(窒素酸化物の放出量に係る放出基準)
第19条の3
船舶に設置される原動機(窒素酸化物の放出量を低減させるための装置が備え付けられている場合にあつては、当該装置を含む。以下同じ。)から発生する窒素酸化物の放出量に係る放出基準は、放出海域並びに原動機の種類、能力及び用途に応じて、政令で定める。
(窒素酸化物の放出量に係る放出基準)
船舶に設置される原動機(窒素酸化物の放出量を低減させるための装置が備え付けられている場合にあつては、当該装置を含む。以下同じ。)から発生する窒素酸化物の放出量に係る放出基準は、放出海域並びに原動機の種類、能力及び用途に応じて、政令で定める。
(放出量確認)
船舶に設置される原動機(次の各号のいずれかに該当するものを除く。)の製作を業とする者その他国土交通省令で定める者(以下「原動機製作者等」という。)は、当該原動機が船舶に設置される前に、当該原動機からの窒素酸化物の放出量が前条の放出基準に適合するものであることについて、国土交通大臣の行う確認を受けなければならない。ただし、当該原動機が船舶に設置される前に当該確認を受けることが困難な事由として国土交通省令で定めるものに該当する場合には、この限りでない。
一その種類及び出力が、窒素酸化物の放出による大気の汚染の程度が小さいものとして国土交通省令で定める基準に該当する原動機
二窒素酸化物の放出による大気の汚染の防止に関する試験、研究又は調査の用に供される原動機であつて、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ国土交通大臣の承認を受けたもの
三前号に掲げるもののほか、国土交通省令で定める特別の用途に供される原動機
2前項第二号の承認には、窒素酸化物の放出による大気の汚染の防止のために必要な限度において、条件を付し、及びこれを変更することができる。
3前二項の規定は、次条の規定により原動機取扱手引書の承認を受けた後、その承認に係る原動機が船舶に設置される前に、当該原動機について窒素酸化物の放出量を増大させることとなる改造その他の国土交通省令で定める改造を行つた場合について準用する。
(原動機取扱手引書)
前条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の確認(以下「放出量確認」という。)を受けた原動機製作者等は、当該原動機の仕様及び性能、当該原動機の設置、運転、整備その他当該原動機の取扱いに当たり遵守すべき事項、当該原動機に係る窒素酸化物の放出状況の確認方法その他の国土交通省令で定める事項を記載した原動機取扱手引書を作成し、国土交通大臣の承認を受けなければならない。
(国際大気汚染防止原動機証書)
国土交通大臣は、第十九条の四第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により放出量確認をし、かつ、前条の規定により同条の原動機取扱手引書(以下「原動機取扱手引書」という。)を承認したときは、当該原動機製作者等に対し、国際大気汚染防止原動機証書を交付しなければならない。
(原動機の設置)
船舶所有者は、船舶に原動機(第十九条の四第一項各号に掲げる原動機を除く。以下同じ。)を設置するときは、次項の規定による場合を除き、前条の国際大気汚染防止原動機証書(以下「国際大気汚染防止原動機証書」という。)の交付を受けた原動機を設置しなければならない。
2船舶所有者は、第十九条の四第一項ただし書(同条第三項において準用する場合を含む。)に規定する場合において、国土交通大臣の行う放出量確認を受けることなく原動機を船舶に設置したときは、当該船舶に設置された原動機について国土交通大臣の行う放出量確認に相当する確認を受け、かつ、原動機取扱手引書について国土交通大臣の承認を受けなければならない。
3前項の規定は、原動機を船舶に設置した後、当該原動機について窒素酸化物の放出量を増大させることとなる改造その他の国土交通省令で定める改造を行つた場合について準用する。
4船舶に設置する原動機は、国土交通大臣の承認を受けた原動機取扱手引書(以下「承認原動機取扱手引書」という。)に従い、かつ、国土交通省令で定める技術上の基準に適合するように設置しなければならない。
(国際大気汚染防止原動機証書等の備置き)
船舶所有者は、船舶に原動機を設置したときは、当該船舶内に、国際大気汚染防止原動機証書(交付を受けている場合に限る。)及び承認原動機取扱手引書を備え置かなければならない。
(原動機の運転)
船舶に設置された原動機は、承認原動機取扱手引書に従い、かつ、国土交通省令で定める技術上の基準に適合するように運転しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、この限りでない。
一船舶の安全を確保し、又は人命を救助するために必要な場合
二船舶の損傷その他やむを得ない原因により窒素酸化物が放出された場合において、引き続く窒素酸化物の放出を防止するための可能な一切の措置をとつたとき。
三窒素酸化物の放出による大気の汚染の防止に関する試験、研究又は調査のため、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ国土交通大臣の承認を受けて運転する場合
2前項第三号の承認には、窒素酸化物の放出による大気の汚染の防止のために必要な限度において、条件を付し、及びこれを変更することができる。
(小型船舶検査機構の放出量確認等)
国土交通大臣は、小型船舶検査機構(以下「機構」という。)に、総トン数が二十トン未満の船舶に設置される原動機に係る放出量確認(第十九条の七第二項(同条第三項において準用する場合を含む。)に規定する放出量確認に相当する確認を含む。第十九条の十五第一項及び第二項において同じ。)、原動機取扱手引書の承認及び国際大気汚染防止原動機証書の交付に関する事務(以下「小型船舶用原動機放出量確認等事務」という。)を行わせることができる。
2国土交通大臣は、前項の規定により機構に小型船舶用原動機放出量確認等事務を行わせるときは、機構が小型船舶用原動機放出量確認等事務を開始する日及び小型船舶用原動機放出量確認等事務を行う事務所の所在地を官報で公示しなければならない。
3国土交通大臣は、第一項の規定により機構に小型船舶用原動機放出量確認等事務を行わせるときは、自ら小型船舶用原動機放出量確認等事務を行わないものとする。
4機構が小型船舶用原動機放出量確認等事務を行う場合における第十九条の四第一項(第二号を除く。)、第十九条の五、第十九条の六、第十九条の七第二項及び第四項、第十九条の十五第二項並びに第十九条の十七第二項の規定の適用については、これらの規定中「国土交通大臣」とあるのは、「小型船舶検査機構」とする。
(小型船舶用原動機放出量確認等事務規程)
機構は、小型船舶用原動機放出量確認等事務の開始前に、小型船舶用原動機放出量確認等事務に関する規程(以下「小型船舶用原動機放出量確認等事務規程」という。)を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2国土交通大臣は、前項の認可をした小型船舶用原動機放出量確認等事務規程が小型船舶用原動機放出量確認等事務の適正かつ確実な実施上不適当となつたと認めるときは、その小型船舶用原動機放出量確認等事務規程を変更すべきことを命ずることができる。
3小型船舶用原動機放出量確認等事務規程で定めるべき事項は、国土交通省令で定める。
(小型船舶用原動機放出量確認等業務員)
機構は、小型船舶用原動機放出量確認等事務を行う場合において、小型船舶用原動機からの窒素酸化物の放出量が第十九条の三の放出基準に適合するかどうかの判定に関する業務及び放出量確認を受けた原動機製作者等が作成した原動機取扱手引書の承認に関する業務については、小型船舶用原動機放出量確認等業務員に行わせなければならない。
2小型船舶用原動機放出量確認等業務員は、放出量確認又はこれに準ずる業務に関する知識及び経験に関する国土交通省令で定める要件を備える者のうちから、選任しなければならない。
3機構は、小型船舶用原動機放出量確認等業務員を選任したときは、その日から十五日以内に、国土交通大臣にその旨を届け出なければならない。これを変更したときも、同様とする。
4国土交通大臣は、小型船舶用原動機放出量確認等業務員が、この法律、この法律に基づく命令若しくは処分若しくは小型船舶用原動機放出量確認等事務規程に違反する行為をしたとき、又は小型船舶用原動機放出量確認等事務に関し著しく不適当な行為をしたときは、機構に対し、当該小型船舶用原動機放出量確認等業務員の解任を命ずることができる。
5前項の規定による命令により小型船舶用原動機放出量確認等業務員の職を解任され、解任の日から二年を経過しない者は、小型船舶用原動機放出量確認等業務員となることができない。
(小型船舶用原動機の放出量確認設備)
機構は、小型船舶用原動機放出量確認等事務を行う事務所ごとに、国土交通省令で定めるところにより、放出量確認設備を備え、かつ、これを維持しなければならない。
(国土交通大臣による小型船舶用原動機放出量確認等事務の実施等)
国土交通大臣は、第十九条の十第三項の規定にかかわらず、機構が天災その他の事由により小型船舶用原動機放出量確認等事務の全部又は一部を実施することが困難となつた場合において必要があると認めるときは、当該小型船舶用原動機放出量確認等事務の全部又は一部を自ら行うものとする。
2国土交通大臣は、前項の規定により小型船舶用原動機放出量確認等事務の全部若しくは一部を自ら行うこととし、又は同項の規定により自ら行つている小型船舶用原動機放出量確認等事務を行わないこととするときは、あらかじめ、その旨を官報で公示しなければならない。
3国土交通大臣が第一項の規定により小型船舶用原動機放出量確認等事務の全部又は一部を自ら行う場合における小型船舶用原動機放出量確認等事務の引継ぎその他の必要な事項については、国土交通省令で定める。
(船級協会の放出量確認等)
国土交通大臣は、船級の登録に関する業務を行う者の申請により、その者を船舶に設置される原動機に係る放出量確認、原動機取扱手引書の承認及び国際大気汚染防止原動機証書の交付に関する事務を行う者として登録する。
2前項の規定による登録を受けた者(次項において「船級協会」という。)が原動機からの窒素酸化物の放出量が第十九条の三の放出基準に適合するものであることについて確認をし、原動機取扱手引書の承認を行い、及び国際大気汚染防止原動機証書に相当する書面を交付したときは、当該原動機に係る確認、承認された原動機取扱手引書及び交付された書面は、それぞれ国土交通大臣が行つた放出量確認、承認をした原動機取扱手引書及び交付した国際大気汚染防止原動機証書とみなす。
3船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第三章第一節(第二十五条の四十六、第二十五条の四十九第一項、第三項及び第四項、第二十五条の五十二、第二十五条の五十四並びに第二十五条の五十七及び第二十五条の五十八第二項第二号(第二十五条の三十第四項の規定の準用に係る部分に限る。)並びに第二十五条の六十三から第二十五条の六十六までを除く。)の規定は、第一項の登録並びに前項の船級協会並びに確認、承認及び交付について準用する。この場合において、同法第二十五条の四十七第一項第一号中「別表第一」とあるのは「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律別表第一の二」と、同条第二項第一号中「この法律又はこの法律に基づく命令」とあるのは「この法律若しくは海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律又はこれらの法律に基づく命令」と読み替えるものとする。
(外国船舶に設置される原動機に関する特例)
第十九条の三から前条まで(第十九条の七第四項及び第十九条の九を除く。)の規定は、外国船舶に設置される原動機については、適用しない。ただし、本邦の各港間又は港のみを航行する外国船舶に設置される原動機については、この限りでない。
2外国船舶に設置される原動機(前項ただし書に規定するものを除く。)に係る第十九条の七第四項及び第十九条の九第一項の規定の適用については、第十九条の七第四項中「国土交通大臣の承認を受けた原動機取扱手引書(以下「承認原動機取扱手引書」という。)に従い、かつ、国土交通省令」とあり、及び第十九条の九第一項中「承認原動機取扱手引書に従い、かつ、国土交通省令」とあるのは、「国土交通省令」とする。
(第二議定書締約国の政府が発行する原動機条約証書等)
日本船舶に千九百七十三年の船舶による汚染の防止のための国際条約に関する千九百七十八年の議定書によって修正された同条約を改正する千九百九十七年の議定書(以下「第二議定書」という。)の締約国である外国(以下「第二議定書締約国」という。)において製造した原動機を設置しようとする者は、当該第二議定書締約国の政府から原動機取扱手引書に相当する図書の記載内容が第二議定書に照らし適正なものであることについての確認及び原動機条約証書(第二議定書締約国の政府が第二議定書に定める証書として交付する書面であつて、当該原動機が第二議定書に定める基準に適合していることを証するものをいう。以下同じ。)の交付を受けようとする場合には、日本の領事官を通じて申請しなければならない。
2前項の規定により確認を受けた図書及び交付を受けた原動機条約証書は、それぞれ第十九条の五の規定により国土交通大臣が承認をした原動機取扱手引書及び第十九条の六の規定により国土交通大臣が交付した国際大気汚染防止原動機証書とみなす。
(第二議定書締約国の船舶に設置される原動機に対する証書の交付)
国土交通大臣は、第二議定書締約国の政府から当該第二議定書締約国の船舶(第十九条の十六第一項ただし書に規定する外国船舶を除く。)に設置される原動機であつて本邦内において製造されるものについて国際大気汚染防止原動機証書に相当する証書を交付することの要請があつた場合において、当該原動機について放出量確認に相当する確認をし、かつ、原動機取扱手引書の承認に相当する承認をしたときは、当該原動機を設置しようとする者に対し、国際大気汚染防止原動機証書に相当する証書を交付するものとする。
(国土交通省令への委任)
放出量確認(第十九条の七第二項(同条第三項において準用する場合を含む。)及び前条に規定する放出量確認に相当する確認を含む。以下この条において同じ。)及び原動機取扱手引書の承認の申請書の様式、放出量確認の実施方法その他放出量確認及び原動機取扱手引書の承認に関し必要な事項並びに国際大気汚染防止原動機証書の様式、国際大気汚染防止原動機証書の交付、再交付及び書換えその他国際大気汚染防止原動機証書に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
(審査請求)
機構が行う小型船舶用原動機放出量確認等事務に係る処分又はその不作為については、国土交通大臣に対し審査請求をすることができる。この場合において、国土交通大臣は、行政不服審査法第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、機構の上級行政庁とみなす。
(燃料油の使用等)
何人も、海域において、船舶に燃料油を使用するときは、政令で定める海域ごとに、硫黄分の濃度その他の品質が政令で定める基準に適合する燃料油(以下「基準適合燃料油」という。)を使用しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、この限りでない。
一船舶の安全を確保し、又は人命を救助するために必要な場合
二船舶の損傷その他やむを得ない原因により基準適合燃料油以外の燃料油を使用した場合において、引き続く当該燃料油の使用による硫黄酸化物の放出を防止するための可能な一切の措置をとつたとき。
2前項本文の規定は、その品質が政令で定める基準に適合する燃料油を使用する場合において、国土交通省令で定める技術上の基準に適合する硫黄酸化物放出低減装置(船舶からの硫黄酸化物の放出量を低減させるための装置をいう。)を設置し、かつ、国土交通省令で定めるところにより使用するとき、その他国土交通省令で定める技術的措置が講じられているときは、適用しない。
3第一項本文の規定は、基準適合燃料油の入手を予定していた場所において入手できなかつた場合にとるべき国土交通省令で定める措置を講じてもなお基準適合燃料油を入手できない場合における燃料油(国土交通省令で定める品質のものを除く。)の使用については、適用しない。
4前項の規定により第一項本文の規定を適用しないこととされた燃料油の使用をしようとする船舶(外国船舶にあつては、当該燃料油を使用して本邦の港に入港をしようとし、又は本邦の沿岸の係留施設を利用しようとするものに限る。)の船長(引かれ船等にあつては、船舶所有者)は、国土交通省令で定めるところにより、その旨を国土交通大臣に通報しなければならない。
5第一項本文の規定は、硫黄酸化物の放出による大気の汚染の防止に関する試験、研究又は調査のためにする船舶における燃料油の使用であつて、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ国土交通大臣の承認を受けてするものについては、適用しない。
6前項の承認には、硫黄酸化物の放出による大気の汚染の防止のために必要な限度において、条件を付し、及びこれを変更することができる。
(燃料油変更作業手引書)
航行中に、進入しようとする海域に係る前条第一項又は第二項の政令で定める基準に適合させるため、その使用する燃料油の変更(国土交通省令で定める方法によるものに限る。)をする船舶の船舶所有者は、当該燃料油の変更に関する作業を行う者が遵守すべき事項その他の国土交通省令で定める事項を記載した燃料油変更作業手引書を作成し、これを当該船舶内に備え置かなければならない。
(燃料油供給証明書等)
国土交通省令で定める船舶の船長(引かれ船等にあつては、船舶所有者)は、当該船舶に燃料油を搭載する場合においては、揮発油等の品質の確保等に関する法律(昭和五十一年法律第八十八号)第十七条の十一第二項の規定により交付された書面(外国において燃料油を搭載する場合にあつては、当該書面に相当するものとして国土交通省令で定める要件に適合する書面。以下「燃料油供給証明書」という。)及び提出された試料(外国において燃料油を搭載する場合にあつては、当該試料に相当するものとして国土交通省令で定める要件に適合する試料。以下同じ。)を、当該燃料油を搭載した日から国土交通省令で定める期間を経過するまでの間、当該船舶内に備え置かなければならない。
2前項に定めるもののほか、燃料油供給証明書及び試料に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
(揮発性物質放出規制港湾の指定)
国土交通大臣は、揮発性有機化合物質を放出する貨物の積込みの状況その他の事情から判断して揮発性有機化合物質の放出による大気の汚染を防止するための措置を講ずる必要があると認められる港湾について、これを揮発性物質放出規制港湾として指定することができる。
2国土交通大臣は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、当該港湾の港湾管理者の意見を聴かなければならない。
3環境大臣は、船舶からの揮発性有機化合物質の放出の抑制を図るため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、港湾を特定して、第一項の指定を求めることができる。
4国土交通大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、揮発性物質放出規制港湾の名称及びその区域を公示しなければならない。
5第二項及び第三項の規定は、外国の港湾を指定する場合には、適用しない。
6前各項の規定は、第一項の規定による指定の変更又は廃止について準用する。
(揮発性物質放出防止設備等)
船舶所有者は、揮発性物質放出規制港湾において揮発性有機化合物質を放出する貨物の積込みが行われる場合には、当該船舶(その用途、総トン数、貨物の種類等の区分に応じ国土交通省令で定めるものに限る。以下「揮発性物質放出規制対象船舶」という。)に、揮発性有機化合物質の放出による大気の汚染を防止するための設備(以下「揮発性物質放出防止設備」という。)を設置しなければならない。
2前項の規定による揮発性物質放出防止設備の設置に関する技術上の基準は、国土交通省令で定める。
3揮発性物質放出規制港湾にある揮発性物質放出規制対象船舶において揮発性有機化合物質を放出する貨物の積込みを行う者は、国土交通省令で定めるところにより、揮発性物質放出防止設備を使用しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合には、この限りでない。
一揮発性物質放出規制対象船舶の安全を確保し、又は人命を救助するために必要な場合
二揮発性物質放出規制対象船舶の損傷その他やむを得ない原因により揮発性有機化合物質が放出された場合において、引き続く揮発性有機化合物質の放出を防止するための可能な一切の措置をとつたとき。
(揮発性物質放出防止措置手引書)
原油の輸送の用に供するタンカー(以下「原油タンカー」という。)の船舶所有者は、貨物として積載している原油の取扱いに関する作業を行う者が、当該原油タンカーからの揮発性有機化合物質の放出を防止するために遵守すべき事項について、揮発性物質放出防止措置手引書を作成し、これを当該原油タンカー内に備え置き、又は掲示しておかなければならない。
2前項の規定による揮発性物質放出防止措置手引書の作成及び備置き又は掲示に関する技術上の基準は、国土交通省令で定める。
3原油タンカーの船長は、第一項の揮発性物質放出防止措置手引書(以下「揮発性物質放出防止措置手引書」という。)に定められた事項を、当該原油タンカーの乗組員及び乗組員以外の者で当該原油タンカーに係る業務を行う者のうち貨物として積載している原油の取扱いに関する作業を行うものに周知させなければならない。
(二酸化炭素放出抑制航行手引書)
日本国領海等のみを航行する船舶以外の船舶であつて、総トン数が国土交通省令で定める総トン数以上のもの(国土交通省令で定める特別の用途のものを除く。以下「二酸化炭素放出抑制対象船舶」という。)の船舶所有者は、当該二酸化炭素放出抑制対象船舶を初めて日本国領海等以外の海域において航行の用に供しようとするときは、二酸化炭素放出抑制航行手引書を作成し、国土交通大臣の承認を受けなければならない。次条第一項の確認を受けなければならない二酸化炭素放出抑制対象船舶について二酸化炭素の放出量を増大させ、又は減少させるものとして国土交通省令で定める改造を行つたとき、及び二酸化炭素放出抑制対象船舶について第十九条の二十七第二項の規定により同条第一項の国際二酸化炭素放出抑制船舶証書がその効力を失つた後において初めて日本国領海等以外の海域において航行の用に供しようとするときも、同様とする。
2前項の二酸化炭素放出抑制航行手引書(以下「二酸化炭素放出抑制航行手引書」という。)には、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一当該二酸化炭素放出抑制対象船舶の航行に係る二酸化炭素の放出を抑制するための措置に関する事項
二次条第一項の確認を受けなければならない二酸化炭素放出抑制対象船舶にあつては、当該確認に係る同項に規定する二酸化炭素放出抑制指標
(二酸化炭素放出抑制指標に係る確認)
二酸化炭素放出抑制対象船舶の船舶所有者は、前条第一項の承認を受けようとするときは、あらかじめ、当該二酸化炭素放出抑制対象船舶の二酸化炭素放出抑制指標(国土交通省令で定めるところにより二酸化炭素放出抑制対象船舶を航行させる場合における当該二酸化炭素放出抑制対象船舶からの二酸化炭素の放出量であつて、当該二酸化炭素放出抑制対象船舶についてその航行に係る二酸化炭素の放出を抑制するための措置を講ずるに当たつての指標となるものをいう。以下同じ。)が、次の各号のいずれにも適合することについて、国土交通大臣の確認を受けなければならない。
一国土交通省令で定める技術上の基準により算定されていること。
二船舶の用途及び載貨重量トン数(船舶のトン数の測度に関する法律(昭和五十五年法律第四十号。第五十一条の四において「トン数法」という。)第七条第一項の載貨重量トン数をいう。)その他の船舶の大きさに関する指標に応じて国土交通省令・環境省令で定める基準に適合するものであること。
2前項の規定は、航海の態様が特殊なものとして国土交通省令で定める船舶及び構造が特殊なものとして国土交通省令で定める推進機関を備える船舶については、適用しない。
(国際二酸化炭素放出抑制船舶証書)
国土交通大臣は、第十九条の二十五第一項の規定により二酸化炭素放出抑制航行手引書を承認したときは、当該二酸化炭素放出抑制対象船舶の船舶所有者に対し、国際二酸化炭素放出抑制船舶証書を交付しなければならない。
2第十九条の三十第二項に規定する二酸化炭素放出抑制対象船舶がその船級の登録を抹消されたときは、前項の規定により当該二酸化炭素放出抑制対象船舶に交付された国際二酸化炭素放出抑制船舶証書は、その効力を失う。
3国土交通大臣は、第一項の国際二酸化炭素放出抑制船舶証書(以下「国際二酸化炭素放出抑制船舶証書」という。)を交付する場合には、当該二酸化炭素放出抑制対象船舶の用途その他の事項に関し必要な条件を付し、これを当該国際二酸化炭素放出抑制船舶証書に記載することができる。
(二酸化炭素放出抑制対象船舶の航行)
二酸化炭素放出抑制対象船舶は、有効な国際二酸化炭素放出抑制船舶証書の交付を受けているものでなければ、日本国領海等以外の海域において航行の用に供してはならない。
2二酸化炭素放出抑制対象船舶は、国際二酸化炭素放出抑制船舶証書に記載された条件に従わなければ、日本国領海等以外の海域において航行の用に供してはならない。
3前二項の規定は、第十九条の二十六第一項の確認、第十九条の三十六、第十九条の三十八、第十九条の三十九若しくは第十九条の四十一第一項の検査(以下「法定検査」という。)又は船舶安全法第五条第一項の規定による検査のために試運転を行う場合については、適用しない。
(国際二酸化炭素放出抑制船舶証書等の備置き)
国際二酸化炭素放出抑制船舶証書の交付を受けた船舶所有者は、当該二酸化炭素放出抑制対象船舶内に、当該国際二酸化炭素放出抑制船舶証書及び第十九条の二十五第一項の承認を受けた二酸化炭素放出抑制航行手引書を備え置かなければならない。
(船級協会による二酸化炭素放出抑制航行手引書の承認等)
国土交通大臣は、船級の登録に関する業務を行う者の申請により、その者を二酸化炭素放出抑制航行手引書の承認及び二酸化炭素放出抑制指標に係る確認を行う者として登録する。
2前項の規定による登録を受けた者(次項及び第五十一条の三第一項第八号において「船級協会」という。)が二酸化炭素放出抑制航行手引書の承認及び二酸化炭素放出抑制指標に係る確認を行い、かつ、船級の登録をした二酸化炭素放出抑制対象船舶は、当該船級を有する間は、国土交通大臣が当該二酸化炭素放出抑制航行手引書について第十九条の二十五第一項の承認をし、及び当該二酸化炭素放出抑制指標について第十九条の二十六第一項の確認を行つたものとみなす。
3第十九条の十五第三項の規定は、第一項の登録並びに前項の船級協会並びに承認及び確認について準用する。この場合において、同条第三項中「別表第一の二」とあるのは、「別表第一の三」と読み替えるものとする。
(証書の返納命令等)
国土交通大臣は、当該二酸化炭素放出抑制対象船舶に備え置かれた二酸化炭素放出抑制航行手引書が第十九条の二十五第二項の規定に適合しなくなつたと認めるとき、又は当該二酸化炭素放出抑制対象船舶の二酸化炭素放出抑制指標が第十九条の二十六第一項各号のいずれかに適合しなくなつたと認めるときは、当該二酸化炭素放出抑制対象船舶の船舶所有者に対し、国際二酸化炭素放出抑制船舶証書の返納、当該二酸化炭素放出抑制航行手引書の変更その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
2国土交通大臣は、前項の規定に基づく命令を発したにもかかわらず、当該二酸化炭素放出抑制対象船舶の船舶所有者がその命令に従わない場合において、その航行を継続することが海洋環境の保全等に障害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該二酸化炭素放出抑制対象船舶の船舶所有者又は船長に対し、当該二酸化炭素放出抑制対象船舶の航行の停止を命じ、又はその航行を差し止めることができる。
3国土交通大臣があらかじめ指定する国土交通省の職員は、前項に規定する場合において、海洋環境の保全等を図るため緊急の必要があると認めるときは、同項に規定する国土交通大臣の権限を即時に行うことができる。
4国土交通大臣は、第二項の規定による処分に係る二酸化炭素放出抑制対象船舶について、第一項に規定する事実がなくなつたと認めるときは、直ちに、その処分を取り消さなければならない。
(外国船舶に関する特例)
第十九条の二十五から前条までの規定は、外国船舶については、適用しない。ただし、本邦の各港間又は港のみを航行する外国船舶については、この限りでない。
(外国船舶の監督)
国土交通大臣は、本邦の港又は沿岸の係留施設にある外国船舶(前条ただし書に規定するものを除く。第十九条の五十一において「監督対象外国船舶」という。)のうち次の各号に掲げるものが当該各号に定める場合に該当するときは、当該船舶の船長に対し、二酸化炭素放出抑制航行手引書に相当する図書で第十九条の二十五第二項の規定に適合するものの備置き、二酸化炭素放出抑制指標に相当する指標の算定その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
一二酸化炭素放出抑制対象船舶に相当するもの二酸化炭素放出抑制航行手引書に相当する図書で第十九条の二十五第二項の規定に適合するものが備え置かれていないと認める場合
二第十九条の二十六第一項の規定により二酸化炭素放出抑制指標に係る確認を受けなければならない船舶に相当するもの二酸化炭素放出抑制指標に相当する指標が算定されていないと認める場合又は当該指標が同項各号のいずれかに適合していないと認める場合
2第十九条の三十一第二項から第四項までの規定は、前項の場合について準用する。この場合において、同条第二項中「船舶所有者が」とあるのは「船長が」と、「船舶所有者又は船長」とあるのは「船長」と、同条第四項中「第一項」とあるのは「第十九条の三十三第一項」と読み替えるものとする。
(第二議定書締約国の政府が発行する国際二酸化炭素放出抑制船舶条約証書)
二酸化炭素放出抑制対象船舶である日本船舶の船舶所有者又は船長は、第二議定書締約国の政府から国際二酸化炭素放出抑制船舶条約証書(第二議定書締約国の政府が第二議定書に定める証書として交付する書面であつて、当該日本船舶の二酸化炭素放出抑制航行手引書及び二酸化炭素放出抑制指標が第二議定書に定める基準に適合していることを証するものをいう。次項において同じ。)の交付を受けようとする場合には、日本の領事官を通じて申請しなければならない。
2前項の規定により交付を受けた国際二酸化炭素放出抑制船舶条約証書は、第十九条の二十七第一項の規定により国土交通大臣が交付した国際二酸化炭素放出抑制船舶証書とみなす。
(第二議定書締約国の船舶に対する証書の交付)
国土交通大臣は、第二議定書締約国の政府から当該第二議定書締約国の船舶(第十九条の三十二ただし書に規定する外国船舶を除く。)について国際二酸化炭素放出抑制船舶証書に相当する証書を交付することの要請があつた場合において、当該船舶について二酸化炭素放出抑制航行手引書の承認に相当する承認をしたときは、当該船舶の船舶所有者又は船長に対し、国際二酸化炭素放出抑制船舶証書に相当する証書を交付するものとする。
2国土交通大臣は、第二議定書締約国の船舶のうち、第十九条の二十六第一項の規定により二酸化炭素放出抑制指標に係る確認を受けなければならない船舶に相当するものについて、前項の規定により二酸化炭素放出抑制航行手引書の承認に相当する承認をしようとするときは、あらかじめ、当該船舶に係る二酸化炭素放出抑制指標に係る確認に相当する確認をしなければならない。
(国土交通省令への委任)
二酸化炭素放出抑制航行手引書の承認及び二酸化炭素放出抑制指標に係る確認の申請書の様式、二酸化炭素放出抑制指標に係る確認の実施方法その他二酸化炭素放出抑制航行手引書の承認及び二酸化炭素放出抑制指標に係る確認に関し必要な事項並びに国際二酸化炭素放出抑制船舶証書の様式、国際二酸化炭素放出抑制船舶証書の交付、再交付及び書換えその他国際二酸化炭素放出抑制船舶証書に関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
(オゾン層破壊物質)
船舶所有者は、オゾン層破壊物質を含む材料を使用した船舶(国土交通省令で定める特別の用途のものを除く。)又はオゾン層破壊物質を含む設備(オゾン層破壊物質が放出されるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)を設置した船舶(国土交通省令で定める特別の用途のものを除く。)を航行の用に供してはならない。
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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)