。届出を落とすと配当からも外れる4. 個人保証・物上保証があれば、会社の手続失効とは切り離して保証人への回収ルートを別途検討する
訴えられた側:1. 更生会社・管財人の側なら、認可によって個別執行が一掃される効果を前提に、計画認可までの資金繰りと事業継続を組み立てる2. 50条5項で続行を許可された手続が残っていないか棚卸しし、ただし書の例外を見落とさない3. 失効する手続と存続する保証・担保関係を整理し、債権者ごとに認可後の処理方針を明確化する4. 認可決定の効力発生時期(更生計画は認可の決定の時から効力を生ずる、204条)を起点に、対外通知と登記処理のタイミングを設計する
時効(請求できる期限):失効の効果は、特定の申立期間ではなく「更生計画認可の決定があった時」に一律に生じる。個別手続を生き残らせたい債権者にとっての実質的な期限は、認可決定の前までに50条5項の続行許可を得られるかどうかであり、認可後は争う余地が消える(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:208条による失効は、更生計画認可によって全債権者を一つの計画に収れんさせる必然的効果であり、続行許可(50条5項)を得ていない限り個別手続は確定的に消滅すると解される。財産開示手続・第三者からの情報取得手続も明文で対象に含まれる。
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)民事執行法改正連動(要検証) 民事執行法に第三者からの情報取得手続が新設された際、本条の失効対象として「財産開示手続及び第三者からの情報取得手続」が反映された可能性が高い。改正の有無・回数・新設か改正かの確定は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和27年(1952年) 新設:米国連邦倒産法 Chapter X を範として旧会社更生法を制定。再建型倒産手続として中止手続の失効構造を導入
- 2.平成14年(2002年) 改正:会社更生法の全部改正(平成14年法律第154号)。条文体系を再編し、本条が現行208条に整理された
- 3.令和元年(2019年) 改正:民事執行法改正で第三者からの情報取得手続が新設されたことに連動し、失効対象として『財産開示手続及び第三者からの情報取得手続』が反映された可能性が高い(改正回数・施行日は人的検証を要する)
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