(拘束措置)
第4条
自衛隊法第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた自衛隊の自衛官(以下「出動自衛官」という。)は、武力攻撃が発生した事態又は存立危機事態において、服装、所持品の形状、周囲の状況その他の事情に照らし、抑留対象者に該当すると疑うに足りる相当の理由がある者があるときは、これを拘束することができる。
(拘束措置)
自衛隊法第七十六条第一項の規定により出動を命ぜられた自衛隊の自衛官(以下「出動自衛官」という。)は、武力攻撃が発生した事態又は存立危機事態において、服装、所持品の形状、周囲の状況その他の事情に照らし、抑留対象者に該当すると疑うに足りる相当の理由がある者があるときは、これを拘束することができる。
(危険物等の検査)
出動自衛官は、前条の規定により拘束した者(以下「被拘束者」という。)については、その所持品又は身体について危険物(銃砲、銃剣、銃砲弾、爆発物その他の軍用の武器及びこれらに準ずる物であって、人の生命又は身体に危険を生じさせるものをいう。次項において同じ。)又は軍用書類(地図、軍用規則、命令書、計画書その他の軍用に供する書類をいう。以下同じ。)を所持しているかどうかを調べることができる。
2出動自衛官は、前項の規定による検査の結果、危険物又は軍用書類を発見したときは、次条第一項又は第二項の規定による引渡しの時までこれを取り上げ、又は直ちに廃棄することができる。
(被拘束者の引渡し等)
出動自衛官は、第四条の規定による拘束をしたときは、防衛大臣の定めるところにより、速やかに、被拘束者を指定部隊長(自衛隊法第八条に規定する部隊等であって、連隊、自衛艦その他の防衛省令で定めるものの長をいう。以下同じ。)に引き渡さなければならない。
2出動自衛官は、前項の規定にかかわらず、指定部隊長よりも近傍に抑留資格認定官(方面総監、地方総監又は航空方面隊司令官その他政令で定める部隊等の長をいう。以下同じ。)が所在するときは、防衛大臣の定めるところにより、被拘束者を当該抑留資格認定官に引き渡すことができる。
3出動自衛官は、前二項の規定による引渡しをする場合には、防衛省令で定めるところにより、拘束の日時及び場所その他必要な事項をその引渡しをする指定部隊長又は抑留資格認定官に報告しなければならない。
(被拘束者に対する特例措置)
出動自衛官は、前条第一項又は第二項の規定にかかわらず、被拘束者の心身の状況、利用可能な輸送手段その他の事情を考慮し、被拘束者がこれらの規定による引渡しのための移動に耐えられないと認めるに足りる相当の理由があるときは、戦闘行為の直接の危険から回避することができる近傍の場所への移動、適切な医薬品等の給与その他の当該被拘束者の状況に応じて可能な範囲の安全措置を講じた上で、直ちに当該被拘束者を放免することができる。
(指定部隊長による確認)
指定部隊長は、第六条第一項の規定により被拘束者の引渡しを受けたときは、速やかに、当該被拘束者について、その氏名、階級又は地位(以下「階級等」という。)、生年月日及び身分証明書番号等(身分証明書番号、個人番号その他これに類する個人を識別するために付された数字、記号又は符号をいう。以下同じ。)を確認しなければならない。
2指定部隊長は、前項の規定による確認を行うために必要な範囲内において、被拘束者に対し、質問し、又は身分証明書その他の所持品を検査することができる。
3指定部隊長は、第一項の規定による確認の結果について、確認記録を作成しなければならない。
4確認記録には、次に掲げる事項を記載し、かつ、指定部隊長がその識別符号(個人を識別するために防衛大臣の定めるところにより指定部隊長に付された数字、記号又は符号をいう。)を記入しなければならない。
一被拘束者の氏名、階級等、生年月日及び身分証明書番号等
二拘束の日時及び場所
三作成年月日
四その他防衛省令で定める事項
5指定部隊長は、防衛大臣の定めるところによりその指揮監督する自衛官の中から指定した者に、第二項の規定による処分を行わせることができる。
(確認後の措置)
指定部隊長は、前条第一項の規定による確認の結果、被拘束者が抑留対象者に該当しないと判断したときは、直ちに、当該被拘束者にその旨の通知をしなければならない。
2前項の通知をする場合には、指定部隊長は、当該被拘束者に対し、次条に規定する抑留資格認定官による抑留資格認定を受けることができる旨を告知しなければならない。
3第一項の場合において、被拘束者が抑留対象者に該当しない旨の判断に同意したときは、指定部隊長は、当該被拘束者に対し、当該判断に同意する旨を記載した文書に署名させるとともに、前条第四項の規定による確認記録の写しを交付の上、直ちにこれを放免しなければならない。
4前項の規定により放免する場合を除き、指定部隊長は、防衛大臣の定めるところにより、遅滞なく、被拘束者を確認記録とともに管轄の抑留資格認定官に引き渡さなければならない。
(抑留資格認定)
抑留資格認定官は、第六条第二項又は前条第四項の規定により被拘束者の引渡しを受けたときは、速やかに、当該被拘束者が抑留対象者に該当するかどうかの認定(抑留対象者に該当する場合にあっては、第三条第六号イからルまでのいずれに該当するかの認定を含む。以下「抑留資格認定」という。)をしなければならない。
(抑留資格認定のための調査)
抑留資格認定官は、抑留資格認定のため必要があるときは、被拘束者を取り調べることができる。
2抑留資格認定官は、抑留資格認定のため必要があるときは、参考人の出頭を求め、当該参考人を取り調べることができる。この場合において、当該参考人が他の抑留資格認定官の管理する収容区画等(第百七十二条第一項に規定する区画又は施設をいう。)に留め置かれ、又は捕虜収容所に収容されている者であるときは、抑留資格認定官は、当該他の抑留資格認定官又は捕虜収容所長に対し、当該参考人の取調べを依頼することができる。
3抑留資格認定官は、抑留資格認定のため必要があるときは、被拘束者の所持品又は身体の検査をすることができる。ただし、女性の被拘束者の身体を検査する場合には、緊急を要するときを除き、女性の自衛隊員(自衛隊法第二条第五項に規定する隊員をいう。第百六十八条第一項において同じ。)にこれを行わせなければならない。
4抑留資格認定官は、抑留資格認定のため必要があるときは、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
5抑留資格認定官は、防衛大臣の定めるところによりその指揮監督する自衛官の中から指定した者(以下この節において「認定補佐官」という。)に、前各項の規定による調査を行わせることができる。
(認定調査記録の作成)
抑留資格認定官は、前条第一項から第四項までの規定による調査を行ったときは、その結果について、認定調査記録を作成し、かつ、自らこれに署名しなければならない。ただし、同条第五項の規定により認定補佐官が当該調査を行ったときは、当該認定補佐官が、その認定調査記録を作成し、かつ、これに署名するものとする。
2前条第二項の規定により参考人の取調べを依頼された抑留資格認定官又は捕虜収容所長についても、前項と同様とする。
(放免)
抑留資格認定官は、調査の結果、被拘束者が抑留対象者に該当しない旨の抑留資格認定をしたときは、防衛省令で定めるところにより、直ちに、当該被拘束者にその旨の通知をしなければならない。
2前項の通知をする場合には、抑留資格認定官は、当該被拘束者に対し、次条第一項の規定による資格認定審査請求をすることができる旨を告知しなければならない。
3第一項の場合において、被拘束者が同項の抑留資格認定に同意したときは、抑留資格認定官は、当該被拘束者に対し、当該認定に同意する旨を記載した文書に署名させるとともに、次項の規定による放免書を交付の上、直ちにこれを放免しなければならない。第一項の通知を受けた被拘束者が次条第一項の規定による資格認定審査請求をしなかったときも、同様とする。
4前項の規定により交付される放免書には、次に掲げる事項を記載し、かつ、抑留資格認定官がこれに記名押印しなければならない。
一被拘束者の氏名及び生年月日
二拘束の日時及び場所
三放免の理由
四交付年月日
五その他防衛省令で定める事項
(資格認定審査請求)
前条第一項の通知を受けた被拘束者は、同項の抑留資格認定に不服があるときは、その通知を受けた時から二十四時間以内に、政令で定めるところにより、不服の理由を記載した書面(次項において「審査請求書」という。)を抑留資格認定官に提出して、捕虜資格認定等審査会に対し、資格認定審査請求をすることができる。
2抑留資格認定官は、前項の資格認定審査請求があったときは、捕虜資格認定等審査会に対し、審査請求書、認定調査記録その他の関係書類を送付しなければならない。
(仮収容)
抑留資格認定官は、被拘束者が前条第一項の資格認定審査請求をしたときは、次項の規定による仮収容令書を発付し、当該被拘束者を仮に収容するものとする。
2前項の規定により発付される仮収容令書には、次に掲げる事項を記載し、かつ、抑留資格認定官がこれに記名押印しなければならない。
一被拘束者の氏名及び生年月日
二拘束の日時及び場所
三発付年月日
四その他防衛省令で定める事項
3仮収容令書は、認定補佐官が執行するものとする。
4認定補佐官は、仮収容令書を執行するときは、その仮に収容される者に仮収容令書を示して、速やかに、その者を捕虜収容所長に引き渡さなければならない。
5捕虜収容所長は、前項の規定による引渡しを受けたときは、当該引渡しを受けた者を捕虜収容所に収容するものとする。
(抑留資格認定に係る処分)
抑留資格認定官は、被拘束者が抑留対象者(第三条第六号ロ、ハ又はニに掲げる者(以下この条、次条及び第百二十一条第二項において「軍隊等非構成員捕虜」という。)を除く。)に該当する旨の抑留資格認定をしたときは、防衛省令で定めるところにより、直ちに、当該被拘束者にその旨の通知をしなければならない。
2抑留資格認定官は、被拘束者が抑留対象者(軍隊等非構成員捕虜に限る。)に該当する旨の抑留資格認定をする場合においては、併せて、当該被拘束者を抑留する必要性についての判定をしなければならない。この場合において、当該被拘束者の抑留は、武力攻撃又は存立危機武力攻撃を排除するために必要な自衛隊の行動を円滑かつ効果的に実施するため特に必要と認めるときに限るものとし、抑留資格認定官は、あらかじめ、その判定について、防衛大臣の承認を得なければならない。
3抑留資格認定官は、被拘束者が抑留対象者(軍隊等非構成員捕虜に限る。)に該当する旨の抑留資格認定をしたときは、防衛省令で定めるところにより、直ちに、当該被拘束者にその旨及び前項の判定の結果を通知しなければならない。
4第一項又は前項の通知をする場合には、被拘束者(軍隊等非構成員捕虜に該当する旨の抑留資格認定を受け、かつ、第二項の規定により抑留する必要性がない旨の判定を受けた者を除く。)に対し、第百六条第一項の資格認定審査請求をすることができる旨を告知しなければならない。
5抑留資格認定官は、第一項又は第三項の通知及び前項の告知をした後、同項に規定する被拘束者に対し、速やかに、第十八条の規定による抑留令書を発付し、これを抑留するものとする。
(放免)
抑留資格認定官は、被拘束者(軍隊等非構成員捕虜に該当する旨の抑留資格認定を受け、かつ、前条第二項の規定により抑留する必要性がない旨の判定を受けた者に限る。)に対し、同条第三項の通知をする場合には、第四項の資格認定審査請求をすることができる旨を告知しなければならない。
2前項の場合において、同項に規定する被拘束者が、軍隊等非構成員捕虜に該当する旨の抑留資格認定及び前条第二項の規定による抑留する必要性がない旨の判定に同意したときは、これに同意する旨を記載した文書に署名させるとともに、次項の規定による放免書を交付の上、直ちにこれを放免しなければならない。前項に規定する被拘束者が第四項の資格認定審査請求をしなかったときも、同様とする。
3前項の規定により交付する放免書には、次に掲げる事項を記載し、抑留資格認定官がこれに記名押印しなければならない。
一被拘束者の氏名、階級等、生年月日及び身分証明書番号等
二拘束の日時及び場所
三放免の理由
四交付年月日
五その他防衛省令で定める事項
4第一項に規定する被拘束者は、軍隊等非構成員捕虜に該当する旨の抑留資格認定又は前条第二項の規定による抑留する必要性がない旨の判定に不服があるときは、同条第三項の通知を受けた時から二十四時間以内に、政令で定めるところにより、不服の理由を記載した書面を抑留資格認定官に提出して、捕虜資格認定等審査会に対し、資格認定審査請求をすることができる。
5第十四条第二項及び第十五条の規定は、前項の資格認定審査請求があった場合について準用する。
(抑留令書の方式)
第十六条第五項の規定により発付される抑留令書には、次に掲げる事項を記載し、抑留資格認定官がこれに記名押印しなければならない。
一被拘束者の氏名、階級等、生年月日及び身分証明書番号等
二拘束の日時及び場所
三抑留資格(抑留資格認定において当該被拘束者が該当すると認められた第三条第六号イからルまでの区分をいう。以下同じ。)
四発付年月日
五その他防衛省令で定める事項
(抑留令書の執行)
抑留令書は、認定補佐官が執行する。
2認定補佐官は、抑留令書を執行するときは、その抑留される者に抑留令書を示して、速やかに、その者を捕虜収容所長に引き渡さなければならない。
3捕虜収容所長は、前項の規定による引渡しを受けたときは、当該引渡しを受けた者を捕虜収容所に収容するものとする。
(逃走者に対する措置)
抑留資格認定官は、第六条第二項又は第九条第四項の規定により被拘束者の引渡しを受けた場合において、当該被拘束者が抑留令書によって抑留されていた者であって逃走したものであることが判明したときは、第十六条の規定にかかわらず、当該被拘束者に対し、当該抑留令書により再び抑留する旨を告げた上、直ちにこれを捕虜収容所長に引き渡すものとする。
2捕虜収容所長は、前項の規定による引渡しを受けたときは、その引渡しを受けた者に対し、できる限り速やかに抑留令書を示さなければならない。
(防衛省令への委任)
この節に定めるもののほか、抑留資格認定の手続に必要な事項は、防衛省令で定める。
(他の法令による身体拘束手続との関係)
抑留資格認定官は、次に掲げる者であって抑留対象者に該当すると思料するものがある場合には、第四条の規定によりその身体を拘束しないときであっても、その者について第十一条(第三項を除く。)の規定の例により抑留資格認定のための調査を行うことができる。
一刑事事件又は少年の保護事件に関する法令の規定によりその身体を拘束されている者
二出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第四十条(第四十四条の四第四項において準用する場合を含む。)に規定する収容令書又は入管法第五十一条に規定する退去強制令書の発付を受けて収容されている者
2抑留資格認定官は、前項の規定による調査の結果、同項第二号に掲げる者が抑留対象者に該当すると認めるときは、その者について、第十六条の規定の例により、抑留令書を発付した上、入国警備官(入管法第二条第十三号に規定する入国警備官をいう。)からその者の引渡しを受け、これを抑留することができる。
(第三条約の締約国からの移入)
抑留資格認定官は、第三条約の我が国以外の締約国の軍隊その他これに類する組織によりその身体を拘束されている外国人であって抑留対象者に該当すると思料するものがある場合には、防衛大臣の定めるところにより、第四条の規定によりその身体を拘束しないときであっても、その者について第十一条(第三項を除く。)の規定の例により抑留資格認定のための調査を行うことができる。
2前項の規定による調査の結果、同項の外国人が抑留対象者に該当し、かつ、我が国において抑留することが相当であると認めるときは、当該外国人について、第十六条の規定の例により、抑留令書を発付した上、同項の締約国の官憲から当該外国人の引渡しを受け、これを抑留することができる。
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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)